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田中眞紀子文部科学大臣記者会見録(平成24年11月20日)

平成24年11月20日(火曜日)
教育、その他

キーワード

民主党政権の総括、海外への留学施策、自民党の教育再生案、TPP、維新の会

田中眞紀子文部科学大臣記者会見映像版

平成24年11月20日(火曜日)に行われた、田中眞紀子文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成24年11月20日田中眞紀子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

田中眞紀子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 今日は、総理が外遊中でお留守でございましたけれども、普通に閣議がありまして、岡田副総理や平野復興大臣から、選挙戦に突入するわけですけれども、緊急対策の経済の予備費9,400億及びその復興対策の予算については滞りなく、来年度予算にしっかりと反映させられるように各省庁督励するようにという話がありましたけれども、これ現在進行形のものですし、仕分中のものだから督励するといっても、一応そういう指示は出しましたけれども、そういう話がございました。主にはそんなところでございます。

記者)
 衆議院が解散されて、民主党政権の3年2か月について様々な形で総括がなされています。民主党が行った政策について、大臣御自身はどのように自己総括されるのかということと、文科省関連では高校無償化というのが一つ大きかったかなと思うんですが、大臣はどのように効果を捉えておられますか。

大臣)
 本省に関しては高校の無償化、これはやっぱり特筆すべきものだろうというふうに思います。それから予算は、これは普通といえば普通ですけれども6.7パーセント増えたということは、より教育の分野に光が当てられるということで良かったというふうに考えております。35人学級とか、また財政面でも裏付けが入るのもあるし、少子化が進んでいるということもありますので、今のこの短い段階では、結論を出すところまで、指示も、見守ることもできませんので、とにかく高校無償化という、これは私が委員長の時にやったことで、大変思い入れもありますし、それから予算もしっかり付いたということははっきり申し上げられると思います。
 民主党政権全体についてということもお尋ねでしょうか。これは、いろいろ問題点を、マニフェストという形で出して、この三年間全て通してでよろしいんでしょうか。そうであったらば、理想をマニフェストという形で掲げて、野党として長い間感じていた課題をポイントアウトしたのがマニフェストであるけれども、実際に与党になって、まずお財布を、財政を自分が握ってみたらば、借用書と小銭しか入っていないという状態で、自分たちの決めたマニフェストのプライオリティーもどうやっていくのか、それからプライオリティーの付け方及び運用の仕方、やり方も分からないで議論を百出した状態で今日にいたっていると、残念ながら言わざるを得ません。同じ轍(てつ)をまた、自民党も、今度マニフェストを高らかに謳(うた)いそうだけれども、人様のこととは言いながらもですね、この3年間の間で自民党が変われなかったということが、変わったと言いたいんでしょうけれども、縮小化だけして力のあった方々がみんな引退されて、あとの方たちが脱皮ができないままで、縮こまって3年間そのまんまで、化石のような状態で、自民党の議員さん残っておられるというふうに見ています、私は。したがって、そこでまたマニフェストを作るといっても、3年間の野党生活というのは非常に手痛かったと思うんですね。現実に触れられなかったわけですからね。その中でまたマニフェストを作ると、また民主党とは違った意味で欠陥がその後に跳ね返ってきて出てくるんではないかなということを危惧しております。民主党の成果というか、一つはまずそのマニフェスト主義に自縄自縛されてしまったという、現実対応ができなかったと。羅列はしたけれども、実際にはなかなか動かせなかったということ、これが最大のことですし、それから世間全体に対して思うことは、1962年後半から70年にかけての大学学園紛争というのがありました。正(まさ)しく、私が大学1年の頃だったのですが、あの頃に何が起こったかというと、秩序・権威の崩壊をさせるというか、そういう動きが非常に日本の社会を席巻(せっけん)したと思うんですね。権威を失墜させると。すごい勢いで、驚愕(きょうがく)して、一学生としてあの動きを見ていたんですが、それにこのインターネットのグローバリゼーションというこの時代になってきて、日本の社会は権威というものを、秩序というものを、すごい速さで壊しているというふうに思います。総理大臣がしょっちゅう代わるとか、閣僚が代わるとか、本来は国の顔であるし、責任を全て担っているし、内閣総理大臣の職、国務大臣というのは、極めて重いポストであったと私は思っているし、自分でそう自負しているんですが、本当に秋の落ち葉のように軽いものでして、警護官たちに聞いても、私、民主党になってもう何人になるの、あれ誰だったかな、5、6人名前を挙げるわけですね。法務相であろうと防衛相であろうと経産相であろうと、驚くほどの速さで代わっているわけでして、それは威厳もないし、権威のない社会、背骨のない社会に日本は現在転落して、国民みんなが漂っていると。その中で、政党が今度は15以上もつくり出されたら、何を基準に投票していいのかと、私自身も一有権者としてそう感じます。だから、その本人を見て、本人個人に対して投票して、その方々が政策別に自立して集まって政党ができるということが正しいと思うのですが、どうもなかなかそのメディアを通じてみるのが、実像とはかけ離れたものが報道されている人が多いのではないかというふうに思います。やも得ないことです。よしあしではないですね。だから、ものすごく簡単に言うと安っぽくなっちゃったというか、皆さんメディアの方たちも含めて、これから日本を背負っていく方たちは、私も現在背負ってそれでも頑張っているんですけれども、何を基準にして生きていけばいいのか、価値判断をすればいいのかということが極めて分かりにくい日本であると思いますし、それを残念ながら民主党以前のですね、小泉さん以降ですね、安倍、福田、麻生さんの辺から、閣僚ぼんぼん代わっていますしね。総理も代わっているし。プラス民主党のこの6代の政権でそれが加速化したというふうに思っています。

記者)
 大臣に、留学の制度について考えを聞かせていただきたいんですけれども、日本からアメリカとか外国に行く留学生というのが、すごく今、減少傾向にあるんですが、大臣はそのことについてはどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

大臣)
 基本は本人の志だと思いますね。本人がこういうものを研究したいというものがあるとか、こういうふうな文化に自分が身を置いてみたいとか、文化なり宗教なり、そういう何か強い学問的なものとか、他の面で本人がそういう希求するものが大きくて、あればそれはバックアップすればいいと思いますし、総理が何か今回そのような御発言なさっているんでしょうかね、留学生の10人に一人ぐらいはバックアップしたいということでしょうか、そういうふうな御発言もされているように伺っています。国はいつでもそういう志のある人をバックアップできるように、そういう体制をつくっておくべきだと思いますけれども、無理やり決めて、選ぶ必要はないと。

記者)
 減少していることの背景に、今の学生たちや若者たちが、内向き思考になっているというようなことも言われておりますが。

大臣)
 そうですね。それはインターネットなんかで、結構、経験もできるし、物も知ることもできるし、わざわざチャレンジして、言語だけではなくて、文化、気候風土の違うところに身を置くのを厭(いと)うというような若者が増えているのではないでしょうか。それこそ自分が身をもって、現場第一主義と私は最初から申し上げていますが、現場に行くことによって、五感を通じて学ぶことがあるんだけれども、そうでなくても外国人も日本にいるし、外国レストランもあるし、ネットで見れば分かるしという事でもって全て疑似体験みたいなことで、自分自身を前に出さずに済ませた方が楽だというような傾向になっていることだと思いますけれども、私はそうではないと思いますね。

記者)
 大臣自身も、高校の時に留学されていましたけれども、今後そういった留学とか若者を活性化させるために何が必要だと思われますか。

大臣)
 それにはやはり家庭内、それから日常の中で、そういうドアを開けて、私がアメリカに行ったときの学校の校則というか校風、風土もそうなんですが、ドアを開けてフレッシュエアーを入れろというのが学校の校章、バッジではなくて指輪もそうですし、キャンペーンでついこないだも、何か同窓生が私に付箋をセットで送ってくれて、それにも、そのドアを開けてフレッシュエアーを入れろとラテン語で書いてあるんですけれども、それがちゃんといつも貼ってあって、今もそのTシャツを持っていますし、全てGermantown Friendsって、GFSグッズって、しょっちゅう持っているんですけれども。それを見るたびに、やはりドアを開けなければいけない、若いうちからドアを開けていろんな空気、いろんな気温、いろんなものに接触するということは自分を磨くことなんだと。これは、私の背骨の部分でありますので、とにかく現場第一主義なんですね。中にいて見ているのではない、ドアを開けて自分が出て行くんだと。そういう機会を小さいうちから、どんな家庭環境であってもできることですから、そういうことを親御さんは子どもさんにしてあげたらいいと。動物園に行くのもいいし、美術館へ行くのもいいし。そうそう、ちょっと離れますが、昨日、フランスの大使とインドの大使が来られて、近々アメリカとブルガリアも来られますけれども、それは私が外務委員長の時に、前から来ると言っていた大使たちが、たまたま文科大臣になったのでこちらへ来てくださるんですが、ああいう方たちに会うのも、結構、議員たちがよくしょっちゅう会うねと、面倒くさくないのかって言う方がいるんですが、私にしたら極めてチャレンジングで、私はインドに行ったことは一度もないんですが、インドは実は全然知り合いもいない、珍しい国なので、他のいろんな国には知り合いがいるんですが、聞いてみて「へえっ」て非常に驚くことがたくさんありますし、現物に、たった一人のインドの女性大使でしたけれど、会うことによって私のインドとの経験、アメリカに行くときにインド人の人と会った時こうだった、国際会議でインド人がこんなことしゃべったとか、食事もそうだし、文化などあらゆる面でインドとこんなに密接だったんだとか。安全保障の話も聞いて、インドって海軍があんなに強いとか、改めて聞いてみてそうなんだと、行ってみたいと思ったんですが、外国の大使に会うっていうのも、外務相の時は毎日日常的に来ますけれども、ずっと継続的に外務委員長をやったこともあるんでしょうけれど、日常的に外国人が来てくれるので、すごく有り難いと思っている。大使でなくてもいいですし、だからフランス人学校へも行きましたし、ドイツ学校も行きましたし、朝鮮学校も行きましたし。行くことによって、日本にいる人とできるだけ接触をしておいて、自分がテイクオフの時にぱっと行けばいいわけですから、そういう経験を小さい時からしておいた方がいいと思いますね。自分だけでもって、仲間内で小さく固まるなんていうのは、もったいないと思いますね。

記者)
 自由民主党が、次期総選挙に向けて、政権公約で教育の分野については安倍総裁の強いリーダーシップの下で、教育再生実行本部というものを立ち上げて、そこで保守色の強い、保守的なカラーを強く打ち出そうとしています。具体的に言うと、文科省がらみでいうと、教科書検定のときの近隣諸国条項の見直しですとか、そういうことを打ち出すようなんですが、そういった安倍カラーについて、安倍さんの教育の考え方について、文科大臣としてはどのように考えておりますか。

大臣)
 近隣諸国条項もそうですし、それから教育委員会制度の見直しですとか、その他具体的に踏み込んでおられると思います。安倍さんって方は、やはり岸さんのお孫さんなだけあって、自民党の中でも超センターライトだというふうに思いますし、それに自民党の中にもリベラルな考え方の方もおられるけれども、やはりそういう方が代表になられたということのインパクトは大きくて、具体的に今おっしゃったようなことを提示されているのだというふうに思います。私の意見は、例えば教育勅語ではないですけれども、家族を、親を敬い、何とかを何とかしてとかいうのを入れると、教育基本法の中に盛り込むというふうなことを、私はあれはいいと思うんです。なぜかと言うと、今の日本の状態はそれらが相当崩れてきてしまっているので、家という意識でありますとか、先ほど言ったような権威に対する礼節をもって接遇するとか、そういうふうなことが全然分からなくなってきている。みんな友達、みんな仲間みたいになってきているので、世の中の秩序というものが乱れてきていると思うので、それはいいと思うんですけれど、近隣諸国条項なんかについては、あんまり過激なことをすると、外交っていうのは相手があるわけですから、相手のことも見ながら進まないといけないですし、交渉事、外交によって、人的な交流によって片付けられるものがあると私は信じておりますので、外交努力だけではなくて民間でもそうですし、文科省ならば学術でもありましょうし、文化でもありましょうし、スポーツの交流もあるわけだし、あらゆる面でもって話合いをして接触をすることによって、敵対意識みたいなものは相当減っていきますし、知恵者は日本人ではなくて、相手にもどこの国にも知恵者はいると思うんですね。そういう人たちと知恵を出し合ってやるのが外交であるし、国家のあるべき姿だと思うので、自分で仮想敵をつくって、それをたたくような、それを文章に書こうとかいうような考え方はおかしいと思います。同時に、教育委員会の問題にしても、今、確かに教育委員会にはいろんな問題があると思いますけれども、それぞれケースによって違うと思いますので、あまり大きな制度を変えるのではなくて、今、実体をよくそれぞれスクリーニングをしながら、話合いをしながら相手の目を見て、どうあることがいいかと、時間をかけて解決していくべき問題だというふうに思います。制度の面では、ばっと右にもって行くことは、アクションを起こすとリアクションですから、今はきっと左だと思っているから右に引っ張ろうと思っているんでしょうけれど、そんなに人間の社会は単純なものではないと思います。

記者)
 先日の閣議後のぶら下がりで、TPPについて、もっと時間をかけて議論ができればいいということで、賛否については今は申し上げないというふうに大臣はお答えになりましたが、今回、民主党の野田代表が、公認に当たっては、TPP推進とか政策の一致を求めるような姿勢ですけれども、大臣はTPPに関してその御見解などを。

大臣)
 総理は御自分で表明された以上のことを、TPPプラス・マイナス、何もおっしゃっていないというふうに理解をしていますし、今日の閣議でも官房長官にそれは確認しました。ですから、党の一部の方が何かいろいろおっしゃったのかもしれません。私自身の考えですけれど、24項目でしたっけね。種類別にTPPありますよね。その中でもって、どこの国も外交・政治というのは自分の国益を守ろうとしているわけですから、それでどれだけお互いに譲歩しあえるかということなので、TPPは正しくその典型的なことです。話がしっかり詰められていません。私も注意深く、このことには関心を非常に持って見ていますけれども。したがって、今のこの内閣の今のこの段階で、右左言えないと思いますので、あまねく国民の皆様の声を、各分野の方を、新潟県だから農業だけではなくて、他の分野の知的所有権もありましょうし、建設業もありますし、そういう方たちの意見を聞いて、そして収れんしていきたいというふうに思っています。

記者)
 TPPの関連で、議論に入ること、要は交渉に参加することと賛否とはまた別だと思うんですが、そのルール作りをする交渉の場に日本政府が入るということについてはいかがですか。   

大臣)
 本来、しっかりした政権であれば、ルール作りに参加するべきです。しかし、日本の今の政治の実態を見ていると、世論もしっかりと掌握できるような状態ではなくて、政局、政局、政局、来る日も来る日も、そういう中では、誰も責任が取れないのではないでしょうか、率直に言って。したがって、結論は、ルール作りにも、今、現段階では参加しない方がいいと思います。だけども確固たる内閣ができて、立派な閣僚がきちっとそろった時には、それは参加して日本が指導しながら、発言していかなければいけないし、そういう覚悟のある内閣やら政権ができる見通しはほぼないんじゃないんですかね。こんなにいっぱい政党があると。極めて悲観的で、私も残念だと思っています。もう極めて残念だと思っています、今、なんでまた政局なのかという。

記者)
 日本維新の会についてですけれども、大臣の地元でも候補が立つようですが、第三極というか第二極という言い方もしていますが、今後、競合していく維新について、どのように御覧になっているか。

大臣)
 メディアで報道されている以上のことは知りません。ですから、私は候補者としては、今までの自分の実績、それから今現在の状況、それから将来何をしたいか、それについては今までもずっと常在戦場でやってきていますので、自分はそういうスタンスで戦っていきますし、維新の会はどうしてその人が出ているのか、そういうこともあやふやで分からないし、なぜその人かということが分からないですし、私は候補者ですから、自分のスタンスははっきりしていますので、それを確実にメッセージとして訴えていきたいというふうに思っています。

(了)

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大臣官房総務課広報室