平成25年2月26日(火曜日)
教育、その他
教育再生実行会議「いじめの問題等への対応」、道徳の教科化
平成25年2月26日(火曜日)に行われた、下村博文文部科学大臣の定例記者会見の映像です。
平成25年2月26日下村博文文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
今日の午前中、教育再生実行会議が開催され、「いじめの問題等への対応について(第一次提言)」がなされました。冒頭、私から、このことについて御説明を申し上げたいと思います。総理に直接、座長からお渡しになり、これを受けて安倍総理からは道徳教育の抜本的充実、教科化の検討、いじめに向き合う体制の整備、体罰禁止の徹底と部活動指導ガイドラインの策定といった課題に対し、スピード感を持って提言の実行に取り組むよう、私に対して指示がございました。私からは、総理からの指示を受け、道徳教育については、抜本的な充実のため、「心のノート」を授業で一層活用しやすいものに全面改訂をすること、また、教員の指導力向上などに速やかに取り組むこと、これらの成果も踏まえつつ、学習指導要領改訂に向け、道徳の教科化の具体的な在り方を検討していくこと、また、いじめに向き合う体制の整備や適切な対応についての項目については、関係閣僚とも連携しながら着実な実行に向けて取り組むこと、特に、いじめ対策の法制化について、国会における検討にこの提言が生かされるよう、与党との連携を深めること。また、体罰の問題については、懲戒と体罰の区別について現場の教員が理解しやすい丁寧な説明を行うこと、部活動指導のガイドラインの策定を早急に行うことなどについて、発言をいたしました。今後、文部科学大臣兼教育再生担当大臣として、会議の提言の速やかな実行に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。以上、冒頭は私からは以上です。
記者)
二つ質問させていただきます。1点は、教育再生実行会議の提言で、体罰に絡んで、国は、部活動指導のガイドラインを策定する、それから懲戒と体罰の区別を明確化すると打ち出されていますが、これについては外部有識者を交えたような形で検討していくのか、省内で議論するのか、それからいつ頃までに打ち出すのか、スケジュール感についても教えてください。
大臣)
部活動指導のガイドラインについては、3月上旬に有識者会議を設置し、運動部における許されない指導についての一定の考え方や、指導力向上のために必要な研修内容等のガイドラインをできるだけ速やかに策定し、学校現場等への周知を図ることを考えて準備をしております。それから体罰と懲戒の明確な学校現場に対する対応について、これは省内で、今、準備をしておりまして、これも3月中までには明確にしたいというふうに考えております。
記者)
もう1点、提言の中身なんですけれども、いじめ問題に適切に取り組む教員のプラス評価ですとか、学校と警察の連携、あるいは出席停止措置の活用、こういったことは既にこれまでに文科省が打ち出している方針の中に入っています。そういう意味ではある程度、既知のある内容もあるんですが、これについての受け止めと、要は実行に移していくことが大切かと思うのですが、その実行に移していくに当たっての、大臣の抱負をお聞かせください。
大臣)
そういうことだと思うんですね。既知とおっしゃいましたけどね、実際に6年前の教育再生会議でも、いじめ対策については提言がされたわけですけれども、なかなかそれが実行に移せないところがやはり結構あったというふうに思うのですね。どこで議論しても、大体同じようなことが出てくるというのは、つまりそれがきちっと実行されていなかったということだと思いますので、今回の教育再生実行会議の提言を受けて、それぞれのことについて着実にそれが実行できるような現場に対する指導とともに支援・協力をしていく必要があるというふうに思います。
記者)
道徳の教科化に関してなんですけれども、次の学習指導要領の改訂を待つと、6年、7年、多分それぐらいになるかと思うんですけれども、それを受けて前倒しでやっていこうという考えはおありになるんでしょうか。
大臣)
今回の補正予算で「心のノート」を、全ての生徒に配布するような予算を組みました。しかし、これから印刷作業にかかるわけですけれど、実際に配布されるのは恐らく7月ぐらいになってしまうと思うのですね。それをまずは子どもたちに活用してもらうという中で、「心のノート」の全面改訂をしていきたいと思います。「心のノート」の全面改訂をするための有識者会議を早急に立ち上げて、再来年度の新学期からは「心のノート」の全面改訂版を活用できるようにしていきたいと思いますし、この有識者会議の中では、「心のノート」の全面改訂ですから、部分的内容を変えるということだけでなく、そもそも「心のノート」の教材としての在り方も含めて議論してもらう、この有識者会議で。それから、道徳教育をする教員に対する研修やフォローアップも含めた議論も、この有識者会議でしてもらおうと思っておりますので、当然、その中で学習指導要領の改訂については、いつすべきか、前倒しのことも含めてここで議論が出てくるかと思いますので、まず、有識者会議の方々にトータル的な道徳の教科化にも踏み込むような形で、「心のノート」の全面改訂ということをメインに議論していただく中で、決めていきたいと思っています。
記者)
総論的な話なんですが、今回の提言について、大臣はその案とか中身であるとか、全体をどのように評価されているでしょうか。
大臣)
まず一つは、やっぱりスピード感というのが必要だというふうに思うんですね。いじめ問題ですから、もう100人が100人ですね、それぞれいろんな意見を持っておられるわけです。それの議論をしていったら、時間が幾らあっても足らないというふうに思うんですね。ただ今回は、今までの教育再生会議等と異なるのは、この提言を一つのきっかけにして、これは是非、国会における法制化に資するような準備をしていくという中で議論していただいたということもありますので、スピード感の中で、特に委員の方々が土日も返上して、それから自ら大津市やあるいは京都市に出向いて関係の人たちから意見を聞いたという方も結構おられるようでありますし、水面下で相当この委員の方々が努力をしていただいたというのを、私も後で聞きまして、大変有り難いことでありますし、その中で第一次提言は、そういう今後に方向性を向けた提言がきちっとできたのではないかというふうに感謝を申し上げたいと思います。
記者)
道徳の教科化等は何かという意見を、大臣、是非、御説明いただきたいんですけれども、成績評価だけ、やっぱり教科書をどうするかということ等を踏まえて、前回の提言はそれを実現できていないわけですよね。それを今回は、どうやったら実現できるのかという観点を含めて、大臣のお考えをお聞かせ願えますか。
大臣)
教科化ということについて、何をもってその基準がクリアしたら教科という議論が、実際、教育再生実行会議でも議論されたわけではありません。ただ、教科化と言っているのは、実際、例えば今の道徳という授業はありますが、そこに教材はないわけですね。「心のノート」が教材的に使われていた部分がありましたが、実際にはこれはダウンロードしなければ先生が活用できないということで、本当に使われていたかどうかというのは、実態的には、よく見えない部分があります。それ以外に都道府県の教育委員会等が努力をされて、副読本をですね、自ら使っているという部分がありましたが、これを一つの共通、どこに行っても副読本は副読本で、是非、今までとおり活用していただきたいと思いますけれども、国としても、どこでも使えるような教材を作る、それが教科化ということだというふうに思います。ですから、他の教科のように、これを作ることによって、教科化ということになることによって、例えば試験をして、学校の通知表と同じような基準を作るとか、そういう評価基準を作って評価判断をするというようなことは、教育再生会議の中でも議論をされていませんし、我々も今そういうことは念頭にありません。ですから、既存の教科と同じような形での評価をするということは、やはりなじまないだろうと思っておりますが、できるだけ子どもたちに規範意識、それから人が人として生きるための社会のルールとかマナーとか、人は人として知っておくべきこと、そして人間は社会的動物ですから、一人で生きているわけではありませんので、皆で力を合わせて生きていくことについてはどんなことが必要なのか、それが広い意味で徳育でもあるというふうに思いますが、そういうある意味では、社会常識として、人として知っておくべきこと、これは国境を越えて、国・民族関係なく、あるいは歴史関係なくてですね、人が人として社会で生きていく上で知っておくべきこと、こういうことをきちっと教えることが必要だと思います。それを道徳というふうに位置付けている。そのための一つの参考教材としてのものを用意する必要があるのではないかと。それが道徳の教科化という表現を有識者の方々もされているのではないかというふうに思います。
記者)
今の質問に関係するんですが、今、大臣がおっしゃったようなことが、つまりその新しい枠組みでの道徳の教科化、新しい枠組みでのという事柄には、そういうことと理解してよろしいのでしょうか。
大臣)
これもですね、今度、このための「心のノート」の全面改訂をするための、とりあえず今文科省の道徳における教材っていうのは心ノートしかないわけですね。ですから、何もない中で議論するというよりは、今、使われている「心のノート」を全面改訂するという中で、有識者の方々に議論をしていただきたいと思っておりますので、その中で今のようなことも含めて、柔軟な発想で議論していく中で、方向性を決めていきたいというふうに思っております。
記者)
今のお話の関連なんですけれども、そうすると「心のノート」の位置付けというか、今は余り進まなくても教材だと思うんですけれども、そういったところについての議論するのかということと、それと中教審への諮問というのは有識者会議の後ということになるんでしょうか。
大臣)
そうですね。有識者会議で一定の議論をしていく中で、先ほど御質問にあった学習指導要領を、例えば前倒しする必要があるんじゃないかとか、より具体的に道徳の教科化の中で、もっと具体的なこの有識者会議の中で提言が出てきて、それに関連して中教審で諮問をしなければいけない部分というのが出てきたとしたら、それは中教審に早めに諮問するということが出てくると思います。
記者)
有識者会議についてちょっと確認で伺いたいんですが、まず、その「心のノート」を改訂するための有識者会議ですが、これはその改訂に当たって道徳の教科化というところも含めて広く議論すると、そういう有識者会議というふうに捉えていいのかということでしょうか。
大臣)
そういうことです。
記者)
「心のノート」の改訂を含め、教科化に向けたことということ。もう1点、部活動のガイドラインについてはこの3月上旬に立ち上げて、いつ頃にできるだけ早くというふうにおっしゃいましたけれど、例えば年度が替わるまでになのか、ちょっと3月から厳しいと思いますが、どういうスケジュール感を持っていらっしゃるというのがありますでしょうか。
大臣)
これは有識者会議で議論していただくということで、お尻を限定しているというわけではありませんので、いつまでということは、ここでまだ始まっていませんから、明確に、有識者会議を縛ることはちょっと発言はできませんが、しかし、できるだけ早く学校現場において、今の体罰に関係することでありますから、ガイドラインというのは早めに、やはり作ってもらう必要があると思いますので、是非、急いでいただきたいと思っています。
記者)
「心のノート」の充実させた後の使われ方なんですけれども、普通の教科書は各出版社が作り、それを検定した後で学校が選べるような形になっています。今、大臣がおっしゃったような形だと、「心のノート」は国が作ったものの、一種類が配られるような形になりますが、そういう形について、大臣、それで何か偏ったり、そういった懸念が心配されると思うんですが、それについての受け止めを伺いたいと思います。
大臣)
別に国定教科書を作ろうと言っているわけではありません。「心のノート」そのものも、何か国としての特定の徳目、国民に発するようなものがあるわけではないと思うんですね。御覧になったことがあると思いますけれど。ただ、「心のノート」というのは個人の自由記述が多いので、それはそれで生かしながら、また、人が人として生きる規範的な参考になりそうなものも、例えば文章として入れるべきではないかというのが、一部、教育再生実行会議の委員の中のメンバーの中にも発言としてもありましたが、それは今後、有識者会議の中で議論していただきたいと思っていますが、その目指すべき方向は国定教科書を作るとか、そういうことではありません。
記者)
関連なんですけれども、専任の教員、教科の教員、中学校ではいますけれども、道徳が教科化された場合はどうなるんでしょうか。
大臣)
それもその有識者会議の中で、教員養成も含めて、議論していただきたいと思っています。
記者)
今の関連で、いじめ対策として道徳の教科化ということで、今回、提言されたわけなんですが、そうするとですね、現在、そのいじめが深刻化しているこの現状というのは、ある意味道徳教育が足りないとか、その子どもたちの規範意識が足りないということが一因というふうに大臣はお考えになっているんでしょうか。
大臣)
いじめはいろんな要因がありますから、道徳教科化して解決できるという単純な構造ではないと思いますね。ただ、あらゆる手立てを講じてやるというところの一つの中に、やはり人が社会の中で生きる、人間関係、コミュニケーションなり、一定の知識と能力がやはり必要だと思います。それをきちっと、子どもたちに教えるということは、いじめだけではなくて、社会の中でよりよく生きていくための、ある意味では基本的な人としての道と言いますか、常識として備えるべきものであるということで、別にいじめに特化しているわけではありませんが、しかし、いじめを解消するための一つの手段としても必要ではないかということだと思います。
(了)
Copyright (C) Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology