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第3部  政府の施策
第2章  政府機関などにおける研究活動
4  多分野の協力による研究開発の推進
(5)  防災科学技術の推進


地震,風水害,雪害等の各種災害を受け易い我が国にとって,災害の原因を解明するとともに,災害の未然防止,被害の軽減化等を目的とする防災科学技術の推進は極めて重要である。

政府における防災科学技術の推進のうち,まず地震予知は,世界有数の地震多発国である我が国にとって緊要な課題となっている。

我が国の地震予知は,文部省測地学審議会の地震予知計画の建議に沿い,国立防災科学技術センター,国立大学,気象庁,国土地理院,工業技術院地質調査所,海上保安庁水路部等が分担して観測研究体制を整備するとともに,各種観測,研究を推進している。これらの観測,研究の結果は,「地震予知連絡会」に持ち寄り,情報を交換し,地震予知に関する評価,検討を行っている。

特に,昭和51年秋,東海地域に大地震発生の可能性が指摘されたのを契機として,地震予知推進本部を内閣に設置し,当地域に,各種観測網の整備を行うとともに,地震,地殻変動(伸縮,傾斜,体積歪),験潮,地下水等の観測データをテレメータにより気象庁の24時間常時監視体制に集中してぃる。これにより得られたデータに異常が発生した場合,昭和52年4月に地震予知連絡会の中に設置された「東海地域判定会」が大地震発生の可能性を緊急に判定することとしている。

このような体制整備の結果,東海地域については,マグニチュード8クラスの巨大地震の前兆をとらえ,予知する可能性が生じてきた。

このような成果を受けて第84回国会において大規模地震対策特別措置法が制定され,昭和53年12月に施行された。この法律は,大規模な地震による被害を軽減するための事前対策を目的としたものであり,内閣総理大臣は,中央防災会議に諮問し,あわせて関係都道府県知事の意見を聴取した上で大規模な地震が発生するおそれが特に大きいと認められ,防災対策を強化する必要がある地域を地震防災対策強化地域として指定することとしている。更に当該地域に関する地震予知情報は,気象庁長官から内閣総理大臣へ報告することとなっており,これを受けて,内閣総理大臣は,閣議にかけて警戒宣言を発することとされている。

また,昭和53年7月には,測地学審議会において第4次地震予知計画(昭和54年度を初年度とする5か年計画)が取りまとめられた。地震予知推進本部においては,本5か年計画を円滑に推進し,「大規模地震対策特別措置法」を実効あるものとするために,関係省庁の連携,協力の下に,観測,研究の一層の拡充,強化を図るとともに,データの集中・処理体制の整備,常時監視体制の整備を図るなど,地震予知の強力な推進を図ることとしている。

次に,地震防災対策研究については,土木構造物,建築設計の技術基準に反映させるべく,建築・土木構造物等の耐震研究が行われた。また,大震火災研究,大型耐震施設を使った研究,港湾構造物の耐震研究が国立試験研究機関で行われており,我が国のこの分野における研究は,世界で最も進んだ水準にある。このほか,強震観測については科学技術庁国立防災科学技術センターを中心に,関係試験研究機関の観測情報の交換,連絡等を行ってきたが,53年8月1日科学技術庁資源調査会より,地盤の強震観測の推進に重点をおいた「地震危険度推定に必要な強震観測に関する勧告」が出され,これらの事業の一層の推進が要望されている。火山噴火予知については,文部省測地学審議会の火山噴火予知計画の建議に沿い,国立大学,気象庁,国土地理院等が観測,研究体制を整備するとともに,各種の観測,研究を推進している。これらの観測,研究の成果は,「火山噴火予知連絡会」に持ち寄り,情報を交換し,火山噴火予知に関する評価,検討及び総合的判断を行っている。

また,火山噴火防災対策研究については,インドネシアとの国際協力として,火山地帯における砂防工法の研究がなされたほか,昭和53年10月の有珠山の泥流の発生を契機に,泥流の発生・発達流下機構の研究が実施された。

気象・水象災害対策研究については,波浪,高潮等の観測・調査・研究,台風の研究,豪雨に関連するじょう乱の研究等の気象現象の解明,圧雪,生活関連の雪処理,なだれ対策等の雪害対策研究などが引き続き実施された。

地表変動災害対策研究については,地すべり,がけくずれについての危険度判定法の開発研究,地すべり斜面の内部応力,間隙水圧の測定,斜面安全化の研究や地盤沈下対策研究が実施された。

火災・爆発災害対策研究については,無機構造材料,無機建材等の防火材料の研究,建築物の防火に関する研究,トンネル内の火災・爆発対策等の研究が行われた。また,火災に関する総合的研究として石油コンビナートの防火研究,地下街・高層建物の火災対策研究,煙の化学組成に関する研究,消火器の消火能力評価の研究が実施された。

第3-2-17表 に我が国の防災科学技術関係予算を示す。このうちから地震予知関係予算を取り出し 第3-2-18表 に示す。

第3-2-17表 防災科学技術関係予算

第3-2-18表 地震予知関係予算の概要


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