平成24年11月6日(火曜日)
教育
大学設置認可関係
平成24年11月6日(火曜日)に行われた、田中眞紀子文部科学大臣の定例記者会見の映像です。
平成24年11月6日田中眞紀子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
今日は閣議で、例の被災地で、がれきの処理でありますとか、そういうことについて各省がもう少し挙げて協力してほしいということについて具体的な話がありました。総理は外遊中ですから御欠席でした。大体そんなところです。
記者)
大学設置学校法人審議会が、開設を認める答申を行っていました札幌保健医療大学、秋田公立美術大学、岡崎女子大学について、田中大臣が先週、開設不認可のお考えを示されました。このことで大きな波紋が広がっておりますが、まず不認可とされたその真意について、改めてお聞かせいただきたいと思います。
大臣)
これはかねがね、大学を設置する仕組み、これに問題があるというふうに思っておりまして、戦後ずっと長い間この設置審があるわけですけれども、時系列で見ましても、その時々で随分状況が変わってきまして、その認可の在り方。約19年前でございますけれども、1993年、文部省は大学の新設抑制の方針を採っていました。2002年、ちょうど規制緩和の頃ですけれども、その流れとなって、中教審は抑制撤廃を提言しております。その辺でたくさん大学が増設・新設されるようになりました。以来今日まで文科省は事前規制をやっていたんですけれども、事後チェックにかじを切りました。したがって、なおのこと、いろいろな学校が新設あるいは増設されるようになってきております。そして現在、前回も申し上げましたけれども、ぶら下がりだったので十二分に徹底していないかと思いますので、もう一回申しますけれども、いろんな学校がたくさんできていて、少子化の中で、そして経営難で立ち行かなくなっている学校がたくさんできています。私は、問題意識として以前から、相当前の頃から文科省マターとして、教育に規制緩和をするということは、どれだけこの時代の中でいいことだろうかということをずっと考えて、また勉強もしてきております。その中で今回のことがあったわけですけれども、大学の乱立に歯止めをかけて、そして教育の質を向上させたいと、これが私の真意でございます。要は、事なかれ主義という言葉はあまり適切ではないかもしれませんけれども、そういう流れで来ているのだから、それでいれば静かであろうというような考え方もあるかもしれませんけれども、私は日本の将来と現在のたくさんの学校の経営状態が立ち行かないケースを見ておりまして、このまま放置しておくということは文部科学大臣として、また一政治家として無責任だろうと思います。したがって、アクションを起こせばリアクションがあって、今日もこれだけたくさんのメディアが来られているわけですから、それを承知の上で、覚悟の上で私は申し上げているところです。そして、いろいろな個別の話もあろうかと思いますけれども、今までも設置委員会はありまして、設置審でたくさんの有識者の方がいい御意見をおっしゃってくださっていますが、実際は数か月に1回しか開かれていません。任期は2年、総会は2年に1回、そして1回2時間の議論しかされていません。そして、年に4回の分科会、大学設置に関しての分科会が開かれていて、3か月に1回程度です。そのメンバーも、設置審に関してはほとんどが大学の総長、理事長、学長、教授たちです。したがって、もっとあまねくいろんなジャンルの方々の意見を聞いて、もっと丁寧に新設の必要性を、国民・納税者がなるほどねと納得するようなやり方につくり変えていきたいというのが主眼であります。そしてさらに、お尋ねにはありませんけれども、今回、その認可されていないところについてどう思うかということの問合せがたくさんあるので、お答えします。学校教育法の4条の1項を御覧いただきたいと思いますけれども、設置認可は大臣の権限ということがうたわれていまして、ただし設置審議会の意見を聞くべきということは95条に書いてあります。したがって、設置審議会は何をするかというと、設置に対する基準がありまして、それをクリアしているかいないかの判定をするのが審査会でありまして、その答申を受けて判断をしていくのが大臣の職能なんですね。したがって、かわいそうじゃないかとか、急じゃないかとかという御意見があるようですが、それには当たりません。なぜ急ではないか、これも皆さんの中でたくさん出てくる質問だと思うので、お答えをあらかじめしておきますが、私が着任したのは10月1日で、御案内のとおりでして、そして具体的にこういう認可事業のことが目の前にあるという話を聞いたのは10月26日です。それは役所も認めておられて、24日の日にちょこっと課長から、たくさんの大学、高等教育局のマターについてレクチャーがあった中で、ちょろっとありましたけれど、実際は26日でした。それで「いつですか、それは」と言ったら、もう答申はすぐに出てくると。そして、30日には結論を出さなきゃいけないんですと言われたんですが、それはあまりにも性急なことで、今までは多分それでクリアしてきていたんでしょうけれども、そんな粗製乱造(そせいらんぞう)はしてはいけないと、かねがね思っておりましたので、それで次の週、26日、27日、28日、週末でございましたし、地方に行ったりとか、その後また本会議などがあったりして、それで本当は30日までに高等局は発表したかったんだとおっしゃるので、それは週明けに今聞いて、それはもう丸投げしていいですよって言うんだったらいいですけれど、あまりに性急ではないでしょうかと申し上げて、局長が、では1日、2日遅らせましょうということになったわけです。ですから、私が性急にやったのではなくて、したがって事務的にも今後、私がここの役所に1か月いるのか、まあ1か月は過ぎたんですが、2か月いるのか、10年いるのか存じませんけれども、いずれであってもこの文部科学省の、特に許認可は大変に重要なことですから、だから前もってタイムスケジュールをしっかりと、前もってこういうことがありますよということを言ってくだされば有り難いので、そういう表を作るように、今、事務方にお願いをしたところです。以上です。
記者)
大臣が、大学の制度改革に強い問題意識を持っていらっしゃることは非常によく分かりました。ただもう一つ、例えば秋田公立美術工芸短大から秋田公立美術大学への転入を考えて、もう進路を確定させていた、もう決めていた学生たちもいるわけですよね。今さら、この時期では進路は変えられない、就職活動も間に合わない、もちろん制度的な部分は変えなければいけないことがあるのかもしれないけれど、現実にその進路を変えようとしても、もう変えられなくなりそうな学生がいる、この状況について何かお考えはありませんでしょうか。
大臣)
群馬県の堀越学園のケースは前からお話ししていると思いますけれども、たった創立8年間で40億円もの借金を作って、幼稚園から高校までの生徒さんたちが、明日から路頭に迷うというケースもあるわけで、これは私どももできるだけ救済をして、他の幼稚園なり学校なり高校に転校できるように指導をしなければいけませんし、いたします。しかし、そういうケースもあるので、第2の堀越学園を出していいとは誰も思っていないと思います。したがって、悩んでいる人や困っている人は被災地にもその他にもいっぱいいるわけですから、幸いまだスタートしていませんので、ですからそこのところは冷静に考えていただきたいと思います。
記者)
先ほど、大臣の許認可制度に対する問題意識は伺ったんですけれども、それは許認可システムの問題として、総論としては分かるんですが、一方で、今回の3大学に対して不認可の判断をしたということの、合理的な理由という説明にはかなっていないと思いますが、その点についてはどうなんでしょうか。
大臣)
それはですね、この申請の仕組みを御存じでしょうか。3月に許可してほしいという申請を出します。そして検討をします。そして10月の末か、遅くとも11月の頭には回答が出ると。それからすぐに年を越して4月から学校がスタートする。これは極めて不自然だと私は思っているんですよ。許可がされたら、その次の次の年ぐらいから工事を始めるなり、教授を呼ぶなり生徒を募集するなりそのためのパンフレットを作るというなら分かりますけれど、なぜか、もうとっくにビルが建っています。6億何千万円もかけて、ビルを造ってしまいました。生徒も募集しました。教授も確保しました。なのに理不尽ではないかとおっしゃるけれど、ちょっと考えて不思議だと思われませんか。4、5か月間で、許可を10月にされて、4月になんで間に合うのか。どこかからサインが出てたんでしょうかね。ですから、私は、それも含めて、他の五つの今認可されていない、ペンディングの学校が、本当に工事がそれほど進捗していて、「けしからんけしからん」と言っている状態なのか、それについても、しっかりと調べてきてほしい、ということを言っているんです。意味お分かりでしょうか。3月から申請を出して、10月末頃、今になって、OKですよ、と言ったならば、これから暮れとお正月を越えて、4月の(開設に)間に合いますか。校舎を造ったりが。普通は間に合わないんじゃないですか。間に合うように、制度も変えていった方が、より自然だと私は思います。それがもう間に合っているなら、生徒も何とかしている、校舎も建てたのに、と言っているのは、認可されるということが決まっていたんですかどう思われますか。不思議じゃないですか。
記者)
3大学に関しては、準備が進んでいたということが(問題なんでしょうか)。
大臣)
違います。違う。どこの学校の準備だとか個別に言っているんじゃありません。
記者)
個別のことを聞いています。
大臣)
個別には答えません。現実にできますか、あなたが学校法人の方であったら。11月に許可ですよと言って、4月にスタートできるように全て準備できないでしょう。だから、(開設を)その次の年ぐらいにするとか。この制度も見直した方が(いいと思います。)学校であれば、入学OKと決まったら、じゃあ制服を注文しましょうとか、制帽を作ろうとかいうことになるんじゃないですか。それが、もう全部買ってあるから入れてくださいっていう話はおかしいから、そういうふうなことがないようにする方が自然だろう、というふうに私は思うんですけれど、いかがですか。
記者)
認可や不認可のこうした場合、相手方に文書で通知をすることになっていると思います。それで、不認可の場合には、その不認可に対する理由を書かなくてはいけないと思うんですけれども、その理由はどんな理由を。
大臣)
事務的なことは、局が窓口になってお話をすることになると思いますので、勝手なことで、今、お話はできませんが、ただ、今後どういうふうにするかということについてお話しすることがより具体的かというふうに思うんです。審査基準そのものと、それから設置審の基準、それからその委員の構成、そういうものをしっかりと見直していきたい、というふうに思っています。今現在ある、多くの方がおられる、さっき冒頭で言ったような設置審を、もっと違った形のものに作り変えていきたい、と思いますので、その中でもっておのずと答えが出てくる、というふうに思います。
記者)
すみません、今の説明で私分からないんですけれども、相手に対する不利益な処分ですから、その処分の理由を説明しなければいけない、ということだと思います。その説明責任は、今の会見中、果たされていないように思うんですけれども。提出の理由が普通はあると。大臣の政策的なものだと思うんですが、その3大学のそれぞれについて、なぜ不認可にしたのか、という理由を教えていただけますか。
大臣)
ですから、それは先ほど言ったように、短いタームの中であること、そしてまた、先ほど学校教育法の4条1項のことを言いましたけれど、それによると、設置審というものは、基準に照らして言っているだけでありまして、それを認めるかどうかという、設置の認可は、大臣がすることですから、今申し上げたように、今までの、前の古い形での決め方は、そのやり方の中で決まったものは、認め難い、ということです。
記者)
行政手続法というところで、法律では、基準に照らしてきちんとすること、それが公正かどうか、その透明性を確保するということが行政手続法の趣旨だと思うんですが、その趣旨に照らして、大臣の今のお考えというのは問題ないというふうにお考えでしょうか。
大臣)
もうちょっと精査しなければなりませんけれども、今の段階では問題ないというふうに思っています。
記者)
大臣がおっしゃるイノベーションは、幅広い理解が必要だと思うんですけれども、明日3大学の関係者が、文科省に要請にいらっしゃいます。大臣は直接会われるお考えはありますか。会う理由、会わない理由教えてください。
大臣)
これは、官邸等にもチェックをいたしましたけれども、普通は、県知事が陳情に来られる場合には、局長対応をする、ということだそうです。さはさりながら、例外っていうものがあって、原子力の被災地の方々が集まって来られるとか、あるいは、沖縄の基地の問題もありますね。そういう方たちが来られた時には、それぞれのシチュエーションの判断で他の方がお会いになることがあるそうですけれども、今回については、事務的に局長、更に政治的なことが必要であれば、副大臣にお会いいただこうというふうに、今は考えております。
記者)
三つの大学に編入、受験を考えていた学生について影響が出ていて、それについて改めてどう思われますか。またその人たちをケアする方法というものは何か考えていらっしゃいますか。
大臣)
とにかく先ほど言ったことの繰り返しになって恐縮ですけれども、とにかく許認可の仕組み自体を変えるということに、この内閣になって決めているわけですから、したがってそのことを粛々とやるしかないというふうに思っております。
記者)
2点、今回のその不認可という大臣の判断については、事前に総理や官房長官から了承を得ているかというのが1点。あと先ほどから伺っていると、不認可にした理由はやはり今の制度に問題があるというお考えかと思うんですが、この三つの大学には何か落ち度があったとお考えなんでしょうか。
大臣)
別に、個別にどの学校がこうであるからとかいうことは全然考えておりませんし、落ち度なんていう細かいところまでは分かりません。それから前段の総理及び官房長官にということについては、御相談・御報告はしてございます。
記者)
了解は得たということでしょうか。
大臣)
了解というか、そうすることは大変結構なことで私もかねがねそう思っていましたということは官房長官のお答えでしたし、それから総理からはそのまま進めてくださいというお言葉を直に頂いております。
記者)
大臣のその大きな理念というのは十分に分かるんですが、なぜ今回の見直しが今年であって、来年からでは駄目だったんですか。その理由についてお伺いできればと。
大臣)
それは省内でもいろいろ検討もしましたけれども、その結果だとしか申し上げようがありません。以上です。
補足
大臣)
ちょっと誤解を与えたらしいことに、今気付いたので補足します。文科省が、新しい仕組みについて至急検討するということです。それで、できるだけ早いうち、すぐにでも(検討会議を)立ち上げて、そして、年内にできれば一番いいんですけれど、早めにその結論を出したい、と思っています。皆さんが関心のおありになる3大学については、今の設置、認可の仕組みの元では、新設を認めることはできない、と言っておりますけれども、見直し後、新しいルールを作るわけですから、見直し後の新たな基準に照らして、改めてそれらの3校についても、それだけ特別扱いするっていうことではありませんが、それらも含めて改めて判断すると。新しい基準ができたら、その基準の下でもう一回審査をしますということです。全部不認可って皆さん思われたわけですね、さっきの私のしゃべり方では。そうではありません。必ずしも不認可ですよ、と言っているわけじゃないんです。新しい基準について分かるように言おうと思ったら、皆さんから質問が来ちゃったので混乱しちゃったんですけれど、その新しい基準で改めて見直し後の基準に照らして検討いたします、ということです。
記者)
いつ作るんですか。
大臣)
早めに。
記者)
来年度に開設する可能性はまだあるということですか。
大臣)
それも含めたあらゆることを考えます。
記者)
来春に開設可能なのかどうかということは重要なことなので。
記者)
撤回ということになるんですか。
大臣)
これから皆の知恵を借りながらやっていきたいと思います。
(了)
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