平成24年4月10日(火曜日)
教育、科学技術・学術
平成24年4月10日(火曜日)に行われた、平野博文文部科学大臣の定例記者会見の映像です。
平成24年4月10日平野博文文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
私の方から2、3御報告を申し上げます。私4月の7、8と山形、福島に大学を含めて視察をしてまいりました。9日には千葉大学へ、行って参ったと。目的は特に地方大学の現状、実態を含めてどういう状況にあるかということと、被災県であります福島大学に参りまして意見交換ならびにどういう状況であるかということを視察をさせてもらったと、こういうことであります。
まず第1点は特に山形大学における有機ELの研究センターにお邪魔をしました。これは特に次の将来の一つの大きな種になる、あるいは実用化が非常に可能性が高いと、こういうことで地域での産官学の連携をベースにしてやっておられるモデルになるんじゃないかと、こんな思いの下に視察をさせていただきました。福島大学におきましては特に復興教育、教育の復興、除染活動さらには学生ボランティア活動や幼児・児童の健康増進等々にどういう状況になっているかということも含めてボランティアの学生が、特に教員を目指しておられる学生諸君の現場での子どもさん、さらには仮設住宅でおられる子どもさん等々を含めてコミュニケーションを取りながら一生懸命やっておられる姿を、報告を受けました。これは正に教育を目指す教員の卵としては、正に実践をやっておられることで、非常に私は結構なことだと、こういうふうに思いました。幼児・児童の健康増進ということで、特に郡山市におけるペップ・キッズでありますとか、ニコニコこども館等々、特に外でなかなか遊べない、あるいは困っている方々に対する相談ということで、市独自でやっておられるところを見させてもらいました。私は非常に良いことをやっておられると、こういう思いで、文科省として具体的な支援ができないのかということで、今、原局に検討するようにということで、指示をいたしているところでございます。これが7、8の山形・福島における視察でございます。また、郡山第二中学校では、先月私表彰させてもらいましたが、「TBSこども音楽コンクール」での中で日本一になられました方々が練習しているところを見て、特に郡山は音楽が非常に盛んで素晴らしいなということで感動いたしたところですし、福島県内の高校生約200人の、これは合唱でございますが、特に東北復興合唱祭に出場される皆さんの練習姿を見まして、是非頑張ってほしいと、この合唱によって元気がつけられると、こういう思いの下に私は感動をし、激励をいたしたところでございます。これが7、8日でございました。
9日には放射線医学総合研究所ならびに千葉大学に参りました。その理由は一つには福島大学での大学の一つの大きな柱の中に特に子どもさん方の被ばくに対する研究調査というところが大きなテーマ立ちをしておられましたので、放医研に是非協力してもらいたいと、こういう要請を理事長にして、例えば放医研の分室を福島大学に造るぐらいのつもりで協力してほしいという要請をしながら、放医研の今の現実の状況の視察をいたしました。なかなかユニークで、世界のトップレベルの研究成果も出ているように私は思いました。千葉大学につきましては、今年9月にスペインで開催されます「ソーラー・デカスロン・ヨーロッパ2012」に日本で唯一千葉大学チームが参加をする、こういうことでございましたので、その学生と懇談をし、是非頑張ってほしいと、こういうことでございます。
また、千葉大学の中では、教育改革の一環でありますが、アカデミック・リンクセンターという図書館をモディファイアした新しい発想での図書館を見学をさせてもらいました。従来の図書館ではなくて、大学で何のために学ぶか、こういうところを学生自身がそこで感じるようなそういう環境雰囲気での中身でございましたから、非常に結構なことだと、こういうふうに感じました。これは私4月の7,8,9と現地へ行った、あるいは現場を視察したところでございます。
2点目は、実はそういう一連の流れの中で、文科省としてはですね、4月の14日に、今度の土曜日でございますが、東日本大震災を経験し自分たちが今までできたこと、これからできることをテーマに、被災地などの中高校生と意見交換を行う、「大臣と語ろう」と、こういうテーマ出しで中学生および高校生約10名ぐらいでディスカッションをさせていただこうと思っています。学校や社会における最近の出来事や、それぞれが抱えている課題などについて直接双方で語り合うと、こういうことで一緒に私もその中に入らせていただいて、意見の交換をしようと、こういうものでございます。別に大臣とかそういうことではなくて、フランクに語ってもらえるかなと、こういうふうに期待をいたしているところでございます。これは、後ほど報道の方に具体的な時間軸は出していきたいと、こういうふうに思っております。
私の方からは以上ですが、最後に前回の記者会見で、地震調査委員会委員長が空席になっているじゃないかと、こういう御指摘でございまして、月1回の会合で、4月の10日までに委員長は決めさせていただきました。こういうお話をいたしました。
委員長として本蔵先生を委員長に指名をいたしまして、予定どおり今日地震調査委員会が開催をされます、以上です。
記者)
まず1点目は、昨日発表があったんですけれども、東京私大教連の調査で、アパートを借りて通学している私大生の仕送り額が1986年以来の調査以来、最低の9万1千3百円となったことが分かりました。学生が厳しい状況にあることが明らかになりましたけど、その受け止めと対策等についてお伺いしたいというのが1点と、あともう1点は、昨日の国家戦略会議で、私学助成や六三三制の学制の在り方の見直し等々が課題に上ったそうですけど、今後文科省としてどのように検討を進めていくかについて教えてください。
大臣)
1点目の私立大学新入生の家計負担調査と、こういうことで東京私大教連が発表した部分でございますし、今御指摘の家計に占める教育費の負担の大きさ、これは非常に負担度が大きいということが出ているということと、今一つは奨学金の申請者も過去最高になっていたと、こういうことがデータ的に分かるわけであります。仕送りにいたしましても、11年連続に減少していると、こういうことですから、このことを考えますとやっぱり文科省としては意欲と能力のある学生が経済的な理由により就学の機会が奪われないように授業料の減免、さらには奨学金事業等の事業をより充実をさせることによって、経済的支援策の対策を講じていかなければならないと、こういうことを改めて認識をいたしているところでございます。したがって、今回お願いをいたしております、所得連動返済型の無利子奨学金制度等々をお使いをいただいて、是非頑張っていただきたいと、かように感じているところでございます。
もう1点、昨日の国家戦略会議においての教育改革についてでございます。特に次世代の人材育成についての議論が中心でございました。民間議員の方々から大学の統廃合やメリハリのある資源配分、六三三制の学制の見直しと、こういう御議論がございました。私は、この省内におきましても、大学改革と、こういうところを含めてタスクフォースを今組んで大学改革に向けて検討いたしておりまして、考え方の方向性、考え方の視点は私は異議するものではございません。しかし、いかにして大学教育の質を高めていくかということが本来の趣旨でありますし、逆に今のこの時代の変化にしっかりと対応できる人材をいかに輩出するかという世の中の要求と大学との人材とのミスマッチをいかになくしていくかというところが大事なんだろうと、こういうふうに思っていますし、六三三制についても、これも今地方によっては、やっておられるところもございますし、大いに柔軟性を持って私は対応したら結構かと、こういうふうに思っておりますが、そういう御指摘もございますから、何が一番今の教育の改革、これからの人材を養成していく中で何が一番ベストなのかということを、総理からの御指示もございましたので、5月中にはしっかりと論点整理をして方向性は導いていきたいと思っています。文科省としての考え方、総理からの国家戦略としての指示を踏まえて、捉まえていきたいと思っています。特にメリハリをつけていく、限られた財源でありますから、そこにいかに重点配分をしてやっていくかと、こういうことも含めた検討は私は進めていかなければならないというふうに思っています。したがって、私この一環として地方大学の視察に回っているというのは、いかにその地域社会の中での大学の役割がどういう役割を果たしているかということを、しっかりと見ていくというのもこの大学改革の私の一つの一環にしたいと思って現場を回らせていただいていると、こういうことでございます。以上です。
記者)
昨日の総理の指示の中で、大学改革に関して統廃合といったようなところも言及されていたようですけど、大臣御自身はその統廃合といった再編・統合の在り方について、どのようにお考えでしょうか。
大臣)
統廃合という言い方は非常に意味深な言葉でありますが、私は統廃合ありきではなくて、いかに有用な人材を輩出していく大学であるかどうかという、大学であればなんでもいいみたいなことではだめだと思います。
したがって、今までの体系がいいのかどうかは別にして、あるいは大学のガバナンスの在り方をもう少し統廃合するとか、こういうことはあってもいいと思うんですが、つぶしてしまうとか、うんぬんということではない、それは目的と手段が逆転するものですから、いかに今の変化する、時代の変化に対応している大学であるか、それに対応する人材を教育機関として担っているか。こういうところをしっかりとチェックをすると、その結果としてこの差が少なくなってくるわけですから、自然と淘汰(とうた)されていく部分についてはこれは当然だと思うわけでありますが、まずいくら削減ありきと、こういうことでは私はないと、こういうふうに認識をいたしております。
記者)
高等教育の進学率、大学に関しては50パーセントちょっと上回るぐらいの現状ですけど、この進学率に関しては現状のままでよいとお考えか、それともそういった自然淘汰(とうた)する中で今後そういった大学進学率というのはやや下がっていくのではないかというふうに考えられますが、その辺はいかがですか。
大臣)
別に進学率の問題ではないと思うんですね。進学率を上げていかなければならないという理屈は結果として付いてくることであって、低いからいかん、高いから良いとかいう問題ではない。いかに人材を大学を出ることによって人材が輩出されるかと、こういうことが一番大事なことだと思っております。例えば、これはまだ御議論しておりませんからなんとも言えませんが、グローバルな人材を輩出しなければならないと、こういったときに例えば外国人の教授をもっとたくさん大学の中に入れていくとかですね、あるいは高校の教員については少なくとも語学力がこれだけなければならないとか、より質を高めていく環境をどう作っていくかということも一つの改革だと思うんですね。そういうところもしっかりと詰めていきたいと思っています。
記者)
大学全入時代と言われている中で、今進学率のことを申し上げたのはそういった高等教育の進学率といったものと、大学の教育の質の問題というものが、相関関係にあるのではないかという指摘が有識者の中から挙がっています。有識者の中で議論が行われているわけですけどもこういったことについての大臣のお考えをというのを伺いたかったんですが。
大臣)
ですから私は進学率を高めるなんていうことは、本来の趣旨ではありません。結果として高まればいいことであって、それよりもいかに大学の教育機関として、あるいは研究機関として素晴らしい大学になるように質を高めていくということが大事だと。いわゆる4年なら4年間、マスターなら6年間、ドクターであれば8年間なら8年間、そういう中でどれだけの成果が見出されるかという、こういうこと。どれだけの人材が生まれていくかと、その成果をしっかりと問うような教育機関にしないといけないと。ただ単に大学卒ということでいいとは、私思っておりません。
記者)
あとこれに関係して中高一貫校とかですね、小中一貫なんかの数値目標をあげたらどうかという意見もあったようですが、この数値目標化についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣)
数値目標というのは一つの施策を遂行する一つの考え方としてはあると思いますが、それも一つの考え方だとは思いますけどね。
記者)
今の関連になりますが、大学のグローバル化ですとか、大学改革と、あとは六三三制ですとか、非常に多岐にわたる分野の取組方針を来月までに出すという形になると思うんですが、これは既存のもののある中で、それぞればらばらに検討して5月にまとめて出される考えなのか、それともプロジェクトチームなり何かつくられるのか。
大臣)
現実的には省内にタスクフォースで、ある程度そういう論点は出ているわけですよ、大学改革をしていく上においては。高大の接合をどうするかとか、あるいは9月の秋入学についてどうするかとか、いろんな論点がありますから、骨太の柱は少なくとも5月の部分には柱としては立てたいと。それを具体的にどういうふうに制度設計していくかということは、この年度内にやっていくと、こういうプロセスになろうかと思っています。これはなかなか、やはり現実大学側のもありますから、かなりハードルは高い、ハードルはあるものはあると思います。しかし、やらなければいけないことはハードルは高くてもある一面やっていくという強い意志とメッセージは、出さなきゃいけないんじゃないでしょうか。生徒数だけおれば運営費が出るみたいな、こういう発想では、本当の真の意味の人材育成になっているのか、こういうことにも私はつながってくるんだろうと思います。だから各大学に行った時に、「学長さんしっかりしてもらわないと困るよ」ということを常にずっと言い続けて、学長に権限が、やっぱり強い権限を持っていただいている今仕組みになっていますから、学長がいかにリーダーシップを持ってやってもらえるかということにつながっていくことだと思っています。
記者)
放医研のことなんですけれども、これ協力をいただきたいとお願いをしたということだと思いますが、それに対しては理事長からはどんな返答があって、どういうふうに進みそうなんでしょうか。
大臣)
福島大学との連携は取っておられると、福島県立医大とも取っておられるということなので、連携を取っていただいていることは事実であります。ただ具体的に、これから長期になっていきますから、しっかりとした、たとえば極端に言えば、福島大学の中に放医研のブランチを作るというぐらい、入り込んで特にやってもらいたいというところでございます。それについては消極的ではまったくございません。極めて前向きに捉まえていただきました。ただ御意見としては、本来は研究所ですから、研究機関としての使命もありますが、この国難ともいえるこういう状態ですから是非御協力いただきたいと、こういうことでお願いをしてきました。一度記者さんも、放医研見ていただいたらいいと思いますよ。行ったことありますか。文科省担当の記者さんとしては一度行くとびっくりしますよ。あっこんなところまでなってるのかという研究テーマの。世界のトップレベルですよあれは。特にアルツハイマーのああいう研究をしておるの見たら、若いから大丈夫だっていうことないよ。本当に私はもっとあそこは、予防していくためにはあそこにもっと力を入れておくということは大事だと、特に我が国創薬というところが非常に遅れていますから、そういうところの創薬を作っていくためにも、しっかりとした分析ができ得るテーマだと思っておりますから、是非一度文科省の御担当の記者さんとして全員放医研行って見てください。いいテーマだと思いますよ。書いてください、そして。
記者)
昨日の国家戦略会議では、大学の統廃合という一方で、高専の拡充という話が出ていたかと思いますけれども、メッセージとして専門人材、専門知識に特化した人材を増やして、どちらかというとその汎用的知識を持った大卒者、そういう専門知識を持った人材がほしいというメッセージにも読めるのかなとも思ったんですが、それはどういうふうに。
大臣)
それはね、そういうふうに捉まえる人もいますけど、例えば高専の就職の内定率が非常に高い、即現場に使えると、こういうところからそういう発想になっているんだと思いますが、私は大学はそれだけではだめなんだと思います。やっぱり将来の研究をしていただく方々と、本当に自らこの国難に乗り越えていく発想力を持った生きる力をしっかりと自発的に持てる、こういう教育を持った人材を育てますが、短期的に見たらそういう発想になるんでしょうけど。やっぱり中・長期の人材育成という観点からも見ないといけないと思います。特にそういう発想になるのは現実の職業能力により近い教育機関については、より求められるということについては事実なんであろうと思いますが、それはそれとして非常に大事だと思いますから、大学はもういらんねんけれども、高専はもっと増やせみたいなそんな議論を私はすべきではないと私は思います。役割分担だと思います。
記者)
先ほど、放医研のことでどんどん取材してほしいと言ったんですけれども、この前同行取材をしたいと言ったところ、同行はできないと言われたんですけれども、その非公開にした理由というのは、大臣が判断したのか、それとも担当官が判断したのか、どっちなんでしょうか。
大臣)
それはちょっと私は分かりませんが、私が拒否したわけではありません。
文科省)
確認しておきます。
(了)
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