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柴山昌彦文部科学大臣記者会見録(平成31年4月16日)

平成31年4月16日(火曜日)
教育、科学技術・学術

キーワード

平成30年度英語教育実施状況調査の結果、教科書検定で北海道を領土外扱いにしているとの報道の件、次世代望遠鏡TMT

柴山昌彦文部科学大臣記者会見映像版

平成31年4月16日(火曜日)に行われた、柴山昌彦文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成31年4月16日柴山昌彦文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

柴山昌彦文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 本日、私からは1件です。平成30年度英語教育実施状況調査の結果について申し上げます。この調査は、毎年、各教育委員会における英語教育の充実や改善に役立てるために全国の公立小・中・高等学校における英語教育の実施状況を調査しているものであります。今回、昨年12月現在の状況が取りまとまりましたので報告をいたします。小学校については、2020年度からの教科化に向けて、専科指導等の活用やALTの授業参加など、指導体制の充実が進んでいることが伺える結果となっています。中学校・高等学校については、生徒の英語力が、前年度より上昇はしているものの、地域による差が大きく、地域間の取組の差を埋めていくことが必要です。特に、高等学校については、生徒の授業における英語での言語活動の割合や、「話すこと」「書くこと」のパフォーマンス評価の実施率が未だ低いなど、4技能をバランスよく育成していく取組が進んでいない状況が明らかになっています。高等学校においては、4技能を総合的に育成し、大学入学者選抜においては、4技能を適切に評価する必要があります。このため、「大学入学共通テスト」の枠組みで実施される英語資格・検定試験の活用など、高校教育・大学教育・大学入学者選抜を一体として改革する高大接続改革を進める必要性を改めて感じております。今回の調査結果を踏まえつつ、小・中・高等学校で一貫した英語教育改革を引き続き進めてまいりたいと思います。私からは以上です。

記者)
 今おっしゃった英語教育実施状況調査なんですけれども、政府目標で50パーセントというものを上げてらっしゃるかと思うんですが、中3で42.6パーセント、高3で40.2パーセントと達していないこの状況についてはどのように受け止めてらっしゃいますか。

大臣)
 今御紹介をいただいたとおり、生徒の英語力についてはですね、第三期教育振興計画で目標を定めておりまして、中学校卒業までにCEFR A1相当、英検3級相当、そして高校卒業までにA2相当、英検準2級相当の生徒の割合をそれぞれ50パーセント以上とするという目標を掲げているわけなんですけれども、今回、第三期教育振興基本計画の定めた初年度ということもございまして、おっしゃるように、まだ目標を達成できておりません。都道府県・指定都市別で見ても、中学校で10都県市、高等学校では3県程度しか目標に到達していないということには、率直に言って課題があると考えております。今後は成果を出している地域の取組みを、他の地域に普及する等の取組を通じて、生徒の英語力向上に取り組んでいきたいと考えております。

記者)
 先日、ブラックホールに関する大きな発表がありました。それで関連してなんですけど、現在、国立天文台など国際共同チームが建設を進めようとしているTMTという望遠鏡があるんですが、それの今の建設状況と、今後の期待について教えてください。

大臣)
 TMT計画は、宇宙誕生の謎の解明やダークエネルギーの性質の解明などを目指して、日本をはじめ5か国が参画する国際共同プロジェクトであります。この計画は、建設反対派と建設のための保護地区利用許可に関して、長らく係争していたところでありますけれども、昨年10月、ハワイ州最高裁の判決で建設承認の有効性が認められまして、今後、州政府による建築計画の確認を経て、中断されていた工事が再開されると伺っております。先日、ブラックホールの撮影成功という、歴史的成果の発表がありましたけれども、このTMT計画も着実な推進が図られ、宇宙の謎の解明につながる研究が進展することを心から期待をしております。

記者)
 小学校の教科教書検定において、江戸時代初期の対外貿易を示す地図の中で、赤色だった日本列島のうち、北海道と北方領土を白くする修正が行われました。これに対してですね、北海道が日本でないかのような誤解を児童に与えかねないとする指摘がありますが、大臣はどのように思われるんでしょうか。

大臣)
 今、指摘をしてくださったとおり、この教科書の記述はですね、現在の日本の北方領土に対する法的な見解とは全く矛盾するものではありません。一部誤解がありますけれども、それはまず強調させていただきたいと思います。先日、公表された小学校用教科書の検定において、申請図書では、江戸時代初期の日本町のあったところを示した地図が掲載され、日本列島全体が塗色されていたところであります。図書の構成上、当該地図は現在の日本の領土を示すものではなく、当該時代、すなわち江戸時代初期の江戸幕府の支配領域を表したものでありまして、江戸時代初期における江戸幕府の支配は、北海道全体には及んでおらず、誤解するおそれがあるということから、教科用図書検定調査審議会の学術的・専門的な審議の結果、検定意見を付し修正を求め、北海道南部の一部を塗色するという修正がなされたものと伺っております。

記者)
 関連してなんですけれども、地図にはですね、日本とあるだけで江戸幕府の支配領域だという説明は、地図にも教科書本文にもどこにも書かれていませんけれども、それでも大臣は児童がこれを見て、これは江戸幕府の支配領域だと誤解は全くしないというふうにお考えなんでしょうか。

大臣)
 私もですね、今御指摘をいただいた教科書のですね、現物を見させていただきました。「キリスト教の禁止と鎖国」というところで、今の御指摘の地図が掲げられておりまして、説明文には「江戸幕府は、初め外国との貿易をさかんにしようとして、大名や商人に許可状(朱印状)をあたえて外国との貿易を保護しました。その結果、多くの貿易船が東南アジアなどに向かい、各地に日本町がつくられました。」という記述があり、そして、その脇に日本町のあったところという形で日本全体が塗色された地図が載っているということでありました。ということから、この図書の構成上、今申し上げた本文と地図を合わせて見ると当該地図は、現在の日本の領土を示すものではないというように読み取れるかと思いますけれども、ただ、今御指摘のとおり、実際の学校現場において冒頭に御質問いただいたような誤解が生じないよう教師から適切な指導が行われることを期待をしております。

記者)
 今おっしゃった江戸幕府の支配ということなんですけれども、その場合の支配というのは、これは定義は交易権ではなく、コメの徴税権のみをもって支配とするというふうに聞こえるんですけれども、例えば北海道ですと厚岸町などでは、寛永年間、ちょうどその地図の前後ですね、運上屋を松前藩が設けたとか、色んな見方があると思うんですけれども、ちょっとやっぱりその教科書記述のみをもってしては説明不足ではないかなと思うんですが、大臣いかがでしょうか。

大臣)
 先ほど申し上げたとおりですね、この判断は教科用図書検定調査審議会の学術的・専門的な審議でございますので、大臣としてその判断に必ずしもコメントするべきではないかと思いますけれども、江戸時代初期においては、松前藩は北海道全体を支配していたということではなく、江戸時代前半を通じて徐々に北海道の統治を確立していったということが、学会での支配的な理解であるというように承知をしております。ちなみに内閣府のホームページでは、北方領土問題の歴史的経緯を説明する中で、1635年、かなり江戸幕府がスタートしてから年数が経った段階でありますけれども、その段階において松前藩が蝦夷地方の調査を行った際の理由付として、このような当時の北海道における支配の状況を指して「北海道を支配していた松前藩」と表現をしているものと伺っております。従って、江戸時代初期に本州と同様な形では北海道全体が江戸幕府の支配地域となっていたわけではないという観点から付された検定意見と必ずしも矛盾するものとは考えておりません。なお、一般的には、松前藩による北海道の支配については、江戸時代前期までは松前周辺の北海道南部を拠点としてアイヌとの独占交易権を有し、交易をおこなっていましたが、その後、徐々に北海道全域への支配を広げていったというように考えられていると伺っております。

記者)
 そうしますと北海道が白い地図については、大臣としては審議会の意見を尊重するということでよろしいんでしょうか。

大臣)
 北海道が白くなっているというよりはいわゆる渡島半島、当時の松前藩の拠点については実は白くなっていないと、とても小さい地図ですので北海道全体が白くなっているように見られてしまうんですけれども、当時の松前藩が所在していたところについては、日本の、あるいは江戸幕府の支配下にあったという形がとられているというようには伺っておりますので、今回の教科書検定意見については、私としては妥当であるというふうに考えております。

記者)
 黒い線上に赤が重なっているということですかね。

大臣)
 是非、そのあたりもちゃんと説明して欲しいと、現場の学校の先生には説明して欲しいと思いますが、必ずしもこの検定意見そのものについてはですね、私として何らかのコメントをする必要はないというふうに考えております。

記者)
 英語状況調査なんですけれども、今回、高校3年生というのが小学校の英語の外国語活動が始まった学年に当たると思うんですけれども、それでいて前年と比べて、0.9ポイント増と、あまり大きな伸び幅とは言えないところなんですが、外国語活動の意義というか、成果について、御所見をいただければと思います。

大臣)
 確かに前年度に比較するとですね、例えば、中学生ですと、基準というか目標達成が2パーセント弱の向上、そして高校生ですと1パーセント弱の向上ということで、若干、伸びがそれほどでないように思われるかもしれませんけれども、それとは別に小学校外国語活動の導入によってですね、以前よりも、生徒が中学校入学時点において英語に慣れ親しみ、積極性が向上しているというような成果もですね、これは小学校外国語活動実施状況調査の結果出ているところでありまして、更に、これまでの調査結果、中学校・高等学校における英語力はですね、この5年間という少し長いスパンで見てみますと、中学校ですと平成25年時の目標到達32.2パーセントから比べると、42.6パーセントとかなり大きく向上しております。高校生に至っては、31.0パーセントから40.2パーセントということで伸びているということが見て取れまして、これまでのですね、外国語活動の導入がですね、効果がなかったとは我々としては考えておりません。裏を返して言うと、ではその平成25年以前はどうだったんだというような話になるのではないかというように思います。今後は、この方向性を更に進めて、小学校における外国語活動の充実から大学入試まで小・中・高等学校において一貫した英語教育改革を着実に進めていきたいと考えております。

(了)

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成31年04月 --