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下村博文文部科学大臣記者会見録(平成26年8月29日)

平成26年8月29日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化

キーワード

平成27年度予算概算要求、子供の貧困対策に関する大綱、東北地方への医学部新設、理化学研究所アクションプラン、STAP細胞、特定国立研究開発法人、福岡県柳川市教委集団的自衛権閣議決定反対署名集め、都立高入試採点ミス、公設民営学校

下村博文文部科学大臣記者会見映像版

平成26年8月29日(金曜日)に行われた、下村博文文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成26年8月29日下村博文文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

下村博文文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭3件あります。
 まず、1つ目は、平成27年度文部科学省概算要求についてであります。
 平成27年度概算要求について、今回の概算要求は、「教育再生実行会議の提言等を踏まえ、我が国にとって大きな転換点となる2020年までに、『家庭の経済状況や発達の状況などにかかわらず、学ぶ意欲と能力ある全ての子供・若者、社会人が質の高い教育を受けることができる社会』を実現することを目指し、その取組を軌道に乗せるとともに、教育、文化・スポーツ、科学技術イノベーションを通じた地域や日本の再生を目指す」ことを狙いとしております。
 特に今回力点を置いた取組について申し上げます。
 教育関係については、5点あります。
 1点目は、幼児教育の無償化について、「幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議」の方針を踏まえまして、5歳児から段階的に取組を進めてまいりますが、27年度の具体的内容については予算編成過程において検討することとしております。
 文部科学省としては、年収360万円程度未満の御家庭の5歳児については、無償化を実現したいと考えております。
 2番目に、大学等奨学金事業についてでありますが、「有利子から無利子へ」の流れを更に加速をさせていきたいと思います。
 当面、無利子奨学金の貸与基準を満たす希望者全員への貸与実現を目指し、平成27年度においては3万人の増員を図ります。また、奨学金返還の負担を軽減するため、返還者の状況に応じ、きめ細かな対応を可能にする、より柔軟な「所得連動返還型奨学金制度」の導入に向けた準備を加速してまいります。
 3点目が教職員指導体制についてであります。
 教職員や専門スタッフが一つのチームとして、学校の教育力を最大化する「チーム学校」の実現や、子供たちが主体的に学び合う授業の充実などのため、義務標準法を改正し、10年間の新たな教職員定数改善計画を策定するとともに、スクールカウンセラー等の専門スタッフの配置拡充を図ります。これによりまして、教員が授業など子供への指導に、より専念できるよう、質の高い教育の実現を目指します。
 4点目、高等学校等就学支援金制度に所得制限を導入したことによって捻出される財源を活用し、低所得世帯への高校生等奨学給付金の拡充を更に図ってまいります。
 5点目、更にグローバル人材育成のための官民協働による「トビタテ!留学JAPAN」を推進していくため、27年度において海外留学支援制度、高校生も含めた拡充を図ってまいります。
 次に、スポーツ関係でありますが、2020年東京大会に向け、スポーツ庁の創設を目指すとともに、競技団体の自己負担解消などによる選手強化の充実や、国立競技場の改築、ナショナルトレーニングセンターの拡充整備を行います。また、東京のみならず、日本全国に機運を広げ、スポーツによる地方創生を目指してまいります。
 続いて文化関係でありますが、文化政策の在り方について、従来の文化財の保存を優先する取組から、その文化財を活用する、そういう視点に方向転換をしてまいりたいと思います。
 具体的には、新たに「日本遺産」という名前で、この「日本遺産」を創設するなど、文化を起爆剤とした地域の活性化を図ってまいります。また、2020年東京大会に向け、国内外の人々を魅了する文化プログラムを展開するための取組を推進してまいります。
 次に、科学技術関係であります。
 安倍政権の成長戦略において、科学技術イノベーションは重要な柱の一つであります。
 来年度の新法人制度導入を契機として、イノベーションハブ形成による研究開発法人の機能強化を進めるとともに、社会に革新をもたらし、国民が成果を実感できる科学技術イノベーションの創出を目指してまいります。
 また、東京電力福島原発の廃止措置等は非常に重要な課題であると認識しており、文部科学省として、国内外の英知を結集した廃炉国際共同研究センターの構築を産学官の連携によって進めてまいります。
 最後に、地方創生に関する取組でありますが、学校を核とした地域力強化のための取組により、地域の将来を担う子供たちの育成やコミュニティの活性化を図ってまいります。また、地(知)の拠点大学による地方創生事業を通じた人材育成や、我が国の研究開発力を駆動力とした地方創生の取組によって、新産業や雇用の創出など、地域が抱える課題の解決を図っていきます。
 同時に、先ほど申し上げた文化財を活用した取組、それからスポーツを活用した取組等を行うことによって、この地方創生を文部科学省としても積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 平成27年度概算要求は、これらの施策に重点化し、対前年度5,404億円増、5兆9,031億円を要求してまいります。今後とも要求内容実現に向けて、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 2点目は、「子供の貧困対策に関する大綱」であります。
 「子どもの貧困対策の推進に関する法律」に基づく「子供の貧困対策に関する大綱」について、これまで内閣府、厚生労働省と協力して検討してまいりましたが、本日の閣議で決定をされました。「大綱」に基づき、文部科学省として取り組んでいく事項について、既にお手元にお配りした資料があるかと思いますが、まず、幼児期から高等教育段階まで切れ目のない形で教育費負担の軽減を目指すこととし、幼児教育の無償化に向けた段階的な取組を行っていく。また、高校生等奨学給付金の更なる充実による経済的負担の軽減を図っていく。
 さらに、大学等奨学金事業について、無利子奨学金の充実や、より柔軟な「所得連動返還型奨学金制度」の導入に向けた対応の加速等に取り組むこととしております。
 特に大学・専門学校等進学率については、全世帯の進学率が73.3パーセントであるのにかかわらず、生活保護世帯が32.9パーセント、またひとり親家庭の子供が41.6パーセント、児童養護施設の子供が22.6パーセントと、著しく格差が出ている点が課題であると考えます。
 今後、経済的理由にかかわらず、大学等への修学の機会が得られるよう、政府として取り組んでいくことが重要であると考えております。
 また、学校を貧困対策のプラットフォームとして位置付け、スクールソーシャルワーカーを5年後には約1万人に拡充することにより、教育と福祉・就労との連携を積極的、組織的に行い、家庭の状況等による問題の発生を防止するとともに、学校における確かな学力保障、進路支援を行ってまいります。
 さらに、家庭の様々な事情により、家庭での学習が困難であったり、学習習慣が十分に身に付いていなかったりする中学生の学習機会を十分に確保するため、学校支援地域本部を活用し、大学生や教員OB等による原則無料の学習支援を充実し、5年間で全公立中学校の半数に当たる5,000校区で実施を目指してまいります。これらの取組を通じて、今後とも、経済状況に関わらず、誰もがいつでも希望する質の高い教育が受けられる社会の実現に向けて、全力で取り組んでまいりたいと思います。
 3点目でありますが、「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」が審査結果を昨日取りまとめて発表いたしました。
 「東北医科薬科大学」の構想を選定することが適当との結論を得ました。正式な選定については、今後速やかに、復興庁、厚生労働省に協議の上、決定・公表することになりますが、文部科学省としては、構想審査会の審査結果を尊重したいと考えております。
 選定に当たっては、幾つかの条件が付されております。これらの条件に適切に対応しているかどうか確認の上、設置認可の受付ができるよう、適切な指導助言を行っていくとともに、必要な法令上の手当などの準備を進めていきたいと考えております。
 なお、今後のスケジュールとしては、通常の学部設置認可スケジュール通り進めば、来年3月に認可申請、8月に認可、翌平成28年4月に開学ということになります。
 東北地方への医学部の新設については、復興のための特例として取り組んでまいりました。東北医科薬科大学には、仙台市、宮城県のためだけでなく、宮城県をはじめとした各県等とも連携し、復興の加速化、原子力事故からの再生に向けて取り組んでいただけることを期待をしたいと思います。
 私の方からは以上です。

記者)
 今、お話しいただきました東北地方の医学部の選定先が決まったことですけれども、改めて、申請される医学部が東北地方において果たすべき役割について大臣の考えを教えてください。
 それから、もう1点ですけれども、理研のアクションプランが先日公表されました。今後、理研にどのような改革を期待されていますでしょうか。
 それから、理研が行っている検証実験では、STAP細胞は再現できませんでした。検証実験の継続について疑問視する専門家もいます。今後の検証実験の継続について、大臣の御所見をお願いいたします。

大臣)
 まず、東北地方における医学部新設についてでありますが、これは本来、今現在は都市部においても医師不足のところが実際はあると思います。ただ、医師養成のためには10年近くかかるということで、現在の、既存の医学部の定数で10年以降は十分に医師は足りるということの中で、今まで新たな医学部新設というのは認めてまいりませんでしたが、しかし東北地区においては、東日本大震災の後、医療ニーズが更に増しているという中で、特例的に医学部新設を認めたということでありますので、今回、東北医科薬科大学がその候補の1つに確定したということの中で、是非復興の加速化、原子力事故からの再生に向けて、そういう使命を帯びていると、新たな医学部の新設として認められたというよりは、東北全体の復旧・復興に医療の部分からどう使命を果たすかと、そういう視点からしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 このためには、地元の宮城県、それから、東北6県等の自治体とよく連携をしてもらって、特に地元の宮城県等の協力が得られるように体制整備をしっかり行うことによって、確実に平成28年から開学できるような準備をしっかり使命感を持ってやっていただきたいと思います。
 それから、理研のアクションプランについては、一昨日、野依理事長からアクションプランの内容について、直接報告を受けました。
 アクションプランにおいては、外部人材を活用したガバナンス体制の強化、そして、CDBの「解体的な出直し」など、理研の信頼回復等に向けて必要な取組が盛り込まれていると承知をしております。
 私からは、理事長のリーダーシップによって、アクションプランに基づいた改革を速やかに実施してほしいと伝えたところでありまして、今後とも、文部科学省として理研の取組がスピード感を持って、着実に実施されるよう、適切な指導をしていきたいと、フォローアップしていきたいと考えているところであります。
 それから、STAP細胞について、27日に論文に記載されている方法に従って検証を行ったわけでありますが、STAP細胞の出現が認められなかった旨の中間報告を理研が発表したと承知しております。
 理研においては、国民、一般社会への説明責任を果たすため、自らSTAP現象の有無を明らかにする必要があるという判断の下、検証を続ける方針を示したものと認識しております。文部科学省としては、理研が科学的な事実を明らかにし、社会に対する説明責任を果たしていくことが重要であると考えております。

記者)
 福岡県柳川市の学校で、集団的自衛権行使容認の閣議決定に反対する署名集めが行われたことが明らかになりました。こちらは、市教委の幹部職員から各学校の校長に依頼があって、それで各校内で署名集めがされていたということですけれども、教育公務員特例法に抵触するおそれもあります。政治的中立性をおびやかす事態だと思いますが、大臣の所見をお願いします。

大臣)
 御指摘のような内容の報道があったということを私も読みました。報道にあったような行為が実際にあったとすれば、これは誠に遺憾であります。
 文部科学省として、福岡県の教育委員会、それから柳川市の教育委員会に実際に何が行われていたか、まず事実関係を早急に確認いたします。文部科学省としては、きちんと確認した上で適切に指導していきたいと思いますし、教職員の適切な服務の確保に向けて、ほかの自治体においても、指導していきたいと思います。

記者)
 昨日ですけれども、東京都の教育委員会の方から、東京都の都立高校の入学試験で採点ミスがあった問題で、過去3年間更にあって、都立高校の9割以上の、175校のうち165校で採点ミスがあって、今回の、今年の入学試験でも、更に4人が本来不合格で、それが合格になる人がいたということも分かったのですけれども、このことについてどのように考えていらっしゃるかというのと、文部科学省として何か対応するお考えがあるかというのをお聞かせください。

大臣)
 東京都から報告を受けました。28日に東京都が、御指摘のように「都立高校入試調査改善委員会報告書」を公表し、その内容で、採点・点検に専念できる十分な時間と環境の確保をしていきたい。あるいは、マークシート方式の導入の検討をしたい。また、採点・点検方法などの抜本的な見直しを行う。合格発表日以降、受験生からの申出があれば、採点済みの答案の写しを交付する。こういうことをすると報告を受けたと承知しております。
 高校の入学者選抜においては、生徒の立場を第一に考え、ミスのない実施がなされるべきもの、これは当然のことだと思います。東京都においては、報告書を踏まえて、入学者選抜の改善に努めて、二度とそういうことがないように、ミスがないような体制をしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 文部科学省としては、9月末に開催する各都道府県教育委員会の高校入試の担当者を集めた会議の場におきまして、各都道府県教育委員会が行っている「採点ミス」の防止等に向けた取組について、情報交換を行う予定であります。今後とも、各都道府県教育委員会において入学者選抜が適切に実施されるよう、促してまいりたいと思います。

記者)
 理研のアクションプランの関係でお伺いしたいのですけれども、アクションプラン、CDBの改革については、評価する声もありますけれども、一方で理研本体の上層部の経営責任については、例えば、改革委員会が提言をしていた理事の進退が触れられていないなど、踏み込み不足を指摘する声もあるかと思いますけれども、その点に関しては大臣はいかにお考えでしょうか。

大臣)
 今回の事案を受けて、理研において抜本的な改革を行うべくアクションプランが策定されたわけで、私は野依理事長には責任を持って、リーダーシップによって改革を進めていってほしいということを申し上げました。
 文部科学省としては、アクションプランの着実な実行が重要であると考えておりまして、そのために必要なガバナンス体制については、これから体制をより強化していく必要があると思いますし、より野依理事長がリーダーシップが発揮しやすいような形での、これからの理事の在り方等についてもしっかりフォローしながら、必要に応じて相談を受けながら、よりガバナンス改革が進むような体制について、文部科学省としてもバックアップしていきたいと考えております。

記者)
 関連して、理事長からの報告の際に、大臣が特定研究開発法人に向けても課題は多いとおっしゃっていたかと思いますけれども、例えば、アクションプランの改革の工程表を見ますと、年度いっぱいかかるようなこともたくさんあるわけで、そうしますと、当初考えていたような来年4月からのスタートというのはやはり難しいというようにお考えでしょうか。

大臣)
 少なくとも臨時国会に改正案を出すということは、事実上難しいと思います。
 来年3月までにアクションプランを含め、国民からみても、理研が確かに改革をきちっと行うことによって、研究不正や、あるいは、いろいろな疑義の問題が解決したという形が取れれば、来年の4月以降改めて法案を出すと、来年の通常国会ですね。そういう準備をしていきながら、状況の中で判断していくことが必要だと思います。

記者)
 水曜日に大阪市の橋下市長が大臣を訪ねていらっしゃっていましたが、どのようなお話をされたのでしょうか。

大臣)
 大阪市からは、国家戦略特区において、公設民営学校についての提案が今まで出ておりました。政府として、この国家戦略特区に関係する法案を整ったレベルから、この秋の臨時国会に提出したいという思いがある中で、この公設民営学校についても、必要な法改正を行うことが伴ってくるということを判断をした中で、直接、私と橋下市長が話し合って、そして、この臨時国会に向けて、大阪市や関係省庁との調整を速やかに進める必要があるのではないかということで、会って話をしたところであります。
 大阪市からも、そういう強い要望がありましたので、それに沿って今後秋の臨時国会に必要な法律改正等を行うような作業の調整を行うよう、事務方に今指示をしているところであります。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成26年08月 --