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松野博一文部科学大臣記者会見録(平成28年8月3日)

平成28年8月3日(水曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化、その他

キーワード

就任に当たっての教育観・教育政策、リオ五輪・パラリンピック、もんじゅ、科学技術政策、道徳教育、靖国神社参拝、政府機関の地方移転、TPP、学校教育における政治的中立性についての実態調査、大臣補佐官、高大接続改革

松野博一文部科学大臣記者会見映像版

平成28年8月3日(水曜日)に行われた、松野博一文部科学大臣の記者会見の映像です。

平成28年8月3日松野博一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

松野博一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 この度、文部科学大臣を拝命いたしました松野博一です。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほど官邸で行いました記者会見と、内容的に重なるかもしれませんが、改めて皆様方に、就任にあたっての思いをお話しさせていただきたいと思います。
 就任時、安倍総理から、教育政策、科学技術政策は安倍内閣の最も重要な施策の一つであるというご指示をいただきました。しっかりとこれらの政策を進めるようにということでした。私自身、現在当選6期、16年が過ぎましたが、今まで自民党の文部科学部会長、また文部科学副大臣、国会の文部科学委員長、自民党の教育再生実行本部代行等々でも教育政策に携わってまいりましたし、私自身としては、教育政策は政治家としてのライフワークと考えています。今回、文部科学大臣に就任しましたことは大きな喜びでもありますが、一方で、責任の重さを痛感しているところです。その中において、しっかりとこれらの課題について取り組んでまいりたいと考えています。
 これは全般にわたることですが、特に、馳前大臣、下村元大臣の下で大きな改革が進められました。この改革をしっかりと仕上げていかなければなりません。そのために重要なことは、それに対応する現場の環境作り、量・質共にこれを進めていかなければならないので、まさに教育現場、科学技術研究の現場力を高めていかなければならないと考えています。
 二つ目は、各家庭の教育費負担の軽減についてですが、この教育費が、各家庭では大きな負担になっています。教育政策でもありますが、併せて社会政策としても、この教育費負担の問題は今大きな課題となっています。皆様方御承知のとおり、家計収入が400万円台で、高等教育進学率に大きな差が出ている状況ですし、日本はOECD諸国と比較しますと、現状、決して高等教育進学率が高いとは言えない状況の中にあります。
 どんな環境に生まれても、生徒、児童、子供たちがその思い、志、能力において、希望した時にしっかりと高等教育が受けられるような条件整備を進めていくことは、これはもう未来の日本への最も効率的な重要な投資だと思いますし、何よりも教育の一番の本質です。個々の生徒、児童の可能性を最大限に引き出すという、教育政策の目的に合致することと考えていますので、是非、給付型奨学金をはじめ、これらの政策を推進していきたいと考えています。
 給付型奨学金に関しては、特に選挙においても、与党としての公約として掲げさせていただきました。29年度の概算要求の中に、給付型奨学金の具体化に向けてしっかりと形を作っていこう、そういう思いで今、協議を進めている状況です。
 三つ目として、これから未来にわたっての日本の繁栄と安定を確かなものにしていくために、最も重要な力が科学技術です。この科学技術も、既に五カ年計画等で26兆円の総額を提示しつつ、AIをはじめとした、各種研究開発等が進められていますので、これをしっかりと、これからも確実なものにしていかなければならないと考えています。教育、科学技術政策は広く広範なものですが、今就任にあたりまして、特に私としては、この3点に関して、力を入れつつ進んでまいりたいと考えています。以上であります。

記者)
 大臣は、ご自身のホームページで、教育のあるべき姿について、社会に参加するための基本となる知識やルールを身に付ける教育が大事だと書かれていましたが、大臣の教育観について、お願いいたします。

大臣)
 教育観というのは、なかなか一言では難しいものですが、先ほど申し上げたとおり、第一義的には個々の生徒、児童の能力と個性を最大限に発揮できるものを、教育によって与えていくという表現がいいかどうか分かりませんが、その条件をしっかりとクリアしていくことだと思います。
 もう1点は、同時にこれは良き社会人を作るということも、教育の大きな目標です。この良き社会人というのは、個々のもちろん社会参加の問題もありますが、そこにある日本人としての全員の機会創出に向けて、環境作りに大きく寄与するものだと考えていますので、この2点が私の基本的な教育観です。

記者)
 リオ五輪・パラリンピック開幕を間近に控えていますが、リオには行かれるご予定はありますでしょうか。

大臣)
 明日、リオに向かいます。このリオに関しては、もちろん開会式に参加をする目的もありますが、スポーツ大臣会議、これは日本でも予定をされていますが、それに向けて、各国のスポーツ担当大臣との関係構築も目的として行ってまいりたいと考えています。

記者)
 リオに対するご期待、一言もしありましたら、よろしくお願いします。

大臣)
 それは日本人選手が、個々の能力を最大限に発揮して、素晴らしいパフォーマンスを発揮していただければいいなと考えています。

記者)
 大臣は先ほど、教育現場の現場力を高めたいとおっしゃいました。具体的に、まず最優先に取り組みたい政策があれば、教えてください。

大臣)
 まず御承知のとおり、教育現場の状況が複雑化をしてきていますし、教育現場に要求される社会的なニーズ、これも高まっています。その中において、まず量の問題から言えば、教員の皆さんの定数を量という表現が適切かどうか分かりませんが、まずは教員定数の問題について取り組んでまいりたいと思います。平成17年以降、法定化された根拠において、教員定数を決めていくということになっていません。予算措置上の問題になっていますが、一定程度これは法定化した中において、教員定数が計画的に改善される状況を目指していかなければいけないと考えています。
 もう一つは、教員一人一人の質の向上、指導能力の向上かと思います。教育現場においてアクティブ・ラーニング等も、今導入が進められるということですが、これらに向けての研修等も必要になってきます。次期国会の定数法案に関しては、今後、関係各所と協議をしなければいけませんが、教育公務員特例法の中において、教員の養成カリキュラム、まずは教員として必要とされる指標の明確化がありますが、その後、教育現場に立った人の更なる向上を目指した研修等も含めて、この教育公務員特例法を仕上げていきたいと考えています。

記者)
 高速増殖炉もんじゅについてお伺いします。馳前大臣は、基本的には再稼働を前提にして政府間の調整を進めて、8月には答申を出したいしていたかと思います。ただ一方で、中には廃炉してはどうかという議論もあるのも事実かと思います。改めて、馳前大臣の方針を踏襲するのか、ゼロベースで廃炉も含めて見直す考えはあるのか、お伺いできますでしょうか。

大臣)
 現状において、私はもんじゅは核燃料サイクルの研究施設としては基幹的なものであると認識をしています。この問題は、まずは日本のエネルギー政策をどうしていくかということもありますし、併せて、今日だけでなく、百年後、二百年後を考えた時に、エネルギーの研究開発をどう捉えていくかという視点も必要であるかと思います。もちろんその前提として、安全が確立していることが、これはもう大前提であります。現在、馳前大臣の下で、次のもんじゅの運営主体に関して、特定に必要な条件が提示をされていると承知をしています。一日も早く関係省庁と協議をし、運営主体を特定してまいりたいと考えております。

記者)
 未来のために科学技術が重要だと先ほどおっしゃられたと思いますが、一方で、日本の大学ランキングが低下しているとか、あるいは論文の相対的引用が下がっているなど、そのような日本の全体的な科学技術力が低下しているような状況にある中で、大臣としてはどういうところに力を入れていきたいとお考えでしょうか。

大臣)
 今、日本の科学技術レベルが全体的に低下をしているかどうかということに関しては、様々な評価があるのだろうと思います。基礎研究分野においては、日本は相当世界的にも認められた研究成果を出しているのだろうと思います。確かに大学においての、大学ランキング等も含め、評価に問題があるということはそのとおりだと思いますが、まずは、大きく言ってしまえば基礎研究の分野というのは、なかなか民間では取り組みづらいところですので、国・公の機関が進めるべきものとしては、基礎研究を中心に進めるべきかと思っています。

記者)
 道徳教育のことを一つお聞きしまず。大臣は2年前の衆院選の時に、毎日新聞の政策のアンケートで、道徳で子供を評価することに賛成ですか反対ですかという質問に、反対と回答されていますが、なぜそのように回答されたのか、理由をお伺いします。

大臣)
 新聞アンケートが、皆さんプロだからお分かりのとおり、非常に短い字数の中で、道徳の評価をすることが賛成ですか、反対ですかと言われれば、一般的な意味において、相対的な評価をするものではない、相応しくないと考えているということです。
 現在進められている道徳教育は、他人と比較をする相対評価をするという性質のものではありません。それは個々の生徒、児童の中において、成長をしっかりと促していこうということで、個人内評価というワーディングは、文科省が使っているワーディングでなかなかちょっと分かりづらいかもしれませんが、正に子供たちの成長に資するという意味において、道徳教育の必要性は感じていますし、もちろん事柄の性格上、これを評価をして、入試等の中の評価に用いるという代物ではないと考えています。

記者)
 先月の専門家会議で、今の大臣がおっしゃられたようなことが報告としてまとめられているのですけれども、それについてはそうすべきだということですか。

大臣)
 そうすべきだと考えています。

記者)
 8月15日は終戦記念日ですけれども、近く行事も含めて靖国神社に参拝されるお考えはありますか。

大臣)
 それは個人の信仰上の問題ですから、適切に判断をしたいと考えています。

記者)
 政府機関の地方移転についてお伺いします。馳前大臣の下で、国立近代美術館の工芸館の金沢移転というのが、8月までには一定の結論が出るというお話がありました。馳前大臣は、8合目まできたということでもあったのですが、大臣が交代したことで白紙になるということはないと思いますが、大臣はどうお考えでしょうか。

大臣)
 移転に関してですか。文化施設をはじめ、そういった公的施設が地方に移転することによって、地方も活性化ができ、かつ東京に置いておくよりも、さらに地方に動かす事によって成果が上がるというものであれば、それは積極的に移転をすべきだと思います。
 ただ、今お話になったものは、直接的に国会対応が必要な施設ではありませんが、馳前大臣が積極的に進められている文化庁等を考えれば、一つは前提として、国会対応の機能がそれによって損じることがないことと、先ほどの繰り返しになりますが、そのことによって更に文化庁の機能がアップすることを目標に進めていただければと思いますし、現状においては、数年内に全面的に移転という方針であることは承知をしています。今お話をした2点をしっかりとクリアしながら、しかしこれは大きな問題でありますから、すでに様々な検証も進められていますが、そういったものも踏まえて、段階的になされればと考えています。

記者)
 秋の臨時国会でTPPが焦点の一つになったと思いますが、閣僚の一人として、どのように対応されていきたいとお考えでしょうか。

大臣)
 文科省の所管としては、著作権法を中心とした分野になっていくのだろうと思います。基本的には、私はTPPは日本の発展に寄与するものだと考えていますが、著作権に関する問題は、個々、各国の事情がある中で進められているものですから、しっかりとそれは日本の今までの現状において、適性と思われる範囲の中において、すでに交渉段階でそれがなされていると考えていますが、TPPにはその実現に向けて、推進をしてまいりたいと考えています。

記者)
 自民党が先の参議院選挙の際に、学校教育における政治的中立性についての実態調査という調査フォームが、一部で密告サイトだと呼ばれていましたが、それについて党の部会で内容を精査し、場合によっては文科省に対応を促すとされています。今後、政治的中立性を文科省が判断する事例も出てくるかと思うのですが、松野新大臣は、これをどのようにお考えでしょうか。例えば、安保関連法や憲法改正を批判的に検討するということが、政治的中立性を逸脱するとお考えでしょうか。

大臣)
 第一義的に、これは政党の政治活動の一環ですから、その政党の政治活動の一環に関して、今日から行政側に私は立ちまして、文科省を代表する立場にありますので、その政党活動に関して言及は控えさせていただきたいと思います。ただ、ポイントとしては、これはそのものが、ある種強制性を持ってなされているかどうかというのは、おそらく大きな判断の基準になってくるのだろうと、個人的には考えています。

記者)
 下村元大臣、馳前大臣とは、大臣補佐官というのを置きました。今日は閣議で鈴木寛大臣補佐官の任を命ずるか解くかになりましたが、大臣の補佐官に対するお考えというか、置かれるか置かれないか、鈴木補佐官を継続するのか、どのようなお考えがあるのでしょうか。

大臣)
 鈴木補佐官には、私は野党時代、随分国会の文部科学委員会で論戦を交わしました。極めて優秀な方だと考えていますので、ぜひ、今後の文部科学行政に関しても、御貢献、御活躍をいただければと考えています。

記者)
 それでは、もう一度大臣補佐官に任命されるという考えでしょうか。

大臣)
 今日、私自身が就任したばかりですが、先ほど申し上げた通り、極めて高い評価をしている中において、ぜひご活躍をいただきたいと考えています。

記者)
 科学技術についてお伺いします。日本は科学技術がかなり強かった時代がありましたが、今は他国が追いついてきて、存在感が薄まっていることもあります。大臣にとって、日本にとっての科学技術とはどのようなものであるのかというお考えと、そういった意味で、日本の科学技術力は今後どうしていかなければいけないと考えているのか、そのお考えをお願いします。

大臣)
 先ほど、冒頭申し上げたことの繰り返しになりますが、これは日本の未来に向けての繁栄と、安全確保に向けて、科学技術がその基本となるものだと認識をしています。科学技術も様々な分野にわたって、日本が強い分野、なかなか日本が国際競争力を持っていない分野等があると思いますが、私も科学技術の専門家ではありませんので、実際に次にどの分野に集中をしていった時に、一番公的資質としてのパフォーマンスが発揮できるかは、今この時点においては、この分野をという特定をすることはできませんが、それは文科省の中にも専門家が多くおりますし、外部の方々の知見もお聞きしながら、より効率的な科学技術に対する投資を考えてまいりたいと思います。

記者)
 大学入試改革を含む、高大接続改革についてお伺いします。2020年度などとスケジュールが示されていますが、基本的にこの考えを踏襲するのかということと、現場からは、なかなかやや見えないという声が出ているかと思うのですが、その点について、どのように今後対応されていくお考えでしょうか。

大臣)
 2020年の時期に、新しい大学入試の制度を実施するということを前提として、今考えています。今、ご指摘があった通り、もちろんこれは現場に混乱を持たせてはいけませんから、現場の方々のご意見をよくお聞きをし、当然2020年の実施にあたっては、技術的なテクニカルな問題もありますので、それでもしっかりと詰めながら、2020年の実施を目指して進めてまいりたいと考えています。

記者)
 教育現場はいろいろと過酷だと言われている中で、教育現場の教員に向けて、一言お願いできればと思います。

大臣)
 私は、日本の学校の教員の方々は、大変頑張られていると思っています。尊敬していますが、しかし、その教員の皆さんの長時間労働によって、今教育現場は支えられているということは、持続性に疑問があるのだろうと考えています。
 これは、小中高それぞれの学校段階において、全ての先生方が、全ての段階の先生方において、多忙感をお持ちだというアンケート結果も出てきていますので、今まで文科省内のプロジェクトで、この教師の多忙解消に向けて、様々な提言も今出されています。それを一度しっかりと検証しつつ、小学校においては専門科目、英語でありますとか体育でありますとか、そういった専門科目に対する教員配置の提言もあります。そういったことも、学習効率を上げることにも寄与しますが、一方で、日本の場合は授業時間数自体が海外と比べて多いかどうかということよりも、授業時間以外の部分において、例えば教師自身が授業を進めるにあたっての研修であったり、地域対応であったり、そういった部分に時間を取られているということがありますから、そういう部分にも寄与できればと考えておりますし、中学校等では、特に部活動の問題があって、この部活動というのは教育効果としても大変高いものでありますし、コマ数で考えると、部活をコマ数で換算してはいけないのかもしれませんが、事実上、一週間、一月の中で最も長い時間生徒が携わるというか、関与するのは部活動になっています。ですから、教師の多忙解消の問題、また生徒にとっても、今の部活動のありよう、時間数が適正なものであるのかも踏まえて、もちろん前提として、部活動の高い教育効果を認めた上で、部活の在り方に関しても、さらに検討しなければという考え方を持っています。

(了)

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成28年08月 --