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第1部   重要性を増す政府の研究活動
第3章  重要性を増す政府の研究活動
第1節  研究活動を取り巻く内外条件の変化
4  南北間格差と研究協力に対する要請


世界経済における相互依存関係が高まっている中において,南北問題は,国際政治の最も重要な課題の一つになっている。開発途上国の健全な成長は,従来から世界経済の安定的発展のため不可欠なものと認識されており,先進国は,開発途上国に対する経済協力に努めているが,南北間の経済格差は依然として大々いものがある( 第1-3-9図 )。

第1-3-9図 各国の1人当たり国民所得の推移

開発途上国における農業開発や工業化等の遅れの根本的な原因の一つとして,その研究開発基盤が弱いため,先進国の技術を自国に適した技術として改良,育成することが困難な場合が多いことが挙げられる。したがって,開発途上国にとっては,先進諸国との研究協力が,必要欠くことのできないものとなっており,研究協力を求める要請は,ますます強くなっている。

国際機関等においても,研究協力の必要性が強く認識され,1969年,これを強調したピアソン報告が発表された。この報告を受け,国際連合では,1970年の第25回国連総会において「第2次国連開発10年」のための国際開発戦略の策定をみた。更に,1975年9月の第7回国連特別総会で,「開発のための科学技術国連会議」を開催することが決議された。この会議は,開発途上国の技術開発能力の強化方策,開発への科学技術の有効な適用方策を検討することを主目的としており,1979年,ウィーンで開催されることが決定されている。

我が国にとって,経済協力は,先進国としての国際的責務であると同時に,エネルギー,食糧,資源などの面で他の先進国に比し,開発途上国に対する依存度が高いため,真の友好信頼と互恵の基礎に立った関係を維持強化することは,長期的,総合的国益につながる重要な政策である。そして,この経済協力を効果あるものとするためには,研究協力の推進が不可欠である。しかし,第2章でもみたとおり,我が国の研究協力は,まだ,十分とは言えない状況にある。

我が国においては,これまで,1976年の対外経済協力審議会の「今後の開発協力の推進についての答申」,また,1977年の科学技術会議の諮問第6号「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」に対する答申等において研究協力の必要性が指摘されているところであり,技術的,経済的先進国として,今後,研究協力を強力に推進する必要がある。


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