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第1部   時代を拓く科学技術
第2章  1980年代科学技術発展の展望
第1節  80年代科学技術の概観


石油をはじめとする物質的な資源に乏しく,狭い国土に数多くの国民が生活している我が国が,厳しい制約を乗り越え,国民生活の質を一層向上させ,新経済社会7カ年計画で見込まれている年平均実質経済成長率5.5%を確保していくためには,科学技術の発展を基礎とした技術革新が大きな役割を担っているといっても過言ではない。

戦後35年,我が国における科学技術の発展は,先進諸国からの技術導入の消化吸収に負うところが大きかったが,今日の我が国の状況をみれば,一部の分野を除いて欧米諸外国との技術格差は著しく縮小し,その技術水準はほぼ同程度にまで達した観がある。世界的にみて革新的な技術の出現が停滞傾向にあると言われ,工業先進国としての現在の我が国の国際社会における立場とをあわせ考えると,従来のような導入技術に安易に依存することは許されず,また導入技術を基とした技術改良の余地も少ないものと考えなければならない。

科学技術の革新的な飛躍を図るためには,基礎科学の振興等科学技術発展の基礎を強化し,創造的な人材を育成することによって自主技術開発力を高める必要があろう。自主技術開発によって,我が国の特性に適合し国際協調にも資する独創的な技術を開発し,経済発展の原動力とするとともに国際的なバーゲニングパワーとする「科学技術立国」の推進が80年代には特に要請される。

ここでは,80年代を中心にして,今後重要とされる科学技術分野について,科学技術会議第6号答申「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について(昭和52年)」,通商産業省産業構造審議会「80年代の通産政策ビジョン(昭和55年)」,科学技術庁「民間企業の研究活動に関する調査(昭和54年度)」をもとに取り上げてみることにする。


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