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下村博文文部科学大臣記者会見録(平成25年5月7日)

平成25年5月7日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ

キーワード

米国・アイルランド・英国出張、原子力損害賠償紛争審査委員会委員による現地調査、オリンピック・パラリンピック招致、大学の秋入学に関連する短期留学への奨学金制度、次世代スーパーコンピューター、JETプログラム、海外における日本語教育

下村博文文部科学大臣記者会見映像版

平成25年5月7日(火曜日)に行われた、下村博文文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成25年5月7日下村博文文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

下村博文文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 まず連休中の海外視察について報告をします。
 アメリカ、アイルランド、イギリスと、ちょうど地球を一周して帰ってまいりました。
 まずアメリカですが、第12回日米科学技術協力合同高級委員会に4月30日、出席をしました。アメリカのホルドレン科学技術担当大統領補佐官などと、日米の科学技術分野における重要なトピックについて議論を行いました。例えばリスク等を扱う場合に、どのように科学的知見を活用して政策決定すべきかという問題や、アジア地域における共通課題の解決に向けて、日米がどのような連携をすべきかという問題について議論をいたしました。日本からは、私と山本科学技術政策担当大臣が出席をいたしました。
 また、文部科学省と米国エネルギー省との間で、エネルギー分野等における研究開発協力に関する実施取極の締結をいたしました。
 教育分野では、キャピタル・チャーター・スクールを訪問し、授業の視察をいたしました。前の年にオバマ大統領夫妻が、このチャーター・スクールに視察に行ったという、チャーター・スクールで大変に評価が高いという学校でありまして、ここで学校運営責任者と意見交換しました。ちなみにワシントンでは、40パーセントを超える、今チャーター・スクールになっているということであります。
 また、ダンカン連邦教育省長官と会い、日米間の教育交流について、その重要性に関する認識を共有するとともに、今後、日米間双方の留学生倍増を目指し、日米両政府において協力していくことを確認をいたしました。このほか在米教育関係者やJETプログラム関係者とお会いしまして、日米教育交流の拡大方策について、幅広く意見交換を行ったところであります。
 また、5月1日には、日米研究インスティテュート主催のセミナーにおいて、大学や企業などの研究者等に対して、グローバル化の進展する世界で、日本と米国の科学技術を取り巻く現状と課題、日米の科学技術協力の今後について講演を行いました。
 5月2日からはアイルランドに出張しまして、アイルランド教育・技能省との間で、教育、科学技術、スポーツ、文化に関する覚書の署名を教育・技能省担当大臣との間で行いました。両国間における、ここにおいても双方向の学生交流や研究者間の協力を促進することに関する意見交換を行っております。
 これに加えて、科学技術、スポーツ、文化を担当する関係大臣ともそれぞれ会談を行いまして、両国の交流、協力の深化について意見交換を行うとともに、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の東京招致への理解と協力を求めました。
 最後に、英国においては、オリンピック関係施設の視察を行うとともに、日系企業関係者と海外における日本人に対する英語教育の在り方を中心に意見交換を行いました。
 いずれの国も、今年になってから日本の空気が変わったようだと、株価が上がっているということがアベノミクスの成果として出ておりますけれども、非常に日本に対する期待感というのが大変に関心とともに高まっておりまして、このアベノミクスの、特に「三本の矢」に関係する民間活力を使った経済成長戦略の中での科学技術イノベーションについては、各国とも大変に日本に対する期待感が大きく、それは国境を越えて連動してそれぞれの国で、それぞれ我が国と一緒にやっていきたいという大変熱い思いを受け止めてまいりましたし、是非、安倍内閣におけるアベノミクスを成功させて、そして、それを支える人材育成としての教育再生をしっかり取り組む必要があると。また、そういう取組については、経済再生と教育再生については、ある意味では先進国の共通の課題にもなっている部分があり、日本が取り組もうとしていることに対して、各国が大変に関心、期待をしているということを感じました。
 今回の訪問は、それぞれ精力的に、各国において寸暇を惜しんで会談をする大変重要な、それだけ日本に対する大変期待感が大きい、こちらが予想している以上に、先方からの御要望でアポもたくさん入り、ハードな日程でありましたけれども、それだけ大変充実した、また日本の海外における英語教育の在り方、日本人に対する英語教育の在り方等も、大きく問題点も、時代の変化において対応できていないというところが見えてきたという視察でもありました。
 続きまして、原子力損害賠償紛争審査会委員による福島現地視察について報告をいたします。
 今月の12日、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会が、福島の被災地の現地調査を行うこととなりましたのでお知らせします。
 これは、審査会の委員自らが直接現地の被害の実態を把握するため、先月25日の福島県原子力損害対策協議会における福島県及び市町村からの御要望も踏まえ実施するものです。この調査を今後の審査会の議論に役立てていきたいと考えております。
 私の方からは冒頭発言は以上です。

記者)
 外遊中も同様の質問はあったかもしれませんが、五輪招致に関係して、東京都の猪瀬知事が、他の立候補都市を批判するような発言をしたということで問題視されておりますけれども、それに対する受け止めと、あと、今後の招致活動への影響、それと、外遊中に海外の関係者から、その発言について何か反応はあったかどうか、教えていただけますでしょうか。

大臣)
 猪瀬知事は、誤解を招く不適切な発言について謝罪して撤回した上で、他の立候補都市を非難する意図は全くなく、今後も他の立候補都市への敬意をもって招致活動に取り組んでいくと、既に表明されています。
 IOCからは、東京招致委員会の竹田理事長宛てに事実関係の照会があり、竹田理事長からは、一連の経緯を説明した上で、改めてIOCルールを遵守し、真摯に招致活動に取り組んでいく旨を回答されたと聞いております。
 また、これを受けIOCは招致委員会に対し、改めて行動規範の遵守を求めつつ、竹田氏からの回答をもって本件は終結する旨、発表したということも聞いております。
 今回の経緯を踏まえて、東京の招致活動は、これまでにも増して他の立候補都市への敬意を払いつつ行うとともに、我々の招致にかける情熱を世界に向けてより強く発言していくことが重要であるというふうに考えておりまして、近々に知事発言ではなくて、それはもう私は、あえて問うことではないと思っております。別件で猪瀬知事と、それから竹田会長にお会いして、9月7日にむけての積極的な招致活動における情報交換、特にイギリスに行って、イギリスで参考になったのは、このオリンピックが終わった後、その地域を別のコンセプトで再開発をしながら、より地域の活性化をしていこうということについて、大変に力を入れておりました。
 オリンピックの遺産は遺産として残しながら、一方でスクラップ・アンド・ビルド的な形で、新たにその地域を開発するという、そのコンセプトも大変優れていたというふうに思いますし、東京都もそういうメッセージも、今後、より明確に出した方がいいのではないかという感じも持ちましたし、情報交換を含めアイルランド、それからもちろんアメリカもそうですが、イギリスと、私も各国に行ってIOCの方々に、間接的ではありますが、いろいろとアプローチをしてきましたし、併せて今回、外遊を各大臣がして、それぞれの国で当たったことについて、私の方で情報収集し、近々に猪瀬知事と竹田会長とちょっと懇談を持とうとは思っております。

記者)
 御自身でもIOC関係者のアプローチがあったということなんですけれども、そこでの猪瀬さんの発言に対するような、何か反応といったものはなかったでしょうか。

大臣)
 ええ、全くなかったです。海外から全くなかったです。ただ、ロンドンで邦人記者から質問が1件出ただけです。

記者)
 外遊中のワシントンの講演で、留学の関係で秋入学を検討している大学がありますけれども、それにあわせる形で、高校卒業から授業が始まるまでの半年間、短期留学を支援する奨学金を創設したいということを述べられたということなんですが、ちょっと改めてになりますけれども、今どういったものを考えていらっしゃるのか、意義ですとか、あるいは決まっているイメージとかがありましたら教えていただけますでしょうか。

大臣)
 大学に入学する若者に対し、ギャップタームにおいて、短期でもいいので海外に留学してほしいという考え方から、学生に対する給付型奨学金の導入について発言をしました。
 奨学金制度の詳細について今、検討している最中で、省内で既に最中でございますけれども、今後このギャップタームで海外留学を希望する学生には、全員給付したいというふうに考え、それを支援していきたいと思っています。
 現在、ギャップタームにおける留学を含め、日本人の海外留学の促進方策について、ちょうど産業競争力会議、それから教育再生実行会議において検討が進められております。これらの会議の議論も踏まえつつ、日本人の海外留学の支援について検討していきたいというふうに思っております。
 既に、法令改正で、各大学が学長の判断で秋入学ができるということになっているわけですが、なかなか本格的に進めているところが少ない。それから、先日、就職活動の後ろ倒しを産業界に対してお願いをした中で、少なくとも3年生までの留学生活というのは、短期であっても、できるだけ経験をするということが、学生本人だけでなく、今後の我が国の産業界にとっても必要な人材としてプラスになっていくだろうということを踏まえて、できるだけこのギャップタームを、つまり大学の秋入学にシフトする大学については、インセンティブを文部科学省、国の方も提供していきたいと。そういう点から、今、検討している大学に対して、更に後ろを押そうという目的で、政府の中で短期給付留学生制度だけではありませんが、ギャップタームについては大学だけでできるわけではありませんので、社会全体で協力する必要があると思いますので、政府全体で留学生の給付だけでなく、各企業に対するインターンシップ制度等を踏まえて、よりこのギャップタームが我が国で導入できるような、そういうインセンティブを積極的に国としても考えていきたいと、今、検討している最中です。

記者)
 次世代スパコンの中間報告案のまとめが明日出てくるんですけれども、現在把握されている、絞られてきたポイントについてお願いいたします。

大臣)
 文部科学省においては、計算科学技術をめぐる国内外の状況変化を踏まえ、我が国のスーパーコンピュータの開発、利用戦略について検討を行うため、昨年2月に有識者からなるワーキンググループを設置し、議論を進めています。
 その議論の中で、我が国の科学技術の発展や産業競争力の強化のため、2020年頃までにエクサスケールの実現を目指し、世界トップレベルの性能を持つシステムを国として戦略的に整備することの重要性などの指摘がされております。また、開発主体、より具体的な性能目標、スケジュール、開発経費などの詳細については、今後更に検討が必要とされています。
 同ワーキンググループでは、明日5月8日に中間報告案を提示し、パブリックコメントを経て、6月に中間報告を取りまとめる予定としており、その内容を踏まえて、文部科学省としても、スーパーコンピュータの開発・利用を戦略的に進めていく予定です。

記者)
 オリンピックの件なんですが、IOCの行動規範で、もちろん別の立候補都市を批判するというのは明確に記述されていますけれども、それ以外にも立候補都市以外がオリンピックは、例えば東京でやらせてくださいというような、具体的に露骨にアピールするというのは禁止されているというふうに聞きました。
 ただ、どこまでの発言がオーケーで、どこからが具体的すぎるのかというボーダーラインがはっきりしていないというふうにお聞きしたんですけれども、今回の外遊で立候補都市・東京をバックアップするという国の立場から考えて、どこまで具体的に言ったらいいのかというのは悩む部分はありましたでしょうか。若しくは具体的にどういう言葉で東京をアピールされたわけでしょうか。

大臣)
 IOCのメンバーに直接会ってアプローチするということは、禁止されていると。しかし、それ以外については特に禁止されているわけではありませんので、これは政府として相手方の政府関係者に対して、それからアイルランドでは、アイルランド・オリンピック副会長にお会いしましたが、そういう周辺の方々に対して、積極的に東京オリンピック・パラリンピックの招致をお願いするということについては、これは全く違反される項目ではありませんし、これは積極的に、口頭ではありますけれども、お願いをそのたびに申し上げました。
 それに対しては、外交ですから、当然といえば当然かもしれませんが、各国とも非常に好意的に、前向きに捉えて、そしてIOCメンバーにも是非伝えたいということは、それぞれの国の、それぞれの担当責任者の方々も、一様に言っていただいていることでもありますので、それなりの効果は上がるのではないかというふうに期待をしております。

記者)
 留学の関係なんですけれども、先ほど対米関係者等に会って交流の拡大についての意見交換をされたとおっしゃったんですが、そのギャップ以外の支援以外で、何か政策的に今後関心を持たれていることとか取り組みたいことがありましたら教えてください。

大臣)
 御存じのように、JETプログラムを通して、現在までに累計5万5,000人の外国青年を我が国は招致してきました。JET参加者をもっと有効に活用して欲しいと、それぞれの国から強く要請されました。
 そのために、アメリカにおいてはJETプログラム関係者60人ぐらいに全米から集まっていただいて、もっと日本の大使館を通じて、日本の情報等もいろんな広報を通じてお伝えしながら、このJETプログラムの関係者は、基本的に親日家であって、なおかつ日本に対する強い支援もしていただいている方々ですから、この方々をもっと有効に活用すべきだし、また、特に日本語、英語に精通されている方々が多いわけですから、日本に関係する企業に入る場合には就職あっせんしたり、あるいは就職情報がJETプログラム関係の方々にきちんと伝わるようにしたりして、それが潜在的に我が国の海外における理解にもつながっていく重要な、「ツール」という言い方はちょっと適切じゃないかもしれませんが、そういう方々として、もっと大切にしながら育成すべきではないかということが、アメリカでも、それからアイルランドでも、それからイギリスでも言われまして、今後、日本が経済再生をしていく中、是非そういうJETプログラムによる、それぞれの国からの派遣を日本にもっと受け入れてもらいたいと。結構競争率が高いそうなんです、最低でも募集定員数の4倍から5倍は応募者があるということです。それをもっと活用すべきではないかということでした。
 一方で、経験者の方々が言っていたのは、せっかくそういう競争率が高い中で日本に派遣されても、実際はなかなか教師として十分に自分たちの能力が生かされていない、有効に使われていない、メインの先生のアシスタントとして、あるいは地域コミュニティーのいろんなフォローであるけれども、もっともっと英語を使って、学校の中で、あるいは地域の中でも自分たちを生かしてもらうような場は作れるのではないかと。私からすると宝の持ち腐れになっているような自治体も、やはりあるのではないかということを感じましたので、今後JETプログラムは総務省と連携して、より有力なツールとして活用するようにしっかり対応する必要があるということを改めて感じましたし、その後のフォローアップもしっかりやっていきたいというふうに思います。

記者)
 大臣、冒頭で、海外における日本人の英語教育に関して、いろいろとイギリスでも意見交換をなさっていたということなんですが、先ほども、そこでも課題も感じられたというふうにおっしゃいまして、何か具体的に教えていただけるようなものがあれば教えてください。

大臣)
 これは今、中国では孔子学院が、世界約100国に、国がバックアップして中国語を広めていくということをしていますけれども、こういうものを是非日本でも考えてもらいたいという声は、どこの国でも言われましたが、具体的に日本語教育で各国が共通して悩んでいる時代の変化として、今までは、その国に仕事として行っている在留邦人の子弟の教育を限定としてやると。それは、いずれ数年後には、日本に帰国をする子弟の子供のための英語教育ということで、補習授業校があったり日本人学校があったりするわけですが、今はアイルランドでもイギリスでも、実際は将来、日本に戻ってくるという前提ではなく、そこに住んでいる、そこの国の人と例えば結婚して、そこにずっと住み続けている、しかし、その人たちの子弟はハーフであったりするわけですが、やはり半分は日本人としての血がありますから、日本語をきちんと勉強させたいと、学ばせたいと。将来、日本に戻ってくるわけではないけれども、その国の言語も日本語も勉強させたいという意味で、何年か後に日本に戻ってきて日本の教育システムの中で学ぶという前提で日本語を学んでいる人たちと、日本に戻るということが前提でなく、その国において日本語教育をきちっと学びたいという人たちの数も実はかなり増えてきて、その同じ日本人、日本語学校なり日本人学校でも、その子供たち両方というのはそれぞれニーズが違うし、また日本語力も相当違うと。これについて、是非もっと力を入れてやってほしいと。
 今まで文科省は、帰国をする日本人の子供だけを対象ということで考えて、予算編成もしてきた部分がありますが、帰国をしないといいますか、そもそも現地に溶け込んでいる、現地の国籍を持った、しかし一方で日本語を学びたいと、そういう人たちに対して、今後どのようなフォローアップを国としてやれるかということについては、今までは対象ではありませんでしたけれども、今後はトータル的な国の戦略として、もっと日本語を広げていくために考えていく必要があるのではないかというふうに思いました。
 具体的に、今度イギリスで、小学校の中学年から、外国語を必修化するそうなんですね。その外国語というのは、イギリス教育省が定める7つの外国語のうち一つを教えることを必修化すると。しかし、その7カ国語の中に日本語が入っていないという中で、現地の日本大使館から、是非自分たちも独自に必修化科目の中に日本語を入れるように、今、イギリス教育省等に要請しているところだけれども、しっかりと日本政府としても、これについてはイギリス政府に対して、日本語も必修化科目の中に入れるように要請してほしい、またそうすべきだと。先ほどのJETプログラムの関係とか、それから今後の日本のグローバル人材を育成しながら、経済再生に資する人材を作るということになれば、当然イギリスにおいても、もっと日本語教育を今まで以上に広めてもらいたいと思いますし、そういう部分でちょっと今までと別次元の今後、海外における日本語教育なり対応を考えていかなければならないということを痛切に感じました。それは省内で早速、今後検討していきたいと思います。

(了)

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成25年05月 --