平成24年1月17日(火曜日)
教育、科学技術・学術
平成24年1月17日(火曜日)に行われた、平野博文文部科学大臣の定例記者会見の映像です。
平成24年1月17日平野博文文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
私の方から、第1点、まず御報告を申し上げます。
1月14、15日の土・日に実施されました大学の入試センターの試験に関してのことでございます。今回の大学入試センターの試験におきまして、第1日目に地理・歴史及び公民における開始時間の遅れや試験問題の配布ミス、また一つは、気仙沼高校の試験会場におきまして、英語のリスニング機器の搬送の漏れにより開始時間が2時間遅れた、こういう事案が起こりました。この件について、多くの受験生に御迷惑をかけたことについては極めて遺憾でございます。
この大学入試センターの試験というのは、50万人以上の将来の希望を持った受験生が大学を目指して頑張る試験でございますから、受験生をはじめ社会的影響というのは大きいものでございます。この大きさに鑑みまして、昨日、私、入試センターの理事長に文科省にお越しいただきまして、まずはこの実態の状況の報告を受けるとともに、受験生が不利益を被らないように、受験生の立場に立って適切に対応していただきたい、このことを直接、私、理事長に強く要請いたしたところでございます。その上におきまして、今回、このようなことが二度と起こらないように、なぜこういう事案が起こったのか、徹底した原因究明と再発防止を進めるように要請をいたしたところでございます。
私の立場から申し上げましても、本当は受験生のためにより弾力的な運用ができないかということでやったわけでありますが、そのための事前準備の徹底と、こういう事案が起こったことは、私の立場におきましても、大変申し訳なく思っております。改めて、受験生の皆さん、国民の皆さんにおわびを申し上げるところでございます。
私の方から、とりあえず第1点でございます。
記者)
今お話しいただきましたセンター試験のトラブルについてなのですけれども、58会場の4,565人に影響が出るという過去最悪という規模のトラブルとなりました。このトラブルについて、文科省としての対応状況は今お聞きしたのですが、その認識と、大臣がそもそも入試システムそのものを含め、どこを改善するべきだというふうに考えていらっしゃるかということが1点目です。
2点目は、東京都の君が代訴訟で、最高裁が「減給以上の重い処分は慎重な判断が必要だ」との判断を示しました。大阪でも君が代問題に関しては、条例案制定の動きもあるのですけれども、そもそもこのルールについて大臣はどのように考え、判決をどのように受け止めていらっしゃるか。
3点目、SPEEDIの予測データを事故直後に米軍に提供したということが事故調査委員会で昨日、明らかになりました。この事実関係と、その理由、あと大臣の見解を教えてください。よろしくお願いします。
大臣)
まず、第1点目の今回の入試に関しての事案でございますが、今御指摘の58会場という話もございました。したがいまして、これは本当に58会場のみなのかというところも含めて、今、徹底調査を指示をいたしているところでございます。
したがいまして、先ほど冒頭申し上げましたように、文科省としては、これは大変大きな問題である、こういうふうに認識いたしております。したがいまして、徹底原因究明を含めて再発防止という観点から、しっかりと文科省としても対応を指示したい、こういうふうに考えているところでございます。
2点目は君が代のお話でございましたか。これは、過日の最高裁の判決ということでございますが、この判決は非常に重いというふうに思っておりまして、尊重すべきことであると、こういう認識でございます。
したがいまして、これは生徒に対する指導要領の問題と職務命令、こういう中での対応でございましたけれども、最高裁の判断、このことは重く受け止めなければいけませんし、その上に立って適切にやはり処理をしていただきたい、こういうふうに考えているところでございます。
3点目のSPEEDIの件でございますが、文科省としての対応、あるいは原災の対策本部としての対応等々ありますが、文科省としては関係機関に、SPEEDIのデータについては情報提供をしておったと、こういうことでございましたので、住民より先に米軍に提供したということは報道されておりますが、文科省の省としての役割と、対策本部としての役割と、各関係省に出しているデータとの時間軸の違いはあったとしても、文科省としては要求されるデータについては提供しておったということであります。
しかし、国民の皆さんに提供していなかった、このことについて文科省の役割としての自覚、責任においてはどうなのかと、こういう御指摘に対しては、真摯に私は受け止めておかなければならない、こういうふうに考えております。
記者)
君が代について、1点確認なのですけれども、これは99年の国旗・国歌法の成立のときに、当時の小渕首相は国会答弁の中で、個々人に強制するものではないというふうに答弁していたと記憶しているのですけれども、そもそもこのルールについて、大臣はどのような見解をお持ちでしょうか。
大臣)
これは、国会で決められたことでありますから、私もそのときは本会議場で、これは賛否が非常に割れた法案でございましたが、私は賛成の立場で対応いたしましたけれども、個人の問題とそれぞれの職務命令、それぞれの公共団体における対応等々は、それぞれの立場で適切にそういう考え方の下にやっていただくと、こういうことが一番好ましいことだと私は思っております。
記者)
SPEEDIの情報公開の問題についてお尋ねしたいと思います。米軍からの要請があって情報をお伝えしたのか。それとも、文科省の方から進んで、外務省を通じて情報提供を行ったのか。あるいは、外務省からの要請なのか。この米軍に情報を提供するという意思決定について、だれが、どのような形で関与したのかということ、そして、いつ、どれだけの情報を送ったかということ、これは大臣になられたばかりなので、まだ把握されていないかもしれませんけれども、現時点で分かること、また今後、明らかにしていただきたいと思うのですが、お話し願えないでしょうか。
大臣)
当初、このSPEEDIのデータについては、外務省には配信をしておりませんでした。しかし、外務省の方から、米軍が「トモダチ作戦」を含めて支援していただけるという状況の中で、活動を展開する中での放射性物質の拡散が把握できるデータを提供してほしい、こういう依頼がございました。そのことに対して、14日に外務省への単位線量当たりの放出計算の結果を提供してきたというのが事実でございます。
記者)
それは、内容はどのようなものだったのでしょうか。
大臣)
内容のところについては、私、細かくまだ把握しておりませんが、もし必要であれば次の会見でも、「こういうことで提供してきました」ということは次の会見ででもお答えしたいと思います。
記者)
次の会見で、では、それは答えてもらうということで。
大臣)
はい。結構でございます。
文部科学省)
内容というのは、今のような、大臣がおっしゃったとおりの発言ですか。
記者)
いや、例えば官邸に送られたデータ、SPEEDIの中のどの部分が送られて、あるいは送られていなかったかということも、今、問題になっている訳ですよね。事故直後、官邸にも十分に伝わらなかったSPEEDIのデータが、一体、米軍に対してはどの内容が伝わったのかということを知りたいと思います。
文部科学省)
分かりました。
大臣)
意味は分かりました。
記者)
よろしくお願いしたいと思います。
あと、続けてSPEEDIの件です。先ほど、住民に対して知らせなかったことは遺憾であるというような、遺憾という言葉はお使いになっていませんけれども、米軍というのはやはり他国の軍隊のはずです。関係省庁ということで、国内の関係機関に非常に速やかにSPEEDIの情報を知らせるというのは、合点がそれなりにいくのですが、なぜ他国の軍隊にこれだけ速やかに重要な情報が伝わっていて、肝心要の主権者たる国民に伝わらないのか。大変これは大きな問題ではないのかと思います。大臣として、一体、主権者はだれなのかというようなことに関して、御見解をお述べいただきたいと思います。
大臣)
主権者は、もちろん国民でございます。しかし、こういう被害が残念ながら結果として発災をしたということに対して、これは我が国の政府としての対応が一番大事であります。その政府の中に、原発に対する対策本部というものができ上がったわけですが、一義的にはそこが適切にやはり対応していくと、こういうことであります。その対応していくための判断をするための情報提供というのは、例えば文科省の立場でいいますと、SPEEDIという予測システムがあるわけですから、それを適切に報告をすると、こういう役割だと思っております。文科省が文科省の判断で国民に知らせていくということよりも、政府としての役割が第一義だと、こういうふうに思っております。
しかし、文科省としても、そういうSPEEDIというシステムがあるわけですから、それはもっと積極的に、「これは出さなきゃいけない」ということを政府の中で申し上げてきたかどうか、この辺については私も承知いたしておりませんが、そういうところで、今、御指摘があるようなことが指摘されるとするならば、私どもとしても、そこは真摯に受け止めておかなければならない、こういうふうに思っております。
記者)
官邸に関する情報提供についても、もろもろ情報が飛び交っていていまだによく分からない点があります。米軍に対する情報提供が、いつ、どのようなものであったのかということと、官邸にいつ、どのような情報が、どれだけ届くように文科省としては伝達されたのかということも併せ、検証して、整理してお伝え願えないでしょうか。
大臣)
少なくとも、提供の時期につきましては、3月11日に関係の機関には文科省としては出していると。
記者)
全てではないですよね。
大臣)
全てという言い方は、これは非常に技術的な、テクニカルな問題もありますから、その点については、少し私は検証いたします。それも含めて。
記者)
それも含めて、次回ということですね。
大臣)
次回。了解いたしました。
データを掌握すればいいだけですから、今、私の手元にないからお伝えできない、こういうことです。
記者)
了解しました。次回、よろしくお願いいたします。
記者)
センター試験についてなのですけれども、今回トラブルがあった地歴と公民の配布に絡むところで、2科目受験を同じようにやっている理科については、トラブルがほとんどなかったと思います。そうすると、分冊にしている、2冊問題冊子があるというところが一つの大きな原因ではないかと思うのですが、これを一緒にするとか、無条件に2冊配るとか、そういった具体的な改善方法についてどのようにお考えでしょうか。
大臣)
ですから、御指摘のところもあるかもしれません。ただ2冊一緒に配ったらよいとか云々ということも、一つのアイデアとしてはあるかもしれません。しかし、まず今大事なことは、どういうことで起こったのかと。やはりきちんと事前の徹底が足りなかったのか、この点も含めて検証しておかなければいけないと思います。その上で、今後どうするかということを対策したい、こういうふうに思っております。一つのアイデアとして受け止めておきたいと思います。
記者)
君が代訴訟の最高裁判決に関連して二つお尋ねしたいのですけれども、先ほども質問がありましたが、思想・信条の問題もあるので、起立や斉唱というのを強制することは望ましくないという認識というのは、文科省とか政府でまだ維持されているということでよろしいのかということと、あともう1点が、この3月にはまた卒業シーズン、入学シーズンを迎えるのですけれども、それに当たって何か文科省として、この最高裁判決を踏まえた通知なり指導というのをしていくおつもりがあるのかどうかお考えを。
大臣)
基本のところは、そういう法律でございますから、その法律の理念にのっとって対処すべきだと私は思っております。
しかし、入学式とか卒業式における国歌斉唱の実施の方法というのは、私は社会通念にのっとって、学校を所管している教育委員会、学校長の適切な判断で私は対処していくことだと思いますし、教職員が例えば校長からそういう職務命令を受けた、こういうことであるならば、私は当然、それに従ってくるものだと、こういう判断でございます。
記者)
職務命令は、それはそれであるのでしょうけれども、強制まではどうなのかと。強制するのは望ましくないというか。
大臣)
いやいや、だから、職務命令ですから、ある意味では強制ですよ。
記者)
それはそうなのでしょうけれども。
大臣)
ええ、それは当然だと思います。
記者)
では、かつて首相が、強制ということまではいかがかというような認識を示されたのですが、法律は法律としてあるにしても、そういう認識は維持されているのかという。
大臣)
それは、維持されているという認識でよいのではないでしょうか。その前提は、社会通念とか、そういう考え方の下に当該の教育委員会が判断したことに対して、それに対する職務命令を出したときには、従っていくというのが当然だということであります。
記者)
春の卒入学シーズンに向けての対応というのはいかがですか。
大臣)
今、私が申し上げたとおりであります。判断は、当該の教育委員会。
記者)
では、特段、文科省として通知とか指導するつもりはないし、これまでもやってこなかったと。
大臣)
ええ。それはもう、本来は現場でありますから、現場の社会的通念に従って適切に判断していただけると。通念に従わないということになれば、またこれは別の状況が出てくると思いますが、今までと同じ考え方の下に、適切にやっていただけると信じております。
記者)
先ほどの入試センターの話なのですが、今回のミスについては、今、調査を文科省としても指示したということですが、そもそも入試センターで何でこんなにミスが起きるのかということについて、入試センターそのものが、いろいろ仕分けの対象になったりとか、行革を進めたり、事業の一部をかなり縮減してやっているようなのですけれども、そういう中で、今回、本来なら情報伝達とか、もっとこれだけの変革であれば徹底してやるべきだったと思うのですが、そこができなかったということについて、そういうこれまで数年来の大学入試センターの見直しということが、ある程度影響しているのではないかということも個人的には思ったりもするのですけれども、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。
大臣)
まだ昨日、今日の話でありますし、私はやはり根本的なところと、今、現実に起こったロジにおける問題なのか、根本的な問題なのかということについては、先ほど申し上げましたように検証しなければいけないと思っております。その上で、私は、一番大事なことは、やはり受験生に不公平感が起こったり、受験生に公正な試験をでき得る仕組をつくることでありますし、それを担当する職員の皆さんの自覚も含めて、それは緊張感を持って、やはりそれだけの受験生が受けてくれる訳ですから、そういう緊張感も足りないのではないかと、こういう気がいたしますが、しかし、私がそんなことを言ったって、何が原因として起こっているのかということはやはり検証した上で、反省も含めて判断したいというふうに思います。
記者)
第一義は、今、おっしゃったことだと思うのですけれども、センターそのものの組織の在り方みたいなところを、今回の具体的な検証をした上でですけれども、そこも手をつけられるようなお考えは。
大臣)
中身によりますけれどもね。
記者)
中身によると。
大臣)
はい。あくまでも、それはどういう原因で起こったか、あるいはこういうことを防止していくためには、こういう仕組ではだめなのだということもあれば、そういうふうにして、そのことの検討もしなければいけない。また、センターに指示しなければいけない、お願いしなければいけない、こう思います。
記者)
今回、ちょっと取材していて、入試センターは、大学との共同実施でこの入試センター試験というのは行うと言ったり、各大学に取材すると、本当に発注を受けた受け手側という認識しかなかったりとか、何かそのあたりの責任の所在というのが極めて不明確なように感じたので。
大臣)
ですから、そういう意味でこの重要性、当事者がどれだけの緊張感を持ってやっていただいているか、こういうことにもつながってくると思いますから、そこは今後の対応として、結果が出てから私はやりたいと。
いずれにしても、そういう受験生に御迷惑をかけたことは、私は本当に申し訳ないと、こう思います。
記者)
大学生の就職内定状況調査の結果が発表されましたけれども、前年同期比では改善していますが、過去2番目に低い水準であると。このことに対する受けとめと、政府として今後どういう対応をとられていくか、お願いします。
大臣)
就職の内定、私も確かに、数字的なところについては少し改善はされてきているというふうに数字では見えますが、やはり内実を含めて依然厳しい、こういう認識に実は立っております。
したがいまして、こういうことを含めて、私はもっと大学側と、ある意味ではハローワークを含めた部分を併せて、しっかりと支援体制を築いていくことだと、こういうふうに思っておりますし、もっと逆に言いますと、これからそういうところが非常に大事なのですが、企業側と大学側と、もっと綿密に対応していくようなことが大事ではなかろうか、こういうふうに私は思っておりまして、今現実も、大学側と各企業側はやっておりますが、また我々文科省としても、経産省並びに厚労省、関係省庁と合わせて、この問題については、次の担い手ですから非常に大事なことだと思っていますので、前向きに、アクティブに、やはりそのことについては対応していきたい、そういうふうに思っております。
(了)
Copyright (C) Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology