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第1部  柔軟性のある研究体制への指向
第1章  我が国の研究活動の特徴

我が国は,現在,高度成長時代から安定成長時代への移行期にある。そして,新しい安定的な発展を続ける社会経済を実現するためには,高度成長に伴って顕在化した環境問題,安全問題の克服,また,安定成長時代への転換の契機となった資源・エネルギー問題への対応,国際協調などに留意しながら経済的成長を確保するための産業構造,貿易構造への転換など,それぞれ密接に関連した多様な課題を解決する必要があり,これらの解決手段の一つとして科学技術の進歩に対する要請も強いものがある。

科学技術会議は,昭和52年5月諮問第6号「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」に対する答申において,「エネルギー,食糧等の資源のひっ迫,先進工業国の環境問題,開発途上国を中心とする人口の増大等,今日の世界はかってない大きな変化の時代を迎えようとしている。

我が国においても,従来の高度成長から安定成長への移行,高齢化社会への推移等転換期にさしかかり,社会における人々の価値観,生活様式も今後ますます多様化するものと考えられている。

このような状況の下において,社会的要請を的確には握しつつ,我が国の長期にわたる安定的発展基盤を確保し,国民の「生活の質」の向上を図っていくためには,長期的見通しの下に,時宜に適した弾力的な政策運営を図っていくことが要請される。」と指摘している。

本章においては,主に昭和40年代後半以降に深刻化,あるいは顕在化したこのような多様な要請が,今後も形を変え,種類を変えて出現してくるのであろうという認識の下に,まず,1)社会経済からの要請の多様化に対応してみられる最近の技術開発の特徴を概観する。次いで,2)多様な要請にこたえるための基盤となる我が国の研究活動の全体的な現況と,3)社会経済の要請に直接こ想える開発研究組織を中心にした研究活動の特徴を分析し,今後の課題を考えることとする。


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