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第1部   科学技術発展の回顧と新たな課題
第2章  社会開発分野における技術革新への期待
第1節  社会開発分野における科学技術の役割


アポロ計画による人類の月面到着という快挙を成し遂げた科学技術は,今や万能視され,科学技術が身近な生活上の課題を解決できないのは怠慢であるとの批判さえ出されるに至っているが,この批判は必ずしも全面的に妥当なものとはいえないであろう。すなわち,社会開発分野の課題の解決に科学技術面での努力が重要な役割を果たす分野もあるが,反面,科学技術以外の政策(福祉政策,医療政策,都市政策,交通政策など)の役割の方が大きいため科学技術面での努力が実際面で結実しにくい分野や,現在の科学技術水準に比べて期待が大きすぎるため科学技術面で多大の努力を傾注しても急には成果を得ることが困難な分野がある。前者の例は,都市問題,医療問題など社会制度の変革を必要とする課題に多く,後者の例は,自然界のメカニズムや生命現象の解明が前提となる課題に多い (第1-2-1表 , 第1-2-2表参照) 。したがって,社会開発分野において科学技術の寄与を拡大するに当たっては,問題解決に期待される科学技術の役割のみならず,科学技術以外の役割との関連を明確にすることが重要である。このような観点から,本節では,社会開発分野における課題の解決に科学技術がどのように寄与できるかについて分野ごとの特徴を示すとともに,幾つかの課題例を取り上げて述べることとする。

第1-2-1表 「実現のために社会制度などの制度的変革が必要」とする意見が多い技術課題例

第1-2-2表 技術的制約のため「2005年までは非実現」とする意見が比較的多い技術課題例


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