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第1部   重要性を増す政府の研究活動
第2章  政府の研究活動の特徴
第1節  政府研究費の目的別動向
3  我が国の政府研究費の目的別動向の特徴


各国政府とも,その公共資金は,通常の自由競争的な市場機構になじまない部門への資源配分を調整するため,あるいは中・長期の経済の安定的成長を図るため等の理由の下に,国家安全保障部門,公共サービス部門,産業構造の弱い部門あるいは戦略的な部門等へ投入されている。主要国政府の研究目的の動向を概観すると,このような政策目的の一環として,政府は,研究費を支出している。具体的には,

1) 長期的には,国あるいは人類全体の利益になる基礎的な科学知識の拡大のための研究,
2) 国防力強化のための研究開発,
3) 将来のエネルギー資源のひっ迫に対応するためのエネルギー研究開発,
4) 産業の発展,特に,産業構造上重要な産業の育成のための研究開発,
5) 保健,環境など国民生活の質的向上のために必要な研究開発

等を中心として行われており,各国とも研究目的そのものには大差はない。

しかし,研究目的別の資金配分割合では,その国の政治的状況,あるいは社会経済環境の違いによりかなり異なり,このうち我が国の特徴を整理すると次のとおりである。

(1)基礎的な科学研究の促進を図るための研究投資が西ドイツと同様大きな割合を占めている。
(2)エネルギー資源の乏しい我が国における原子力開発は,ヨーロッパ主要国と同様に積極的な研究投資が行われている。なお,アメリカにおいても,石油危機以降,エネルギー研究への投資割合を急増させている。
(3)宇宙開発に対する政府研究投資割合は,欧米に比べると遅れて始まり,そのため,1960年代はその割合が小さく,70年代に入ると投資割合の急増がみられる。
(4)国防研究への投資は,欧米主要国と異なり,極めて小さい投資割合となっている。
(5)ヨーロツパ主要国にみられる鉱工業分野における民間航空機開発助成等の特定産業分野に対する長期にわたる大型の研究投資はみられないが,これに近いものとして電子計算機産業への振興対策助成費がある。
(6)開発途上国との研究協力への投資は,欧米主要国との研究費総額の比較からみて,必ずしも高い水準とは言えない面もある。

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