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1. |
システムの刷新 |
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現行システムはメーカー固有のハードウェア及びソフトウェア構成により構築されていることから全面的に見直しを図り、平成20年1月に行われる庁舎移転にあわせてオープンシステム化することによって経費の削減を図る。具体的には、実査・集計業務システムにより現行システム機能を実現し実査・集計業務の負荷軽減を図ると共に、基幹データベースシステムにより個票データ等を一元的に管理する。また、集計データ活用システムにより情報の高度利用・政策立案のためにデータを活用し、目的外使用申請システムにより調査票の統計上の目的外使用(以下「目的外使用」とする。)に係る業務負荷の軽減を図る。さらに、システム機器の二重化、システムの監視機能導入、バックアップの自動化などにより高可用性を確保するとともに、メンテナンス性の高いアプリケーションソフトウェアを導入し後年度負担を最小化する。
なお、システム開発にあたっては、短期間かつ低コストでシステム化を効率的に実現するため、汎用パッケージソフトウェアの活用及びハードウェアとソフトウェアの分離調達を行う。
上記のシステム刷新により、年間約95百万円(試算値)のシステム経費の削減が見込まれる。
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2. |
実査・集計業務負荷の軽減 |
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平成20年1月までに実査・集計業務システム及び基幹データベースシステムを整備し、実査・集計業務の負荷を軽減する。これにより年間延べ約198日分(試算値)の業務処理時間に相当する業務処理の簡素化を図ることが見込まれる。
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(1) |
データ収集における各府省共同利用型システムの利用 |
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データ収集については、統計調査等業務の業務・システム最適化計画により構築される各府省共同利用型のオンライン調査システムを利用して、調査実施課により登録された調査票に調査客体が電子データで回答する。また、例外的に調査客体が電子調査に対応できない場合等においては、従来通り紙媒体で調査票を回収し、調査実施課または経由機関が調査票を電子データ化することによりデータ収集を行う。なお、各府省共同利用型のオンライン調査システムの稼動予定が平成20年4月となっていることから、データ登録のための個票の収集については、各府省共同利用型のオンライン調査システムが稼動するまでの間は、現在文部科学省で運用している電子調査票収集システムを利用することを前提とし、必要に応じ機能等の見直しを行いつつ、平成20年度以降、各府省共同利用型のオンライン調査システムに順次移行する。
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(2) |
実査・集計業務システムの構築 |
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実査・集計業務システムにより、実査、審査・集計及び公表・提供における以下の業務について電算処理を行う。 |
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データ登録 |
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収集された個票データの電子ファイルを、調査実施課が指定されたフォルダに格納することでシステムがデータを自動的に取り込む。
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エラーチェック・修正 |
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システムに登録された個票データのエラーチェック・修正機能の向上・充実を図る。具体的には、システムに登録された個票データの誤りを自動的に検出し、画面上に表示する。調査実施課の担当者は、画面上で確認した上で個別または一括で補正する。また、経由機関が個票データのエラーを修正する場合は、調査実施課が当該エラーデータを経由機関毎に抽出した上で経由機関に送付し、経由機関が修正したデータを調査実施課が実査・集計業務システムに再度取り込むことで、データを補正する。なお、集計データを基礎表へ適宜出力することにより、調査実施課が電算処理では判別できない個票データの誤りについて、目視で検出する作業を支援する。
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調査客体抽出・ウェイトデータ作成 |
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抽出調査においては、母集団データから調査客体を抽出し、抽出された調査客体に対して調査を実施している。この調査客体の抽出については、各府省共同利用型の事業所・企業データベースの標本抽出機能を利用することにより調査客体を抽出することを原則とするが、学校情報、在籍児童・生徒数等の調査の特性上事業所・企業データベースを利用し難いものについては、基幹データベースシステムに登録されたデータに基づき調査客体を抽出する。また、抽出調査の集計に用いるウェイトデータの作成及び集計結果へのウェイトデータの反映についても、システム上にウェイトデータ作成のための条件を登録することで、ウェイト値を反映した集計を実行する。
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統計表作成 |
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これまで印刷・公表用に手入力により加工・編集してきた統計表データについては、フォーマットとして表計算ソフトウェアを利用し、定義された統計表フォームにシステムが持っている統計表データをシステムが自動で埋め込む。
また、個票データを変更した場合は、自動的に統計表データへ変更を反映する。 |
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(3) |
基幹データベースシステムの構築 |
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一部を除いて業務毎に管理・修正されていた各種コード等のデータについて、基幹データベースシステムに登録することで、個票データ、統計表データ、調査に必要な各種コード及び各種定義情報を一元管理し、調査実施課の職員が必要な情報を相互に更新利用する。 |
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データの一元管理 |
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調査で収集した全ての個票データ、統計表データ・ウェイトデータ等の統計表作成過程で生成された全てのデータ及び目的外使用の申請に基づいて作表したデータを、基幹データベースシステムで一元管理する。
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調査客体情報の一元管理 |
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現行システムにおいて業務毎に管理している調査客体の情報を一元管理する。
また、調査客体の識別や調査票の審査、集計の定義等に必要な各種のコードを、各府省共同利用型システムへ登録できるデータ形式で出力することで、各府省共同利用型システムとの連携を図る。
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業務管理情報の一元管理 |
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統計調査業務は、統計法により秘密の保護が求められていることから、ユーザ毎の利用権限をデータの種別、システム機能、組織階層により明確にした上で調査実施課において厳密に管理する。
また、全てのデータを一元管理することから、ユーザ毎の利用状況を記録・管理することは、セキュリティ上重要事項となってくる。このため、基幹データベースシステムにおいて、データの利用、ユーザアクセス等のログを管理する機能を持たせ、データの保全状況を管理する。
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目的外申請情報の一元管理 |
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情報の高度利用・政策立案を支援するため、過去に実施した目的外使用の申請内容、用途情報及び集計処理結果を基幹データベースに登録し一元管理する。これにより、調査実施課の職員が紙の資料を探すことで行っていた、目的外使用申請における過去の申請情報からの類似性の有無の確認については、本システムに登録されている記録を検索することで、申請者への回答を迅速に行う。 |
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3. |
情報の高度利用による政策立案及び目的外使用への対応 |
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平成20年1月までに集計データ活用システム及び目的外使用申請システムを整備し、多様な個票データ、統計表データの活用及び目的外使用申請の処理を効率化する。
これにより、調査実施課の厳密な権限管理のもとで省内の職員による統計表データの自由な利用を可能にするとともに、目的外使用対応業務にかかる負担を軽減し、年間延べ約39日分(試算値)の業務処理時間に相当する業務処理の簡素化を図ることが見込まれる。 |
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(1) |
集計データ活用システムの構築 |
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政策立案等の資料に用いるため、個票データ及び統計表データの閲覧・集計・加工等の多様なニーズがある。これに対応するため、集計データ活用システムにより、表頭・表側の任意選択や経年比較、複数業務をまたがった集計等の処理を行い、新たな統計表を作成することにより、統計表データを再利用する。
また、調査実施課が、指定された個票データ及び統計表データについて権限を与えることによって、省内の職員が上記の集計作業を行う。
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(2) |
目的外使用申請システムの構築 |
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目的外使用申請システムにより、省内の目的外使用申請者からの申請書の受付及び結果通知を電子化する。 |
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4. |
統計情報の公開 |
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統計表データは、平成20年度より各府省共同利用型の統計表管理システムに登録するとともに、「政府統計の総合窓口」(e-Stat(イースタット))を通じて、原則として全てインターネット上に公開する。
また、公開に必要な表計算ソフトウェア形式のデータは実査・集計業務システムにより自動的に作成する。これにより、年間延べ約34日分(試算値)の業務処理時間に相当する業務処理の簡素化を図ることが見込まれる。
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5. |
外部委託の推進 |
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これまでも、調査票の修正等に対するメンテナンス業務の一部や、データパンチ等について外部委託を積極的に推進してきたところであるが、これに加えて、平成20年1月までにメンテナンス業務について外部委託を推進する。これにより、メンテナンスに必要な経費の上昇を抑えつつ、年間42日分(試算値)の業務処理時間に相当する業務処理の簡素化を図ることが見込まれる。
なお、上記に加え、その他の統計調査等業務について、「統計調査の民間委託に係るガイドライン」及び統計調査等業務の最適化計画に基づき、積極的に外部委託を行う。 |