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馳浩文部科学大臣記者会見録(平成28年2月9日)

平成28年2月9日(火曜日)
科学技術・学術、スポーツ、文化

キーワード

「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産推薦の取下げ、もんじゅ、組体操による事故

馳浩文部科学大臣記者会見映像版

平成28年2月9日(火曜日)に行われた、馳浩文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成28年2月9日馳浩文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

馳浩文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 1点報告いたします。
 長崎の教会群とキリスト教関連遺産の世界遺産推薦の取下げについて報告いたします。
 本日の閣議において、我が国から世界文化遺産登録に向けた推薦を行っている長崎の教会群とキリスト教関連遺産の推薦取下げについて了解をいただいたところであります。
 取下げに至った経過としては、ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関であるイコモスより中間報告が示され、その中で、潜在的に顕著な普遍的価値を有することが認められた一方で、現在の推薦内容では、個別の構成資産がそれぞれ全体としての価値に貢献していることの説明が不十分であるなど推薦内容の再構築を視野に入れた指摘がなされており、更には、推薦内容の見直しを行う場合は、よい結果が得られるよう、イコモスとしても助言を行う用意があるという考えが明らかにされました。
 我が国からの説明が受け入れられなかったことは極めて残念ではありますが、政府としては、地元自治体や外務省などの関係機関とも協議を行い、文化審議会にも諮った結果、イコモスの専門的、技術的評価を尊重するとともに、長崎の確実な世界遺産登録を目指すべく、一旦推薦を取り下げ、イコモスの指摘を踏まえた形で再推薦を行うことが最善であるとの結論に至ったものであります。
 今後とも、地元自治体と連携、協力を図りながら、長崎の再推薦に向けて、全力で取り組んでまいりたいと思います。以上です。

記者)
 世界遺産は年々数が増えていまして、ここ数年、新規登録は狭き門となっています。今回の教会群を含めて、これから登録は簡単にはいかないと思うのですが、政府として考えた戦略等があれば、教えていただけますでしょうか。

大臣)
 イコモスからいただいた中間報告に素直に従って、推薦をし直す。そのための取組を丁寧に行うこと。つまり、200年にわたるキリスト教禁教の歴史についての評価をいただいた、これは確認できました。
 それと、個別の資産との関連性について、より一層の調査、提案が必要であると、その部分に十分に配慮しながら、地元自治体とも、専門家とも連携をとりながら、再申請に向けて資産構成に努める、このことが急がば回れと、こういう趣旨で今回判断したものであります。それが戦略です。

記者)
 教会群の関係で確認ですが、今回、一時取下げとなりまして、その後、イコモスから助言を受けるわけですが、次の推薦となりますと、早ければ今年3月末に2018年の候補の締切を迎えます。
 ただ、そうなると時間的な制約もあって、なかなか厳しいのかなという印象も受けます。これは、まだ地元との協議もこれからあると思うのですが、できるだけ2018年を目指すべきなのか、それとも、じっくりと考えて、翌年の2019年以降を目指すべきなのか、今のお考えをお聞かせください。

大臣)
 急がば回れであります。
 確かに、次を目指すとすれば、3月が再推薦の締切ですので、もちろん急いで取り組みます。だからこそ、一旦取り下げて、再構築に取り組むわけであります。専門家の御意見もそうですし、イコモスとのコミュニケーションをとりながら進めることが、むしろ登録に向けての近道であると考えていますので、そういう意味では、文化審議会の御意見や、専門家の御意見もいただきながら、地元長崎をはじめ、関係自治体との協議も継続をしながら取り組むという意味であります。

記者)
 特にこの時期を目指すということを、今の時点で固めはしないということでしょうか。

大臣)
 はい、そういうことです。

記者)
  2018年の登録を目指す動きについては、国内の他の地域でも幾つか動きがあります。そのような登録の動きについて、今回のことが与える影響については、どのようにお考えでしょうか。

大臣)
 調整をしながら進めていくことが必要だと思います。
 一応、今回のポイントは、イコモスから中間報告が出されたということです。これまでは、最後の最後になるまで、十分に推薦した資産についてどういう評価をされているのか、どうした方がより登録されやすく、また、世界遺産のルールに従って、つまり、今後の保全も指摘されるわけですし、当然、バッファーゾーンの話など具体的なことも指摘されています。やはりイコモスから中間報告をいただいて改善をすることができるところが、むしろよい点です。現在、他に登録を目指して推薦しているものもありますが、その関係については、微妙な関係であるというのが事実でありますが、お互いに調整しながら進めていくことが必要だと思っています。

記者)
 今回、イコモスの中間報告で、日本の主張と海外の評価が食い違うということは難しさの一つを浮き彫りにしたと思います。同じように、今後の推薦案件についても、日本の文化審議会で認めて練った推薦書とポイントがずれるということも予想されるわけですが、そういう意味で、ほかの案件の推薦方法について政府の戦略がありましたら伺いたいと思います。

大臣)
 コミュニケーションをとりながらやってまいりたいと思います。
 イコモスが、どういう具体的な調査をされるのか、できるだけ早めに情報を入手して、現地あるいは専門家にお伝えをして、よりよい推薦案件となるように仕上げていくことが必要であります。
 となると、やはり専門家同士の検討状況が、我々政府側にも現場側にも伝わらないと意味がないので、コミュニケーションをとりながら、ここが重要なポイントだと思っています。
 何度も言いますが、やはり中間報告を出していただいたことは、よりよい提案に、よりよい保全、よりより活用、このような観点からもよかったと思っていますので、そういった普遍的な価値観を備えているのかどうかという意味からも、まさしくその趣旨を生かすには、日常のコミュニケーション、より早く情報を入手して、修正すべきは修正していく、再調査すべきは再調査して、必要な資料を整えていく、こういうことを丁寧に積み重ねることが必要だと思います。

記者)
 昨日、ユネスコ前事務局長の松浦晃一郎さんと面会されていると思いますが、その際には、長崎教会群の話であったり、あるいは、記憶遺産の制度改革であるとか、そういったお話はされたのでしょうか。

大臣)
 特にありませんでした。

記者)
 どういうテーマだったのですか。

大臣)
 個人的な問題であります。
 が、松浦先生も、例の文化庁の京都移転の問題で、現地の、ちょっとこれは私確認ができません、資料は持っているのですが、今確認できないのですが、フォーラムの座長のような役割をしておられるので、文化庁の移転についてのお考え、そのフォーラムとして、こういうお考えで私たちは取り組んでいるということをお伝えにこられたということでありました。
 なので、余りオフィシャルではないのですが、知らない仲ではありませんので、私たちは文化庁の京都移転については、こういう考えで取り組んでいますというペーパーとともに、その趣旨をお伝えにこられたので、お会いしました。

記者)
 世界遺産の関係で、今回出してもらった中間報告、時期が1月ということですけれども、先ほどの松浦さんの質問でもありましたが、3月の締切ということを考えると、かなり日程がタイトな状況です。
 今後、例えば中間報告をもらう時期、この1月というものをもう少し早くならないかとか、その辺の交渉というのは何かお考えがありますか。

大臣)
 それは、本音は一日でも早いにこしたことはありませんが、その時期も含めて、日頃のコミュニケーションだと思います。
 ユネスコにおいて、我が国からは佐藤大使が代表として、もろもろ根回ししていただいております。外務省の皆さんも、国々の専門家の方々との間で情報収集で努力しておられます。したがって、私ども文部科学省の国際課とも連携をして、より早く情報を収集しながら、こうなりそうだぞと、そういう空気があるぞと、それを察知して早めに対応していくという、その姿勢が必要なので、これからも文化庁と文部科学省と外務省とユネスコの現地と、コミュニケーションをしっかりとりながら取り組むことだと思います。
 私は今、ユネスコの一つのスケジュールがある中で、それに対しては早めるべきだとかは全く思っていません。

記者)
 今日、もんじゅの検討会の委員の方々が視察を行いますが、どのようなところを見ていただいて、今後の議論にどのように生かしていただきたいか、大臣のお考えをお願いします。

大臣)
 2つの点で是非視察していただきたいと思うのは、点検をすべき機器、点検漏れと言われていることが、これまでも安全確保の観点から、保守点検の在り方の観点から指摘をされていましたので、どのような機器を、なぜ点検漏れをしたのかという、そこはやはり現場を見て、検討委員会の皆さんにも御理解というか、なぜそんな基本的なことがそうなんだと、素朴な疑問があると思いますから、そこを見ていただきたいと思います。
 と同時に、そこにいらっしゃる若手の職員の皆さんともやはり率直に意見交換をしていただきたいと思います。ともすると、所長が出てきたり、機構のトップが出てきたりということが往々にしてありますが、そこで働いておられる若手職員のモチベーションが大事です。
 外部から来られている方もいらっしゃいますから、まさしく皆さんもそうでしょうが、同じ職場でも出身の違う人がいると、時にはちょっと違和感が出てきたり、業務に取り組む姿勢といいますか、そのようなところがずれが生じているのではないかという疑念もありますから、まさしく若手職員の皆さんと意見交換をして、何でなのかと、そのようなところをやり取りしていただければ、よりいいと思っています。
 また、現地ですから、今回は地元自治体との意見交換はないはずですが、やはり現場の空気を吸うということ、地元の方の思いというものを、そこで酌み取ることも私は必要であろうと思っていますので、そういった観点でもしっかり視察をしていただいて、また戻ってきて、検討委員会、次は3回目でありますから、その議論に生かしていただきたいと思います。

記者)
 組体操の件で、近く、超党派の議員連盟を立ち上げるという動きがあります。年間数千件の事故が学校現場で起きていますが、その動きを大臣としてどのように御覧になっていますでしょうか。先週の予算委員会の中でも、初鹿先生とのやり取りの中で、大臣も答弁がありましたが、これまでの通知しないという文科省の対応を、再考するお考えはあるでしょうか。

大臣)
 大事なことなので、ちょっと読ませていただきます。昨年11月に日本スポーツ振興センターが公表した平成26年度の災害共済給付の支給実績によると、組体操によりけがをした児童生徒は8,596人であり、重大な関心を持って取り組まなければならないと感じたところであります。
 文部科学省としては、速やかに、まずは日本スポーツ振興センターが現在保有する災害共済給付の事故概要から、組体操事故発生の状況について可能な範囲で分析するとともに、組体操における事故防止について、取組を進めている大阪市などの教育委員会の事例を収集し、まずはこの組体操問題に関する考え方を整理してまいりたいと考えています。
 その上で申し上げますが、国会で御質問いただいた初鹿委員、また、昨日は自由民主党の松野委員、民主党の笠委員、それぞれいわゆる文教関係にお詳しい先生方から、やはりこれは超党派でしっかりと取り組まなければ、子供たちの安全配慮、子供たちが安全配慮していても、残念ながら組体操は複数で危険な状況になる可能性のある教育活動として行われています。
 同時に学習指導要領に組体操をしようとは書いていないと承知しておりますから、このような実態を把握する必要がありますし、事故報告がありますので、その分析をやはりする必要がありますし、大阪市のように、タワーは3段まで、そしてピラミッドは5段まで、一定の制約付きで容認しているところもあります。何度も申し上げますが、小中学校の設置者は、その責任は首長にありますが、一義的には教育長にありますが、地方分権の考え方から、そこを飛び越えて私がああしろ、こうしろと命令できるものではありません。
 しかし、事は子供たちの命に関わる問題であり、重大な障害がという事例が含まれていることを考えれば、これはやはり重大な関心を持って取り組まなければいけないと、こういう認識を持っていることを答弁で申し上げたつもりであります。今後、立法府からの御指摘や実態の分析、こういったことを踏まえて、方針を示す必要があると思っていますし、最近運動会は結構春にやりますね。春にやるとすれば、もう5月、6月には運動会が開催される。その前に担任や体育の先生や管理職は準備に入るので、その前に一つの考えをお示しする必要があるのではないかと思っています。

記者)
 その方針を示すということは、超党派の議員連盟の方でも、おそらく何かしらの方針を示すと思いますが、それを受けてということになるのか、それとも文科省として独自に何か指針を示すということになりますか。

大臣)
 議院内閣制ですから、せっかく予算委員会で御質問をいただき、関心を持って勉強会をしておられる。更にその勉強会が、超党派の議連として、これは深刻じゃないかという問題意識を持っておられる。そのことを踏まえることも、議院内閣制である以上は必要だと思いますし、同時に文科省として今できる実態調査、分析は、これは進めさせていただきます。正直言って、足並みをそろえた方がいいと思います。それも半年、1年かけるような問題ではありませんので、今、速やかに取り組んでいきたいと思っています。

記者)
 関連で、今年の春に運動会があるその前までにということは、基本的に年度内ぐらいに方針を示されるということでしょうか。その方針の具体的中身として、大阪市のように何段までといったような具体的な数値は盛り込まれる、盛り込むべきと大臣はお考えでしょうか。

大臣)
 基本的に年度内にやはり出した方がいいと私は思っています。これが1点目。2点目は、あえて今日はちょっとそこまでは踏み込んで申し上げません、分析をしますから。また、それがどういう状況でそうなったのか、私も答弁で申し上げたように、ピラミッドの場合には周りに先生がいても、意味がないのです。真ん中が崩れたらどうしようもないわけですから。2段目、3段目、4段目、5段目が落ちてきたら、大変な重量で圧迫されるわけで、首、肩、肘、腰、まだ十分に体もでき上がっていない小中学生が、圧迫を受けたらどうなるかというのは想像すれば分かる話です。
 したがって、そのような事例がどの程度あったのか、そのときどういう指導体制であったのか、こういったこともよく分析をして聞いてみないと分かりませんので、具体的にどこまで踏み込むか、それはここではちょっと言うべきではないと思っていますので、御勘弁ください。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成28年02月 --