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第1部   時代を拓く科学技術
第2章  1980年代科学技術発展の展望
第2節  期待される科学技術の進展
7.  海洋開発


今後の我が国の社会・経済は,大きな可能性を秘めている海洋の生物資源,海水・海底資源,エネルギー及び空間に相当程度期待することとなろう。

すなわち,動物性たん白質資源としての海洋生物資源,石油,天然ガス,マンガン団塊等の海底資源,海水溶存ウラン,淡水等の海水資源に対する依存は大きく,エネルギーについては波力,海洋温度差等の海洋エネルギー利用が期待される。また海洋空間の利用についてもより深い海域へと拡大するものと予想される。

このように重要な海洋開発の推進のためには,海洋,特に我が国の200海里水域を中心とした調査・観測・監視体制を確立するとともに,海域の開発利用及び保全に対して総合的な計画と管理を実施し,また新国際海洋秩序への対応及び国際協力を積極的に進めていかなければならない。さらにこれらの方策を推進するための体制,法制の整備も重要である。そして,1980年代にはこうした方策のもとで海洋開発に関する研究活動が以下のように大きく展開するものと予想される。

海洋生物資源については,その培養技術や未利用低利用資源の開発技術の研究開発が進められるであろう。

海底資源については,特にマンガン団塊の開発が期待されており,探査技術,採鉱技術,製錬技術,輸送技術等の研究開発が推進され,1990年頃には商業ベースの生産が開始されるであろう。

海水資源については,海水溶存ウラン回収技術開発のため,モデルプラント等の建設,運転,評価が行われ,1990年代には商業プラントも建設されるであろう。また海水淡水化技術も大幅に進むものと考えられる。

海洋エネルギー開発については,前にも述べたように各種プラントが建設され,研究開発が進められるであろう。

海洋空間については,生活・レクリエーションの場,埋立による工業及び宅地立地,交通輸送の場,廃棄物処理の場等としての利用が考えられ,これらを実現するための関連技術開発が推進されるであろう。

海域の総合的な利用に関しては,共存利用技術,多目的利用技術,海域制御技術等の研究開発が進められるであろう。

海洋環境保全のためには,各種の海洋汚染防止技術のほか,観測技術,環境アセスメント技術等の研究開発が推進されるであろう。

海洋調査研究としては,海洋大循環モデルの確立,潮汐の精密予測,波浪調査,海洋基礎図の整備,海洋測地網の整備等がさらに進められることとなろう。

このほか海洋開発全般に関係する海洋リモートセンシング技術,海中動力源技術,海洋探査技術等の共通技術開発も大きく推進されることとなろう。


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