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第1部   科学技術への新たな要請とそれへの対応
第2章  動き出した70年代の科学技術活動
2  テクノロジー・アセスメントの確立への努力


科学技術は,物質的豊かさの面で国民生活を大きく向上させてきたが,一方で大気汚染などの環境破壊,都市の過密化,人間疎外といつた好ましくない副次的影響が顕在化し,これらの問題の解決が求められている。そのためには科学技術のもつプラス面とともにマイナス面にも着目して,それが社会に及ぼす影響を総合的に把握し,評価し,悪影響が生じるおそれのある場合には代替手段を検討して,悪影響を最小限にくいとめるようにしなければならない。その評価の手段として登場したのが,テクノロジー・アセスメントである。つまり,テクノロジー・アセスメントとは,科学技術の及ぼす影響を総合的,多角的に把握し,代替手段の利害得失を評価し,それを意思決定的に提示することを主たる目的としている。

しかし,テクノロジー・アセスメントの手法などについては,この分野における最先進国であるアメリカにおいてさえ,まだ確立されたものはなく,目下模索の段階にある。

一方,テクノロジー・アセスメントは,その性格からして,できるだけ公正中立でなければならず,一部の利害関係者によつてゆがめられた評価が下されてはならない。そのため,手法の開発や評価基準の作成にあたつては,政府が率先してその確立に取り組むべきであり,政府が,この問題に対して果たすべき役割はきわめて大きいといえよう。

そこで,このテクノロジー・アセスメントの確立への動きをわが国とアメリカを中心とする諸外国について概観し,今後の検討事項について述べてみよう。


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