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柴山昌彦文部科学大臣記者会見録(平成31年3月29日)

平成31年3月29日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

「文部科学省創生実行計画」の取りまとめ、児童虐待死が疑われるケースに係る学校・教育委員会等における緊急点検の結果の公表、新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(中間まとめ)、ゲノム編集指針の制定、国際文化交流の祭典の実施の推進に関する基本計画の閣議決定、元東北大学長の井上氏らの論文が科学的に不適切と撤回されたとの報道の件、教科書検定の結果、東京福祉大学への実地調査、米国が2024年までに宇宙飛行士を月に送ると発表した件

柴山昌彦文部科学大臣記者会見映像版

平成31年3月29日(金曜日)に行われた、柴山昌彦文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成31年3月29日柴山昌彦文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

柴山昌彦文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 本日、私からは5件ございます。はじめに本日付で、一連の不祥事の再発防止策を含めた文部科学省の在り方とその実行方策に関する「文部科学省創生実行計画」を取りまとめましたので報告をさせていただきます。「文部科学省創生実行計画」は、私が本部長を務める「文部科学省創生実行本部」において3回にわたり熱心に議論を行い、「文部科学省未来検討タスクフォース報告」や広く省内における議論等も総合的に踏まえて取りまとめたものです。創生実行計画の内容について、御説明します。まず、今般の幹部の逮捕・起訴事案等一連の不祥事を真摯に受け止め、不祥事を未然に防げなかった文部科学省の組織文化や組織風土の課題と改革すべき方向性を明確化しました。その上で、具体的取組として、第一に、組織風土改革やガバナンスの強化のため、専属の体制として「省改革推進・コンプライアンス室」を設置するとともに、外部有識者からなる「コンプライアンスチーム」を設置することで、コンプライアンスに係る取組を第三者の目も入れて総合的に推進してまいります。第二に、文部科学省職員の意識改革と能力育成が特に重要であるという観点から、文部科学省の人事政策・人材育成の在り方の見直しこそ急務であると考えており、先日私から提案した人事改革案の内容も盛り込み、文部科学省における人事の改革や国立大学法人との人事交流の改革を着実に実施します。第三に、現場に根差した政策立案機能の強化、広報機能の強化や省内の業務改善を徹底します。そして、これらの取組の実効性を確保するため、私、大臣を本部長とする「文部科学省改革実行本部」を4月から新たに設置して、取組の効果を検証して、不断の改革を推進してまいります。私としては、創生実行計画に盛り込まれた具体的取組を着実に実施することで、国民の信頼を一刻も早く取り戻すとともに、文部科学省が公務員改革全体のフロントランナーとなっていくという自負と気概を持って、私自身が先頭に立ち、文部科学省一丸となって取り組んでまいりたいと思います。
 第二でございますが、児童虐待が疑われるケースについてでございます。昨日、緊急点検の結果について公表をさせていただきました。点検の結果、対象児童生徒等の数は、約187,000人おり、その中で、市町村等に情報共有されたものは約12,500人となりました。今回の緊急点検は、年度末の多忙な時期にもかかわらず、短期間での面会を実施していただいたものであり、教職員等の関係の皆様の御協力に改めて感謝を申し上げたいと思います。この緊急点検を実施した結果、学校等の欠席を端緒として得られた児童虐待のリスク情報が市町村や児童相談所、警察等の関係機関と共有され、必要な支援につながったものもあると考えております。今回、情報共有をした案件については、引き続き関係機関が連携して対応に当たっていただきたいと考えており、文部科学省としても必要に応じて教育委員会等を支援してまいりたいと考えております。
 続きまして、このたび、昨年11月に公表した「柴山・学びの革新プラン」を踏まえて、先端技術の活用方策の具体化の検討を進め、「新時代の学びを支える先端技術活用方針方策」の中間まとめを取りまとめましたので報告をさせていただきます。公教育や教師の役割の重要性は変わるものではありません。しかし、先端技術の効果的な活用を通じて、教師の指導や子供の学習の質を更に高め、「子供の力を最大限引き出す学び」を実現する目指すべき次世代の学校・教育現場を具体的に提示するとともに、遠隔教育の推進による先進的な教育の実現、教師・学習者を支援する先端技術の効果的な活用、先端技術の活用のための環境整備を柱に、現状と課題を整理しました。1点目の遠隔教育の推進については、希望する全ての学校が遠隔教育を活用できるよう、様々な支援・助言が受けられる環境の整備や「遠隔教育特例校」の創設を含めた実証的取組を推進していきます。2点目の教師・学習者を支援する先端技術の効果的な活用については、教育現場で活用されている先端技術について整理を行ったところです。今後、効果的な活用場面についての基本的な考え方等を最終まとめで提示してまいります。3点目の環境整備については、世界最高速級の学術通信ネットワーク「SINET」を初等中等教育段階の学校へ開放するほか、ICT環境整備を安価に行うための具体策の提示などの施策を推進してまいります。特に、この「SINET」は、産官学共同で進めている知識集約型社会の基盤インフラとしても期待されており、初等中等教育と高等教育の交流・連携を通じた最先端の知や教育データの共有化が図られるなど、大きな可能性を秘めております。引き続き、教育再生実行会議における議論の結果なども踏まえながら、6月の最終まとめを目指して、更に検討を進めてまいります。
 4点目ですが、これまで文部科学省及び厚生労働省にて検討を進めてまいりましたゲノム編集指針の制定について、本年1月に総合科学技術・イノベーション会議生命倫理専門調査会による確認、了承をいただいたところですが、所定の手続きを経て、来週4月1日付けで告示、施行することといたしました。この指針は、ヒト受精胚へのゲノム編集に関して、我が国における初の指針となります。研究の要件を生殖補助医療の向上に資する基礎的研究に限定するとともに、ゲノム編集を行った受精胚の人又は動物への胎内移植の禁止を明示しております。文部科学省としてはヒト胚へのゲノム編集技術を用いた基礎的研究を適正に進めていくためには、倫理面に配慮した指針の整備と円滑な運用が不可欠であると認識しており、引き続き、関係府省と連携しながら、指針の適切な運用を図るとともに、社会の信頼の下に、この分野における基礎的研究が進むことを期待しております。
 最後に、本日、昨年6月に公布・施行された国際文化交流の祭典の実施の推進に関する法律に基づき、「国際文化交流の祭典の実施の推進に関する基本計画」が閣議決定されました。我が国においても国際的に高い水準の国際文化交流の祭典を実施するために、新たな大規模祭典の創設に関する検討をしつつ、現在、全国各地で実施されている国際文化交流の祭典についても、引き続き、支援をしてまいりたいと考えております。私の方からは以上です。

記者)
 大阪大学と京都大学で研究不正が立て続けに明らかになって、また東北大学で20年前の研究なんですけれども、元総長の論文が撤回されるという事態になりました。まず、これについての受け止めをお願いします。それから、東北大学の件に関しては、この撤回について、東北大学は特に対応を取っておらず、またファンディングした科学技術振興機構が特に調査をする意向がないという考えを示していますが、これについて大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 御指摘のような報道があったことは当然承知をしておりますが、学会誌の取扱いに関する学会の自主的な決定でありまして、現時点では文部科学省としてのコメントは差し控えさせていただきます。今後の対応ということでありますが、東北大学において学会から詳しい情報を確認すると聞いておりまして、大学において適切に対応されるものと認識をしております。

記者)
 教科書検定についてお伺いしたいんですが、社会の教科書で北方領土について、固有の領土を明記された一方で、総理はそういった表現を避けていると思うんですが、駐日のロシア大使からも反発の声が挙がっていることについて、どういった御見解なのかお聞かせください。

大臣)
 今回の北方領土に関する検定結果について、駐日ロシア大使が発言をされたことは報道で承知をしております。我が国の領土や歴史等について、児童に正しく理解されるよう、教科書に正確に記述されることは重要であると私は考えております。我が国の教科書検定は、民間の発行者が作成した教科書に対し、専門的・学術的見地から行われるものであり、今回の検定についても、教科用図書検定調査審議会の専門的・学術的審議に基づいて公正・中立に検定が行われた結果であると承知をしております。関係国等においても、このような我が国の検定制度の趣旨について理解をしていただきたいと考えております。

記者)
 省改革の関係で、コンプライアンス室を新設されると。室長はどのような立場の方がされて、規模感というかですね、室の構成員、規模感といったものはどのようになるんでしょうか。

大臣)
 コンプライアンス室の新設ですけれども、先ほど、申し上げたように4月1日を予定しておりますが、室長は、このコンプライアンス室は省の様々なコンプライアンスの統括をするということで、大臣官房総括審議官を一応想定しております。

記者)
 人数とか、そういう意味では構成員といか、どれくらいの規模でやられるのですか。

大臣)
 それについては、それぞれ各局の担当をメンバーとすることを現時点で想定しております。正確に申し上げると、先ほど、紹介させていただいた総括審議官を室長としてですね、その下に、課長級の次長、その他、企画官、補佐、係長などから成る充実した体制をとりたいと考えております。

記者)
 関連して、省改革の関係で、先ほどフロントランナーというお言葉がありましたけれども、省庁を改革する上で霞が関の他省庁と比べて特にここに力を入れたという点があれば改めて教えてください。

大臣)
 もちろん各省庁でですね、公文書の管理の仕組みなど整備をされているところであります。ただ、私といたしましては、ずっとこれまで、ガバナンスの問題に法律家としても取り組んできたものですから、特にコンプライアンスとかガバナンスについて、その組織に応じてどのような態勢を取るのがふさわしいかということを検討し、今、紹介させていただいた省の中でのコンプライアンス、各部門でのですね、しっかりと目配りができるコンプライアンス室を設けるとともに、第三者としてのコンプライアンスチームをしっかりと設けるとともに窓口や指導・助言をしていただくと、こういう仕組みを作らせていただいたということ。それから、人事についての、例えば採用区分にとらわれない、また、女性や若手についても、しっかりとその能力と、あるいは希望に応じた形の抜擢をしていくというようなこと、それから天下りの問題にも関係しますけれども、再就職等の在り方についてもかなり踏み込んだ形で提案をさせていただいたこと、こういったことなどがですね、私は霞が関のフロントランナーとして、今後、公務員制度改革を行う上でやはり重要になってくるのかなというように思います。そして何よりも私が就任当時に申し上げたことであるわけですけれども、やはり風通しのよい組織を作っていく、組織文化についても既にいろいろと問題視されてきたことでありますけれども、この創生実行本部の議論もですね、本当に若手の方々も含めて、率直に大臣である私も含めて意見交換をさせていただくことができたというふうに思っています。現場を含めたこういった率直な風通しのよい組織を作っていくということも私は非常に大きな成果ではなかったのかなと考えております。

記者)
 新しい学びの形という、そういう遠隔教育を推進されるということなんですけれども、大臣、改めて、メリットとですね、課題みたいなものについてお聞かせいただけますか。

大臣)
 遠隔教育はですね、教育の質を大きく高める手段でありまして、学校同士をつないだ合同授業の実施、学びを深めるための外部人材の活用、幅広い科目の開設など、教師の指導や子供達の学習の幅を広げることや、また、これは特筆させていただきたいんですけれども、特別な支援が必要な児童生徒等にとって、学習機会の確保を図る観点からも重要な役割を果たすものだと考えております。ただ、一方で遠隔教育は、画面越しでのコミュニケーションということで、そのコミュニケーションが限定されることや準備等の負担が生じること、機器のトラブルのリスクがあることなどがデメリットとしてあげられていることから、ノウハウを蓄積・共有し、効果的な活用の理解を進めていく必要があると思います。これらも踏まえ、今回の「中間まとめ」では、連携先のマッチングや、指導面・技術面のアドバイスなど、様々な支援・助言が受けられる環境の整備、実証事例の創出やグッドプラクティスの周知、遠隔教育を実施する基盤としての「SINET」、先ほど紹介をさせていただきましたけれども、その初等中等教育への開放などの施策を講じるものとしております。これらの施策によって遠隔教育が全ての学校にとってあたり前のものとなるよう、推進していきたいと考えております。

記者)
 東京福祉大学についてお伺いしたいんですけれども、今週26日(火曜日)に実地調査を行ったかと思います。調査の結果と今後の対応について教えてください。

大臣)
 3月26日に東京福祉大学への実地調査を、東京入国管理局と連携をして、留学生の適正な受け入れが行われているのか、学習環境が適切に提供されているのか等の視点から除籍者等の事由、留学生の履修や出席の状況、教育施設・設備の状況等について確認をいたしました。先方から聴取した内容を整理しつつ、問題がないか確認していくことにいたします。なお、必要があれば今後も実施調査を行うこととしております。その上で、詳細については現在も調査中ではありますが、履修科目数や出席率を考慮すると、法務省令で定める在留資格の基準である週10時間の聴講時間を確保できていない学生が存在するのではないか、また、日本語能力が足りず大学に進学できない留学生の在留期間を延伸させるため、名目上、大学の正規課程の研究生(科目等履修生)として受け入れているのではないかということが懸念をされる、疑われるのではないかと思っています。更に所在不明とも思われる除籍者が多く発生する要因など在籍管理体制の詳細も、確認する必要があると考えております。引き続き、徹底した調査を行うとともに、内容を精査し、その結果を踏まえ必要な改善指導を行ってまいります。

記者)
 虐待の問題に関してなんですけども、今後ですね、教育委員会の方を支援するということだったのですが、詳しいそのあたりのどういった形で支援していくのかというのと、大臣、以前から、スクールロイヤー等々といったところの重要性というのも言及されてきたので改めて文科省としての今後の取組みというのをお伺いできますでしょうか。

大臣)
 今回、非常に実施してですね、先ほど紹介をさせていただいたような実態が把握できたということは意味のあることだったというように考えております。今後はですね、今おっしゃったように関係機関が、いずれにしても連携して対応にあたっていただかなければいけないというように考えております。文部科学省としても必要に応じて教育委員会などの相談に乗っていきたいというように考えておりますし、また、今御指摘になられたようにスクールロイヤーの調査・実証などを行っているところではありますけれども、法務省あるいは弁護士会とも連携してそうした取り組みもしっかりと力を入れていきたいと考えております。

記者)
 今週ですね、米国が月の宇宙飛行士を2028年に着陸するというのを、2024年に前倒しするという発表がありました。これに関しての受け止めと、日本の月や月有人近傍拠点の取組み、それを変更などあるのか、何か計画がもしあれば教えてください。

大臣)
 今、御指摘のとおり、米国国家宇宙会議において、ペンス副大統領が、目標を前倒しして、5年以内に米国人の宇宙飛行士による月の南極への着陸を目指すことを表明したことは承知をしております。これは、米国の月探査に関する積極的な意志の表れだと捉えています。文部科学省としても、今回の米国での動きも踏まえつつ、月面での持続的な探査活動に必要となる技術の確立とともに、月近傍有人拠点「Gateway」の参画に向けて、独自性を打ち出しつつ国際調整や技術検討を進めていくことを加速していきたいと考えております。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成31年03月 --