平成24年3月29日(木曜日)
教育、その他
平成24年3月29日(木曜日)に行われた、森文部科学副大臣の定例記者会見の映像です。
平成24年3月29日森ゆうこ文部科学副大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
副大臣)
皆様こんにちは。お疲れ様でございます。
それでは、本日は児童虐待の防止に関連いたしました文部科学省の取組について、2点御報告をさせていただきたいと思います。
お手元にもう資料は渡っておりますでしょうか。配付されていない、ちょっと待ってください。
2種類ございます。よろしいですか、お手元に来ましたでしょうか、2種類ございます。「家庭教育支援の推進に関する検討委員会報告書」と、それから「児童虐待に係る速やかな通告の一層の推進について」という通知の2種類ですけれども、よろしいですか。
児童虐待相談対応件数は毎年増加しております。平成22年度は5万6,000件を超えておりまして、本年1月には総務大臣より、児童虐待の発生予防及び早期発見に対して勧告を受けたところでございます。
まず初めに、発生予防に資する取り組みについて御報告をしたいと思います。
児童虐待を引き起こす要因として、社会的な孤立や子育ての不安などが指摘されておりまして、発生予防に資する取組として、家庭教育支援が重要であると考えております。家庭教育は全ての教育の出発点であり、その重要性を鑑み、文部科学省では平成23年5月に家庭教育支援の推進に関する検討委員会を設置し、家庭教育支援に関する検討を行い、このたび報告書を取りまとめました。
報告書では、家庭環境の多様化や地域社会の変化により家庭教育が困難な社会である。もう一度繰り返しますけれども、家庭教育が困難な社会であるとの現状分析を行い、親の育ちを応援することや、支援のネットワークを広げていくことなどの基本的な方向性の下、まず第1に親の育ちを応援する学びの機会の充実、これは今までも家庭教育ということで各地において様々な取組はされているわけですけれども、本当に必要な人たちはその講座にはなかなか出てこないということで、アウトリーチ型、届ける、そういう支援を届けるというような形で展開していただきたいということです。
そして、2番目に親子と地域のつながりを作る取組の推進、そして支援のネットワークを作る体制づくりなどの具体的な方策についての提言がなされました。
文部科学省におきましては、社会的な孤立や子育ての不安などを軽減していくためにも、報告書の趣旨を踏まえ、家庭教育支援のより一層の充実に取り組んで参ります。
次に、児童虐待の早期発見、早期対応の取組について御報告をしたいと思います。
文部科学省として、総務省からいただきました勧告の趣旨を踏まえ、本日副大臣名で「児童虐待に係る速やかな通告の一層の推進について」の通知を発出いたしました。
この通知では、学校で児童虐待を発見した場合に、児童相談所等へ速やかに通告するための五つの留意点として、まず第1に虐待の事実が必ずしも明らかでなくとも、一般の人から見て、主観的に児童虐待があったと思われる場合は通告義務が生じること。
2番目、学校の働きかけにより状況に変化がある場合でも、児童虐待と思われる場合は、学校だけで状況を判断せず、市町村の児童福祉担当部署や児童相談所と連携して、保護者等への対応を図ること。
3番目、保護者との関係悪化を懸念して通告をためらわないこと。
4番目、通告は保護者と児童生徒の双方を支援する意義を有する行為であるということを改めて認識すること。
5番目、児童虐待を疑うきっかけを見逃さず、また校内で組織的に対応するため、児童相談所と連携して研修等を積極的に実施することを提示しております。
これは22年までの調査、これを分析をいたしまして、学校からの通告というものがなかなかうまくいっていない、早期発見・予防ということがうまくいっていない、その原因を現時点において分析し、これらの五つの留意点に気をつけていただきたいということでございます。
文部科学省におきましては、厚生労働省等関係省庁と連携を図りながら、児童虐待の防止の更なる取組に努めて参ります。
また、私の方から、平野大臣に対しても、内閣としてこの問題意識を共有をしていただきまして、積極的にお取り組みをいただくよう閣僚懇等で御発言をお願いしたいと、強くお願いをしたところでございます。
子どもたちが一番いる場所というのは学校ということでございますし、また先ほど御報告をいたしました家庭教育、この支援というのは、各地区の教育委員会、社会教育ということで、実際には現場でやってくださっているわけですので、もちろん厚生労働省は児童相談所等々ということで対応してくださっているわけですけれども、文部科学省としてもこの児童虐待の問題にもっと積極的に取り組んでいくべきであるというふうに考えております。
家庭教育が非常に困難な時代、社会のそういういろんな問題、一番しわ寄せが来るのが小さい子どもさんたちでありまして、私も野党時代から児童相談所、それから児童擁護施設等を訪れまして、現場の皆さんと意見交換をさせていただきました。また、各地域におきまして、虐待の防止のために取り組んでいらっしゃるNPOの皆さんたち、大変積極的な活動をしてくださっておりますけれども、そういう中で現場で聞きますのは、やはりこの子たちには応援団がいないんですと、どんなにいろんな障害や、いろんな困難なことがあっても、まずは親御さんがその子どもたちを守って、慈しんで、育むと。しかし、特に現状におきましては、児童擁護施設等に入所する子どもたちの多くが被虐待児であるという現実がございます。この子どもたちにしっかりと支援の手を差し伸べていく、そしてまたもともと子育てというのは親だけで、あるいは特に母親だけでできるものではないということは、私自身も3人の子どもを育てながら仕事をしてきて痛感をしているところでございます。社会全体で子ども達を育んでいく、そして家庭教育に困難を抱えている親御さんたちにはしっかりとした支援の手を差し伸べていく、そのことによって少しでも虐待の被害に遭う子どもたちを減らしていきたい、そういう思いで、今般こういう形で改めて通知を発出させていただき、また大変専門家の皆様から熱心な御議論をいただきまして、この「家庭教育支援の推進に関する検討委員会報告書『つながりが創る豊かな家庭教育』」、すばらしい報告書をまとめていただきました。この報告書を基に、より一層しっかりとした施策が実施できるようにというふうに思っているところでございます。
私の方からは以上でございます。
記者)
今の児童虐待に関してちょっとお伺いしたいんですけれども。1月にこの結果と勧告が出たということなんですが、文科省としてはこの概要をまとめるに当たって、いつぐらいから検討を進められてきたのでしょうか。
副大臣)
この通知を発出するに当たりましては、その勧告を受けまして、この間約3カ月でございますけれども、このような勧告に至るに至った原因を分析させていただいたということでございます。その上で、大きく五つの、既にこの趣旨の通知は過去にも発出しているわけですけれども、更にそれを徹底していただくということでございます。その五つの留意点の中で申し上げましたように、法改正、過去に児童虐待防止法が議員立法で成立し、そして2回にわたる改正を行ってきたわけです。行ってきたわけですけれども、やはりためらわれていると、通報することについてのためらいがある、やっぱり親御さんとの関係を壊したくない、それから少し働きかけをしたので好転しているんじゃないかということで通告をしなかったということで、その発見が遅れる、対応が遅れる。
私、この分析をしてこの通知を出すときに、児童相談所は通告を受けたときに48時間ルールというのがあって、あるいは地域によっては24時間ルールというのがあって、通告を受けたら必ず目視する、目で見るということです。必ずその子どもさんに会って、どういう状態なのか、児童相談所の職員が必ず確かめるというルールがあるんですね。そのルールがなかなか今マンパワー不足ということで、まずは徹底されていないというようなこともありまして、それの徹底をかつて厚生労働省にお願いしてきたわけですけれども、学校においても、そのような明確なルールが作れないものかというふうに思ったんですけれども、なかなかそこまで行うのは難しい部分がありまして、しかし確実な証拠がなくても、やはり疑いがある場合には通告義務が生じるのだと。法律的にも、仮に結果としてそれが間違いであったとしても、何ら責任を問われることはない。疑いを持ったときに通告する、そのことによって虐待による非常に悲惨な結果というものを防ぐことができると、そういうことについて改めて認識を持っていただきたいということです。
記者)
明日なんですけれども、増税に関する法案が閣議決定される予定と聞いておりまして、副大臣、改めてになりますが、増税に関する御所見をいただけますでしょうか。
副大臣)
本日、その件については、私の方からのコメントはございません。
記者)
ちょっとこれ、また一部報道なんですけれども、政務三役の中には辞任を検討するという報道もありますけれども、副大臣、お考えはいかがでしょうか。
副大臣)
本日の時点で、その点についてのコメントはございません。
記者)
虐待の関係ですけれども、これは今までの通知とどこが変わって、どこが新しくなっているのでしょうか。
副大臣)
五つの留意点について改めて周知徹底、留意事項ということをその分析の結果お示ししたというところではないかというふうに思いますけれども、補足説明ございますか。
文科省)
関係悪化をためらうといったところで、学校が教育的見地からの働きかけをしていたら、好転しているように見える部分についても、やはり児童虐待の疑いがあるときは連携してほしいというふうに言っていること。それから、当たり前なので余り言ってきませんでしたが、通告後は基本区市の方にバトンタッチよということではなくて、きちんと教育的見地からも働きかけを進めてくださいということを規定している辺りが、留意点としてはあえて言っていると。
記者)
副大臣、先ほどのこの虐待の留意事項の続きで、ルールを作れないかと思ったけれども、やっぱりそれは難しいとおっしゃいました。こういう留意事項に、今までと同じような趣旨のものを出していて、そういうふうに繰り返されていると。そうなるとやっぱりルールづくりが必要ではないかと思うのですが、どういう点で難しかったのでしょうか。
副大臣)
例えば不登校といったときに、何日間登校してなかったらそれは不登校とみなすのか、あるいはひょっとしたら虐待の疑いがあるとみなすのかというところ、その始まりの時期を特定するのが難しかったりですとか、例えばということなんですけれども、そういうところで、必ずしも児童相談所の場合は虐待の疑いがあるというふうに通告されてからの時間設定なんですが、なかなか学校の場合は先生方が、いろいろこういうのがサインですよというようなものも配られているわけですけれども、何かおかしいなと思い始めたのがいつなのかとか、そういうのを特定するのが難しいということです。
これは総務省の政策評価の勧告でございますけれども、私自身も今年になりましてから、例えば昨年のうちに大学改革タスクフォースでありますとか、地方教育行政改革のためのタスクフォースでありますとか、結構大きなテーマについてはそれなりに議論の場を設け、そして道筋といいますか、いろんなことでやってきたわけですけれども、改めて今年、年明けから、特に今子どもさんたちの環境というのは二極分化している。子どもの貧困というテーマもあります。就学支援を受けているお子さんたちの割合がやはり増えている。自治体によっては25%の子どもたちが就学支援を受けているというような状況もございます。そういう中で非常に様々な困難を抱えている子どもさんたちのいろんな問題について、何とか、教育の質の向上という、それ以前の基本的な生活の環境が整えられていないのではないかと心配されるお子さんたちについて、もちろん厚生労働省的なアプローチというのも重要ですけれども、子どもたちが一番いる場所である学校において、何らかのそういう対策がある程度まとめて、しっかりとした形で対応できないものかどうかということで、いろんな勉強会といいますか、省内で、専門家もお呼びしたりして、性教育なども含めて、いろいろ勉強会を重ねて参りまして、その中で家庭教育支援に関する検討会が、大変今日の現状についての的確な分析を行い、また大変いい提言をまとめてくださったので、これを核にして、いろんな施策を講じていくべきではないかというふうに思いました。
是非報道してください。よろしくお願いします。
(了)
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