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田中眞紀子文部科学大臣記者会見録(平成24年10月1日)

平成24年10月1日(月曜日)
教育、科学技術・学術、その他

キーワード

就任挨拶等、文科省の施策、政治主導・官僚との関係、いじめ問題への取組、エネルギー政策、大学改革、医学部定員、「もんじゅ」の在り方、歴史認識・教科書検定

田中眞紀子文部科学大臣記者会見映像版

平成24年10月1日(月曜日)に行われた、田中眞紀子文部科学大臣の記者会見の映像です。

平成24年10月1日田中眞紀子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

田中眞紀子文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 最初の言葉で申し上げると、当選1年生で、村山内閣の科学技術庁長官を拝命致しまして、省庁再編で文部省と一緒になったわけですけれど、あの時、国会議員として大変良い勉強をさせていただいたと。「科学技術は未来の先行投資」というキャッチフレーズで、いろいろな所を視察させてもらいました。原子力事故がありましたが、高レベル・低レベル廃棄物の問題、エネルギーの需要の問題とか大きなテーマになっているような原点の現場なども視察いたしました。そういうことから、私の政治家のスタートは科技庁であったということと、教育は、3人の子どもを育て終わったんですけれども、常に国家の基本というものは教育である、人づくりということは、どこの国でも言われていることですが、そういう意味から言っても、文部科学省というところは、大変魅力的で、身近で、議員立法で教育免許法の特例法を作ったこともありますし、教員の資質向上とかもです。したがって、いろいろな役所で、政治家はそもそもオールラウンドでなければいけないと、19年間思っていたものですから、財務省と連携したり、厚生労働省とやったり、当然、外務省とも随分勉強はさせて頂いてますけれども、やっぱり文部科学省というところは、私の政治家としての原点だと思いましたので、今回拝命して、非常にうれしく思っています。

記者)
 御就任されて、文部科学行政のトップとして、どういう政策に取り組んでいきたいと。まず、第一にどういう政策に取り組んでいきたいのか教えてください。

大臣)
 一番は、原子力事故があったこともありますけれど、世界の経済を見た場合に、エネルギー、環境、それから経済・金融含めて、それらは大きな三つのコアであって、それらが上手に回っていくことが、世界中が一番希求している事だと感じています。したがって、そういうことの基本になるものがエネルギー政策ですから、今、そのことが問われてきていて、民主党政権が、結構迷走して今日まで来ている。野田内閣に限らずですね、結構苦悩しているんじゃないかなと。国民も、被災した方たちも、そのような感想を持っておられると。海外も非常に興味を持っておりますし、共に仕事をしたいと。人類の課題だと思います。そういう事について、外務省の時にもよく聞かれたことですし、外国の外交団が来られたりとか、大使館の方とかにも聞かれて言っていたことは、「本当に今の内閣が言っているようなスパンで原子力ゼロに持っていけるのか、あなたはどうですか」という質問を、ずっと繰り返し聞かれております。私の答えは、危険なものは即やめないといけない、経年劣化しているものとか、活断層の上にあるものですとかは、もちろんすぐにやめないといけない、当然です。しかし、先ほど官邸の会見でも申し上げましたが、ドイツは緑の党ができてから、今年をメルクマールとして全部の原子力をやめると言っていたにも関わらず、16基全部が動いているのです。そんなに簡単にローコストですぐに新エネ等が出来るものではないと思うので、やはり化石燃料なんかでCO2を排出しないようにするとか、他の自然エネルギーも、もっとローコストでできるように研究開発を進めるとか、やるべきことは一杯あると思います。火力発電もあるわけですし、いろいろなものについて研究をしていくことが、経済も振興するし、エネルギーの利用にもつながるので、非常に夢と現実がマッチする事だと思うので、そのへんが今少し曖昧になっている所があると思うんですね、原子力の規制の話なども含めて。そういうことも含めて、もっと分かり易く世界に発信できて、日本国民もなるほどねと思うものに整理できると良いなと。それは文部科学省のマターではないんですが、その旨、閣内で力強いメッセージを発信していかないと、時間が経つわりに結果が出ないなという気持ちを個人的には持っていますので、それは力を入れたい。
 二つ目は「人づくり」です。教育は、日本の伝統は大変すばらしいものがあるし、いろいろ立派な文部大臣を輩出してきておりますけれど、戦後は、みんな同じように識字率を上げて、教育の機会均等、それは正しかったのですが、今このインターネット、グローバルな時代に、自分で発信力のある人をつくる。若い学生達があまり海外に行きたがらないというふうなことも言われていて、ネットで全部経験できるというのは、大変残念なこと。私、政治家としても現場第一主義でと言っておりますし、自分がアメリカで高校時代を過ごした事もありますけれども、やはり本物に触れて見るということと、ネットで見たり写真とは当然違う訳で、自分が現場で見て、自分と他人の違いを知ること、人の文化と自分は違うこと、時代認識を知ること、そのことが自分に自信を持つことになるのです。自分に自信があれば、異質の人とも調和して生きていけるのですが、同じ価値観だけでずっと行くと、金太郎飴のような人間ができるけれど、どこかフラストレーションがあって自信がない。それが、今言われているいじめにつながっているかもしれないし。人が全部それぞれ違うんだということが分かっていて、自分は自分に自信を持てれば、他人の尊厳も命の尊厳も守れるわけですから、たった一回しかない人生をこの地球で皆さん生きているわけですから、そのような理念だけでなくて、システムを作りたいんです。私が、実際にアメリカで経験した事は、小学校のうちにお葬式を見せるとか、ある州なんかは刑務所に中学生くらいを連れて行き、罪を犯すとどういうことになるかということを。それが良いか悪いか、私はやれと言っているわけではありません、誤解のないようにしていきたいのですが、そういう現場、命というもの、社会の制度はどういうものなのかということを教えてくれるような事も必要かもしれませんね。そういう事もプロポーザルして、いろんな専門家や一般の方々、子どもたちの意見も含めて聞いてみて、トライアルするというのが必要ではないでしょうか。一度決めたら制度を見直ししないというのは良くないと思うので、いろいろな事を提案していく、やってみるという事が日本の教育で求められているのではないか。そうすると日本人がもっと自信を持って、基礎的な学力もあるし、民族的にも優秀だと思いますけれど、一人一人がリラックスできる、自信を持てる社会を作ることが、世界に貢献する事だと思います。

記者)
 官僚との付き合い方、民主党政権になってからは政治主導とおっしゃってきましたけれども、大臣はどのようにお付き合いしていこうと考えておられますでしょうか。

大臣)
 このように、政治家にも官僚にもいろいろな人がいますし、民間のビジネスマンもそうですから、やはり相性とかもあるかとは思いますけれど、日本の官僚は世界に冠たるシンクタンクだと、私、思っております、組織として。一人一人は優れていると思いますよ、能力的なもので。ですから、その方達から我々政治家が学ぶこととか、彼らの能力を活用するという言い方は僭越(せんえつ)ですけれども、それを尊重していければ国は前に出るわけで、「役所はいりません、役人は答弁させません」みたいなことを言うのは、私は良ろしくないなと、かねがね思っております。幸い、いろいろな省庁の方々から勉強に来て頂いたり、視察に連れて行ってもらったりして、凄いなと思っていますから。たまたま外務省の時にはいろんな事件があったりして、タイミングが悪かったんですけれど。今は、外務委員長させて頂いたこともあるし、個人的にお友達の御主人とか知り合いも一杯いる役所ですから、良好な関係になれてやっぱり良かったなと思っております。タイミングが悪かったんですよね、言ってみると。

記者)
 いじめの関連なんですけれども、文科省は先月、いじめの総合的な取組方針という形で、国の関与を強化するような形でですね、ほかにも外部の有識者を活用するですとか、そういう方針を打ち出したんですけれど、それの評価と大臣がいじめ対策としてやるべきと思われることを、お答えいただければ。

大臣)
 今、おっしゃったように、今日私、朝刊で見たんですけれど、飛行機の中で。11人のアドバイザーの名前が挙がっていて、そういう方たちの、有識者の意見を聞くということですから、そういう制度が前任者の下で発足したのであれば、私も参加して、意見を聞いてみたいというふうに思いますけれど、この役所に限らず、諮問委員会とかですね、委員会を作るのも一つのメリットですが、それで全て解決するわけではなくて、もっと複合的なものだと思いますね。大人だっていじめがあるわけですしね。過去にもあったでしょうし。さらにまたあるでしょうし。だから、分析も大事なんだけれども、そうじゃなくて、基本的には、自分が自信を持つ人間をつくる。家庭内で、いろんないざこざがあるかもしれない、お友達と会っても、自分に自信があったらば、あんまり人との関わり方もそう陰湿にならないかもしれないですよね。違う人なんだなあと思えば済むわけだし、そういう発想のできる人づくりをするといいんですよ。そのために何かっていうことを、どういうことを経験させるのが、どういうことを見ることがいいのか、そういうことを専門家達から、教え・意見を聞いたらいいと思いますよ。個々のケースはこうだから、あれはこれが原因なんですよと言ったからといって、そうクリエイティブではないと思いますけどね。きいてみます。

記者)
 冒頭におっしゃった、そのエネルギー政策に関してなんですけれども、大臣のスタンスとしては今のところ、原発をゼロにしていくということには反対というお考えですか。

大臣)
 反対ではありません。最終的にはなくなれば一番いいことですけれども、というのは原子力は、後世に渡る廃棄物の問題、世界中が頭を抱えているわけですから。ですけれども、今の日本の現状から言ってですね、飛躍的に違うものが見つかるわけでもないので、時間をかけて、ベストミックスにしながらですね、そこへ持って行けばいいのであって、今現在、政府がおっしゃったように、論拠はよく存じませんが、これはよく聞いてみたいと思いますが、そういう状況で、すぐに自然エネルギーだけで全てが賄えるようになってハッピーだとは、ちょっと部外者としては思っていませんでしたので、これから内部に入ってきたのでよく聞いてみたいと思います。

記者)
 今現在、文部科学省は大学改革実行プランというのを作っております。大臣は、今の大学に欠けるものっていうかですね、ここは今後こうした方がいいだろうというところがあったら、教えていただきたいのですが。

大臣)
 私自身、子どもたちが大学というところを卒業してから久しいものですから、実体として、後援会に頼まれたり学園祭に呼ばれたりすることは結構あります。そういう時に「へえ」と思うことがあるんですけれど、具体的にはまだ軽々には言えませんね。中身を改革しないといけないし、予算の面もあるし、地方交付税撤廃とかですね、先ほど言ったような生徒のやる気を活かしたいとか。いろいろ理念があってのことと思いますから、もう少し時間をいただいて勉強させてください。

記者)
 もう一つ、大学改革に関係して、国立大学の再編・統合をすべきかという意見もあるんですけれども、ただ、地方にとってはですね、地方の拠点である大学がなくなる、学部がなくなるということも考えられます。中央ではなく、地方を中心にという考え方もありますが、大臣はどのようにお考えですか。

大臣)
 個別にどうこうと言える問題ではなく、全部知ってるわけではないのでですね、極端には言えません。例えば、私は科学技術の関係の学校が地元にありまして、この間そうとう時間をかけて視察というか見せていただいて、生徒さんと話をしたり、先生方に研究実験棟を見せてもらったりしていて、こんな地方のいいところで、もっと予算があればもっと外国人も来られるし、これをもっと宣伝すればですよ、東京の中でもって勉強している生徒さんより、もっといい環境で自由に好きな勉強ができるから、宣伝を努めたらいいのになと思ったことがあるんですけれど、大学の中で私学・国立の問題もありますし、実体をもう少し勉強しないとですね、特徴・特色のある学校で卒業生が生きがいを持って社会に貢献できると、これが一番理想ですよね。だから昔言った、たくさん各地にどこにでも学校があって、誰でも一応学校に入って卒業して就職をするというようなことはあんまり良くなくて、もっと個性的なもので、本人は生きがいがあると、優秀な生徒には奨学金が出るとかですね、そういういろんな制度を、個人にフォーカスを当てたものにしたら、国が生き生きすると思いますね。

記者)
 大臣の地元・新潟は、医師数が不足している地域と言われておりますが、医師不足対策ということで、医学部新設を含む医学部の定員についてのお考えをお伺いしてよろしいでしょうか。

大臣)
 新潟大学というところは、優秀なお医者様を抱えておられてですね、地方自治体の市町村長さんと話をすると、新潟大学がせっかく地元であるんだから、優秀なお医者様も県内だけでもどんどん人を出してほしいという要望もあったりしますけれど、やはり定員もこれはお金がかかるし、全国でこれはよく知事ともお話もするし、厚生労働省ともお話をするんですが、簡単に結論を言ったら、今、簡単にはすぐ答えが出ないですね。やはり質の良い専門的な人たちの医療という面からだけでいいかというと、かけ離れますので言いますと、少子高齢化ですから、高齢の方たちの慢性疾患を診るような地方自治体や都市に行く医師と、iPS細胞やそういうふうな研究をする方とかいろいろあると思うんですよ。今の社会の構成を政治家として見た場合には、高齢者の慢性疾患に対応できるような大学病院やそういうお医者さんも必要で、難病については機械を駆使してしっかりと対応できるというようなドクターも必要でしょうから、そういう大学の病院も、どういうところにフォーカスを当てていくのかということを、もう少し実態は勉強しないと分かりませんね。政治家としていろいろ聞くことは、要望からして一杯あるんですけれども、どうすればいいかというのは、なかなか分かりませんから、これからしっかりと勉強いたします。

記者)
 エネルギーのことでお伺いしたいんですが、文部科学省所管の「もんじゅ」ですが、前任のときは「もんじゅ」の今後については基本的にはこれまでと大きな変更はないと、研究を続けて研究成果を刈り取っていくというような位置付けだと平野前文部科学大臣は発言しておりますが、エネルギーということを考えたときに田中大臣は「もんじゅ」の今後の在り方について、これまでの方針を踏襲されるのか、そのあたりの認識をお聞かせいただけますか。

大臣)
 基本的には、そこは踏襲です。ただ、前大臣がどういう表現をなさったのか存じませんけれども、平成6年に私、科技庁長官としてだったと思いますが、「もんじゅ」に視察をして参りました。約1兆円近くの予算をかけて造ったもので、大変期待されたものではありますけれど、このまますぐにやめてしまうということではなくて、無駄にしないで研究をしながら試験的な実験で使いながら、活躍しながら、少しずつ終わっていくという方向に行くのが望ましいというふうに思います。

記者)
 歴史認識についてお伺いしたいんですけれども、今年3月の教科書検定で、先の大戦の南京事件、一部の歴史教科書でですね、30万人説というのは誇大であるというのが、これが検定教科書でなんですけれども、それについて大臣はどのようにお考えでしょうか。

大臣)
 教科書の問題は、歴史認識も含めて、主にそこに一番ポイントが集まりがちですけれど、さっきもルールの問題で話をしたんですけれども、愛知県(市長)の河村さんがおっしゃってたのに中国が立腹したりとか、日本でも数字が違っているとか、よく言われることなんですね。歴史的なことについては認識が違っているということは、どこの国家でもよくあることだと思うんですね。どこまでいっても平行線であるということは、お互いを、どっちかを説得しようと思うんでしょうけれども、それをなんとか軟着陸しようとする知恵というものが必要だと思います。ですから、教科書でそれを書いていたら、他の教科書も読む。いろんな意見があるというものを読んでもらう。そういうふうなチャンスがあった方がいいと思います。違った中で、どうやって違った教育を受けた方たち、言語・文化・宗教の方たちとも、ともに生きてきたというような知恵を働かせていくことだと思います。一つの教科書だけではなくて、いろんな見方があるんだということ、それが知るきっかけになるのであれば、それは救いになるんじゃないでしょうかね。

記者)
 大臣御自身のことを伺いたいんですけれども、お話をお伺いしている中で受けた印象なんですが、文科省で既に走っている計画なりプロジェクトがあるにしてもですね、大臣のお考えに基づいたオリジナルなアイデア等様々な取組も積極的に展開されていくのではないかという印象を受けたんですが、その点はいかがでしょうか。

大臣)
 それくらいの力量があればいいと思いますけれども、そういう一つのテーマはあります。政治決断でやらなかったならば、過去、民主党で3人、文部科学大臣が代わられたのに据え置いたままでいるけど何をやっているんだろうというようなこと、私が文部科学委員長のときも感じていたこと、今もおなかの中にありますので、そういうことでは方向性が出せるのではないかと、ひそかに思っていることはあります。お疲れさまでした。

(了)

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成24年10月 --