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第1部   時代を拓く科学技術
第1章  戦後から現在までの科学技術発展の軌跡
第1節  戦後及び1950年代


1945年(昭和20年)の戦争終結から1950年代末までの15年間は,戦後の混乱期を経て,復興から経済の自立,そして技術革新による高度経済成長へとつながる時代である。

戦災によって,我が国の社会経済は大きな被害を受け,その再建は当初は予想もつかない程困難なものであった。

終戦直後の混迷と不安を最も象徴的にあらわしていたのは,深刻な食糧難,伝染病の流行等,インフレーションの急激な進行などであった。これらの社会的経済的混乱に加え,終戦直後には台風などの大きな災害が発生し,戦災によって焦土化した国土に襲いかかった。

この時代に先ず急がれたのは,このような緊急事態への対処であり,また経済の復興であった。疲弊した日本経済を1日も早く拡大再生産の軌道に乗せなければならないことが強く認識され,政府は金融緊急措置とともに傾斜生産方式を決定した。また,戦後のインフレ整理を進めるためドッジ・ラインが決定され,超均衡財政と360円レートが設定された。ドッジ・ライン実施に伴う合理化政策が遂行されているさなか,1950年(昭和25年)朝鮮戦争が勃発し,我が国に大量の特需と輸出の増大をもたらした。この結果,産業は設備の近代化のための投資源資を手に入れ,外国技術の導入によって生産力の増強と国際競争力の強化が行われた。また,政府も外資法,企業合理化促進法の制定,重要産業の育成計画の策定などの諸施策を50年代前期に行い,我が国産業の体質強化に努めた。

1955〜57年は「数量景気」とそれに続く「神武景気」により経済は順調に成長し,日本経済の諸指標は戦前水準まで回復した。しかしながら,国際的には,1人当たり国民所得で見ると米国の約1割に過ぎず,ヨーロッパ各国からも大きく離されていた。50年代後半の成長は,主に民間設備投資によってもたらされたものであり,このもととなったのは技術導入に根ざした技術革新投資意欲であった。

1958年(昭和33年)には「なべ底景気」となるが,59年以降景気は急速な回復を示し,「岩戸景気」となり,60年代の高度成長へと結びついた。

以上が戦後及び1950年代の主な時代推移であるが,次にこの時代における科学技術の特徴についてみてみることにする。


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