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第2部  科学技術活動の動向
第4章  国際交流の動向
2  二国間協力活動
(1)  開発途上国への協力


我が国の開発途上国との技術協力は,留学生の受け入れ,研修生の訓練,専門家の派遣,開発調査の実施,機材の供与等を通じて,開発途上国の科学技術能力の向上及び開発途上国の「人づくり」の推進に協力するとともに開発プロジェクトの実施にも協力するなど年々その活動が拡充されている。しかし諸外国の協力実績に比較すると,我が国はこの分野における協力のより一層の強化を図るべき状況に置かれており,また,その機運が高まつてきている。

第2-4-1図 我が国の二国間技術協力実績の推移

まず,技術協力の実績を資金面から見ると,昭和47年の技術協力総額は昭和35年当初に比較して約14倍に達し,逐年増加の傾向を示している。昭和47年は109億73百万円で前年の99億72百万円に比し10%の増加となつている( 第2-4-1図 )。しかし,我が国の技術協力は,他の先進諸国に比べ依然として立ち遅れており,政府開発援助に占める技術協力の比率ではDAC(OECD開発援助委員会)諸国平均の21.3%に比し,5.8%にすぎない。また,我が国の二国間政府技術援助の技術協力総額に占める割合も,昭和47年は7.5%で前年の6.4%をやや上回つてはいるもののフランス(50.6%),西ドイツ(39.9%),イギリス(31.6%),アメリカ(19.7%)に比べて一段と低い現状にある( 第2-4-2図 )。

第2-4-2図 DAC(OECD開発援助委員会)加盟国の技 術協力総額に占める二国間政府技術援助の割合

以下,技術協力の内容,実態について,訓練指導に関する技術協力,開発計画に関する技術協力,その他の技術協力に大別し,それらの動向を概観する。

訓練指導に関する技術協力は,留学生,研修生の受け入れ,技術指導者の派遣などの形ご展開されているが,これ等各種の技術協力事業は政府ベース,民間ベースで行われている。 第2-4-1表 に示すように研修生の受け入れは,政府ベースによる研修生が過半数を占め,民間の研修生が3割程度でこれに次いでいる。

受け入れ状況について昭和29年度以降の累計( 第2-4-3図 )で見ると,地域別にはアジアが圧倒的に多く81.5%を占め,国別では台湾(12.9%),タイ(11.9%),韓国(10.6%),インドネシア(10.2%)等が多くなつている。

第2-4-1表 研修生受け入れ数の推移

第2-4-3図 研修生受け入れの地域別,国別内訳 (昭和29年度〜47年度累計)

第2-4-2表 専門家派遣人数の推移

次に, 第2-4-2表 により技術指導者派遣の推移を見ると,昭和36年以降全体として大幅な増加を示し,その活発化がうかがえる。昭和45年には一時的な減少を見たが,昭和46,47年は増加に転じた。

地域別内訳を 第2-4-4図 で見るとアジアが63.1%を占め,中近東・アフリカの21.1%,中南米15.1%となつており,国別ではインドネシア(10.3%),ブラジル(8.8%),タイ(8.4%)の順となつている。

次に,開発計画に関する我が国の技術協力は,大別すると第1に開発途上国の開発計画の作成及び具体化に対してコンサルティングを行うことを目的とするもの,第2に企業の進出,建設工事等への参加を通じて,相手国の産業開発等に寄与するものとに分けられる。

第2-4-4図 専門家派遣の地域別,国別内訳 (昭和30〜47年度累計)

第1のタイプの技術協力には,政府ベースのものと民間ベースのものとがある。政府ベースに委託し,国全体の各セクターにまたがった総合的な計画立案のための調査を行つている。また,各産業部門の開発計画作成のためのマスタープラン作りやフィージビリティ調査について,相手国の要請に基づいて協力する制度がある。これには主として電力を含む鉱工業部門のプロジェクトを対象とする海外開発計画調査委託費制度とそれ以外のプロジェクトを対象とする投資前基礎調査委託費制度があり,技術調査団の派遣等積極的な協力が行われている。このほか,資源有望地域の地質,鉱床に関する基礎調査を実施し,その結果を相手国に提供する資源開発協力基礎調査制度がある。

民間ベースの協力としては,工場建設のための基礎調査から技術指導まで一貫して協力する海外中小企業技術協力費補助金制度並びにコンサルティング企業の海外活動を通じて開発計画の作成及び具体化に対する技術協力を促進する海外コンサルティング活動振興事業費補助金制度等がある。

第2のタイプに属する技術協力は,専ら民間ベースのもので,海外投資等調査費補助金制度がある。本制度は,開発途上国の法制,工場立地条件,資源の賦存状況等の実情を把あくするための調査事業を対象としている。

以上概述した訓練指導に関する技術協力,開発計画に関する技術協力のほか砂漠緑化研究,熱帯農業研究が行われている。

以上のほか,技術協力の中で大きなウエイトをしめる医療協力については,これまでのような医療協力の方式を改め,昭和41年以来プロジェクト協力方式を重点的に推進することとした。以来専門家の派遣,機材供与を中心に着実に事業規模を拡大し,昭和46年には,20ケ国44プロジェクトに協力している。開発途上国からの我が国の協力に対する要望は強いものがあり,実施中のプロジェクトの充実やフォローアップに対する協力の要請のみならず,新規プロジェクトに対する協力の要請も年々増大してきている。これに対応して近年我が国の医療協力は量的にも質的にも充実してきており高く評価されるに至つている。

こうしたことともに,前述したように,最近開発途上国との国際研究協力の推進の必要性がとみに高まつており,発展途上国のニーズに適合したテーマを取り上げ,共同研究を行い,我が国の研究ポテンシャルを積極的に振り向けるよう努力が払われている。しかしながら,このような協力形態は最近その緒についたばかりであり,今後一層の強化を図らなければならない状況にある。


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