林芳正文部科学大臣記者会見録(平成30年6月5日):文部科学省
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林芳正文部科学大臣記者会見録(平成30年6月5日)

平成30年6月5日(火曜日)
教育、スポーツ、文化、その他

キーワード

「Society 5.0に向けた人材育成 ~社会が変わる、学びが変わる~」、入試ミスの防止に係る新たなルール、「文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案」の成立、日本大学アメフト部選手による危険タックル行為、神戸市立中学校の自殺事案における教育委員会及び学校の対応の件、加計学園の獣医学部新設に関する件

林芳正文部科学大臣記者会見映像版

平成30年6月5日(火曜日)に行われた、林芳正文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成30年6月5日林芳正文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

林芳正文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 私から3件ほどございます。Society5.0という新たな時代に向けまして、今後行うべき取組を検討するため、昨年の11月から私の下で、有識者からなる懇談会と課長級職員を中心とした省内タスクフォースの二つの会議を開催してまいりました。この度、これまでの議論を踏まえまして、Society5.0における人材像や学びの在り方、今後の教育政策の方向性等をまとめたところでございます。Society5.0の社会像をまず描いた上で、学びの在り方の変革、共通して求められる力、新たな社会をけん引する人材、こういったものを示しまして三つの方向性を掲げております。一つ目が公正に個別最適化された学びの実現、二番目が基盤的な学力や情報活用能力の習得、三番目が大学等における文理分断からの脱却、こういった三つの方向性を掲げております。また、これらの方向性に関しまして、リーディング・プロジェクトも掲げておりまして、今後できるものから速やかに具体的な施策を進めてまいりたいというふうに考えております。
 二つ目が大学入学者選抜におけるミスの防止に係る新たなルールについてでございますが、昨年度の大阪大学や京都大学等の入試ミスを踏まえまして、この度、大学及び高等学校の関係者等の御意見を伺った上で本年度から実施をする入学者選抜に向けて新たなルールを取りまとめ、本日各大学に発出することといたしましたのでご報告いたします。このルールでは、試験問題、解答は原則として公表すること、入学者選抜全体のガバナンス体制を構築すること、問題作成時だけではなく、試験実施中や試験実施後においても点検を行うこと、外部から入試ミスに係る指摘等があった場合には、速やかに作題者以外のものも含めて組織的な対応で検証することなどを盛り込んでおります。各大学においては、本ルールを踏まえて、入試ミスの防止や早期発見など、適切な対応に向けて一層取り組んでいただきたいと考えております。
 三つ目でございますが、今国会に提出しておりました「文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案」が、本年5月22日の衆議院での可決に続きまして、6月1日に参議院本会議において賛成多数により可決され、成立をいたしました。本法律は、過疎化や少子高齢化などを背景とした文化財の滅失や散逸を防止するとともに、文化財をまちづくりに活かしていくため、地域における文化財の総合的な保存と活用の促進や、地方文化財保護行政の推進力の強化を図るものでございます。今後、改正法の適切な運用によりまして、文化財保護の一層の充実が図られるように国会での御審議の内容も十分踏まえつつ、改正法の立法趣旨及びその内容について、しっかりと周知に努めてまいります。私からは以上です。

記者)
 アメフトの危険なタックルの問題についてなんですが、内田前監督が先週金曜日に常務理事を辞任したことが明らかになりました。これに対する大臣の受け止めと、大臣はこれまでも日本大学について、法人のガバナンス発揮に観点から設置者として理事会に対応してもらう必要性について、何度もお話いただいていますけれども、先週金曜日に文科省を訪問したのは、やはり理事長ではなくて学長で、大塚学長は大学全体の問題というよりは、これまでは部活動の問題と捉えていたというような趣旨の発言をしていまして、文科省の認識との食い違いというか、向こうの受け取り方との違いが発生しているような気がします。日本大学に対して、今後ガバナンスという観点から指導などお考えがあればお聞かせ下さい。

大臣)
 6月1日の金曜日に日本大学の大塚学長等が、第三者委員会の設置や内田前監督の常務理事の辞任につきまして、文科省・スポーツ庁の事務方に報告に来ております。日本大学からは、学校法人日本大学として第三者委員会を設置したこと、学校法人日本大学とはこれまでに利害関係の一切ない弁護士に委員長を依頼したこと、委員の選任については委員長に一任したこと等によって、その独立性、中立性を担保していると、こういった説明があったというふうに聞いております。また、6月1日に開催された理事会において、内田元監督が学校法人日本大学の常務理事を辞任することについて承認・決定されたとの報告があったというふうに聞いております。文部科学省・スポーツ庁からは、私の認識及び考えとして、法人の適切なガバナンスの発揮の観点から、大学の設置者として理事会において責任を持って対応していただく必要がある、第三者委員会において原因究明を行い、それを踏まえて実効性のある再発防止策が策定・実施される必要がある、また抜本的なチーム改革・組織改革が実行される、こういうことを強く期待しているということを再度伝えたというふうに事務方から報告を受けております。文科省・スポーツ庁としては、第三者委員会の結果等を踏まえて必要な対応を講じてまいりたいと思っております。アメリカンフットボール部の活動につきましては、今申し上げたように第三者委員会の設置など、日本大学の保健体育審議会に所属する競技部の活動については学内における改善策の検討など、実効性のある再発防止策の策定や抜本的なチーム改革等の実行に向けての取組が進みだしたと期待をしているところでございますが、その一方で、これまでの日本大学の対外的な説明ぶりからは、法人の問題としての認識が十分に示されているとは言えないという印象を受けております。いずれにしても、学校法人日本大学には、社会への丁寧な説明等について、法人の適切なガバナンスの観点から設置者として理事会において責任を持って対応いただく必要があると考えておりまして、先ほど申し上げたように再度1日にも事務方を通じてその趣旨を伝えたところでございます。

記者)
 第三者委員会の発表を待って必要であれば、今後指導などもお考えになっていると。

大臣)
 先ほど申し上げましたように第三者委員会で原因究明を行っていただくということですので、この結果等を踏まえて必要な対応を講じてまいりたいと思っております。

記者)
 先ほどの質問と同じ内容になってしまうんですけれども、日大の田中理事長からの説明を求める声も上がっているんですけれども、そういった対応をしていないことについての受け止めを改めてお願いいたします。

大臣)
 先ほど申し上げたように法人の適切なガバナンスの観点からも設置者として理事会が責任を持って対応いただく必要があるというふうに申し上げてきたところでございます。現状、必ずしも社会からの理解が得られるとは言えない状況でございますから、どうしてこうした状況になったのか、またどなたから何を丁寧に説明する必要があるのか等について、やはり理事会において責任を持って検討、対応いただく必要があると、そういうふうに考えております。

記者)
 理事長本人が直接そういったことを今の段階で説明するかどうかについてはいかがでしょうか。

大臣)
 どなたから説明するのが適切かは理事会でご検討いただきたいと考えております。

記者)
 神戸市の市立中学校で女子生徒が2016年10月に自殺した問題で学校や市の教育委員会が友人への聴き取りメモを隠ぺいしていたということが明らかになりました。大臣の御見解と今後市教委などに働きかけるお考えがあるかどうかお聞かせ下さい。

大臣)
 平成28年の10月に神戸市立中学3年生の女子生徒が自殺した件で、市教委の首席指導主事の指示に従って、校長が遺族に対して自殺直後に同級生から聴き取った調査メモは存在しないという旨を回答したと、こういう報告書が取りまとめられましたことは、神戸市教育委員会からの報告を受けて把握をしておるところでございます。本件については、この市教委の対応は極めて遺憾だと考えておりまして、本日、市教委から直接詳細を聴き取り、今後の対応について指導を行うために、文部科学省の担当室長を市教委に派遣をいたすことになっております。文科省としても、二度と同じようなことが起こらないように、今後、神戸市教育委員会のいじめ防止対策の改善の在り方について、指導助言を行ってまいりたいと思っております。

記者)
 関連してなんですけれども、こういったいじめ自殺の調査をめぐっては、なかなか遺族側の理解を得られないようで、不誠実と取られかねないような対応というのが何度もあるようなイメージがあるんですけれども、今回のを受けて神戸市だけではなくて、そういった調査の在り方について、何か改めて検討などする予定などはありますか。

大臣)
 今回の事案については、神戸市の市長部局で再調査を実施する予定だと、こういうふうに聞いております。現場、また保護者の皆さんと教育委員会との信頼関係がないということがここに表れているわけでございますので、先ほど申し上げたように大変遺憾な対応だということでございますので、まずは神戸市のこの件について、しっかりと詳細を聴き取って、今後の対応について指導を行いたいと考えておりまして、そのことを受けて何か必要なことが出てまいりますれば、またその時にしっかりと対応してまいりたいというふうに思っております。

記者)
 関連してなんですけれども、今回はたまたま隠ぺいが出てきたというような感じを受けているんですけども、いじめについての対応についての記録の取り方の在り方とか、その辺の指導は文科省の方針として、もうちょっときちんと書類を残すようにとか、そういうことを検討されることはありますか。

大臣)
 これまでも累次に渡っていろんな施策、対策を講じてきたところでございますが、やはりそういう中でこういうことが出てきたというのは、大変、先ほど申し上げたように遺憾でございます。昨年3月には、「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」を制定しておりますが、やはり調査によって把握した情報の記録は、原則として各地方公共団体の文書管理規則等に基づいて適切に保存することを求めておるところでございまして、この記録に基づいて報告書が作成されるべきものと、こういうふうに考えておるところでございますので、この経緯を神戸市教育委員会においても、また市長部局においても調査されるということでございますので、この状況を注視して必要な指導助言をしてまいりたいというふうに思っております。

記者)
 冒頭のSociety5.0の人材育成に戻るんですけれども、文理分断からの脱却など中長期的に取り組んでいくべき教育の方向性が示されたかと思うんですけれども、今回の提言の意義について改めてお聞かせ下さい。

大臣)
 この今回の取りまとめは、現実世界を理解して意味付けできる等の「人間の強み」とでも言うべきことだと思いますが、これを発揮してAI等を使いこなしていくと、もう科学技術の進歩は非常に加速をしておりますので、小学校に今年入られた方が高校までで12年、大学等へ進学されると16年、その間に我々を取巻く環境は大いに変化をすることが予想されますので、そういった時代に備えるためにも三つの力、まず文章や情報を正確に読み解いて対話する力、それから科学的に思考して吟味して活用する力、それから価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力、こういうものが共通して求められるということを指摘させていただいております。こうした力を育んでいくためにも、これまでの一斉一律な授業のみならず、個人の進度や能力等に応じた学びの場となることや、同一学年集団の学習に加えて、異年齢・異学年集団での協働学習が拡大していくこと、そういった意味での「学びの在り方の変革」を打ち出しております。またこのためには「公正に個別最適化された学び」、ちょっと難しい言い方ですが、スタディ・ログというのがございまして、個人個人で医療でいうとカルテのような、その子がどういう学習をどういうふうにやってきたというのをログで残していくことによって、学びのポートフォリオというものができてきますので、そういうものを活用する、また先ほど申し上げたような異年齢・異学年の協働学習、これをやっていくためにパイロット事業をやっていく、それからEdTechと言われておりますが、教育関係の科学技術やビッグデータを活用した教育の質の向上と、こういう施策を提言しておるところでございます。EdTechについては、省内で部局横断的に議論を行うプロジェクトチームを別途設置しておりましたので、そこの論点整理も今回の報告書に参考にさせていただいております。こうした施策を一つ一つ具体化させていくことで、子どもたち一人一人に応じた学びというのを更に充実させていきたい、そういうふうに考えております。

記者)
 入試ミスのルールの関係なんですけれども、今回の要項の改訂はあくまで通知にあって法的な拘束力はなくて、原則に従わなくても罰則なんかはないというんですけれども、どの程度この原則が守られるべきか、大臣は大学にどの程度期待されるんでしょうか。

大臣)
 このルールを定めております大学入学者選抜実施要項、これは高等教育局長の通知でございますので、大学に対して、いわゆる強制力とか従わなかった際の罰則等を規定しているというものではないわけでございます。しかしながらこの要項は、各国公私立大学や高等学校の関係者の意見を踏まえて決定しているものでございまして、我々としては、各大学が本要項に基づいて、入学者選抜を実施していただけるものと期待し、そう考えておるところでございます。文部科学省としては各大学の具体的な取組状況について、7月を目途に、入学者選抜におけるミスの防止等に係る調査を実施する予定にしております。

記者)
 先ほどSociety5.0の取りまとめの話がありましたけれども、方向性を示されるのはとても大切なことで大事なことだと思います。大事な力だと思うんですが、一方で現実を見るとさっき文章を読み解く力とおっしゃられましたけれど、子どもたちの中には語意に課題があるということもあったりとか、一方で教える側の先生にしてもかなりそういう子たちも抱えながらどう教えていくかととても悩んでいらっしゃる方がいます。多分率直にこの取りまとめを見たらもしかしたら不安に思う人もいるかもしれないし、びっくりされる方もいるかもしれないんですが、ある意味そういう現実と理想のギャップというか、それはこれからどうやって埋めていかれるんでしょうか。

大臣)
 特に読解力等については、有識者懇で新井紀子先生のお話を聞かせていただきましたが、その時にも御提言があったように、異学年、異年齢ということは、例えば小学校5年生から6年生にいく時に、必ずしも5年生で学ぶべきことを全て全員が習得しきって6年生にいくという状況ではないと、こういう御指摘がありましたので、そういう場合に対する対応としても異年齢ということは、6年生に上がった子が5年生の国語の授業を、例えばですね、国語だけやって完全にそこを終えていくということが可能になってくる、こういうことも想定をしておるわけでございますので、そういったことも念頭に置きながら、先ほど申し上げたようなパイロット事業をやっていく中で、そういうことがどういうふうに現場に混乱なくやっていけるのかということを考えていければというふうに思っておりますし、またこういうことを確実に定着させるためには、学校の指導体制の確立というものが必要になってまいりますので、そのことに対する施策を更に充実させるということや、更に教員免許制度の改善というのもこのリーディング・プロジェクトの中には入れておりますので、そういうことをいろいろやっていくことによって、現場でスムーズにやっていけるようにというふうに思っておりまして、そのためにも先ほど申し上げました公正に個別最適化された学びということで、その生徒さんお一人お一人のスタディ・ログ等を活用することによって、きめ細やかにそういうことができるように、ここはそのスタディ・ログやEdtech等、色々新しい技術も活用しながら進めていけたら、そういうふうに考えておるところでございます。

記者)
 加計学園の話なんですけれども、昨日、愛媛県の知事が会見の方で、加計学園の設置認可に関して、文部科学省にも認可が妥当だったかどうか確認を求めたというような御発言があったと思うんですが、その後、文科省としての御対応は今いかがでしょうか。

大臣)
 我々としては、設置認可につきまして、適切なプロセスを経て進められてきたと、ここで何度か申し上げておるところですが、そういう認識については変わっていないところでございますので、そういうお問い合わせがあればそういうふうにお答えするということになろうかと思います。

記者)
 もうお答えされたんですか。

大臣)
 まだ私のところには報告は上がってきておりません。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成30年06月 --