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第1部  柔軟性のある研究体制への指向
第1章  我が国の研究活動の特徴
第2節  安定成長移行期における研究活動
2  基礎・応用段階の研究投資の減退が続く民間企業


研究活動は,一般に,1)科学的知識の拡大を目指す基礎研究,2)基礎研究の成果に応用目的を持たせ,開発段階の直接的な基盤とする応用研究,3)基礎・応用研究及び実際の経験から得た知識を基に,新しい材料,装置,製品,システム,工程などを作り出し,あるいは改良することを目的とする開発研究 (注) という三つの性格別研究に区分される。

最近の我が国における研究投資動向で留意すべき特徴として,民間企業の基礎・応用研究段階への投資の減退及び停滞傾向が続いていることが挙げられる。

第1-1-11図 は,会社の研究費の性格別構成比の推移を昭和42,47,52年度についてみたものであるが,基礎・応用研究費の構成比はそれぞれ38.6%,30.8%,23.9%と減少が著しい。

第1-1-12図 は,会社の性格別研究費について資本金規模別に示したものである。同図に示すように会社における基礎・応用研究費は,資本金10億円以上の大企業が全体の9割以上を支出している。

基礎・応用研究が次の技術開発の種(シーズ)を生み出す源泉であることはよく知られているが,開発研究の成果が直ちに企業業績に結び付くことが多いのに対し,基礎・応用研究は長期的な見通しに基づいた活動であり,成果が必ずしも利益に結び付くとは限らない不確実性の強い研究活動である。このため,研究余力のある大企業が基礎・応用研究段階を担っていると言えよう。

第1-1-13図 は,会社の基礎・応用研究活動の中心である資本金10億円以上の企業層を取り上げ,その1社当たりの性格別研究費(実質)の推移をみたものである。

同図に示すとおり開発研究は,石油危機直後の昭和49,50年度にマイナス成長を示したが,51年度以降対前年度比5%前後のプラス成長となっている。しかしながら基礎・応用研究については,40年度後半以降,横ばいないしマイナス成長と,基礎・応用研究段階への投資の減退及び停滞傾向が続いており,民間企業の研究投資動向は開発研究指向となっている。


(注)総理府統計局「科学技術研究調査報告」で使われている用語で,いわゆる「開発(Development)」に当たる。

第1-1-11図 会社の研究費の性格別構成比の推移

第1-1-12図 会社資本金規模別の性格別研究費

(昭和50〜52年度平均)

第1-1-13図 会社の性格別研究費(実質)の対前年度増減割合

(資本金10億円以上の企業1社当たり)


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