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馳浩文部科学大臣記者会見録(平成27年10月27日)

平成27年10月27日(火曜日)
教育、科学技術・学術

キーワード

平成26年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査(いじめ)の結果、公立学校施設の維持管理に対する会計検査院の改善処置要求、高校生の政治活動、財政制度等審議会の示した案、経団連が大学生の就職活動解禁を前倒しの方針

馳浩文部科学大臣記者会見映像版

平成27年10月27日(火曜日)に行われた、馳浩文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成27年10月27日馳浩文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

馳浩文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭に申し上げたいと思います。
 平成26年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査における、いじめに関する調査結果等について御報告いたします。
 本日、平成26年度の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査における、いじめに関する調査結果を公表いたしました。
 国公私立の小・中・高・特別支援学校におけるいじめの認知件数は約18万8,000件であり、前年度より約2,000件増加しております。この増加については、今回の調査の見直しによって、いじめが積極的に認知された結果と肯定的に評価しておりますが、都道府県間の差が依然として、約30倍となっていることなど、なお、課題があると考えております。
 一方、いじめ防止対策推進法で義務とされている、学校におけるいじめ防止基本方針の策定や、学校におけるいじめの防止等の対策のための組織の設置については、法施行から2年を経過したにもかかわらず、いまだに一部の学校が策定・設置をしていないことは甚だ遺憾であり、早急に全ての学校が策定・設置をするよう、強く働きかけてまいりたいと思います。
 また、地方自治体における取組は義務ではないものの、全ての自治体において地方いじめ防止基本方針が策定され、かつ附属機関等が設置されることが望ましいと考えており、引き続き、自治体に対しても働きかけてまいりたいと思います。
 いじめ防止基本方針の策定や組織の設置は、いじめ防止対策のスタートラインであり、基本方針に基づき組織的にいじめ対策に取り組むことが、いじめの未然防止や早期発見、早期対応に資すると考えております。
 文部科学省としては、いじめは、どの学校にも、どの子供にも起こり得るという認識の下、社会総がかりでいじめに対峙し、いじめで苦しむ子供を救うための取組を一層強化してまいりたいと思います。

記者)
 いじめが積極的に認知された結果と肯定的に評価されていますけれども、一方で認知していない学校の割合も小学校で4割などとありますが、この割合に関してのお考えをお聞かせください。

大臣)
 2年前に法律が施行されて、教職員同士の情報の共有、また、気づきという観点を要請し、現場での学校内外の連携した取組をお願いしたところであります。したがって、教職員や保護者、学校関係者の感度の問題もあると思っています。
 このいじめの法案を作成するときに、やはり定義のところが非常に議論となりました。つまり、被害者の立場に立って、いじめと思われる事案について丁寧に対応していただくことを全ての小中学校等にお願いしているところですから、改めて所管の教育委員会、学校現場、また地域の方々、保護者はもとより、連携して取り組んでいただきたいと思っています。

記者)
 本日の報道で、会計検査院の定期検査で、公立小中学校の校舎の建物にひびが入っていたり、設置されている火災報知機の不備が放置されていたケースが4万件あるとありました。
 これらについて、文部科学省としてどういう対応をされるお考えでしょうか。

大臣)
 そもそも児童生徒が安全配慮義務のもとで、安全に生活をしてもらう場所、勉強してもらう場所、ここが学校施設の本来、保守点検をしなければいけない重要な課題だというという認識は、もちろん持っております。
 今回、会計検査院から御指摘をいただいた点については、なぜ放置されているのかということも含めて、改めて実態を踏まえて、そんなことがないように、速やかに対処いただくように、取組を教育委員会等にも、学校側にも、是非求めていきたいと思っています。

記者)
 何か通知などを出されることはお考えでしょうか。

大臣)
 そこは実態と、御指摘を踏まえて、適切な対応が必要となっていますし、通知が必要と判断すれば、通知を出すこともあります。

記者)
 いじめの話に戻りますが、今回6月末に一旦締め切った調査をもう一度やり直して今回の数字になっていて、その前は前年を下回るような結果になっていたとも聞いていますが、そのことについての所感と、今回の対応は、矢巾町の自殺があったとはいえ、イレギュラーなことだと思うのですけれども、前年の数字を掘り返すという行動が、調査のための調査になっているという指摘もあり、数字を増やすためだけなのかというところも含めて、今回の調査について御所感をお願いします。

大臣)
 基本的な対応を振り返る必要があるのです。
 誰も、どの子供もいじめの加害者になってはいけない、被害者になってもいけない、傍観者にもなっていけない。そのことを見守る責任が保護者にも、教職員にも、もちろん学校管理の校長はじめ、教育委員会においても、感度の問題だと、私は基本的に認識をしております。
 したがって、前年と比べてこれだけ数が増えた、減ったという、この認識も一つのデータとして重要ではあります。同時に、1件1件の課題について真剣に取り組むという姿勢が、まずは日常的に子供に接している教職員の責務として必要だと思っています。
 そのような意味で、6月の後、更なる見直しを求めたのは、自治体によって認知の差があり過ぎるのではないか、本来求められている法律の趣旨にのっとった対応が、ちょっと意識の差にばらつきがあるのではないか。ましてや、その後の矢巾町の事案でありますから、そういった意味で見直しを求め、いただいた報告を集計をして、分析をして、公表させていただいたということであります。
 こうしている間にも、全国の学校において、いろいろな事案が発生しているのではないかと類推いたしますが、是非、悲惨な自殺とか、また刑法犯に匹敵するようないじめの問題、そして同時に、目に見えない、例えばLINEやネットなどを通じたいじめなどについても取り組んでいただいておりますが、やはりアンテナを高くして、まず、いじめの予防、早期発見、早期対応が必要です。 同時に、やはり学校活動というのは、クラス単位とか部活動とか、いろいろな集団の活動がありますから、そのような活動を通じて、また教科を通じても、いじめはいけないというのはもちろんではありますが、まさしく、学校内のいろいろな集団の中において、お互いに協力し合って、また困った人がいたら声をかけて助けてあげたり、また、ふざけている、じゃれているというような、そのような事案についても、早目に声をかけて、やめろよと、嫌がっているじゃないかと言えるような、そういう風通しのよいクラス経営をしていただくようにも求めたいと思います。
 引き続き、いじめのこの事案については、最大の関心を持って、私も取り組んでいきたいと思います。

記者)
 近く、高校生の政治活動についての通知が出されると思いますが、大臣はまず、この通知に込める思いや、狙いはどういったところかというところと、それから政治家として、高校生が政治活動できるということによるメリット、デメリットというのはどのようにお考えなのかについて伺います。

大臣)
 2つですね。
 一つは、法令順守。公職選挙法はじめ、関係法令をきちんと守っていただきたい。当然、教職員には政治的中立を求めた教育公務員特例法もあります。教育基本法の第14条だったと思いますけれども、政治的な中立、こういったことが守られるべき。教育の現場における法令遵守は、法治国家において最も重要な課題だと思っていますので、そのことは、まずは教職員に自覚を求めたいと思います。これが1点目。
 2点目は、やはり18歳から選挙権を持つということは、法律も国会で通って、合意の下でスタートしているということでありますから、改めて、我が国の政治的な課題についての基本的な知識をしっかりと身につけていただきたいと思いますし、また教職員が実際に各政党がこういう主張をしている、例えば介護の問題についてはこの政党はこういう主張をしている、ざっくり言えば、与党はこういう主張をして、野党はこういう主張をしているとか、特に新聞などを活用して考え方がそれぞれあるということを紹介すること、それに基づいて討論すること、このことは極めて重要なことだと思っています。
 私は特に、これからの日本社会を考えれば、社会保障の問題と国際社会における我が国の役割、この感覚の意識は、やはり政治教育、いわゆる主権者教育という言い方もしますが、バランスのよい考え方を持っていただきたいと思いますし、そのための基礎的な知識、教養、こういったことは、自分だけが思い込んでいるという場合もあるので、お互いに討論しながら、データに基づいた議論や、エビデンスに基づいた議論などをしながら、自分の考えを深める、そういうことを求めたいと思っています。

記者)
 財政審議会のことをお伺いしたいのですが、金曜日に発表されまして、国立大学の運営費交付金などの削減などということで大綱が示されましたけれども、文部科学省としての認識をお聞かせください。

大臣)
 もちろん財政審の取組については敬意を表するものでありますが、本音を言えば、売られたけんかは買いたいなと、それぐらいの熱い思いになってまいります。
 というのが、やはり教育や研究、科学技術は特にそうですが、やはり継続性が重要であり、その中から、先般も2日続けてノーベル賞を受賞した、その基礎科学の分野においてもそうですし、我が国が今まで連綿と続けて、つないできた国立大学の運営費交付金だから基盤的な経費、そして科学技術研究費等についての基盤的な経費、もちろん今、戦略的な経費等もございますけれども、安定、安心した状況で、独創的な研究、また、国立大学の人文系の分野もそうですが、やはり落ちついた状況で自由かっ達な教育活動、研究活動がなされる、その経営の基盤を支えていくことは極めて重要だと思っています。
 もちろん法人化されましたから、各大学が自主的に寄附金等、財源確保に経営努力もまた重要でありますし、ここは中期計画等も財政的にも目標を持って達成すべきだと、私はその努力ももちろん求めたいと思っておりますが、基盤的経費である運営費交付金について、機械的な削減の方針といったものは、断じて受け入れることはできませんし、大いにこの問題については議論を深める必要があると思っています。
 実は昨日、視察で筑波の方に行かせていただきました。防災科学技術研究所もそうでしたし、宇宙航空研究開発機構(JAXA)ももちろん行ってまいりました。こういう現場の地道な御努力、そして我が国の世界に誇る最先端の技術が、いかに我が国の国力を高め、信頼性を高めているかということを改めて目の当たりにいたしましたが、そのことを、一億総活躍社会という以上は、やはり国力を引き上げる意味での一億総活躍、国力を引き上げるという意味での科研費や国立大学の運営費交付金の安定的な確保、そのことを現場の皆さんにも実感していただくためには、予算の確保は最重要な課題だと、そういう認識は持っています。

記者)
 大学生の就職活動について伺います。
 経団連がこのほど、8月になっている大学4年生の選考活動の解禁を、6月にすべきではないかというような方針を打ち出しています。1年で変わることになりかねない事態ですけれども、これについて、大臣はどうお考えでしょうか。

大臣)
 朝令暮改はいかがなものかと思います。
 ただし、実態を踏まえて、実態調査の報告をしっかりと分析をした上で対処すべきだと思っていますし、ただ、そうは言っても、来年のことについて、方針を確認し合うべきでありますから、年内にはきちんと方針は示すべきであると思っています。
 当然、これまでの長い経過措置、経過があった上での今回の3月から、8月からと、10月からというラインが示されているわけでありますから、そのことも踏まえて、実態を踏まえて、そして今後の、来年の方針は早目にお示しをする必要があると思っています。

記者)
 6月というのは授業中だったり、試験があったりするかと思うのですがいかがですか。

大臣)
 実は、皆さんも御承知のように、では、外資系はどうなのですか。
 経済界の皆さん方、そうはおっしゃっても経団連の加盟社や、経済同友会、あるいは商工会とか、商工会議所とか、いわゆる中小企業の皆さん方と、こういうことを考えると、私は正直どうなのかなと思っています。
 だからこそ、これまでの経緯があって、3月、8月、10月という一つのラインができたわけでありますから、朝令暮改はいかがなものかなとまず率直に思っています。

記者)
 いじめの問題に戻るのですが、学校とか教育委員会で、いじめ防止に対する努力義務があるというようなことで、いじめ防止基本方針であるとか、いじめ問題に対応する協議会、このようなものを作る必要になってくるのですが、設置状況を御覧になって、先ほども少し言及されておられましたが、率直にどのようにお感じになられますか。
 とりわけ、矢巾町の事件のあった中学校ではいじめの対応をとられていたということですけれども、それでも起きるということについて、どうお考えでしょうか。

大臣)
 これも緊張感の問題なんですね。法律に基づいて、各学校は基本方針を作らなければいけないのです。大規模校であろうと小規模校であろうと、いじめ対策の委員会は作らなければいけないのです、義務なのです。
 ただし、どういう形で作るか、つまり、これまでどおりの生徒指導主任とか校内のメンバーで作ってもいいし、学外の人も入れて作ってもいいし、だけども、いじめ防止対策の基本方針と、そのための組織は作らなければいけないのです。なぜ義務にしたかということも、やはり立法の趣旨というのを、もう少し教育委員会を通じて、全ての教職員にお伝えしなければいけないのかなと思っています。これは1点目です。
 同時に、今まさしくこの瞬間も、ちょっとしたふざけた思いで対応していても、受けとめる被害者という言い方も学校現場では何となく使いづらいのですが、やられた方も、何となくからかいとか、ふざけた遊びとかのつもりでも、改めて、何で俺ばかりいつもやられるんだろう、私ばかりこういうことされるのかというのがだんだん重なっていくことが、ある日、瞬間的に自殺であったり、何かの拍子にスイッチが入ることにつながるわけです。
 したがって、常にいじめのないクラス、あるいは自分が加害者にならないように、被害者にならないように、傍観者とならないように、学校の教育活動を通じて、常に取り組む。また保護者の皆さんにも、我が子は大丈夫かな、人様に迷惑をかけていないかな、いろいろな意味での気づきと見守りを、私は常に緊張感を持って取り組んでいただきたいと思っています。
 おっしゃったように、法律を守った、方針ができた、指針ができた、対策委員会もできた、だからいいという問題ではないということは、もちろん当然のことです。

(了)

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成27年10月 --