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第2部   科学技術活動の動向
第3章  技術交流および特許出願の動向
2  特許出願


いうまでもなく特許制度は,発明者に対して一定期間発明した新技術の独占権を保証し,発明に対する報酬を得る機会を与えることによつて,発明した新技術を公開させ,もつて,その新技術を基盤とした技術の進歩を図るとともに類似の技術への重複した研究投資を防止しようとするものである。したがつて,特許出願の動向は研究開発の成果をマクロ的に示すものであり,わが国の研究開発活動の動向や科学技術水準の一端を示しているものといえる。

最近における急速な技術革新の進展は,特許出願件数の激増およびその内容の複雑化をもたらし,特許庁における未処理件数は累増を続けている。このため前述の特許制度本来の目的を十分果たし得ない状況になつてきているので,これの抜本的な解決を図るべく特許法等の一部が改正され昭和46年1月1日に施行された。

以下,最近における特許出願の現状について述べることとする。

最近における特許および実用新案の出願状況をみると, 第2-47図 に示すとおり,戦後一貫して増加傾向にあり,昭和42年には一度低下したもののその後はまた増加傾向が続いている。とくに昭和45年には特許制度の改正を控えて一時的は出願増があつたこともあつて特許は前年比23.9%増の13万1千件,実用新案は14.4%増の14万2千件と急増した。このことは,わが国経済の急速な発展,資本取引の自由化等から技術開発の必要性が年々増大し,研究開発活動が活発化していることを示している。

第2-47図 特許,実用新案の出願件数の推移

この結果として,わが国の技術水準が向上しつつあることは, 第2-30表 によつて明らかである。すなわち,この表は日本人の主要国への特許出願件数の推移を示したものであるが,日本人の対外国出願はアメリカ,イギリス,西ドイツ,フランスなど工業先進国を中心に着実に増加している。データが最近のものまである優先権証明書の発行件数でその伸びをみると,昭和45年には昭和40年の3.6倍にも達しており,また,対自国出願件数に対する比率をみても,昭和40年の14.6%から昭和44年には38,6%になつた。しかし,昭和45年には対自国出願件数が大幅に増加したためこの比率はやや低下した。

第2-30表 日本人の主要国への特許出願件数の推移

主要国の特許出願件数の推移を 第2-31表 に示したが,全出願件数についてみると,わが国はアメリカをわずかに凌いで第1位であり,その他の諸国に比し格段に多い。これは,わが国においては,物質特許を認めていないこと,単項制の出願制度をとつていること,企業の特許管理の水準が低いことなど主に特許制度の相違によるものと考えられ,これをもつて直ちに技術水準を比較することはできない。しかしながら,昭和40年を100とした全出願件数の伸びを比較すると諸外国はイギリスの114.6%を筆頭におおむね110%前後であるのに対し,わが国は128.9%と大幅な伸びを示しており,高度経済成長に伴い研究開発も活発になつてきていることを物語つている。また,外国人出願件数についてみると,全出願件数に占める割合は各国の全出願件数の多少によつて差異がみられるものの,外国人出願件数そのものは各国とも3万件前後であり,主要国間に差異が認められない。

第2-31表 主要国の特許出願件数に占める外国人出願件数の推移


つぎに,特許出願を部門別にみると, 第2-48図 に示すとおり,昭和44年には化学が28.9千件で全体の28.5%と最も多く,ついで機械の20.7千件20.3%,弱電の16.9千件16.7%が高い比率を占めている。また,この3部門は,近年の伸びも高く技術集約分野として研究開発努力が傾注されていることがうかがわれる。

第2-48図 部門別特許出願件数の推移


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