平成24年4月6日
はじめに,昨年の東日本大震災でお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに,今なお厳しい生活を余儀なくされている被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
また,子どもたちのかけがえのない命を守り,その笑顔,輝きを温かく支え続けてくださっている教職員,保護者の方々,地域の皆様の御尽力に敬意を表しますとともに,深く御礼申し上げます。
子どもが心身ともに健やかに育つことは,地域を問わず,時代を超えた全ての人々の願いです。
本年4月1日より,中学校及び特別支援学校中学部の新学習指導要領が全面実施されました。ここに改めて,この新学習指導要領を通じて,全ての子どもたちの「生きる力」を育むことについて皆様の御理解と御協力をお願いするものです。
新学習指導要領では,基礎的・基本的な知識や技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成とともに,主体的に学習に取り組む態度の育成を重視しています。
このため,教科等の授業時数を増加し,基礎的・基本的な知識・技能の習得のため,つまずきやすい内容を確実に習得させるための繰り返し学習等の充実を図りました。
同時に,思考力・判断力・表現力等の育成のため,各教科等の指導において,観察・実験やレポートの作成など知識・技能を活用する学習活動の充実を図るとともに,教科等を横断した課題解決的な学習や探究的な活動を進めることとしています。
さらに,豊かな心や健やかな体を育成するための指導の充実を図っています。
各学校においては,それぞれの教育目標や指導計画に基づく適切な指導を実施し,学習評価を通じて指導の改善・充実を図るという,指導に関するPDCAのサイクルを確立し,新学習指導要領の趣旨の実現に努められるようお願いします。
東日本大震災に際しては,被災地の子どもたち,特に多くの中学生が,自分の命を守り抜いただけでなく,地域の避難所運営の手伝いや清掃などのボランティア活動に進んで取り組むなど,様々な困難を乗り越え,大きな力を発揮しました。
こうした力こそ,新学習指導要領の目指す「生きる力」にほかならないと考えます。こうした力は,多様な人々との関わりや様々な経験を重ねていく中でこそ豊かに育まれるものであり,そのためには,学校・家庭・地域の連携・協同が不可欠です。私は,「地域とともにある学校づくり」,「学校からのまちづくり」を推進することにより,地域が学校の教育活動に協力・参画して教育の質を高め,さらにそこで生まれた信頼関係,連帯の絆が地域全体を活性化していくという良い循環を,ぜひ日本全国で実現していきたいと考えています。
保護者や地域の皆様におかれては,こうした観点も御理解いただきながら,学校の教育活動に御支援をいただくとともに,日頃から社会のあらゆる場で子どもたちの「生きる力」を育むとの視点に立ち,子どもたちを見守り育ててくださるようお願いします。
文部科学省としては,これまでも新学習指導要領の全面実施に向けて,必要な条件整備や教科書の質・量両面での充実,指導上参考となる資料の作成などを進めてまいりました。今後も引き続き,子どもたちの「生きる力」を育むため,全力で支援してまいります。
各教育委員会,学校はもとより,保護者,地域の皆様の御理解と御協力をお願いします。
平成24年4月6日
文部科学大臣 平野 博文
電話番号:03-5253-4111(内線2369)
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