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第2部    科学技術活動の動向
第1章  研究活動の動向
2  組織別の研究活動
(1)  会社等の研究活動



(1) 会社等の研究費

昭和51年度の会社等の研究費は,対前年度比11.7%増の1兆8,822億円で研究費総額の64.0%と大きな比重を占めている( 第2-1-6図 , 第2-1-9図 )。その研究内容は,新製品・新製法の開発や既存技術の改良などに結びつく開発研究に重点が置かれており,会社等の研究費の76.3%がこれに充てられている( 第2-1-11図 )。

研究を実施している会社等の数(会社にあっては資本金300万円以上)は,昭和51年度で1万2千社あり,この産業・業種別構成比では,製造業が92.8%と大部分を占めている。製造業の中では機械工業(18.2%),その他の工業(14.8%),化学工業(12.6%),電気機械工業(11.6%)の構成比が大きくなっている( 第2-1-3表 )。

使用研究費の産業・業種別構成比について見ると,製造業が91.8%と大部分を占め,次いで運輸・通信・公益業の4.7%となっている。製造業の中では電気機械工業26.1%,化学工業18.7%,輸送用機械工業15.2%となっており,これら3業種で全産業の使用研究費の6割を占めている( 第2-1-3表 )。

主要国における産業界の研究費の業種別構成比を見ると,その国の産業構造の特徴が出ており,アメリカ,フランスは電気機械工業と航空機工業が,西ドイツ,日本は電気機械工業と化学工業の構成比が大きく,これらで研究費の約半分を占めている。アメリカ,フランスは化学工業の比率も大きいが,西ドイツの航空機工業の比率は比較的小さく,我が国の航空機工業は,輸送用機械工業の研究費中にわずかに含まれているだけである( 第2-1-22図 )。

企業の研究活動を表わす一つの指標として,売上高に対する研究費の比率がある。この比率が大きい場合は,研究という将来に対する活動を重視していることを意味している。

我が国の会社の研究費を対売上高比率で見ると,全産業では,昭和40年度に1.05%であったものが漸増して,47年度には1.42%に達したが,その後は横ばいに推移している。

業種別でこの比率が大きいものは,昭和51年度では電気機械工業(3.66%),化学工業(2.39%),精密機械工業(2.37%),輸送用機械工業(2.08%)などである( 第2-1-23図 )。

この対売上高比率を,アメリカ,西ドイツの1975年の値と比較すると,製造業全体ではアメリカ3.1%,西ドイツ3.3%と我が国の1.6%(1976年度)よりかなり大きく,電気機械工業,化学工業などの主要業種について見ても格差がある。第1部で見たように,欧米主要国では産業界へ政府研究費が支出されているので,企業の自己負担分のみで比較すると,製造業全体ではアメリカの1.9%,西ドイツの2.7%と我が国との差は縮まるが,まだ研究投資比率は低く,一般機械工業,精密機械工業,化学工業などの主要業種についても全て我が国が低くなっており,研究開発が企業の発展基盤であることを考えると投資努力の強化が望まれる( 第2-1-24図 )。

第2-1-3表 会社等の産業・業種別の研究実施会社等数及び使用研究費

第2-1-22図 主要国の産業界の研究費の業種別構成比

第2-1-23図 主な業種における研究費の対売上高比の推移

会社等の研究費の費目別構成については,人件費の占める割合が5割を超えているが,その推移を見ると,45年度以降上昇傾向を示し,51年度は51.9%となっている。一方,有形固定資産購入費の構成比は45年度以降低下傾向が続いている。原材料費,これら以外の経費は51年度は約1%の増加を示した( 第2-1-25図 )。

会社等の研究費の性格別構成比の推移を見ると,基礎研究,応用研究の比率の低下傾向が続き,昭和51年度は基礎研究5.0%,応用研究18.6%となっている。これに対し,開発研究の構成比は,増加傾向が続いており,51年度は76.3%に達している( 第2-1-26図 )。

第2-1-24図 アメリカ及び西ドイツの主要業種の対売上高比との比較

研究者1人当たりの研究費を見ると,会社等の平均では昭和51年度は前年度より12.8%増加し,1,296万円となった。これを産業別に見ると,運輸・通信・公益業が2,423万円で最も高く,次いで鉱業1,811万円,製造業1,272万円,建設業1,157万円,農林水産業440万円となっている。業種別では,鉄鋼業2,618万円が最も高く,次いで輸送用機械工業1,782万円,石油・石炭製品工業1,563万円などとなっている( 第2-1-4表 )。

第2-1-25図 会社等の研究費の費目別構成比の推移

第2-1-26図 会社等の研究費の性格別構成比の推移

第2-1-4表 会社等の研究者一人当り研究費(昭和51年度)

第2-1-5表 会社等の産業・業種別研究者数等(昭和52年)

第2-1-27図 会社等における専門別研究者割合(昭和52年)


(2) 会社等の研究関係人材

昭和52年4月1日現在の会社等における研究者数は15万1千人で,前年の14万5千人に比べ4.3%増加した。産業別に見ると,製造業が14万2千人で全体の93.7%を占めている。製造業中では,電気機械工業が4万9千人(全体の32.7%)と最も多く,化学工業が2万8千人(同18.7%)と,これに次いでおり,この両業種で全体の半分を占めている。また,研究を実施している会社等の従業員1万人当たりの研究者数でも全産業平均が237人であるのに対し,製造業の平均は296人と著しく多い。業種別に見ると,電気機械工業554人,化学工業507人,精密機械工業324人が平均より多い業種である( 第2-1-5表 )。

研究者数を専門別に見ると,工学が59.6%と最も多く,次いで理学31.O%,農学3.2%,保健3.1%の順となっている。工学の中では機械・船舶・航空,電気・通信,理学では化学の分野が多く,この3分野で全体の4分の3を占めている( 第2-1-27図 )。


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