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第1部   重要性を増す政府の研究活動
第3章  重要性を増す政府の研究活動
第1節  研究活動を取り巻く内外条件の変化
1  資源・エネルギーの確保の不安定化


第1-3-1図 に示すように,我が国の主要商品別輸入額(昭和52年度)の77.7%が,原・燃料,食料品で占められており,この割合は,ここ10年間あまり変化していない。我が国は,このように多くの資源を輸入し,これを加工し,輸出してきたが,これらの資源を安定的に,安く入手できた時代には,資源の海外依存度が高いことが強味となり,高度成長を支える要因となっていた。しかし,今や情勢は一変した。長期的にみると,枯渇性資源の供給量に限度があるため,資源保有国の立場は強化され,低廉,確実に資源を入手することは難しくなりつつある。

特に,石油は,我が国のエネルギー消費の74.0%(51年度)を占め,今日,産業活動の面でも,国民生活の面でも強い影響力を持つものであるが,その99.8%を輸入に依存している。今後,我が国が安定成長を続けていくためには,増大するエネルギー需要に対応できるよう,石油の安定確保を図ることが極めて重要な課題となっている。

第1-3-1図 主要商品別輸入額割合の推移

石油は,これまで,世界で約3,400億バーレル生産されたが,発見されている埋蔵量は約6,600億バーレル,未発見の推定埋蔵量は種々の予測があるが,例えばMoodyの予測によれば1兆バーレル程度と言われている。したがって,従来のように年7.4%の伸び(1963年〜1975年平均)で生産を続けると,2000年頃には,石油は枯渇することになる( 第1-3-2図 )。

また,世界の石油供給は,石油輸出国機構(OPEC)諸国に大きく依存しており,特に,我が国は,石油輸入量の88.5%(51年度)をこれら諸国に依存しており,石油の価格,供給量等についてOPEC諸国の動向に影響される度合が大きい。

第1-3-2図 石油究極可採埋蔵量と生産量

このように,長期的に石油の安定確保を図ることは,なかなか容易な道ではない。したがって,我が国としては,石油輸入量をできるだけ低く押えることを目標として,省エネルギーを推進するとともに,代替エネルギーの開発を強力に推進していくことが必要になっている。このため,今後,原子力,化石燃料の利用技術,自然エネルギー利用技術,省エネルギー技術等の研究開発を強力に推進する必要性が極めて大きい。

また,エネルギー問題とともに,食糧の安定確保を図ることは,国民生活の安定のため不可欠である。このため,基幹食糧について自給率を確保するよう,生産性の向上,新品種開発等の研究開発推進の重要性は大きい。特に,200海里漁業水域時代の到来は,国民のたん白源である水産資源開発の重要性を一段と高めており,この分野における活発な研究活動に対する期待は大きくなっている。


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