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第1部  柔軟性のある研究体制への指向
第2章  多様化する要請への対応
第2節  柔軟性のある研究体制への指向
5  柔軟性のある研究体制への指向


前節では,多様な要請にこたえる研究開発の推進のために,主として開発研究を行っている民間企業側から視点をあて,民間企業の研究活動の展開方向を通じて,基礎・応用研究組織の研究活動,研究成果の交流の状況などについてみてきた。

しかしながら,現状においては各組織の閉鎖性が強く,特に主として基礎研究を行っている大学や,主として応用研究を行っている国立研究機関等と,主として開発研究を行っている民間企業との間の交流が必ずしも十分に行われておらず,国全体として研究費の使用や人材の活用などの面で効率的な研究体制となっているとは言いがたい面も見受けられる。基礎・応用組織の成果が開発組織のシーズとなり,そのシーズを基にして多様化するニーズにこたえる開発研究を一層展開していくためには,大学においては,学問上の要請とともに社会的要請に対して受容することができる柔軟な研究体制を目指す必要があり,国立研究機関においては,短期的,長期的な社会経済の要請に対して,積極的に受容することができる柔軟な研究体制を目指す必要があるとともに,開発研究組織においては,脆弱化しつつある基礎・応用研究投資の補填やシーズの効率的収集の上から,基礎・応用研究組織の活用を推進する体制造りが必要となろう。

現在,基礎・応用研究組織の研究成果が開発研究組織のシーズとして十分に機能していない原因としては,次のような事項が挙げられる。

1) 基礎・応用研究組織と開発研究組織において,同分野の研究でも各組織により目標の設定や成果の評価方法の違いなど各組織ごとの独自性が強いことから,それぞれの研究成果が多様化した要請に対応可能となるような共通の資産として蓄積しにくいこと。
2) 基礎・応用研究組織の成果の蓄積が,我が国の柔軟でない体制によって十分には情報流通されていないこと。
3) 研究活動の交流を進める場合,民間企業からみると基礎・応用研究組織側に開発研究組織の努力だけでは打開できない阻害要因があること。

今後,多様化する要請は以前にも増しても強まると予想されるなかで,研究活動は研究者の増加や研究投資の拡大が厳しい状況の下で,国全体としてより効率的な研究活動が望まれており,各研究組織の役割分担を考えた場合,上記の阻害要因を克服し,基礎・応用研究組織と開発研究組織との連携を強力に推進することが今後の大きな課題といえよう。


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