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第1部   重要性を増す政府の研究活動
第2章  政府の研究活動の特徴
第2節  政府研究費の性格と研究実施組織の状況
1  政府研究費の性格とその使用組織


研究活動は,一般に,科学的知見の拡大を目指して基礎理論の追求が行われ,これらの知見を更に発展させる研究開発段階を通って実用化に至る活動を言うが,このような研究の段階を,通常,その性格によって三つに区分している。

すなわち,知識の進歩を直接の目的とする基礎研究と,主に基礎研究の成果を開発段階へ移行させるための応用研究と,基礎・応用研究及び実際の経験から得た知識を基に新しい材料,装置,製品,システム,工程などを作り出し,あるいは改良することを目的とする開発研究 注) である。それでは,これら三つの性格別研究に区分した場合,政府の研究費がどの段階に多く支出されているかを政府研究費の性格別割合を推定できる資料のあるアメリカと我が国について見てみる。

国全体の研究費の性格別割合は,我が国とアメリカでは同じ傾向にあり,基礎研究が10%台,応用研究が20%台,開発研究が50%台(日本)あるいは60%台 (アメリカ) と,開発研究に進むにつれて研究費支出額が多くなっている。政府研究費について性格別割合をみると, 第1-2-15図 に示すとおり,アメリカは,開発研究への支出が6割を占めているのに対し,我が国は,基礎研究への支出が4割と最も大きく,政府資金による性格別研究費の構成には,相違がある。


注)総理府統計局「科学技術研究調査報告」で使われている用語で,いわゆる「開発(Development)」に当たる。

第1-2-16図 は,国全体の性格別研究費に占める政府資金の割合及び政府資金による性格別研究の実施組織をみたものである。

まず,基礎研究についてみると,アメリカは,政府研究費の16%を支出しているにすぎないが,民間における基礎研究への支出額が少ないため,結局,政府が国全体の基礎研究の7割を資金負担している。また,我が国においても,基礎研究費の約5割を政府が負担している。そして,両国とも基礎研究を実施しているのは,主として大学である。

第1-2-15図 政府研究費゜の性格別支出割合(推定)

第1-2-16図 政府.の性格別研究費の使用状況 (推定)

一方,応用研究及び開発研究についてみると,アメリカは,国全体のこれらの研究費の約5割を政府が負担している。これに対し,我が国は,応用研究及び開発研究費に占める政府資金の割合は小さく,開発研究では,国全体の開発研究費の1割を負担しているにすぎず,これらの研究段階における政府の役割はアメリカと大きく相違している。研究実施組織としては,アメリカは,応用研究については政府研究機関が中心であり,開発研究では政府資金の6割を民間企業が使用している。我が国においては,応用研究は大学,開発研究は特殊法人研究機関を中心とする民間非営利研究機関の使用割合が最も大きい。

以上の配分状況から,アメリカの政府研究費の性格別支出割合は,開発研究が最も大きく,我が国では,基礎研究への支出割合が最も大きくなっている。


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