萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和元年10月29日)

令和元年10月29日(火曜日)
教育、その他

キーワード

台風第19号に関する対応及び副大臣・大臣政務官の被災地への派遣、大臣の10月24日のテレビ番組での発言に関する件、一年単位の変形労働時間制の撤回と給特法の抜本改正を求める署名の提出があった件

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和元年10月29日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和元年10月29日)

令和元年10月29日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 私から冒頭、1件御報告がございます。本日の閣議において、台風第19号が激甚災害に指定され、文科省関係の施設についても、災害復旧事業に関する特別の措置が講じられることとなりました。台風19号以降に発生した文科省関係の物的被害としては、学校施設で2,063校、社会教育施設等で1,292施設、文化財等で181件、独立行政法人等で17施設等、広範囲にわたる被害が報告されております。また、台風19号や先週末の大雨による甚大な被害を受け、現在、公立学校18校、私立学校10校において休校となっているほか、他の学校を間借りして再開している学校等、復旧に時間を要する学校も多く残っております。こうした状況を踏まえ、被災地の様々なニーズをきめ細かく把握し、的確な対応を行うため、本日、佐々木大臣政務官を長野県長野市に、明日、亀岡副大臣を福島県郡山市に派遣することとしました。引き続き、子供たちが一日でも早く日常を取り戻すことができるよう、被災地の支援に全力を尽くしてまいります。私からは以上です。

記者)
 大学入試の英語民間試験を巡ってなんですけれども、大臣は、先日、自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえればとおっしゃった関係で、昨日、説明不足だった旨をおっしゃっておられたわけですけれども、その後も格差や差別の固定化を認めるような発言などとですね、公平性に関する認識について批判があがっているわけですけれども、改めてご見解を伺えればと思います。

大臣)
 先週24日のテレビ番組における発言の真意について、昨日、ぶら下がりの会見の中でも説明させていただきましたけれども、私はどのような環境下にいる受験生においても、自分の力を最大限発揮できるよう、自分の都合に合わせて、適切な機会を捉えて、英語試験ですけれども、2回の試験を全力で頑張ってもらいたいとの思いで発言をしたものです。しかしながら、結果として国民の皆様、特に受験生の皆さんに対して不安や不快感を与えることになってしまったと考えており、改めてお詫びを申し上げるところでございます。

記者)
 変形労働時間制とそれを柱とした給特法の関係なんですけれども、昨日、大臣あてに撤回や見直しを求める署名が提出されました。提出した方々からは、夏休み中の休暇のまとめ取りとかですね、変形労働時間制を入れなくて可能であるなどといったですね、声が上がっていましたけれども、改めてどのように受け止めてらっしゃいますか。

大臣)
 昨日、御指摘の署名について、現職の教師の皆さんや全国過労死を考える家族の会の方々などが来省し、事務次官が受け取らせていただきました。今回いただいた御要望・署名を含め、不安や懸念の声があることは承知をしております。そうした懸念点を払拭できる制度設計とする必要があると常々考えており、その点については国会において丁寧に説明をさせていただきたいと考えています。具体的には、休日の「まとめ取り」のための一年単位の変形労働時間制の活用について、本年1月の中教審の答申においてもですね、一年単位の変形労働制を導入することで、学期中の勤務が現在よりも更に長時間化してしまっては本末転倒であるということ、それから所定の勤務時間を現在より延長した日に授業時間や児童生徒の活動時間も現在より延長するようなことがあってはならないと指摘をされており、導入にあたって、まずは業務の削減を前提とする必要があると考えております。このため、改正法が成立した場合に新たに制定することとなる文部科学省令や「指針」において、指針における在校等時間の上限の遵守など規定することで、休日の「まとめ取り」のための一年単位の変形労働時間を活用する場合には、各教育委員会や学校において中教審答申の趣旨を踏まえた運用がなされることが担保される制度とすることとしております。また、給特法自体については、まずは教師でなくてはなければできないことに教師が集中できるように、今回の法改正を含む働き方改革の強力な推進により業務を縮減し、その成果を社会に示しつつ、3年後に実施予定の教師の勤務実態状況調査を踏まえながら、長期的な課題として、教師に関する労働環境について、給特法などの法的枠組みを含めて検討を行う必要があると考えています。

記者)
 民間試験の発言に戻るんですけれども、ということは大臣は発言を撤回されるということでよろしんでしょうか。

大臣)
 昨日、真意について詳しく説明をしました。当然のことながら発言を撤回した上でですね、そういう説明をしたつもりでおりますので、そのように受け止めていただいて結構です。

記者)
 身の丈発言のことについて続いて恐縮なんですが、野党側はですね、昨日もですね、大臣の説明があったと思うんですけれども、この問題をですね、今日から始まる委員会等の機会でですね、厳しく追及して辞任も視野に入れるということを言っているんですが、まず野党についてどういう姿勢で説明に臨まれるのか、またですね、この新しい国会のですね、冒頭、教育行政いろいろと課題がある中で大臣の発言がまず焦点になってしまったことについて、大臣はどのようにご自身でお考えになられるのか。

大臣)
 野党、与党問わずですね、国会で正されればですね、きちんとその真意については説明をしていきたいと思います。文部科学行政の責任者として、自分の本意ではないとはいえですね、結果としてこういった不安を与えてしまう受け止めをされてしまうような発言があったことは、私の不徳の致すところだというふうに反省をしております。今後、信頼回復に向けてしっかりと結果を出していきたいと思いますし、すごく残念なのは、私自身はですね、この番組の中でもずっと通じて申し上げてきたんですけど、ようは経済的に恵まれない子供たちの支援を法律などで様々してきたという自負がございましたので、そういった意味では、是非、受験生の皆さんにいろんな環境はあるけれど頑張ってほしいという思いを含めての発言だったので、決して見下したり切り捨てたりするようなことを念頭に発言をしたのではないということだけは、改めて皆さんにきちんと伝えていきたいなと思っています。

記者)
 今の発言について続けさせていただきます。まずですね、教育の機会均等について、萩生田大臣がどのように考えてらっしゃるかをまず確認を、御考えをお願いしたいんですが。

大臣)
 当然のことながら憲法及びそれを受けた教育基本法の規定等に基づいて、私としても、引き続き、この件についてどのような環境下にある受験生においても自分の力を最大限発揮できるように積極的な措置を講じてまいりたいと思っています。

記者)
 今の大学入試の民間検定については、そういう格差を拡大するものだという認識というのは、身の丈という言葉を使った時点であるのではないかと考えるんですが、それについてはいかがですか。

大臣)
 話のやりとりの中での会話だったので、言葉だったので、私は経済のことだけを指してお話したつもりはなかったんですけれど、制度としては、平等性が担保される仕組みを作ってきたと思います。しかし、そこに辿り着くまでの、いうならば受験勉強の在り方というものについては様々なツールがありますので、そこを全てイコールフィッティングするということは難しいなという問題意識の中での発言だったと私も承知しております。是非、誤解のないようにきちんとこれからも説明してですね、いずれにしてもこれで終わりじゃなくて更に充実をさせていきたいと思ってますので、そういった政策で結果を出していきたいと思っています。

記者)
 更に充実をさせたうえで導入するべきではないんでしょうか。一旦延期をして。

大臣)
 この試験については、常々御報告をしておりますように、私も就任以来、様々な課題があることは十分承知の上で取り組みをしてきました。9月末でですね、期限を切ったことによって、受けるべき大学の中身が明確になってきた、受けれる会場の場所が明らかになってきた、こういう状況にありますので、更に足らざるところを補いながら、是非、これは予定どおり実施をさせていただきたいと思っています。

記者)
 身の丈発言で、結局その身の丈というのは比喩だと思うんですけれども、これはようするに何のことなのかというのを言い換えると何なのかというのをちょっと確認したいんですが。

大臣)
 繰り返し申し上げてますけど、自分の力を最大限発揮できるよう自分の都合に合わせて適切な機会を捉えて2回の試験を全力で頑張ってもらいたいという思いで発言をしたものです。

記者)
 自分の力というのは学力という意味ですか。

大臣)
 もちろん学力が必要です。試験を受けるには。

記者)
 あともう1点、本番の試験をやる業者が、事前の検定や対策指導で収益を得ているのは、利益相反になるのではないかという指摘がありまして、業者が学校の勉強では解けないような問題を出すと、みんなが検定や対策指導を受けざるを得ないという問題も起こり得るかと思うんですけども、利益相反についてお考えがあれば。

大臣)
 今回は既存の外部のですね、試験を大学入試に活用するということで、既に存在をしていたものでございます。そういう意味では、その団体があらかじめ参考書を発行していたりとか、あるいは様々な資料を販売をしているという実態は承知をしておりますけれども、直ちに利益相反になるというふうには認識をしておりません。

記者)
 先ほど撤回するのかという質問がありましたけれども、昨日、大臣、ぶら下がり取材で確かにお詫びはされました。ただ質問に対してですね、報道のされ方がちょっと、報道のされ方によってよくないふうに受け取られた、前後の文脈、全体で見ればそういう意図はないというようなことをおっしゃいましたけれども、そういう言い方をしているととても昨日の段階では撤回というふうには思えないんですけど、今日改めて撤回するという意味なんでしょうか。

大臣)
 はい。撤回はします。

記者)
 本日ということですね。昨日は撤回。

大臣)
 昨日、撤回と言う言葉を使ってなかったので、改めて撤回をさせていただいて謝罪を申し上げました。

記者)
 なるほど。

(了)

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