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下村博文文部科学大臣記者会見録(平成26年7月11日)

平成26年7月11日(金曜日)
教育、科学技術・学術、その他

キーワード

台風8号、私たちの道徳、ベネッセコーポレーション個人情報流出問題、防災教育、学術情報資料に対する軽減税率適用、不登校生徒に関する実態調査、行政が特定の番組の宣伝・営業に資すること

下村博文文部科学大臣記者会見映像版

平成26年7月11日(金曜日)に行われた、下村博文文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成26年7月11日下村博文文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

下村博文文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 2点、冒頭発言があります。
 まず1点、台風8号による被害状況についての報告であります。
 このたびの台風8号等の被害により亡くなられた方、特に文科省関係という対象では、長野県南木曽町(なぎそまち)において中学1年生の男子生徒が亡くなられました。お悔やみを申し上げるとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げたいと思います。
 文科省では、昨日17時現在では、学校管理下における人的被害の報告は、現在のところは受けておりません。物的被害については、学校の斜面が崩れたり、校舎の窓ガラスが割れたりするなどの被害が289件発生したとの報告を受けております。今後とも、児童生徒の安全対策に万全を期すよう、教育委員会等に要請しているところでありますが、引き続き、的確な被害状況等の把握や二次災害防止に努めていきたいと考えます。
 それから、2点目は「私たちの道徳」の活用に係る指導についてであります。
 文科省では、本年度から全国の小中学生向けの道徳教育用教材として「私たちの道徳」を配布いたしました。この「私たちの道徳」は、学校だけでなく、家庭や地域においても広く活用いただくことを狙いとしており、これまで二度にわたり教育委員会等に対し通知を発出し、その効果的な活用を呼びかけているところでありますが、これまでのところ、学校によっては、本教材を学校に据え置いて、家庭に持ち帰らないようにしているところがあるなど、十分な活用がまだなされていないという状況があります。
 このため、今回、7月8日付けで都道府県教育委員会等に対し事務連絡を発出し、特に夏休みなどの長期休業に当たり、本教材を児童生徒一人一人が持ち帰り、家庭や地域でも活用していただけるよう指導をお願いしたところであります。
 さらに、今後、これは今週中をめどでありますが、本教材等の活用など、小中学校における道徳教材の活用状況について実態調査を行うことも予定しておりまして、これらを通じて「私たちの道徳」が学校、家庭、地域で活用されるとともに、道徳教育の充実が図られるよう取り組んでいきたいと考えております。今週中ではなくて、来週中をめどということだそうです。
 以上です。

記者)
 ベネッセの顧客情報の漏えい問題に関して2点お願いしたいのですが、まず1点目は、全国学力テスト、これは平成19年度から毎年、小学校のテストの方はベネッセが受注しています。この辺の被害がなかったのか、まずお聞かせください。
 それからもう1点は、この問題の大臣の受け止めと、あと、今後、例えば文科省として、何かベネッセに対して指導するとか、あるいは何か報告を求めるとか、そういうことがあるか教えてください。

大臣)
 ベネッセコーポレーションにおいて、確認されただけでも約760万件に及ぶ個人情報が流出したものと承知しておりまして、子供を対象に教育事業を行う企業において、このような大量の個人情報が流出する事態が生じたことは極めて遺憾なことであると考えます。
 同社は、全国学力・学習状況調査のうち小学校調査を受託しておりますが、本調査については、児童生徒の個人名を取得しない形で調査を実施しており、さらに、本調査の情報は、今回、漏えいしたデータベースとは独立したサーバー内で厳重に保管されておりまして、同社から、全国学力・学習状況調査に係る情報の外部流出はないと報告を受けております。
 本件については、今後、経産省において、個人情報保護法に基づく報告徴収等を踏まえた対応が行われるとともに、警察による捜査も開始されているものと承知しておりまして、文科省としても経産省と連携しつつ、ベネッセコーポレーションの対応、場合によっては指導をしてまいりたいと考えます。

記者)
 ベネッセは、各学校とか教育委員会と提携して事業をしたりもしています。この点で、逆に教育委員会側に、こういった情報を渡さないようにとか、そういう指導や通知をされるお考えはありますでしょうか。

大臣)
 こういった情報というのは。

記者)
 個人情報の取扱い等に関する通知とか指導とかをされる御予定はありますか。

大臣)
 どういう個人情報ですか。

記者)
 教育委員会側に、例えば、そういう提供する場合の情報の取扱いについては一定の指針を示すとか、こういった御予定はありますか。

大臣)
 少なくとも内部業者等に対して等については、もちろんそれはきちんと、そもそもどうして漏えいしたのかもよく分からないのですが、しないようなことを厳重に対処してもらいたいと思います。
 教育委員会に対しては、教育委員会がどんなことを求めているのか、それが教育委員会の教育に資することであって、一般の、いわゆる個人情報保護法によって被害を受けるとか、あるいは、それをきっかけに外部に流出するということでなければ、それは教育委員会とベネッセとの信頼関係だと思いますが、どういうケースがあるのか、またそういう漏えい等があり得るのであれば、未然に防ぐためにどうしていったらいいのかということについては、検証してまいりたいと思います。

記者)
 台風の関係ですけれども、長野の土石流の件は、避難勧告が出る前で防ぎようがなかったということもあると思うのですけれども、改めて、子供たちが自分の命を守るために防災教育が必要であるという目線が重要だと思われるのですけれども、大臣のお考えを改めてお聞かせいただければと思います。

大臣)
 おっしゃるとおりですね。葛飾区で防災教育をしているということで、天皇皇后両陛下の行幸啓がありまして、私も一緒に視察をさせていただきました。小学校1年生から6年生まで、それぞれ学年ごとに防災教育をきちんとやっているということは、日頃、何かあったときの対応になると。それは、必ずしも東日本大震災の教訓だけでなく、葛飾においては、過去、やはり台風等において大洪水を受けた、そういう被害があったということも含めた防災教育ということをされていましたから、今後、各学校においても、いろいろなシミュレーションの中での訓練的なことも含めた防災教育を子供たちにきちんとしていくということは、大変重要なことであると思います。

記者)
 文部科学省が委託している事業の中に、今年度は高校生の英語力を調査するものもあって、これに関しては学力テストと違って、高校生9万人になるかと思うのですが、名前がベネッセ側に伝わるような形式になっていると聞いたのですが、まだこれは実施途中ということで、今後、この実施方法について、少し検討されたりとか、予定はありますでしょうか。

大臣)
 今回のどんな形で個人情報が流出したのかということをよく把握しながら、こういうことがないような対応については、文部科学省の方でもきちんと考えたいと思います。

記者)
 先ほども極めて遺憾ということでしたけれども、子供の情報ということの取扱いについて、文部科学省の立場からもどうしてもらいたいとか、大臣の思いはありますでしょうか。子供の情報を取り扱うことについて、もっと厳重にとか、そうした思いはありますでしょうか。

大臣)
 そうですね。これは、そもそも情報が流出するということ自体がけしからぬ話であって、そういうことがないように、また、そういうビジネスが成り立つようなことがあっては、アンダーグラウンドであってもならないわけでありまして、この辺については警察の捜査の結果を踏まえ経産省とも連携して、こういうことが起きないような未然防止策については、文部科学省としてもしっかり考えていきたいと思います。

記者)
 電子ジャーナルとか電子書籍という学術情報資料に関して、昨日ですけれども、国立大学図書館協会と国公私立大学図書館協力委員会というところから、消費税の軽減税率の適用を要望するという声明が出ております。電子ジャーナルの価格というのは年々上昇していまして、ここに来年3月に予定されている課税をされてしまうと、そこに価格が1割上乗せされてしまって、学生さんに必要な情報を整備できないというような大学の声もあります。このことに関して、文科省として何か対応されていくという御予定はありますでしょうか。

大臣)
 大学における教育研究活動を実施する上で、研究成果を掲載した電子ジャーナルや学術図書等の学術情報資料は大変重要であると思います。また、学術情報資料を購入するための大学の図書館資料費が減少する中で、電子ジャーナルの価格上昇によりまして、学術情報資料の確保が難しくなってきているということも認識しております。
 このため、文科省では、研究成果に無償でアクセスできるオープンアクセスを推進するための科学研究費補助金等による支援を行うこと、また、大学の基盤的経費等による図書館予算の確保に努めることとしております。
 軽減税率の適用については、現在、与党の税制協議会において議論が行われるところでありまして、その動向について見守りたいと思います。

記者)
 先日、不登校生徒の追跡調査の結果が出ました。それで、大学進学率が13年前に比べて上昇しているという部分と、一方で、同世代に比べるとまだちょっと少ないという部分があります。この点について大臣の所感と、今後どんな取組をしていきたいか、お願いします。

大臣)
 まず、今回の7月9日の「不登校に関する実態調査」として、平成18年度に中学3年生であった不登校生徒の5年後の追跡調査の結果を取りまとめた公表、全体の話でありますが、今回の調査結果では、平成5年度に中学3年生であった不登校生徒を追跡した前回調査の結果と比較して、高校進学率が85.1パーセントと20パーセント近く上昇している。また、高校中退率が14.0パーセントと20パーセント以上低下している。また、大学・専門学校等への進学率が37.7パーセントと20パーセント近く上昇しているなど、不登校であっても進路の面では多くの改善がなされているという状況が読み取れるのではないかと思います。
 また、インタビュー調査においても、不登校によるマイナス面を認識しつつも、「休んだことで今の自分がある」とか、「成長した」とか、「視野が広がった」とか、あるいは「出会いがあった」といった回答も多く見られました。こうした調査の結果を通じて、不登校経験者の進学の道が大きく開かれつつあることも明らかになったのではないか。実際に、不登校の経験がありながらも、学業や仕事等において前向きに進んでいる、こういう様子が改善されていると思います。
 御指摘の点についても、こうした観点で見ていく必要があると考えておりまして、正社員率は低下しているものの、大学、専門学校等への進学率が大きく上昇しているという面を捉えれば、不登校経験にもかかわらず、様々な道に踏み出そうとしていることの表れではないかというふうに捉えております。
 いずれにしても、調査の詳細な分析も含め、改めて不登校対策を検討していく必要があると考えております。このため、今後速やかに、有識者による「不登校施策に関する調査研究協力者会議」を立ち上げまして、今回の調査結果や関係者からの御意見を踏まえ、不登校の未然防止や不登校生徒の学校復帰、社会的自立に向けた効果的な支援の在り方について検討していきたいと考えております。

記者)
 大臣、昨日もドラマの制作発表に行かれて、道徳教育の連携を取り上げられたと思うのですけれども、今回のことに限らず、映画とかドラマとのタイアップということで、政策を更に周知できる効果ということが期待できる一方で、映画とかドラマの宣伝に公が関与するというふうな見方もできるかと思うのですけれども、大臣としてはどうお考えでしょうか。

大臣)
 これは、お互いに相乗効果があるのであれば、それは積極的に活用すべきではないでしょうか。朝日新聞の主催のグローバル人材シンポジウムが東大で行われたときも、依頼があって行って、そこで挨拶をいたしました。ですから、どこのメディアであっても、どこの団体であっても、それが文部科学省にとって方向性が同じであるということであれば、お互いに連携協力しながらやるということは、非常によいことだと思います。
 昨日の「HERO」は、担当者が提案してきたのですが、私も最初は「何で道徳に関係するのかな」と思ったのですけれども、詳しく聞くと、理想的な生き方を妥協しないで目指している、そういう人生、あるべき形は何なのかということを突き詰めて考えるというのは、道徳の基本だと思うのです。
 道徳というのは、よく批判されるのですけれども、別に国家が特定の価値観を押しつけるとかということではなくて、一番大切なのは、人がいかに生きるかという根本的な部分を自分がどう見つけるか。そのためのツールとしていろいろな材料を提供するという中に、今回、「私たちの道徳」のいろいろなエピソードとか、いろいろな偉人や現代人、著名人のことも入れているのです。
 そういう視点から、小中学生が見ることによって、というか、子供だけでなく、実際、前回「HERO」のときも、あれがきっかけで検事希望者がたくさん増えたと。つまり、大人にも影響があるわけですね。ということですから、それはそういうプラス効果ということを考えたら、非常によいのではないかと。
 時間があったので、ちょっと早めに着いたものですから、フジテレビで日枝会長にもお会いしたのですが、日枝会長も「何で「HERO」と道徳が最初はつながるのかよく分からなかったけれども、担当者から聞いたら、なるほどそういう鋭い視点で、改めてそうだなと思った」ということをおっしゃっていましたが、特定のメディアと一緒になってということではなくて、あらゆるメディアと協力することによって、これは文科省のためというのではなくて、国民の、あるいは子供たちの、そういうプラス思考の喚起につながるようなことがあれば、是非これからも積極的に連携していきたいと思っていますので、是非提案していただきたいと思います。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成26年07月 --