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第1部   重要性を増す政府の研究活動
第2章  政府の研究活動の特徴
第2節  政府研究費の性格と研究実施組織の状況
2  組織別政府研究費の使用割合


性格別研究費に占める政府資金の割合は,アメリカとの間に大きな差があるが,これは政府資金が,大学,産業部門,民間非営利研究機関及び政府部門にどのように配分されているかということと密接な関係がある。

そこで,この点について検討するため,具体的に欧米主要国と我が国の組織別使用研究費に占める政府資金の割合をみると, 第1-2-17図 のとおりとなる。

同図に示すとおり,大学,政府研究機関,民間非営利研究機関の研究費使用割合は,各国とも変動があるものの,産業部門の使用割合は,全体の6割合とほぼ同じ程度である。

このことと,各組織の性格別研究における役割を考えると,大学,政府研究機関及び民間非営利研究機関の三組織は,国による制度の相違等に基づき,その役割が異なるが,三組織を合わせるとほぼ民間で行っていない基礎研究,応用研究を中心に研究活動を行っていると思われる。また,この三組織の研究費の政府負担状況をみると,アメリカは,大学に州政府,民間企業の資金が3割程度入っているほかは,ほぼ政府資金によっている。イギリスは,大学と政府研究機関に民間資金が多少流れているが,全体としてみると政府資金が中心となっている。西ドイツ,フランスは,ほぼ政府資金によって賄われている。これに対し,我が国は,この三組織の研究費に占める政府資金の割合は5割程度である。これは,大学については私立大学の研究費の割合が4割を占めていること,政府研究機関の研究費の約半分は地方公共団体の研究機関経費であること,民間非営利研究機関に民間資金が相当流れていることによるものである。

第1-2-17図 組織別使用研究費に占める政府資金の割合

基礎研究,応用研究は,科学技術の着実な発展を支えるとともに,技術革新の大きな源泉であること,並びに,その成果から直ちに新技術が生み出される確実性は極めて小さいことと,その成果が論文等の形で一般に広く普及されやすいため,利潤追求を基盤とする民間企業の活動にはなじまない部分が多いこと等の理由により,各国とも,政府がこれらの研究活動の主たる実施組織と言える大学,政府研究機関及び民間非営利研究機関に積極的な研究投資を行っているものである。このような理由から考えると,我が国の特徴である民間資金による私立大学の研究活動の促進に政府が留意する必要があろう。

一方,開発活動を主体とする産業部門へは,アメリカは政府資金の5割(産業研究費全体の3割台),イギリスは同じく4割 (同3割台),フランスは同じく3割  (同2割台),西ドイツは同じく2割5分 (同2割台)であるのに対し,我が国はほとんど政府資金を産業部門に支出していないことが特徴となっている。これが国全体の研究費の官民負担割合の差となって表われるのであるが,その要因については,次項で分析してみる。


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