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第3部  政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
5  特許制度の改善


近年の急速な技術革新の進展,商品デザインの多様化等の原因により,工業所有権の出願件数はおおむね増加の一途をたどり,また,技術内容の高度化,システム化,細分化及び審査資料の累積は審査負担を増大させている。

昭和45年度の特許法改正により審査請求制度が導入された。それまでは権利化を必ずしも′欲しない防衛出願などもすべて審査すべきこととされていたのが,新たに審査請求のあった出願のみ審査されることとなった。更に,より一層の迅速かつ的確な特許権の付与という要請にこたえるため,特許庁では審査官,審判官などの増員や審査,審判資料の整備を進めるとともに審査資料の機械検索システムの開発,出願事務の機械化などを行っている。

更に,近年における国家間の経済活動,技術交流の進展に伴い,工業所有権の分野においてもパリ条約を基礎とした従来の体制を更に一歩深め,国際段階における手続の統一,簡素化,調査,審査における協力等を目指した動きが活発化してきている。

国際特許分類(IPC)に関するストラスプール協定は,締約国が特許,実用新案等につき共通の分類を採用することにより,特許文献の整理等における国際協力を確立することを目的として,1971年に採択されたものであり,1975年10月に発効している。我が国は昭和51年8月に批准書の寄託を済ませ,52年8月18日から効力を生じている。国内審査体制も53年10月よりIPCに合わせて再編成された。

また,特許協力条約(PCT)は,現在の各国別の審査という体制に対し,単一の国際出願,国際調査機関での調査等によって,国際的な特許の取得を容易にすることを目的として1970年6月に締結され,同条約は1978年1月に発効している。我が国は,昭和53年7月に批准書の寄託を済ませ,53年4月に国内法の改正が国会で可決され,政省令の整備も53年7月に完了し53年10月より実際の効力を生じている。微生物の寄託に関するブタペスト条約(52年4月ブタペストで開催された外交会議で採択)に関しては諮問委員会が行われており日本もメンバーとなっている。日本は国内体制の整備,国際委託機関の選定等の準備が整った後加入の時期を決める予定である。

二国間の問題としては,中華人民共和国との間における商標権の相互保護を図ることが従来から強く要請されていたが,昭和52年9月,日中間の商標保護に関する協定が調印され,同年11月国会の承認を得て,53年1月発効のための通告書簡の交換が行われ,同年3月1日に発効した。

更に,近年公開公報の発行増等に対応して,迅速かつ的確な特許情報の提供が強く要請されているが,これについてはIPCによる審査資料の整備を行うことや,民間情報提供機関の育成強化を図っている。


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