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下村博文文部科学大臣記者会見録(平成25年8月8日)

平成25年8月8日(木曜日)
教育、科学技術・学術、その他

キーワード

H-ⅡBロケット4号機、創造性の育成塾、ロシア出張、高校無償化の所得制限、国際リニアコライダー、日本原子力機構改革本部、平成26年度予算概算要求、土曜授業、研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース、今後の留学生政策

下村博文文部科学大臣記者会見映像版

平成25年8月8日(木曜日)に行われた、下村博文文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成25年8月8日下村博文文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

下村博文文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 今日は、甲子園に行く予定だったのですけれども、来年度の概算要求シーリング等に関係する閣議がありましたので、福井副大臣に代わりに行っていただいております。その分、今日は時間がありますから、時間は遠慮せずに質問があればどんどん受けますから、出していただきたいと思います。
 まず冒頭、私の方から3点、発言がございます。
 まず一つ、本日の閣議において、H-ⅡBロケット4号機による宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機の打上げ成功について報告をしました。
 「こうのとり」4号機は、8月4日午前4時48分に種子島宇宙センターから打ち上げられ、現在順調に所定の軌道上を飛行しており、8月10日、国際宇宙ステーションに結合する予定であります。
 今回の打上げにより、H-ⅡBロケットは4機連続、H-ⅡAロケットを含めて20機連続の打上げ成功となったことは、我が国のロケット技術の着実な向上と信頼性の証(あか)しとして、私としては大変喜ばしく感じております。
 「こうのとり」4号機についても、無事に国際宇宙ステーションへ結合がなされ、所期の目標が達成できるよう、関係機関とともに引き続き努力してまいりたいと思います。
 2点目は、「創造性の育成塾」における講演であります。
 8月5日、第8回「創造性の育成塾」に出席し、全国から選抜された理科好きの中学2年生40人、また、中国人の生徒も来ていまして、44人を前に講演をしました。
 講演においては、早くから人生の明確な目的意識を持ち、自分が世界にどのような貢献ができるかとの視点を忘れずに勉強してほしいと伝えるとともに、国際科学オリンピックにも積極的に挑戦し、世界トップレベルの人材を目指してもらいたいと激励しました。生徒たちが目を輝かせて「創造性の育成塾」に参加していたことが印象的でありました。
 今後とも、優れた生徒の能力を伸ばすとともに、全ての子供たちの可能性が開かれるような教育をしていくよう、教育改革に努めてまいりたいと思います。
 当日配布した資料を、今日お手元に配布しておりますが、今までなかった資料で、それを御覧になると、高校生、過去オリンピックにおいて、我が国が今までの経緯の中でどれぐらい参加者、これは確実に増えていますけれども、増えているのか、メダルの獲得の推移もありますが、これを見ると、残念ながら伸び悩んでいるという感じがいたします。
 私は、この「創造性の育成塾」の中でも、子供たちから随分質問が出ましたが、伸びる子にはもっと伸ばすような教育に、更にシフトしていく必要があると思います。これまでの画一、均一的な教育から、それぞれの子供たちの個に応じた教育、つまり、伸びる子はもっと徹底的に伸ばすと、ある意味では、エリート教育も大切だと思います。
 一方で、学習障害等、今、学校教育にもなかなかついていけない、そういう子供たちに対しては、しっかりと、それぞれの子供たちに応じた、ついていけない子供たちに対する教育という意味で、同じような教育を全ての子供たちにするということではなく、それぞれの子供たちに応じた教育をすると。その中で、来年は子供たちも期待をしていましたが、高校におけるスーパーサイエンスハイスクール、これをもっと拡充してほしいという声が中学生からも上がっておりました。「拡充」というのは、もっと予算を増やしてほしいという具体的な話でしたけれども、それから、スーパーグローバルハイスクールとか、スーパーイングリッシュハイスクールとかいうのも、そういう意味での一環でありますけれども、伸びる子はもっとさらに、世界に通用するグローバル人材として伸ばしていく、そういう、これから我が国も必要があると思います。
 それから3点目が、ロシアの出張であります。
 8月14日から8月20日までの予定で、ロシアへ出張いたします。今回のロシア訪問においては、モスクワで10日から開催される世界陸上競技選手権大会に出席し、日本人選手たちを激励するとともに、国際陸上競技連盟の関係者をはじめとする各国のスポーツ関係者等との意見交換を行います。
 世界陸上競技選手権大会は、陸上競技の世界最高峰の大会であり、競技の運営状況を視察し、関係者と意見交換を行うことは、オリンピック・パラリンピック競技大会の東京開催に向けて、大変意義深いものとなると考えております。
 また、モスクワ郊外のガガーリン宇宙飛行士訓練センターにおいて、若田宇宙飛行士が、国際宇宙ステーション長期滞在に向けた訓練を行っているため、視察し、激励をしたいと思っております。その他、ロシア科学アカデミー総裁等との会談を予定をしております。
 私の方からは以上です。

記者)
 高校無償化の所得制限についてですが、今、自公の方で協議をしているということですが、再来年度からのスタートということで合意したというふうに言われてますが、大臣、この辺についての御所見をお願いします。

大臣)
 私としては、来年度から実施をしていただきたいということでございまして、実務者の方に、まだ最終決定したわけではないと聞いておりますので、引き続き、所得制限の額について決定をまだしておりませんし、スタート時期についても、政府・与党としては26年度からスタートするというぐあいに、いろいろな問題点がどんなところであるのかどうかを含めて、更に精査をしていただいて、実務者協議をしていただきたいということを、昨日改めて、馳座長にお願いをしました。引き続きやっていただけるものと思っております。

記者)
 もう一点、国際リニアコライダーの件ですけれども、日本学術会議の検討委員会が、国内誘致について時期尚早であるという見解をまとめましたが、これについて大臣の見解をお願いいたします。

大臣)
 これについては、まだ報告が上がってきておりません。日本学術会議での議論の結果を踏まえて、私としては、座長から文科省に対して報告をしていただきたいと思っております。その結果を受けて、今後の対応を考えたいと思います。

記者)
 今日、原子力研究開発機構の改革本部が開かれますが、報道では、J-PARCの切り離しなど、解体というような抜本的な改革を急ぐものと思いますが、それはどうなるのでしょうか。

大臣)
 御指摘のように、私が本部長を務める、日本原子力研究開発機構改革本部の会議が、今日行われます。これまで第1回から第3回の会合において、一つは、安全を最優先とした業務運営の考え方、二つ目に、原子力機構の業務の重点化、三つ目に、「もんじゅ」の運転管理体制の抜本的改革、これを外部有識者の委員から様々な御意見をいただきながら、議論を行ったところでございます。
 特に、7月29日に行われた第3回会合においては、「もんじゅ」の運転管理体制の見直しにとどまらず、原子力機構全体の業務運営に関して、一つに、原子力機構の社会的使命、果たすべき役割を念頭に、総花的な業務内容を見直すこと、二つ目に、原子力機構の本来の社会的使命である、安全研究や核燃料サイクル等の研究開発に重点化することなどの、様々な意見をいただいたところでございます。
 今日13時30分から行われる第4回会合においては、これまでの改革本部における御意見や議論を踏まえ、「もんじゅ」の運転管理体制を深掘りした改革案をはじめ、安全を最優先とした、原子力機構の抜本的な見直しの基本的方向性について、取りまとめることとなっております。
 実際に、この、今日の会議の中でどんな議論がされるかということにもよってくるというふうに思いますので、報道されているようなことが、断定的に、既に確定しているという段階ではございません。
 また、今日の4回の会合が終わった後、事務方に、丁寧に記者ブリーフをするように私の方からも指示をしておりますので、全体的な中でこれから決定するものと理解をしていただきたいと思います。

記者)
 先ほどの質問で出た高校無償化の見直しについてなのですけれども、自民党と公明党の協議の中では、その実施時期について、再来年度がいいだろうという、大筋で合意をされたという理由が、学校現場の準備作業、準備期間を十分とる必要があるだろうということ、それから、現に、もう8月に入ってきている時点で、来年高校に入学する中学3年生の進路選択に影響があってはいかぬという、そういう理由で、再来年度ということが出てきているということだったのですけれども、一方で、大臣が、来年度からのスタートというものを、強く希望されるその理由というのを、改めて教えていただきたいのですが。

大臣)
 私も関係の知事とお話をしていて、自治体によっては、来年度からでも対応できるというふうに言われているところもあります。
 また、私学関係等は、来年度から、私学関係も含めてできるというふう言われている中で、もし、全ての47都道府県で準備が整うのであれば、これはもともと自民党の選挙公約でもありますので、できるだけ早く実施してしかるべきである。それというのも、野党のときから、自民党としては、高校授業料無償化は、これは、自民党案の方が、更に公正公平を期した、低所得者や公私間格差を是正する案であるというふうに主張しておりましたから、それを早く実現をさせるということは、政策担当大臣としては当然のことだと思います。
 ただ、これを行うためには、都道府県で手続上の条例改正や、あるいは給付型奨学金も導入をしたいと考えておりまして、このための条例改正等が伴うことが出てまいります。それを早ければ、都道府県における12月議会とか、対応できる自治体もあるというふうに聞いていますので、政府の方針が早く決まれば、そういうことは可能だと思っておりますが、ただ、必ずしも自治体によって準備態勢が整わなければ、来年の2月、3月議会に上程すると、この条例案ですね。そうすると、事務手続上、来年4月から、かなりタイトで大変だという話も聞いておりますので。私としては、スタートはできると。来年26年度からですね。ただ実際は、事務手続上、現場が混乱をしたり、あるいは、かえって困る問題が出てくるのであれば、それは慎重に対応してもいいと思っていますが、最初から27年度スタートというよりは、準備ができる段階で早くすべきであるということで、26年度、可能であればそうしていただきたいということを、与党の実務者会議の馳座長に、昨日報告を受けた後、改めて私の方からお願いしたところであります。

記者)
 先ほど質問があったILC(国際リニアコライダー)の関係で、今後の対応、日本学術会議からの答申が出て、考えていきたいということですが、どういう答申になるにせよ、政府として、こういう対応をしますよという方向性については、お出しになるという認識でよろしいのでしょうか。

大臣)
 日本学術会議や、あるいは、専門家会議の意見を聞いて、政府として判断をするということにしておりましたから、専門家会議の結論も7月末の予定が延びているということでありますので、改めて、両方の結論を聞いてからでないと、政府の最終的な判断はつけるべきではないというふうに思っています。

記者)
 時期としては、前に岩手の知事が面談されたときに、秋の臨時国会ぐらいではというようなお話を大臣にされたと伺っていますけれども、一つのめどとして、そこら辺というふうに考えてよろしいのでしょうか。

大臣)
 秋の国会までにというか、秋の国会等で判断できるぐらいの時期にということは、一つは、専門家会議の結論を7月までにつけると。それから、この日本学術会議の結論も出るだろうという前提での話でしたが、両方とも延びておりますので、その後いつ結論が出るかどうかにもよりますが、その分、やはり判断の時期は影響されると思います。

記者)
 予算に関してですが、教育再生特別枠の要望が、何度も党の方から上がっていて、少し前までは大臣をはじめ、文科省の皆さんも非常に特別枠に期待する声が多かったと思うのですけれども、その議論というのは、政府内でどのぐらい進んでいるのでしょうか。それとも、特別枠を設けないで、通常予算の中に全部入れ込んで全体額を膨らませて出すというようなかたちになるのか、どちらを御想像されているのでしょうか。

大臣)
 本日の閣議了解された平成26年度概算要求基準については、義務的経費を除いて、それ以外は10パーセント削減する一方で、「経済財政運営と改革の基本方針」及び「日本再興戦略」等を踏まえた諸課題に対する要望枠として、10パーセント削減後の額、これは要望基礎額、それに30パーセントを乗じた額の範囲内で要望が可能ということになっております。端的に言うと、今回の要望額は約8,200億円、要望ができるという枠が設定をされました。
 安倍内閣においては、教育再生は経済再生と並ぶ最重要課題であり、特に、一つに、政権公約の実現に向けた幼児教育の段階的無償化、そして二つ目に、国際化を断行するスーパーグローバル大学をはじめとする世界に勝てるグローバル人材の育成、三つ目に、土曜授業の全国展開を目指す地域教育力の向上、この三つの施策を中心として、教育再生実現に向けた要求・要望を行ってまいりたいと思います。
 ですから、これも含めて、この8,200億円の中に十分に反映できるのか、また、これとはまた別枠で、教育再生特別枠でやれるのかということについては、今後、8月末に、ほかのスポーツや文化や科学技術に関する施策もトータル的に含めて、政務三役で精査を重ねて行うということになっておりますので、今月末までに、トータル的な政府の大枠の中で、この教育再生がどう実現できるかどうかということを判断しながら決めていきたいと思っています。

記者)
 国際リニアコライダーの件ですけれども、日本学術会議の方では、数年間の調査研究をした上で判断した方がいいというような方針を出されました。そして、政府として、その方針を固める時期なのですけれども、調査研究をした後で方針を固めた方がいいとお考えでしょうか。それとも、方針を固めてから誘致のための調査研究をした方がよろしいとお考えでしょうか。

大臣)
 先ほど申し上げましたように、日本学術会議での議論が具体的にどうだったのかということについては、直接聞いておりません。担当者もまだ聞いておりませんので、報道ベースでは存じ上げていますけれども、まず、日本学術会議の座長から、具体的にどんなことが議論されていて、今後どのようなスタンスで考えを進めるのかどうかということを聞いてから判断したいと思います。

記者)
 もう一点ですけれども、誘致のための調査研究をするに当たって、サイトを必要に応じて固めてから、調査検討をした方がいいとお考えでしょうか。それとも、サイトはまだ固めずに、両方の可能性を探りながら調査研究を進めるというふうにお考えでしょうか。

大臣)
 これは専門家会議も、まだ明確に結論を出していない中で、そのことも含めて、両方の状況をよく聞きながら判断する必要があると思います。

記者)
 今、予算に関連しまして三本の柱があるということで、一つは、土曜授業の全国的展開という話がありました。この全国的展開というのは、どのぐらいの規模を想定しておられるのでしょうか。

大臣)
 できたら、全ての教育委員会で着手をしていただきたいと思います。
 今、土曜授業を実行、実現しているところは2パーセントです。前回も報告をしましたが、是非、皆さんも豊後高田に取材に行っていただきたいと思いますが、ここは地域ぐるみで、地域の人たちがそれぞれの授業といいますか、教科の先生になっていただいて、土曜授業を行う。しかし、これは必修ではもちろんありませんから、子供が全て参加しなくてもいいのですけれども、参加率は9割ぐらいに、自由参加とはいっても上るということであります。
 また、学校の先生も、これは勤務ではありませんから自由ということですが、直接教えるということではなくて、受付とか、そういうかたちで地域の方々のフォローアップをされているということであるそうです。
 ですから、今回、土曜授業というのは、学校の教員の勤務態勢を週5回から6回に変えるとか、そういうことではなくて、今までの範囲内でやれることを地域の教育力のある方々に参加をしていただいてやると。ですから、当然、地域によっていろいろなメニューがあり得るだろうというふうに思いますし、豊後高田でも英語とか数学とか国語とかいう教科以外に、小学校の低学年から、1、2年生から英会話を教えるとか、あるいはダンスを教えるとかいう、その指導者によって、そういうメニューを組み込んでおりました。
 これは、月に1回にするか2回にするか、年に何回かするかは、予算と、それからその地域にどういうような教師力のある人材がいるかどうかということになってくると思いますが、是非、全ての自治体、教育委員会で、こういう取組がチャレンジできるような、そういう概算要求を文部科学省としてはしたいと考えております。

記者)
 今の、全ての教育委員会というのは、市町村レベルの教育委員会という想定ですか。

大臣)
 両方です。

記者)
 都道府県、市町村も。

大臣)
 はい。ただ、これは法律改正で強制する内容ではありませんので、やるかやらないかは、教育委員会の判断ということです。

記者)
 研究不正のタスクフォース、昨日、第1回が開かれまして、冒頭に副大臣が、まず概算要求で措置できるようなものは優先的にというお話があったのですけれども、もうあまりないと思いますが、大臣の中で何かこれをまず優先してというイメージ、考えてらしているものがあればお聞かせください。

大臣)
 昨日の第1回会合では、座長の福井副大臣から、情報収集、不正事案が発生した大学等への現地調査及び関係する有識者への意見聴取の3点について指示が出ているというふうに聞いております。次回会合については、それらの結果がある程度まとまったところで開催される見込みと聞いております。
 本件については、スピード感を持って対応することが不可欠と考え、9月中に中間取りまとめを行っていただきたいと、精力的に検討を進めていただきたいとお願いをしているところでございます。
 来年度の概算要求に盛り込むかどうかのことについては、昨日、福井副大臣からもお話がありましたが、具体的に、このタスクフォースの中で何が盛り込まれるかどうかということを聞いてから判断をしたいと思います。

記者)
 先ほどの土曜授業の中で、全国の教育委員会というものと、全体のイメージなのですが、例えば、数年以内に全小中高で、月1ないし月2を導入するとか、そういう具体的なイメージはありますでしょうか。

大臣)
 いや、具体的にはありません。しかし、豊後高田で、昨日も実はOECDの事務総長特別顧問と、教育責任者の方が来られたので、このことを紹介したのですが、豊後高田というところは、大分県で当時23市町村あった中で、学力がワースト2だったと。それが、これを導入したことによって大分県で今1番になったと、8年連続ですね。
 学力だけでなく、スポーツの部分でも大分県レベルを超えて、九州トップ、あるいは全国レベルになっている、そういうスポーツもあるということで、ある意味では、子供たちの勉強以外の意欲、やる気の喚起、それから同時に、地域活性化、村おこしといいますか、地域おこしにつながっている、大変な波及効果があるというふうに思っておりまして、これは是非、豊後高田の成功事例というのは、全ての自治体で学んでいただいて、それぞれの自治体でできる部分については、すぐ着手をしていただきたいと。そのための概算要求の予算も国としてもつけますよということですから、これは首長の意欲だと思いますが、首長がそういうようなことを共感、共有をしていただければ、もう来年からでも全ての自治体でスタートをするということにもなるでしょうし、首長がどういう意識を持っていただくかどうかということですが、とりあえずは来年どの程度着手していただけるのかどうかということを、様子を見ながら判断したいと思います。

大臣)
 引き続き私の方で、今後の留学生政策について皆さんに説明をしたいと思いますので、引き続き残っていただきたいと思います。
 「今後の留学生政策について」は、お手元に資料が配布されているというふうに思いますけれども、今年の6月に閣議決定された日本再興戦略や、第二次教育振興基本計画に基づき、我が国では留学生30万人計画の実現に向けて、日本の大学のグローバル化など、様々な取り組みを行っています。
 このような中で、我が国の国費外国人留学生制度について、事実を誤認した内容の記事等が最近あちこちのメディアで報道されておりますので、今日は改めて、外国人留学生受入れの意義をはじめ、今後の留学生政策について、広く説明する必要があると考えて、このような時間を作らせていただきました。
 まず一つは、そもそも外国人の留学生の受入れについては、各国の人材育成への貢献のみならず、日本人学生の異文化交流促進等の学修環境の充実、相互交流による教育研究力の向上など、大学の国際化に大きく貢献するものであると考えますし、また、日本文化の理解促進や国際関係の改善に資するなど、国益につながる多様な意義があるというふうに思います。
 このため、我が国として、諸外国との国際交流を図り、相互の友好親善を促進するために、昭和29年度から国費外国人留学生制度が創設をされました。
 この制度では、渡航費とか授業料とか奨学金を給付する、日本における学修活動に専念できるような支援を行っているということであります。
 この制度で支援をされた外国人留学生の中には、各国の大臣や国会議員、大学の学長等、活躍されているたくさんの方々がおられます。ちなみに、インドネシアでは、日本の国費外国人留学生出身者が中心となって、インドネシアの今政府の中枢にもいますが、この留学生による大学がインドネシアで、日本留学生による方々によって作られた大学がインドネシアにあるぐらいです。
 文部科学省としては、グローバル化等に対応する人材力の強化のため、日本再興戦略及び第二次教育振興基本計画において、外国人留学生を14万人から2020年までに30万人に倍増させると。また、日本人留学生も、6万人から2020年までに12万人に倍増させる、これを目標といたしまた。
 また、今年6月に開催された第5回アフリカ開発会議における行動計画でも、アフリカから1,000人の留学生を受け入れるということで、積極的な留学生政策をこれから行っていきたいというふうに思っております。
 その中で、最近メディアの中で、あるいはネット上で国費外国人留学制度において、中国人留学生が大半を占めているのではないかということで、反日的な留学生を増やしてどうするのかというような意見の書き込みがかなりありますが、これは事実認識が違います。
 今、国費外国人留学生総数は、平成24年5月現在で8,588人。このうち中国籍の国費外国人留学生は1,411人と、国費外国人留学生全体の16%程度であり、国費外国人留学生制度の予算の大半を中国人留学生に支給しているという事実は、全くありません。
 国別の留学生総数と、そのうち国費外国人留学生数の割合についても、中国は1.6パーセント、この表を御覧になっていただくと、中国からの留学生総数は約8万6,000人いるわけですけれども、そのうち国費外国人留学生は1,411人で占める割合は1.6パーセントです。韓国が、総数留学生が1万6,000人近くいて、国費外国人留学生は848人で5.1パーセント。先ほど申し上げた、例えばインドネシアは2,276人の留学生総数のうち、国費外国人留学生は609人で26.8パーセント。タイは2,167人の留学生総数のうち国費外国人留学生は572人で26.4パーセントということですね。中国は、逆に言えば、全体の平均6.2パーセントと比べても、国費外国人留学生に占める割合は1.6パーセントですから低い割合となっているということで、これはODA関係のそういう国家戦略上の中で、国費外国人留学生の枠を考えているわけですが、そもそも中国は逆に少ないと、国費外国人留学生は少ないということが実態であるということであります。
 それから、台湾の学生は、この国費外国人留学生制度の対象外になっているという批判がありますが、これも事実ではありません。台湾からの留学生には、交流協会を通じて、昭和48年度から国費外国人留学生制度による支援と同額の支援を、日本政府と国交のある国の国籍を有するということと別の枠の中で、事実上、国費外国人留学生と同等の、同額の支援を行っておりますので、そういう差別といいますか、差は全く実際はないということであります。
 それから、質の高い外国人留学生は欧米に流れ、日本に留学していないという指摘があるがどう考えるかと、留学生30万人計画の実現を目指しているが、数だけ増えればいいということなのかということですが、留学生の受入れは、各大学の判断によって行われておりますが、質の高い外国人留学生の確保は、我が国全体としても取り組むべき課題であり、日本の大学の魅力を一層高めることが必要であると思います。これは御指摘のとおりだと思います。
 ですから、今後、海外におけるトップレベルの学生を、ほかの欧米諸国でなく、日本に留学を選択をしてもらうような、国策として、これは大学、先ほど申し上げましたが、スーパーグローバルユニバーシティー等を含めまして、大学のバックアップとともに国が考えるべきことであるというふうに思います。
 数については、今後のグローバル人材を考えると、30万人計画、これは是非、実現をしていきたいと思います。
 それから次ですけれども、外国人留学生の受入れ支援よりも、日本人の海外留学支援をすべきではないかということですが、これはそのとおりだと思います。
 今までの我が国の留学生政策は、先ほど申し上げたようなODA絡みの中でのスタートでありました。そのことによって、平成25年度の外国人留学生の受入れ予算は、総額で約294億円。一方で、日本人学生の海外留学のための予算は36億円ということで、かなり差があります。
 これまでは、我が国は経済的に豊かであった。そして、ODAとして発展途上国に対して学生を支援するということが、教育上の目的でありましたが、今、日本もそんな悠長なことを言っていられるような状況ではありませんし、経済的な理由だけでなく内向き志向がある中で、日本の子供たちにも海外に積極的なチャンス、可能性を広げていくということが必要であると思いますし、国内の留学生に対する予算をこれから増やしていくということは、喫緊の課題であるというふうに思います。
 それから、私学助成の交付を受けるため、定員を満たすことを主目的に留学生を受け入れている大学があるのではないかという指摘がございます。かつてあったことは事実であります。しかし、現在この一部の大学でこういう問題が発生したことを受けて、文部科学省では、各大学に対し、外国人留学生の受入れに当たっては、一つは、学生数の確保という観点からのみ安易に外国人留学生を受け入れることは厳に慎むこと。二つ目に、真に修学を目的とした外国人留学生を受け入れるよう、適切な入学者選抜を実施すること。三つ目に、出席状況や学業成績、また資格外活動、アルバイト等の状況等の把握をきちっと行うこと。アルバイトの時間というのは制限があって、それ以上はできないということでありますから、少なくとも偽装留学、日本に留学するということの名目で、日本で荒稼ぎをするというかバイトをするというようなことは、今はありません。
 さらに、退学、除籍、所在不明、転学となった者に係る文部科学省の定期報告、これを徹底するよう在籍管理等の状況に応じた個別のヒアリングを行っております。
 ヒアリング等を通じて確認しておりまして、各大学においては、例えば出席カードによる出席管理とか、出席状況等に応じた担当教員による出席改善及び修学指導とか、アルバイト活動について、本人からの毎月の報告のほか、雇用主との情報交換などを通じた状況把握、こういうことに取り組んでおりますので、現時点で文部科学省が把握している限り、問題のある大学はありません。問題のある学生はいるかもしれませんので、それは引き続き各大学を通じて徹底した、以上申し上げたような管理体制をとることによって、本来の留学生としての目的で、日本でしっかり頑張ってもらいたいということを、大学側に対しては要請をしていきたいというふうに思います。
 今後、外国人留学生の在籍管理が適正を欠くなど、学校運営に問題のある場合においては、大学に対して適切な指導を行うとともに、私立大学等経常費補助金の減額、又は不交付の措置を行いますので、この学校経営をするためだけに留学生を受け入れるというような大学は、基本的に今日現在ないというのが文科省の調査の結果でございますので、改めて皆様方に御報告をいたします。
 以上が、今後の留学生政策と現在の状況です。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成25年08月 --