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下村博文文部科学大臣記者会見録(平成27年9月29日)

平成27年9月29日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ

キーワード

「私たちが拓く日本の未来」(生徒用副教材・教師用指導資料)、第2回国際宇宙探査フォーラム(ISEF)、スポーツ庁、運動会での組み体操、福島県立高校女子生徒の自殺

下村博文文部科学大臣記者会見映像版

平成27年9月29日(火曜日)に行われた、下村博文文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成27年9月29日下村博文文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

下村博文文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭発言が2件あります。
 まず1点は、「私たちが拓く日本の未来」、生徒用副教材・教師用指導資料についてであります。
 今年の6月に選挙権年齢を満18歳以上に引き下げる公職選挙法改正法が成立し、新たに有権者となる若い人たちの政治や選挙への関心を高め、政治的教養を育む教育の必要性は更に高まっております。
 文部科学省では、来夏の参議院通常選挙から選挙権年齢が満18歳以上となる見込みであることを踏まえ、総務省と連携し、作成した高校生向け副教材、「私たちが拓く日本の未来」とその活用のための教師用指導資料を、本日14時にホームページ上で公表することとしましたのでお知らせいたします。
 今後、総務省において、全国の国公私立高等学校の全ての生徒など370万人に副教材を配布をいたします。配布完了は12月となりますが、ホームページ上に掲載することにより、学校において一部をダウンロードするなどして、教員が準備の上、授業で活用することができるものと考えております。
 本資料を活用し、学校において政治的教養を育む教育が充実することを期待しております。
 2点目は、第2回国際宇宙探査フォーラム(ISEF)についてであります。我が国が主催する第2回国際宇宙探査フォーラムを2017年後半に開催することといたしましたのでお知らせいたします。
 2014年1月に開催された第1回ISEFには、私は政府代表として出席し、国際宇宙探査の枠組み作りの議論に積極的に参加するとももに、次回会合を我が国において開催することを表明いたしました。現在、各国の主要宇宙機関により構成される国際宇宙探査協働グループにおきまして、月探査計画を含む国際宇宙探査ロードマップの改訂に向けた議論が進められております。
 このような技術的な検討を踏まえ、第2回ISEFでは政府レベルでの活発な議論を行ってまいります。
 また、宇宙空間の平和利用、データ共有や標準化の導入等の共通の原則を含む将来の国際宇宙探査協力に関する枠組みを構築することを目標に取り組んでまいりたいと思います。
 2017年は、日本初の本格的月探査機である「かぐや」打ち上げから10周年となる記念すべき年であり、国際協働による月探査計画を議論するにふさわしい年であると考えます。第2回では月をターゲットとした国際協働による探査ミッションについても議論を行ってまいりたいと思います。
 今後、前回開催国の米国を初め、関係各国と連携しつつ、第2回ISEF開催に向け、準備を進めてまいります。
 以上です。

記者)
 副教材についてお聞きします。
 高校3年生は残り半年ということと、副教材の中では模擬選挙などが扱われていると思うのですけれども、その題材については極力例示しなかったと聞いております。
 現場の先生の指導力に頼る部分が大きいと思うのですけれども、この活用について、大臣の所見をお願いいたします。

大臣)
 高校3年生は、あと半年ぐらいしかありませんので、この副教材は最低2回はやっていただきたいと思っておりますが、1冊の副教材を3年間通じて基本的には行うということになります。
 今後ですけれども、特に今までは高等学校において、公民科を中心に政治的教養を育む教育を行ってまいりましたが、更に追加してディベートや模擬選挙、それから模擬請願などの実践的な学習活動による取組とか、それから生徒の社会や政治に積極的に参画しようとする意欲や態度を育むことがこれからより以上に求められてくることになると思います。
 今回、18歳以上の高校生は選挙運動が可能となってまいります。18歳未満の高校生の選挙運動は禁止されておりますが、公職選挙法も含め、選挙の仕組みについて正しい知識を身につけさせるということも重要になってくると思います。
 そのため今回の副教材では、解説編では選挙や政治の意義や仕組み、それから実践編では話合いやディベートの手法、模擬選挙や模擬議会の実施、また参考資料等では投票と選挙運動等についてのQ&Aなどを取り上げております。が、高校3年生はそれほど授業時間がとれないと思いますので、この選挙や政治の意義や仕組みは一般論であると思いますが、それぞれ学校において政治的教養を育むことは非常に重要だと思いますので、できるだけ実践的な、主体的なことについても取り組むように是非お願いしたいと思います。

記者)
 関連して、副教材と同時に作成された指導書ですけれども、一見すると、政治的中立性についてかなりのページを割いていて、確かにそれは非常に重要だと思うのですけれども、高校の先生がごらんになったときに、果たして自分の力量で教えられるのかとか、あるいはこれだったら面倒くさいからやらないとか、そういった形で萎縮効果というか、政治教育をこれから推進されていく中で、そういった先生が手を出しにくくなる、そういう指導書になっているという懸念が一部の専門家からも上がっているんですけれども、これについて、大臣の御所感をお願いします。

大臣)
 まず我が国の教育基本法で、学校は政治的中立性を確保するため、特定の政党を支持し、又は反対する党派的政治的教育等の政治的活動が禁じられているわけであります。また、公職選挙法において、教員はその地位を利用した選挙運動を行うことも、これは当然禁止されているわけであります。
 これらを踏まえて、教員は児童生徒に対して大きな影響力を有することを特に留意しながら、政治的中立性を守るということは当然のことだと思います。
 しかし、守るということと萎縮するということは別の話でありまして、先ほども副教材の概要についてちょっと説明いたしましたが、一つは一般論として選挙や政治の意義や仕組みそのものを教える。また、実践的なものとして話合いやディベートの手法、模擬選挙や模擬議会の実施を行う。この模擬選挙なんかも、これまで学校現場が躊躇する嫌いがありましたが、実際に一部の自治体でやっていることによって、これが結果的に何か偏向したものになっていないことは客観的にも示されているということであると思います。
 ですから、政治的中立性をきちんと守るということと、一方で副教材等を通じながら、民主主義国家として、一人一人の国民が参加をすることがいかに重要かということを教えることは、相矛盾することではありませんから、是非積極的に、選挙年齢が18歳に引下げになったことを含めて、学校現場において、いかに選挙、それから社会参画等を議論しながら、また自ら関わり、あるいは参加する、また興味関心を持つということについて、学校現場としては是非進めてもらうことによって、結果的に若い世代の投票率が上がるような、そういうことを高校等では是非、先生方に頑張って、努力していただきたいと思います。

記者)
 両立するということですけれども、政治的中立性を守りながら教えることは当然できると思うのですが、例えばリアルな政治を教えようというときに、国会で今まさに話題になっているような、例えば先月までだったら安保法とか、そういう特に現実的な課題について取り上げる場合には非常に慎重になるというような文言が指導書に書かれているんですけれども、そういったリアルなことを避ける傾向につながるのではないかという話もあるんですけれども、それについてはいかがでしょうか。

大臣)
 公職選挙法、それから今度配布する「私たちが拓く日本の未来」活用のための指導資料の中の、実践的な教育活動を行うに当たっての留意点の4番目に、こういうふうに記述してあります。
 「生徒の話合いが一つの観点についてのみ終始し、議論が広がらない場合などに、教員が特定の見解を取り上げることも考えられる。しかし、議論の冒頭などに個別の課題に関する現状と、その前提となる見解などを教員が指示すること考えられる。更に、議論の冒頭などに個別の課題に関する現状とその前提となる見解などを教員が指示することも考えられる。
 しかしながら、教員は自らの言動が生徒に与える影響が極めて大きいことから、教員が個人的な主義主張を述べることは避け、中立かつ公正な立場で生徒を指導することが求められる。」ということでありますので、教員個人が自分はこう思うというような主張ではなくて、いろいろな賛成、反対含めて、幅広くいろいろなことを提起しながら、この問題についてどう考えるかということを、安保法制案も含めてでありますが、今年における最も政治的な重要課題ということではそのとおりでありますから、それを避けて通ったら、そういう意味での政治参加についてどう考えるかという、あるいは興味をどう持つかということについて、これは避けるという話になりますから、そういう視点からいろいろな議論をしてもらうことは、これは重要なことだと思います。

記者)
 国際宇宙探査フォーラムは、2017年の何月にやるという、その時期がわかったら教えてほしいのと、あと開催場所は考えられているんでしょうか。

大臣)
 2017年の後半ということです。これは開催国である我が国が決めることですが、それぞれの国にいろいろなスケジュールもあると思いますので、詳しい日時等は各国と調整しながら決めていきたいと思いますので、今時点でははっきりしているわけではありません。場所は全くまだ決まっていないということで。

事務方)
 東京で考えてございますけれども、具体の会場はまだ決まってございません。

大臣)
 未来館とか、そういうところが候補になるかもしれませんが、まだ決まっていません。

記者)
 各国というのは大体何か国ぐらいの国と地域かというのはいかがでしょうか。

大臣)
 前回参加されていた35か国・機関等を中心に呼びかける方向で検討しています。

記者)
 あと、2014年1月のワシントンのときは主催国がISSへの参加表明というのを訴えましたけれども、まだ日本はISSに参加する、しないというのを決めていないですけれども、大臣としてはISS参加についてはどのような。

大臣)
 ISSの延長ですね。

記者)
 運用の延長について、どのようにお考えですか。

大臣)
 前回どこかで申し上げたと思いますが、ISSの2024年までの継続について提案があったわけであります。
 これに対して我が国は、このISSについて、昨年7月に文部科学省の国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会において取りまとめられた報告書におきまして、コスト効率化努力と成果最大化を通じて、費用対効果を一層向上させることに留意しつつ、2024年までのISS運用を継続することが適当というふうにされました。
 加えて、宇宙政策委員会は今年6月の「中間取りまとめ」において、日米宇宙協力の新たな時代にふさわしいISS運用の在り方の再定義や、利用成果を最大化する方策等、総合的な検討を加速するということで、この方向に沿って取りまとめをしているところでありまして、まだ最終的にISS運用延長についてはっきりは確定はしていないけれども、今後、国内外の関係機関との調整を行って、その方向で今進めているところであります。

記者)
 その宇宙探査フォーラムについて、次、2回目を日本で開くその意義と、そこで日本はどんなことをアピールしたいのか、どのようにお考えかお伺いします。

大臣)
 先ほど申し上げましたが、再来年は日本初の本格的月探査である「かぐや」打ち上げから10周年となる記念すべき年であるということ。それから国際協働による月の探査計画を議論するのにふさわしい年であるということで、月をターゲットに置いた国際協働による探査ミッションについて是非提案をしながら議論をしていきたいと考えております。

記者)
 明後日、10月1日にスポーツ庁が発足しますけれども、その意義を改めてということと、一方で縦割り行政が本当に解消できるのかといった懸念もありますけれども、そういった懸念を払拭するためにどういうことを行っているかお伺いします。

大臣)
 これは御承知のように鈴木大地さんが初代の長官になるということで、非常に優れた能力をたくさん持っておられる方だと思いますが、必ずしも行政の中で経験された方でもない部分もあると思いますので、事前にもう2回ほどでありますが、鈴木大地さんとスポーツ庁ができるときの幹部に予定されている人たちと一緒に、今後のスポーツ庁の在り方について、また鈴木新長官が何をどんうなふうにしたいのかということも含めて、組織に関係する議論をしております。
 これは知名度もあって、国民的な期待感も高い、また鈴木さん自身の人気もあると思いますが、そういう形だけの著名人のマスコット的な長官ということではなく、御本人も初めてのスポーツ庁長官ということで、このスポーツ庁ができることによって、日本のスポーツそのものについて貢献をしていきたいということをたくさん持っておられます。
 トップアスリートの育成は2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて重要なことでありますが、同時に、全ての国民がスポーツによって健康を享受できるような環境を作るという意味では、幅広い分野ですから、御指摘のように、今までの文部科学省のスポーツ・青少年局が庁に格上げになったということではなくて、幅広く、他省庁からも20人近く、民間からも20人近く、120人台の規模のスポーツ庁ができるわけでありますが、今後、他の行政機関にも働きかけながら、是非、縦割り行政から脱却するようなスポーツ庁の新しい形をスタートから造っていくように、しっかり体制づくりをしながら、進めていくようにしていきたいと思います。

記者)
 副教材の件について、今回、副教材には模擬選挙とかディベートとか実践的な授業が盛り込まれるのですが、確かに政治を身近なものとして感じるという点では有効かと思うのですけれども、一方で、そういった授業が一過性の一時的なイベント事として終わってしまうんじゃないかという声が、現場の先生とか一部の識者から上がっていますけれども、その点についての大臣のお考えはいかがでしょうか。

大臣)
 一過性に終わるか終わらないかは、それはそれぞれの高校なり教育委員会がどう取り組むかというところだと思います。
 例えば模擬選挙も、そういう選挙があるたびに事前にやっている自治体も実際あるわけですから、きちんとしたノウハウを確立することによって、これは一過性じゃなくて継続的にやっていくというのは十分できるのは当然のことだと思います。
 それから、ディベートについてはいろいろな工夫の仕方が当然あると思います。アクティブ・ラーニングをこれから文部科学省としては、あらゆる教育レベル機関で導入を考えておりますが、ただ、現場でやってくれと言っても、例えばディベートについて、一つのテーマで賛成、反対ということになるとうまくいかない部分があるかもしれません。アクティブ・ラーニングと連動することによって、自分の意見と別に、あるテーマについて賛成の立場から、反対の立場から議論し合うことによって、よりそのテーマについて深めるというやり方もあるわけですから、自分のそのときの思いで賛成だからとか反対だからとかいうことで、ただディベートするというよりは、学校現場ということでありますから、自分の意見、主張を持っているものをいかに議論し合うかというよりは、勉強する中で、自分の意見とは違う意見かもしれないけれども、ディベートなり、アクティブ・ラーニングのグループに入って深めることによって、より多角的な部分から一つのテーマについて学ぶというような工夫の仕方はいろいろできると思います。
 ですから、これは学校の先生任せということでなく、そういう研修といいますか、トータル的なものについては教育委員会とよく連動しながら、学校現場でしっかり活用することによって、高校生たちの政治参加意識、それから政治に対する興味関心が深まるような、そういう授業形態については文部科学省の方でもしっかりと検討し、対応していきたいと思います。

記者)
 学校の運動会でのいわゆる組体操について、それが過熱したり、あるいは規模が大きくなったりして、行っている児童にけがや障害が起きたり、あるいはそういう危険があるという指摘があって禁止すべきじゃないかという意見も出ていますけれども、この組体操の問題について、大臣はどのように現状認識されていて、今後どのようにすべきだとお考えでしょうか。

大臣)
 子供のころ、経験ありますか。

記者)
 そんな危険な組体操の経験はないです。3段ぐらいのはあります。

大臣)
 私は経験ありまして、何段だか忘れたけれども、一番上に立つとすごく怖いぐらい高かったから、3段じゃなくて、多分5段とか6段とか、それぐらいはあったと思うんです。
 自分で経験した中で、何でこんな怖い経験をしながら、どういう意味があるのかなと子供心に実は思ったことがあります。
 そういう子供のころの素朴な思いというのは結構重要なことであって、けがをするとかのリスクがあったとしても、それ以上の教育成果、効果があるのであれば、それはやる意味があると思いますが、そのとき、私はどんな意味があるか見出せないまま今に来ている部分が実はあります。
 ですから、組体操そのものを否定するわけではありませんが、それはやはり程度問題であって、けがをすることがあるかもしれないことを前提で、だからといって一切けがを、例えば3段であってもないということも言えないわけですけれども、それは程度問題で、それぞれの学校が独自に判断されることであると思います。

記者)
 文部科学省でこの組体操について、程度というのを示すということではないということでよろしいですか。

大臣)
 今の段階で、文部科学省で組体操に対して具体的な検討を行っているわけではありません。

記者)
 先日、福島の方で高校生の女子生徒が自殺したという件に関して、今、大臣の受けとめと、それから省として検討はどのように考えているのかというのがあったら教えてください。

大臣)
 御指摘の、先日、福島県立高校の女子生徒が自殺した事案について、亡くなられた生徒に対し、御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し、お悔やみ申し上げます。
 本事案については、事案発生後に学校が実施したアンケートに、当該生徒が人間関係のトラブルを抱えていた旨の記述があったことなどに関して、福島県教育委員会から報告を受けております。
 福島県教育委員会は御遺族の意向も踏まえ、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態として調査を進めていく考えであると聞いております。
 文部科学省としては、引き続き福島県教育委員会と連携を密にしながら、いじめ防止対策推進法にのっとって、適切に対応するよう指導助言してまいりたいと思います。

(了)

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成27年09月 --