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下村博文文部科学大臣記者会見録(平成27年1月6日)

平成27年1月6日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、その他

キーワード

今年の抱負「教育再生」「先端研究開発によるイノベーション」「東京オリンピック・パラリンピック」、油井亀美也宇宙飛行士表敬訪問、幼児教育無償化、大臣補佐官、大学入試改革、STAP細胞

下村博文文部科学大臣記者会見映像版

平成27年1月6日(火曜日)に行われた、下村博文文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成27年1月6日下村博文文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

下村博文文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず、今年の抱負でありますけれども、昨年は、教育再生はもとより、科学技術、文化、スポーツ、各分野におきまして、これまで手を付けることのできなかった改革、今58項目になっておりますが、これを同時進行で実行していくということで、まだ実際のところは3分の1ぐらいしか達成のめどがついておりませんが、それを更に実現をする、そういう年にしてまいりたいと思います。
 アベノミクスによって、雇用率、賃金の上昇等で成果を上げつつありますが、まだまだ中小企業や商店街、あるいは地方においては、その実感が感じられる国民の方々が少ないということの中で、今後、景気回復を中心とした改革を加速し、日本を真の成長戦略に乗せて、経済・社会を発展させる必要があると思います。
 そのために文部科学省の果たす役割は今まで以上に大きなものがあると思います。教育再生、先端研究開発によるイノベーション、東京オリンピック・パラリンピック、この三つの柱を中心として、特に三本目の矢について貢献していきたいと考えております。
 今日は、そのために2時から幹部250人を集めまして、私の方から今年の方針、更に詳細について事務次官から、また、その後大学入試改革、それに伴う学習指導要領の見直し等、細部に神が宿るという言い方がありますが、絵に描いた餅に終わらせることなく、省を挙げて、きめ細かく担当分野を明確にしながら、一つ一つの職員が明確な目標が分かって、それに向けて仕事ができるような環境作りとして、今日、そのような会議を持つ予定であります。
 その中で説明していきたいと思っていることでもありますが、一つは教育再生であります。
 これは何のための教育再生なのか。日本の子供は自己否定感がほかの国の子供に比べても非常に高いということの中で、本来の教育の目標というのは、自分が幸せであると思う、それから、自分は人のために、社会のために、家族のために存在しているという自己肯定感が実感できるような教育は何なのかということに対して、より充実していくための施策を考えていく必要があると思います。
 このことを含めて、まずは、教育費負担の軽減、それから、積極的な教育投資による教育の面からも格差の改善を行うと。また、少子化の克服を進め、子供の挑戦のチャンスを確保する取組を是非進めていきたいと考えています。同時に、潜在能力を含めた一人一人の人材力を向上させ、多様な個性を伸ばすといった教育の質向上に取り組み、我が国全体の国際競争力を高め、経済・社会の発展につなげていくためには安定的な財源確保策の検討が必要であります。
 今後の、予算、税制見直しの中で、資源配分の重点を高齢者から子供・若者へ、とりわけ教育費負担の軽減のために大胆に移していくことも必要であると思いますし、同時に独自の財源を考えていくことも必要だと思います。現在、教育再生実行会議において検討してもらっているところでありますが、今年の夏頃までに結論を得たいと考えております。
 第二の柱が先端研究開発によるイノベーションです。
 昨年、赤﨑氏、天野氏、中村氏が青色LEDの発明でノーベル賞を受賞されました。「20世紀はエジソンの白熱電球に照らされたが、21世紀はLEDに照らされる世紀である」というノーベル賞を選考したスウェーデン王立科学アカデミーの言葉もあるように、青色LEDは世界の経済、社会にイノベーションをもたらしております。
 今後もこのような革新的なイノベーションについて、基礎研究から実用化や社会的普及までの期間を大幅に短縮するということを文部科学省が国家戦略的に考え、アベノミクスを牽引(けんいん)する一つの要素にしていきたいと考えております。
 具体的には、卓越した若手研究者が裁量と責任を持って、継続して研究に打ち込める環境を整えることで人材力を強化する。また、産学官の結集した研究開発イノベーション拠点を構築していくことで、イノベーションを加速させていくこと。特に、天野先生の取り組まれている窒化ガリウムを活用したパワー半導体などの研究開発については、名古屋大学を含めた産学官の力を結集するとともに、若手研究者を積極的に登用することにより大幅な加速を図り、抜本的な省エネルギーイノベーションを実現していきたいと思います。
 既に2年前、安倍政権が発足したときに、iPSによる取組を同じような形でしておりますが、これまでいろいろなところで研究開発をしている、そういうシーズはたくさんあるにもかかわらず、国は財政的な支援が中心ですが、それから大学や研究機関、また民間企業等が結束することによって、何十年かかるかわからないかもしれない研究開発を数年で成し遂げるようなことを、今後文部科学省は積極的にバックアップをしていくということの中で、特に今年はこのLED等の省エネルギー対策の取組をバックアップしていきたいと考えております。
 それから、第三の柱が東京オリンピック・パラリンピック大会であります。
 2020年をターゲットイヤーとして位置付けた、民間を巻き込んだ活動を展開し、大会のレガシーだけでなく、社会に与える幅広いレガシーそのものを創出し、東京だけでなく、日本津々浦々まで元気にさせる取組をしていきたいと考えております。
 1964年大会は発展途上国型のオリンピックであったわけでありますが、新幹線、高速道路などのインフラ整備が飛躍的に伸び、高度成長の波に乗ることができましたが、当時外国人観光客はわずか35万人でありました。今回2020年には外国人旅行客を2,000万人、また2030年には3,000万人にしていくということが政府の方針でありますが、その中核を担うのが文化・芸術であり、またスポーツ、そういう分野になってくると思います。特に文化政策については、従来の保存を重視するという考え方ではなくて、文化財の活用による地域活性化や、またそれ自体を観光シフトに持っていくと。その中の一つの取組として、新たに日本遺産を創設するということを考えております。
 2016年のリオ大会終了後に、世界トップレベルのアーティスト、アスリート、ビジネス関係者が集まるスポーツ文化ダボス会議を日本で開催するということで、来週から、実際は再来週ですけれども、ダボス会議が開催されますが、ここに行って調印をする予定にしております。政府も支援をしながら、2016年の世界トップアスリート、アーティストを中心とした、もちろん世界経済フォーラムですので経済界の方々が中心ですが、2,000人が集まって、日本から文化、芸術、そしてスポーツを発信していく、その取組を2016年から2020年に向けてスタートしていく予定であります。
 これらの政策について、いずれも文部科学省が中心となるわけでありまして、各省庁とも連携をして、日本の成長を牽引していく、ある意味では文部科学省は未来省と、未来を創る役所であるという思いを持って、これから通常国会が終わる夏頃までをめどに、これまでの改革の方向性を取りまとめ、そしてしっかり発信をしていきたいと思います。
 それからもう一点が、油井亀美也(ゆい きみや)宇宙飛行士の表敬訪問についてであります。
 今日、油井亀美也宇宙飛行士が表敬訪問に来られます。
 油井飛行士は、航空自衛隊のパイロットからJAXAの宇宙飛行士に転身された経歴があり、直近、2009年の宇宙飛行士募集、約1,000人の応募者の中から選抜された3名の宇宙飛行士の一人です。日本人宇宙飛行士は、この20年余りでスペースシャトル搭乗、国際宇宙ステーション建設・利用、若田船長の活躍と、着実にその活動を拡大してきました。油井飛行士は、今後のISS利用の成果拡大に加え、来るべき国際有人宇宙探査時代における活躍が期待される新しい世代の宇宙飛行士です。
 油井飛行士は、今年の5月から約半年間にわたりISSに長期滞在する予定となっています。その間、新薬開発への貢献や、宇宙環境がほ乳類の遺伝子へ与える影響の解明などが期待されるマウスを用いる実験装置の設置をはじめ、我が国の「きぼう」の能力を更に向上させる活動を行うということであります。
 私自身、油井飛行士にお会いするのは初めてでありますが、任務の達成に向けて激励するだけでなく、「きぼう」における実験の新たな取組や、ISSに続く宇宙探査など、我が国の将来の有人宇宙活動に向けた油井飛行士の思い、意気込みについても聞きたいと考えております。
 以上です。

記者)
 幼児教育の無償化についてお伺いします。
 平成27年度予算案の編成作業も大詰めに入ってきておりますけれども、この幼児教育無償化の対象範囲や内容について検討は進んでいるのか、現在の状況についてお聞きしたいのと、大臣は、年収360万円未満の世帯を無償にしたいという考えをこれまで示してきておりますけれども、現在もこのラインを最低限確保したいとお考えなのか、あるいはその対象を絞ることも視野に入れているのか、改めてお考えをお聞かせください。

大臣)
 幼児教育無償化については、平成26年7月の「幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議」の取りまとめにおきまして、「環境整備」と「財源確保」を図りつつ、5歳児から段階的に無償化に向けた取組を進めることとし、その対象範囲や内容等について予算編成過程において検討するということになっているわけであります。
 厳しい財政状況でありますけれども、文部科学省としては、関係府省と連携しながら、必要な予算の確保に向けて、引き続き全力で取り組んでまいりたいと。
 来年度の予算の中での私としては最も重要な項目として位置付けておりまして、先ほども閣議が終わった後、塩崎厚労大臣とこの件で今詰めの協議をしているところであります。360万の要件は文科省だけの問題ではありませんので、今申し上げたように、関係府省と連携しながら政府としての成果を上げられるよう、ぎりぎり最後まで、今度の日曜日ぐらいまでかかるかもしれませんが、先頭に立って対応していきたいと考えております。

記者)
 2点あります。1点は大臣補佐官の設置について見通しをお聞かせください。
 それから、2点目なのですけれども、入試改革なのですけれども、昨年末の答申に関しては、高校あるいは大学は、現場には慎重論とか、まだ実現が難しいのではないかという声も依然根強いですけれども、その辺、絵に描いた餅にならないようにするためには何が鍵になるか、大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 まず大臣補佐官は近々に決めたいと思っておりますが、閣議了解が必要ですので、閣議了解を得た時点で発表させていただきたいと思います。
 それから、大学入学試験については、そのことで今日改めてこのことを中心に省内の幹部にそれぞれのレベルから私が先頭に立って説明と、それから今後の工程表、プログラム、まず意思疎通を図るということで明確化していきたいと思っておりますが、おっしゃるとおり、中教審の答申を受けただけの段階では一体どんな大学入学試験になるのか、国民の視点から見るとよくイメージがわかないということはそのとおりだと思います。ですから、総論賛成、各論反対で、いざとなると公正公平な入学試験ができるのかというような現場の危惧というのが出てきて当然だと思います。
 ですから、できるだけ早い段階で、今省内でいろいろなワーキングチームとかPTを作って、それぞれ細かく詰めておりますので、早い段階で、それから既に我々が考えている、これは小学校6年生が大学受験するときにスタートするということを考えていますが、今年の入学試験でも一部の大学ではそれを先取りしたような入学試験に着手しているところもありますので、そういうような事例を文部科学省の方で具体的なサンプルとして例示をしながら、そういうものを目指していくというものも含めて、作っていきたいと思っています。
 いずれにしてもできるだけ早いうちに全体像が明確化して、そのためにこれからどんな高校以下においても勉強していくことが大切なのか、大学受験に向けてどんな学校教育をしていくことが必要なのか、大学そのものもどんな準備をしていくことが必要なのかということが、より詳細に分かるようにしていきたいと思いますし、是非毎日新聞をはじめ各社も、できるだけ、私を含めて文部科学省の職員が取材に積極的に対応しますので、できたらそれぞれのところでこうなるんだということを記事として書いていただけるように、こちらの方も急ぎたいと思います。

記者)
 補佐官については置く方向という理解でよろしいですか。

大臣)
 もちろん置きます。閣議了解がとれたら発表します。もう具体的には決まっております。

記者)
 研究開発イノベーションでパワー半導体を後押しするということをおっしゃったのですけれども、具体的にどういう事業なり枠組みなりというのを考えていらっしゃるのかあれば、御所見をお願いします。

大臣)
 これは天野先生がノーベル賞を受賞された直後、文部科学省に来られまして、そのときに話をされたことがきっかけになっているのですが、既に日本国内だけでもLEDによって1兆6,000億ぐらいの経済的な波及効果があると。世界全体ではもう10兆円近く、超えていると思いますが、その中で天野先生が言われていたのは、これはLEDだけの話ではなくて、そもそも省エネルギー対策だと。日本の全てのエネルギーの7%は少なくともトータル的に削減することができると、この研究を進めればですね。それをしていくのに35年とか40年ぐらいはかかるという話をされておられましたので、それを受けて先ほどのように、天野先生がおられる名古屋大学等を拠点にして、そこを省エネルギーイノベーションのそういう拠点にしながら、国内外のその分野におけるトップレベルの研究者が、また国もそれに必要な財源を確保して、また民間の活力、ノウハウ等を使うことによって、本来時間が相当かかることについて、できたら5年、10年前倒しで実現するような、そういうパワー半導体の高効率化を目指していきたいということを考えております。

記者)
 STAP細胞の論文の問題でお伺いしたいのですけれども、先月、論文の調査結果が発表されまして、本日、小保方さんから不服申立てがなかったということで、不正が確定したと理研側が明らかにしました。
 ちょうど昨年1月に華々しい発表があったわけですが、1年たって論文そのものも不正が確定したということで、先日の会見でもお話ししましたが、改めて大臣の御所感があればお願いいたします。

大臣)
 昨年12月に発表されたSTAP論文の疑義の調査結果について、5日が不服申立ての期限となっていたわけでありますが、小保方氏からの不服申立てはなかったと聞いております。これを踏まえて理研において必要な手続が進められるということでありますが、これは小保方さん本人だけの問題でなく、やっぱり理研の当初のおっしゃった華々しい発表等を考えると、余りにもギャップというのですか、それから組織全体としてのずさんさ、これは一人だけの問題ではなくて、組織全体として明らかな不正があったということになってくると思います。ですから、そういうことも総括をして、理化学研究所として、もうそういう問題が二度と起こらない整備体制が組織としてもできてくる、人材、体制を含めて。それを明らかにするということが、国民に対する説明責任としても問われると思いますし、またそのようにフォローアップを文部科学省としても理化学研究所に対してしてまいりたいと思います。

(了)

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成27年01月 --