ここからサイトの主なメニューです

馳浩文部科学大臣記者会見録(平成28年2月12日)

平成28年2月12日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化、その他

キーワード

重力波、文化庁移転、教科書発行者による自己点検・検証、スーパーコンピュータ、宮崎謙介衆議院議員、組体操、トップアスリートのセカンドキャリア

馳浩文部科学大臣記者会見映像版

平成28年2月12日(金曜日)に行われた、馳浩文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成28年2月12日馳浩文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

馳浩文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。よろしくお願いいたします。

記者)
 今日の未明に、アメリカの国際実験チームが世界で初めて宇宙から届く重力波を検出したと発表しました。重力波は、見つければノーベル賞確実と言われているもので、神岡の東大宇宙線研究所でも検出を狙っていたと思いますが、先を越された形になりました。改めて大臣の受けとめをお願いしたいと思います。

大臣)
 すばらしい研究や実験の成果だと思い、心からまずお祝いを申し上げたいと思います。同時に、この成果をまた新たな研究の、あるいは実験の入口として、我が国も宇宙政策あるいは宇宙の解明、このような課題により一層取り組んでいく必要があります。年度内に東大の梶田先生のところで研究が始まることになっていますから、いい意味で弾みがつけばいいのではないかなと思います。いずれにしても、本当にすばらしい成果が挙げられたと心からお喜び申し上げたいと思っています。

記者)
 今日、閣議後に総理と会われていたようですが、その件についてお話しいただければと思います。

大臣)
 違います。菅官房長官のところに報告に行ってまいりました。土屋事務次官と二人で、文化庁の移転問題について、文科省と、それから石破大臣と、事務的なことも含めて、現状こういうやりとりをしておりますという報告に行ってまいりました。よく顔を合わせておりますし、予算委員会でもこの課題が話題になることがありますが、きちんと現状を報告しておく必要があると思いました。
 年度内の取りまとめというスケジュールでありますから、我々文科省として、また文化庁として、どのような考えを持っているのか、石破大臣のチームとどういう協議や調整をしているのか、この報告をしてきただけであります。今後、一層石破大臣ともコミュニケーションをとりたいと思っています。こういうことをお伝えしてまいりました。

記者)
 教科書会社の謝礼問題に関して、教科書会社の啓林館が公立中学校の校長先生たちにいわゆる白表紙を見せて、それから謝礼を支払っていたということが今回新たに分かりました。先日、文科省から各社に依頼した自己点検では、本社だけではなくて、支社も含めて全社で徹底的に調査をして報告をしなさいということを求めていたわけですけれども、今回それが徹底されていなかったというケースになるかと思います。
 今回のこのケースの大臣の受けとめと、報告漏れがあった場合に、内容によると思いますが、指定取消しも含めて、厳しく対処する方針を文科省は示されています。今回のケースはどう考えたらいいのかということの2点お伺いします。

大臣)
 啓林館からは、2月5日付けで追加の報告書が提出されたと聞いております。本来的には、1月20日の時点で御報告いただきたかったところでありますので、ちょっと残念に思います。今現在、北海道教育委員会においても教科書採択は公正に行われたかどうかの調査を行っているところでありますので、御協力いただきたいと思います。
 いわゆる本社の方から支社の方に、更に大丈夫ですねという調査をかけていて、その報告が遅れたと伺っておりますので、これをもってして、特に処分することは考えておりません。丁寧にやっていただいたのだと、好意的に解釈をしております。

記者)
 スーパーコンピュータについて、2020年頃の稼働を目指す次世代のスーパーコンピュータの基本設計がちょうど10日にまとまりまして、公表されたと思います。かつてのスーパーコンピュータ「京」のときには、2位じゃいけないのかということで、計算速度を絶対的に世界一にするぞということが「京」の目標だったのですが、今回の2020年については、いわゆる省エネであるとか、成果の創出、いわゆる総合力で勝負しようという方針に転換されたかと思います。この点について、改めて何かございましたら、お伺いできればと思います。

大臣)
 おっしゃるとおりです。実は私も、国会の文科委員会だったか、科学技術イノベーション特別委員会だったかで、この問題について質問したことがあります。この問題について。したがって、かつて「2位じゃ駄目なんですか」というフレーズが非常に象徴的ではありましたが、その議論を今通り抜けて、やはり総合力で1位を目指す必要があるという、この方針を国民の皆さんにも御理解いただきたいと思います。
 理由は、例えば消費電力の問題でありますし、計算速度ばかりではなく、その成果、分かりやすく言うと使い勝手のよさとか、比較にならないかもしれませんが、皆さん今お使いになっているパソコンも、おそらく機種によって一長一短あると思いますが、それぞれ使いよいものをということで使っておられると思います。スーパーコンピュータにおいても、消費電力の問題や、計算の速度ばかりではなく、使い良さといったことも含めて、より汎用性の高いものがいいと思います。
 同時に、どのような成果を求めるのかということで言えば、薬もありましたし、風洞実験もありましたし、あるいはなかなか解明されづらい脳の中とか心臓の動きとか、もちろん自然災害の影響、そのための防災、国家的な取組は、その効果だけではなく、世界的な地殻変動とか地球温暖化対策とか北極圏の問題、南極圏の問題も、おそらく連動しているものだと思います。そのようなことにおいて、よりクリアな成果が得ることができるという総合力が必要だと思います。その方向に向けては、やはり我が国の研究開発能力は高いのではないかというところを一トップランナーとして証明していきたい、いくべきだと思っています。

記者)
 育児休暇をとる考えを示していた宮崎謙介衆議院議員ですけれども、不倫疑惑が指摘されまして、同じ自民党の同僚議員としてどのように思うかということと、育児休暇導入へ影響があるのか、あと、辞任すべきというか、離党すべきという声もあると聞いていますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

大臣)
 1点目は、自業自得であります。この後、記者会見されるそうでありますから、それはそれとして本人の説明を待ちたいと思います。
 男性取得の育児休暇について影響があるかないかといえば、全くないと言わざるを得ません。皆さんの同僚である記者クラブの記者さんも育休をとり、頑張って今おしめを替えているのか、授乳をされているのか分かりませんが、こういう表現がどうかと思いますが、このようなことで男性の育児休暇の取得、あるいはイクメンの役割が否定されたり、評価が下がったりということがあってはならないと私は思います。

記者)
 組体操問題について、先日、大阪市がピラミッドとタワーを全面禁止と報道がありました。これを踏まえて、その受けとめと、文科省として今検討されている対応として、中止とか一部禁止とか、そういう強制的な措置というのは、段数制限もそうですが、あり得るのかどうかお伺いします。

大臣)
 大阪市の取組は理解できるものであります。これが1点目。
 2点目は、なかなかこれはもどかしい表現です。組体操の問題ばかりでなく、各自治体で取り組んでいる学習指導要領以外の教育、個性のある、特性のある教育上の取組について、文部科学省が都道府県や市町村教育委員会の頭ごなしに、あれは駄目、これはいいということを言うのは、いいのか悪いのか。私はあまりそういうことはしない方がいいという考えを持っております。
 同時に、日本スポーツ振興センターでの共済保険の傷害の事例報告が上がっておりますので、やはりこれを分析した上で、その実態を見て、毎年8,000件という数字は、私はそれだけでも重大な関心を持つに当然だと思い、年度内に方針を示すべきであるとちょっと強く申し上げたのはこの点であります。そもそも学校の教育内容に、国が都道府県や市町村の教育委員会を飛び越えて、あれは駄目、これはいいと言わない方がいいというのがそもそも私の考えです。
 しかし、実態を踏まえて、もう一つ更に言えば、児童生徒には責任はないのです、これは。指導者の問題、学校の方針の問題ではないですか。我々はやはり児童生徒の安全を守る、この最大の使命はやはり文科省にあると私は思っています。そういう観点から判断をしたいと思いますが、まだ事例分析等、また各都道府県の取組の事例を全て承知しているわけではありませんので、今日の段階ではそういう考えでいると、年度内には方針を示しますと、こういうことであります。

記者)
 トップアスリートのセカンドキャリアの在り方について、先日、清原和博元選手の覚醒剤の逮捕の件もありましたが、清原元選手も昔インタビューなどで、引退後になかなか喪失感で悩んでいるということがありました。それが直接、覚醒剤、今回の原因になったかどうかというのは分かりませんが、やはりトップアスリートの方が引退後、喪失感であったり、セカンドキャリアをどう選ぶかというところは、問題といいますか、いろいろ課題をこれまでも指摘されていましたし、文部科学省としても、それに関しては今取り組まれているところだと思います。大臣自身の御経験も踏まえて、どうあるべき、どう文部科学省として取り組むべきとお考えか、改めて考えをお聞かせいただけますでしょうか。

大臣)
 教育の問題であります。デュアルキャリアです。トップアスリートばかりではありません。スポーツに取り組むというのは、心技体の一体的な人間教育の方針ですから、文部科学省として、デュアルキャリア問題については積極的に取り組んでまいります。同時に、政策的な打ち出しをするのはスポーツ庁の役割でありますし、スポーツ庁の打ち出した政策について、実際に具体的に取り組んでいくのは日本スポーツ振興センターの役割であります。という基本的な仕分けを一応しておきます、まず基本的に。
 もちろん日本スポーツ振興センターの下でJOCとかJPCとか日体協、日本障害者スポーツ協会と、それぞれが具体的に取り組まれることはもちろん否定するものではありません。我々は教育と実は申し上げたのは、これは雇用とか労働という観点と同時に、教育という観点も是非皆さんにお伝えいただきたいのです。
 実は小・中・高・大学一貫して、スポーツも頑張ろう、でも本来は教育活動においては、勉強も頑張ろう、同時に、コミュニケーションというか社会生活、地域の皆さんとの協力、分かりやすく言えば、町内会の活動にも参加しましょうと、こういうふうに伝えていくことが私たちの役割だと思っています。
 デュアルキャリアについては、より具体性を持って、例えば中学生の場合には、今、中学校2年生で体験活動をされていますよね。非常に独特の活動を兵庫県とか富山県とかされています。また、当然高校は、実業高校はもとより、随分とキャリア教育について熱心です。大学も、最近では金沢工業大学の例を聞くまでもなく、教職員が本当にキャリア教育、実際にツアーまで企画してサポートし、大学と企業をつなぐキャリアセンターの役割を果たしておられます。
 スポーツも同様で、私も専修大学レスリング部の今は名誉監督、また私がスカウトした選手は今全員で4年生まで30名ほどそろっておりますが、彼らのキャリアサポートは、今は大臣という立場なので直接はできませんが、相談にのることは多々あります。つまり、リーグ戦で優勝だとか、インカレで優勝だとか、甲子園へ行こうとか、インターハイで頑張ろう、選抜大会で頑張ろうというのは一つの教育、と同時に、社会に出て、どういう能力で、何をしようとするのか。より具体性、それと同時に、具体性の前に、そのためにスポーツも頑張っているんだと伝えていく考え方は大事だと思っています。
 清原選手については、まさしく大変残念な状況でありますが、例えばプロ選手であった場合、引退した後にどういう人生キャリアを築くかということは、今申し上げて分かったように、中学生ぐらいのときから、もしプロになったら、もし引退したら、もし結婚したら、全てやはり、もしこうなったらこうしたいというグランドデザインを常に描いておく必要があると思います。
 その具体性を支えていくのと、自分自身はどうだったかとか、あるいは近所の例えば銀行のお兄さんはこういう事情で銀行員になって、今こうやって働いているんだよという話を聞かせてあげるとか、近所の和菓子屋さんのお姉さんは、こういう理由で和菓子屋さんと結婚して、こうやって働いているんだよとかという、具体的な事例も示しながら、キャリア教育は進めていくべきものだと思います。
 本来の自分に照らし合わせて、自分の身近な人の実情を知りながら、自分の人生設計を御質問いただいた記者さんも描いておられると思いますが、そうやってみんな一つや二つだけではなくて、幾つも実は道があるんだよ、選択肢はあるんだよと、それで今何を選ぶかというのは、君がやはり自分で選ばなければいけないんですよと。そのためにサポート、支援していくことが教育の役割だと思います。

記者)
 重力波に戻りますが、重力波の観測成功で、大臣は先ほど心からお祝いという御発言でした。一方で、世界で一番を目指していたところで先を越されたという感もあると思うのですが、国としてというか、文部科学省として、今後新たに支援をするとか、それについて何か付け足す部分があれば教えてください。

大臣)
 やはり勝負の世界は、負けを認めることも次につながるという意味で、お祝いをまず素直に申し上げました。
 次は、今後いまだ解明されていないブラックホールなどの宇宙の解明につながる今回の観測成果だと思っていますので、今年度中に初期観測を開始する予定の「KAGRA」を用いて、国際観測ネットワークに参加することを目指しています。
 今回のこの重力波が観測できた、これをまた契機に、我々も「KAGRA」で観測を可能とするようにし、同時に、ヒックス粒子ですか、宇宙の重さを観測できたわけでありますから、ここから更に次の宇宙の成り立ちを解明し,今後の宇宙の行く末を占う、そういう成果を期待したいと思います。そのことを研究所ばかりではなく、研究者の方々を応援していきたいと思います。これこそやはり、国際的な共同研究なども積極的に推進していく意味があると思っています。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成28年02月 --