平成24年4月3日(火曜日)
新しい一年が始まります。
新年度を迎えるに当たって、皆様に御挨拶申し上げます。
この一年、避難所で、仮の教室で、屋外活動を制限された学校で、子どもたちのために少しでもいい教育環境をと尽力してくださった全ての教職員の皆様に、心よりお礼を申し上げます。あわせて教育委員会、保護者の皆様、地域の皆様やボランティアの皆様の御努力にも、心より感謝いたします。
一年前の、津波と地震では、教職員の中に、子どもを守ってお亡くなりになった方々もいらっしゃいました。その後の学校生活でも、様々な不自由の中で、被災地の教職員の皆様は献身的な努力をしてくださいました。担当大臣として、何よりもそのことを誇りに思うと同時に、亡くなられた方々に改めて哀悼の意を表し、皆様の御努力に感謝いたします。
本年3月11日のメッセージにも書きましたが、この一年、被災にあった子どもたちは、その厳しい運命に押しつぶされることなく、一人一人、学校へと戻ってきてくれました。苦境におかれても、困難に屈せず頑張り続ける子どもたちの笑顔や目の輝きに、逆に私たち大人の方が、たくさんの勇気をもらいました。
文部科学省は、今後も、被災地の学習環境を回復させるための最大限の努力をしてまいります。尊い命が奪われた悲しみを忘れず、亡くなられた方々の御魂(みたま)に報いるよう、地域再生のための新しい教育にも積極的に取り組んでまいります。
学業を疎(おろそ)かにしないことはもちろんですが、震災で傷ついた子どもたちの心を、スポーツや文化活動などを通じて少しずつでも和らげていく取組も必要かと思います。文部科学省は、平時以上に柔軟に、地域の実情をくみ取りながら、積極的な支援を行ってまいります。
被災のなかった地域の子どもたちも、多くのことを考え、学んだ一年であったと思います。ボランティア活動などを継続し、命の大切さ、人を思いやる心を育てる教育を更に深めていきましょう。
この一年間に、日本の子どもたちが見せたすばらしい行動力、思いやりの力、強い精神力、そこにこそ日本の未来を託しましょう。
この大震災と原発事故を通じて、日本の教育の在り方も、当然見直すべきところは大きく見直していく必要が出てくると私は考えています。
一例ですが、科学技術がどのように人々の役に立つのか、またその限界や危険性は何かなどを含めた視点から、人間生活と科学技術の在り方を共に考える教育を一層重視していく必要があるかと思います。
防災、防犯や安心・安全に関わる教育は、それぞれの教科等の学習と連動させながら、「いのちを守る教育」として改めて考えていくべきかもしれません。
自然と共生できる新しい日本社会を作っていくためには、どのような教育の形が必要なのかを、皆さんと共に考えていきたいと思います。
どうか、皆さんの知恵を出していただき、新しい日本の教育の形を作っていこうではありませんか。
一方、被災地の教職員の皆さんには、御自身の体と心のケアも忘れないようにお願いいたします。この一年、皆さんは、極度の緊張状態の中で、大変な御苦労をされてきたと思います。どうか、少しでも自分の体と心を休める時間をとっていただき、明日への活力としてください。この点に関しても、文部科学省は、できる限りのサポートをしていきたいと考えています。
子どもたちへの私の気持ちを、メッセージとして文章にしました。小学校低学年段階の児童には、少し難しい部分があるかもしれません。教室で、その部分を補っていただければと存じます
平成24年度も、文部科学省職員一同は、一丸となって、現場の皆さんを支えていきます。
私自身も、できるかぎり、たくさんの機会を設けて被災地や学校現場を直接訪れ、関係する皆様の声をお聞きし、具体的な政策を推し進めてまいります。
全ての子どもたちの未来のために
子どもたちの笑顔のために
是非、多くの方の御協力を頂きますよう、お願い申し上げます。
文部科学大臣 平野 博文
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