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第1部   重要性を増す政府の研究活動
第2章  政府の研究活動の特徴
第4節  政府予算に占める研究費の動向と研究活動の計画化
1  政府予算に占める研究費の動向



(1) 政府予算に占める研究費の割合の推移とその変化要因

第1-2-28図 は,アメリカの政府研究費の大きさを,政府予算総額に占める研究費の割合として示し,更にこの対総予算割合の増減が,どの政府機関の予算の変動に由来するかを合わせてみたものである。

第1-2-28図 政府予算総額に占める研究費の割合の推移及びそ の変化要因(アメリカ)

同図に示すとおり,アメリカの政府研究費の対総予算割合は,1960年度の8%台から急上昇し,1960年代の半ばには12%台に達している。そして,その後は急激に減少し,75年度以降は6%前後となっている。このような大幅な研究費割合の変化要因は,航空宇宙局の研究費の増加及び減少によるところが大きく,このほかでは,国防研究及び原子力開発が比較的大きい変動要因である。

国防,宇宙,原子力等の優先度の高い研究目的の支出動向が政府研究費の対総予算割合そのものを変動させる傾向は,アメリカのみならず,イギリスとフランスにもみられる。

同様の方法で我が国の場合を見たものが 第1-2-29図 である。

第1-2-29図 政府予算総額に占める研究費の割合の推移及びその変化要因(日本)

同図に示とおり,我が国の場合はアメリカと対照的で,政府予算総額に占める研究費の割合は,1960年度以後3.0%から3.5%の間で推移している。

政府研究費の主な変動要因としては,国立学校経費,原子力及び宇宙開発費が挙げられるが,極端な動きは示していない。このような傾向に近いの,欧米主要国では西ドイツである。


(2) 国防研究費を除いた政府研究費の大きさ

政府研究費のうち,我が国と欧米主要国との最も大きな相違点は国防研究の大きさである。国防研究は,国防上の必要性が認められ,技術的可能性があれば,コストにかかわりなく研究投資が積極的に行われる特徴を持っている。これは,今日の国防上の優位とは,すなわち技術的優位を意味する程,科学技術の進歩と国防力が密接不可分の関係にあるためである。したがって,行政分野別の予算中の研究費の割合は,研究開発主導型の原子力,宇宙等の分野を除く通常の行政分野では5%以下であるのに対し,アメリカ,イギリス,フランスの国防分野では,10%を超えている。

欧米主要国と政府研究費の大きさを比較する場合,国防に対する政策の違い及びこのような国防関係の技術開発の特徴を考慮することが必要である。 第1-2-30図 は,国民総生産に対する政府予算の割合及び政府予算に占める政府研究予算の割合を,国防を含めた場合と除いた場合を示したものである。既に述べたように,各国の政府予算は,各国の財政制度に相違があるため単純に比較することは適当でなく,予算の処理方法により,大きな変動がみられるが,ここでは,我が国は一般会計(研究費については特別会計 注) を一部含む。)

を,イギリス及びフランスは我が国の一般会計予算にほぼ相当するそれぞれ統合国庫資金予算及び一般予算を,また,我が国の一般会計予算と相当する予算を抜き出すことが困難なアメリカは統合予算(我が国の一般会計予算,特別会計予算,財政投融資計画及び政府関係機関予算の合計におおむね対応する。)を,西ドイツは連邦政府予算(我が国の一般会計予算,特別会計予算及び財政投融資計画の合計にほば対応する。)のみを取り上げて示してある。同図に示すとおり,政府予算の国民総生産に対する割合は,各国の政策的意図により相当異なっており,日本,西ドイツは小さく,イギリスは大きく,アメリカ,フランスはその間となっている。国防費を含めた場合と政府予算,政府研究予算の両者からそれぞれ国防費及び国防研究費を除いた値を比較すると,アメリカ,イギリス及びフランスは,政府予算に占める国防費の割合,国防費に占める国防研究費の割合が大きいのに対し,我が国は国防費の政府予算に占める割合が小さく,かつ,国防費に占める国防研究費の割合も小さい。西ドイツは,国防費の対総予算割合では他の欧米主要国と変わりないが,国防研究費の割合が国防費の5%程度と小さいため,政府予算に占める研究費の割合は,国防費を除いてもほとんど変化がみられない。このように国防費を含めて比較すると,我が国の政府研究費の対総予算割合は低く示されるが,国防費を除いて比較するとその差は縮まる。しかしながら,国防費を除いた場合でも予算の対国民総生産割合からみると,我が国は,フランス,西ドイツより政府予算に占める研究費割合が小さく,研究投資が一国の社会経済の中・長期的な発展の原動力となるものであることから考えると,政府としても研究投資努力の強化を配慮することが必要である。

第1-2-30図 政府研究費の対総予算割合 (1976年度)


注)特別会計の研究費の主なものは,国立学校の研究費であるが,77年度で(よ,国立学校特別会計の76%は一般会計からの繰り入れである。


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