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第2部   科学技術活動の動向
第2章  科学技術情報活動の動向
1  我が国における科学技術情報活動の動向
(3)  専門センターの動向


専門センターはそれぞれの専門分野に関係する情報について,専門的なサービスを円滑に行う役割を持ち,当該専門分野の情報の収集,加工,分析などを行うものである。現在,専門センターのそれぞれの分野における活動状況には大きな差異があり,かつ,民間に負うところも大きいので,この育成方策の確立が強く望まれている。

以下,我が国の専門センター活動について概観する。

1) 環境公害分野

環境庁国立公害研究所は,環境公害に関する文献情報(日本科学技術情報センターの発行する文献速報(環境公害編)を含む。),数値情報及び情報源情報の収集,整備などの活動を行っている。

特に,昭和51年度においては,国際環境情報源照会システム(IRS)のフォーカルポイントとして,国内83政府機関の情報源の登録を行い,環境公害情報の国際交流の促進を図っている。

2) 防災科学技術分野

国立防災科学技術センターが防災科学技術資料(文献及び主要災害資料など)の収集,整備を行っている。

3)原子力分野

日本原子力研究所が自身の研究成果の普及活動を行うとともに,同研究所は国際原子力機関(IAEA)の設立した国際原子力情報システム(INI S)の我が国における担当機関となっているため,我が国で発生する原子力関係の情報(約5,000件/年)を収集処理してINISにインプットし,I NISで集積した各国の情報(約6万件/年)を受けて自ら収積した図書,資料等と併せて提供サービスを行っている。

4) 海洋科学技術分野

海洋科学技術センターが海洋科学技術関係の資料の収集,整備を行っている。

5) 中小企業分野

中小企業振興事業団が中心となり,中小企業庁等の支援を受けつつ,同事業団内に中小企業情報センターを設け,情報提供サービスを行っている。

このため,各府県の公設試験研究機関に技術情報室の整備を図り,中小企業のための技術情報サービスネットワークの確立を図るとともに,情報所在の案内,既存情報の分析,再加工,指導機関を通じた応答サービスなどを行っている。

6) 農林水産分野

農林省農林水産技術会議事務局が,国内農林水産関係文献記事索引誌の発行等を行うとともに,国連食糧農業機関(FAO)の農学及び農業技術に関する国際的情報システム(AGRIS)への分担協力(書誌事項のみ約1万件/年)などを行っている。

7)医学分野

(財)国際医学情報センターが,内外の医学関係情報を収集し,抄録誌,索引誌などの発行及び文献調査,クリアリング,電話による情報提供などを行うとともに,日本原子力研究所の委託によりINISへのインプット情報のうちの医学生物学系情報の処理を行っている。

また,医学中央雑誌刊行会は,国内の医学情報のみを対象として,年間12万件余の情報を整理,収録した「医学中央雑誌」を刊行している。

8)医薬分野

(財)日本医薬情報センターが日本医薬文献抄録カード,同抄録集,標題速報誌,日本医薬品集,日本医薬品副作用文献抄録集などを編集発行するとともに,約500ヵ所の病院の薬剤部に依頼してそれぞれの病院で発生した副作用に関する医薬品の副作用情報のモニタリング制度を実施している。

9)特許分野

(財)日本特許情報センターが,第一検索システム(書誌的事項検索システム)及び第二検索システム(技術内容検索システム)を開発して電子計算機による技術情報サービスを行っている。

このためのシステムとして,特許の書誌的事項(出願番号,公告番号,発明者,出願人,特許分類,発明の名称など40項目)データを蓄積した検索マスターテープを用いた検索システムと,ファセット分類による特許の技術内容面の検索システムを研究開発した。また,会社別,分類別などの特許件数を電子計算機で集計作成する統計作成システム及び公開公報対策として,キーワード方式と分類方式の併用を主体とした広域検索システムも開発している。

また,(社)発明協会等との協力の下に,公開特許出願抄録誌,特許,実用新案の索引誌などの発行,提供体制を整備するとともに,特許庁の協力を得て国際特許情報センター(INPADOC)との特許データ交換事業を行っている。

10)化学分野

昭和50年7月,(社)化学情報協会が設立され,国内の化学情報の速報誌「化学抄報」の発行を行うほか,米国のCAS (米国化学会の情報提供サービス部門)との協力交渉を進めている。

11)労働災害分野

中央労働災害防止協会が労働安全衛生に関する資料の収集,整備を行っているほか,同協会が国際安全衛生情報センター(CIS)の我が国における担当機関となっているため,我が国の労働安全衛生関係の情報を収集処理してCISにインプットし,CISで集積した各国の情報を受けてサービスを行っている。

また,労働省産業安全研究所及び産業医学総合研究所が自身の研究成果の普及活動を行うとともに,労働省産業安全研究所の附属機関である産業安全技術館において,産業安全に関する技術を中心とした情報サービスを行っている。

12) その他の専門分野

このほかに,(社)日本鉄鋼協会等により,鉄鋼技術情報の提供と技術情報センター(仮称)の設立準備が進められているほか,鉄道技術(国鉄鉄道技術研究所),造船技術((財)日本造船振興財団),自動車技術((社)自動車技術会)などにおいて業界団体,学協会などを中心とした情報活動が進められている。

また,(財)日本規格協会によるJIS規格票やJ工S関係資料等の発行,国際標準化機構(ISO)等との協力による海外規格の収集,提供等は,我が国の科学技術の発展に欠かせないものとなっている。


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