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1部  研究活動と研究投資
第3章  国際協力
3  日米科学技術協力
(1)  日米科学委員会


1961年6月の池田・ケネディ会談に基づいて発足じた科学協力に関する日米委員会は,平和目的のための日米間の科学上の協力関係を一層円滑ならしめるための方途を検討し,その結果を両国政府に報告ないし勧告することを任務としている。

この日米科学委員会は,毎年1回日本またはアメリカで開催されているが,協力の強化が望ましいものとして,現在までに勧告されている分野は,1)科学者の交流,2)科学技術情報,資料の交換,3)太平洋地域の地球科学,4)生物科学,5)医学,6)科学教育,7)ハリケーンと台風に関する研究である。

昭和40年6月東京で開催された第5回会合において, 第3-1表 のような委員会の設立以来の活動状況の報告がなされた。

第3-1表 日米科学委員会の活動状況

このように活発な協力活動が行なわれているが,わが国の国内体制は,外務省が一括して窓口事務を担当しているほか,科学技術事務次官が主宰し,関係省庁職員および学識経験者で構成される連絡調整会議において,勧告実施にあたつての処理方針が協議され,その推進がはかられている。また協力事業のうち科学者個人または科学者のグループによる研究には連絡調整会議を経て,文部省が財団法人日本学術振興会をとおして研究の助成を行なつている。

次に,上述の7つの協力分野における活動状況は以下の通りである。


1 科学者の交流

従来わが国から渡米する研究者にくらべてアメリカから来日する研究者があまりにも少なかつたが,両国の研究者の均衡した交流をはかるため,委員会は相互に関係の深い分野で協力事業および人材交流を促進すべく各種セミナーや会議等の開催につとめてきた。そして研究者の訪問を含む各種計画会議,セミナー等が開始された。

これと関連して,セミナーおよび会議開催計画が継続さるべきこと,科学者を留学生,研究生,訓練生,教師および教授等の資格で両国の研究機関に相互に長期間派遣する計画を推進すべきこと,研究に関する特定問題の協議のための短期間訪問を奨励すべきことなどの勧告がなされた。


2 科学技術情報および資料の交換

1963年6月,東京で抄録索引に関する会議が開かれ,抄録と索引における問題と方法について,とくにその操作の適用範囲を拡げ標準を改善する観点から意見交換がなされた。また1964年4月,東京で機械翻訳に関する会議が開かれた。

さらに,1965年3月,同じく東京において,日米一次刊行物編集者会議が開かれた。この会議では,両国の一次刊行物の現状および一次刊行物の相互利用についての隘路を除去するために現にとられている措置もしくは今後とられるべき改善策について討議がなされた。すなわち,一次情報の交換の促進,日本語定期刊行物の欧文抄録・標題,著者名および連絡先の記載,情報の質の向上,日本語文献の英訳上の問題等について検討が加えられた。


3 太平洋地域の地球科学

現在までこの分野で21項目の協力研究が開始され,高潮および海洋物理学などに関する計画会議がそれぞれ開催された。また,地震予知に関する会議の必要性が確認された。

さらに,両国のこの分野の研究担当機関が大学,政府機関その他の研究所との間の協力関係をさらに一層強化すべきことが強調された。


4 生物科学

この分野の名称は,当初太平洋地域の動植物地理学および生態学であつたものが,その後その範囲を拡大して生物科学全般を包含させることになつた。現在までに魚類の血液型,小麦の遺伝などの18項目にのぼる協力研究がすすめられている。またさんご礁に関する研究および霊長類の生物学的研究についての計画会議がそれぞれ開催された。


5 医学

1964年3月,ホノルルでガンの化学療法剤について会議が開かれ,制ガン剤の研究のために動物の標準系統および標準実験技術を用いることに関し合意がえられた。さらに,薬物乱用の問題についての計画会議が開催された。このほか神経生理学,生気候学についての会合が行なわれた。


6 科学教育

1963年4月と翌年4月に,東京およぴワシントンでそれぞれ計画会議が開かれ,各科学教育分野における交流,フィルムや教材の交換および保管ならびに高等教育における科学の新しい教科課程についての提案がなされた。

さらに,委員会は両国政府がポスト・ドクトラル・フェローシップの交換の強化および両国間の科学フィルムの自由な交流に対する障害の除去等について勧告を行なつた。


7 ハリケーンと台風の研究

1963年4月と翌年3月に,東京およびマイアミでそれぞれ会合が開催され,高潮を含む大気海洋間の相互作用に関する2つの協力研究が開始された。


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