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第3部   政府の施策
第2章  政府機関などにおける研究活動
4  多分野の協力による研究開発の推進
(5)  防災科学技術の推進


地震,風水害,雪害等の災害を受けやすい我が国にとって,災害の原因を解明するとともに,災害の未然防止,被害の軽減化等を目的とする防災科学技術の推進は極めて重要である。

このため,震災対策に関するものとしては地震予知研究,大震火災対策に関する研究,大型耐震実験施設による研究など,風水害対策に関しては大型降雨実験の推進など,危険物災害対策に関しては石油コンビナート等の災害防止に関する研究など,雪害対策に関しては豪雪時における降積雪の監視システム並びに降雪過程に関する総合研究など,火災対策に関しては防火建材等に関する研究など,その他の災害対策に関するものとしては鉱山災害防止のための研究,労働災害防止に関する研究などが各省庁で行われている。これら防災科学技術の関係予算については 第3-2-17表 に示す。

第3-2-17表 防災科学技術関係予算

これら防災科学技術の推進のうち,なかでも地震予知は,世界有数の地震多発国である我が国にとって緊要の課題となっている。

我が国の地震予知研究は,文部省測地学審議会の3次にわたる地震予知計画の建議に沿い,気象庁,国土地理院,工業技術院地質調査所,国立防災科学技術センダー,海上保安庁水路部,国立大学等が分担して観測網を整備するとともに,観測,研究を推進している。これらの観測,測量の結果は,「地震予知連絡会」に持ち寄り,情報を交換し,これらの情報に基づいて地震予知に関する評価,検討を行っている。

また,東海地域における大地震発生の可能性についての論議を契機として,昭和51年10月,地震予知の推進に関する重要な施策を関係省庁の緊密な連携の下に強力に推進するため,閣議決定により内閣に科学技術庁長官を本部長とする「地震予知推進本部」が設置された。

推進本部は,関係省庁の協力の下に,東海地域を中心に各種観測の強化,データの気象庁への集中,24時間の常時監視体制の強化を進めるとともに,測地学審議会の建議の趣旨に沿って,観測データの異常を基に大地震発生の可能性を緊急に判定する「東海地域判定会」を「地震予知連絡会」の中に設置することを決定し,それに基づき同判定会が52年4月に設立された。また,推進本部は地震予知関係予算のとりまとめを行い,52年度は37.3億円(対前年度37.1%増)の予算によって所要の観測,研究の推進を図った。

これらの結果,東海地域の海溝性巨大地震(マグニチュード8クラス)については,その前兆現象をとらえ,予知する可能性が出てきた。この成果を受けて,第84回国会において大規模地震対策特別措置法が制定され,地震予知は,実用化への第一歩を踏み出した。しかしながら,予知技術は未だ研究段階にあり,法の実効を期するためにも,今後の研究開発,観測の一層の強化が望まれている。なお,昭和53年7月には測地学審議会において第4次地震予知計画(54年度を初年度とする5か年計画)が取りまとめられた。

第3-2-18表 地震予知関係予算の概要

地震予知関係予算の概要は 第3-2-18表 のとおりである。


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