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髙木義明文部科学大臣記者会見録(平成23年8月30日)

平成23年8月30日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化、その他

髙木義明文部科学大臣記者会見映像版

平成23年8月30日(火曜日)に行われた、髙木義明文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

平成23年8月30日髙木義明文部科学大臣記者会見 1/3(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

平成23年8月30日髙木義明文部科学大臣記者会見 2/3(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

平成23年8月30日髙木義明文部科学大臣記者会見 3/3(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

髙木義明文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 どうも、おはようございます。
 本日、先ほど閣議が開かれまして、菅内閣、総辞職をいたしました。私、文部科学大臣も、辞表にサインをしてまいりました。
 今日は、そういう意味でお別れ会見と申しましょうか、1年弱という、ある意味では短くて長いような期間でありましたけれども、特に報道関係の皆さん方には、何かとお力添え・御協力いただきましたこと、この場を借りまして改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
 まず、東日本大震災で亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、そして今なお被災者の皆さん方におかれては、不自由で、そして困難な暮らしをされておること、皆様方に改めてお見舞いを申し上げます。
 その上で、私、昨年9月17日に菅改造内閣の一員となりました。その間、今日まで、私にとりましては一つ一つが難しい、重い重い課題でございました。しかし、政務三役、そしてまた文部科学省の官僚の皆さん方、職員の皆さん方、持ち前の力をお借りをして、何とか今日まで仕事をすることができましたことを、心から感謝申し上げたいと思います。
 ただ、まだ災害現場で仕事をし、そして原発の収束のために、また地域社会への不安解消のために、モニタリングをはじめ、今なお職務をしておられる方々、これからもひとつ頑張っていただきたいと思いますし、また、原子力災害・損害によって、多くの方々が苦しい立場にございます。そういう意味で、私どもとしましては、損害賠償紛争審査会を設置いたしまして、また関連した法案も成立をし、これからが、いわゆる被災者のための補償問題がある意味では円満に解決するように、全力で私たちも政府としてしっかり責任を果たしていかなきゃならぬと思っております。そういった方々にも、敬意を表したいと思っております。
 特に、何といいましても、私はこの3月11日の震災対応、これが大きな課題でございました。未曾有(みぞう)の災害でございまして、これまでもいろいろな災害はございましたが、それを参考にしながら、何といいましても被災をされた方々、特に子どもたちの心のケア、そして学びの遅れ、これを回復していかなきゃなりませんので、学校現場の環境整備はもとより、教職員の加配等も含めて、あるいは全国から多くの教職員関係者の応援をいただいて対応してまいりました。
 また、8月4日には、福島県の子どもたち、リフレッシュ・キャンプに私も参加いたしまして、むしろ子どもたちが元気にみんなと活動している姿を見て、逆に力を与えていただいたような気がいたしました。なお一生懸命、私たちはこの子らのために、除染や、あるいは健康管理のための対策を引き続きしなきゃならぬと、このように思ってまいりました。放射線の線量の低減に向けて、学校の表土の改善とか、あるいは、これからは正に政府を挙げて、学校以外の通学路、あるいは地域社会の除染に対して強い行動を起こさなきゃならぬと、このように思っております。
 また、私の大きな仕事は、何といいましても昨年の秋の22年度の第1次補正予算、これは円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策でございました。こういう厳しい状況の中においても、海洋資源の無人探査機の開発、あるいは次世代スパコン、あるいは宇宙システム、こういった研究開発の推進、学校施設の耐震化等、あるいはまた大学の研究施設の整備、こういったものの必要な予算でございましたので、これの確保に努めました。
 また、何といいましても平成23年度予算、これは政権交代後、私どもとして本格的に概算要求から編成した予算でございました。この予算においては、御承知のとおり、今さらと言われることもありますけれども、やはり教職員が子どもたち一人一人に向き合う時間を確保していくための少人数学級、35人以下学級の実現をいたしました。また、大学等運営費交付金の拡充につきましても、その措置をしてまいりました。
 また、科学研究費、これは、我が国は科学技術立国でありますので、特にノーベル化学賞の受賞者、鈴木先生、根岸先生、昨年暮れにストックホルムで授賞式がありました。こういったことを見ても、やはりこの研究開発というのは一朝一夕にはならない。やはり、若い研究者も地道な努力、長い間の積み重ねが必要であって、そして結局そういうものが花開く、こういうことを実感されられました。日本の誇りを感じました。そういう意味で、科学研究開発費の措置、そしてそれが使い勝手のよい制度に改善した、このことは良かったと思っております。何しろ、我々は資源の少ない国でありますから、国際社会においてもしっかり物は言い、そして信頼される国際人となるための人材育成、人への投資、これがますます重要になってくる、こういうふうに思っておりますし、国民の皆さん方からも大きな理解を私は得られておると思っております。
 また、災害が起こりまして、第1次補正、第2次補正、これについても学校の就学支援、あるいは放射線量の低減対策、あるいは環境モニタリング、こういったことに必要な予算の措置をさせていただきました。また、原子力賠償機構法案が成立いたしまして、私もこの組織の一員として、これから正に具体的な被害者救済を一つ一つこなしていかなきゃならぬと思っております。
 そのほか、高校の無償化についても、これは鳩山内閣が恒久法として制定をしたところであります。一部に、無駄遣いという指摘もありますが、私は決してそうではないと、このように思っております。そういった意味で、私に前任の大臣からバトンタッチを受けまして、この定着をすることが私の一つの大きな仕事でございました。定着をしたと思っておりますし、いわゆる外国人に対してもこれを適用する、こういう意味で懸案となっておりました朝鮮高校については、昨年11月5日に一つの基準を決めまして、これに基づいた申請を受けて、審査を開始いたしておりましたが、11月23日の砲撃事件によって、総理がいったん停止という判断を下されましたので、今日までかかりました。昨日、総理の指示を受けまして再開をしたところであります。
 また、公立学校の耐震化の促進ということについて、これも国民の皆さん方の御理解をいただきまして、あるいは各党の協力をいただいて、私は大きく前進しておると思っています。特に、今回の災害を通じましても、学校施設が地域の防災の拠点になった、避難所になった。そういうことからも、学校施設は教育活動のみならず、地域のいわゆるコミュニティの拠点としてこれからも重要になってくる、こういうことを私たちは進めていきたいと思います。
 そのほか、いろいろ申し上げたいことはございます。スーパーコンピュータが、いろいろな意見の中でありましたが、世界一の評価をいただくとか、あるいは「はやぶさ」が帰還するという快挙、それから「こうのとり」2号機が成功しましたし、今なお国際宇宙ステーションの中で日本の役割を果たしておる、このことも一つの実績でありました。
 ただでさえ大変な時期に、大震災という本当に未曾有(みぞう)の災害がございまして、本当に社会としては困難な状況であります。「頑張ろう日本」という合い言葉で、今、全国民が力を合わせて、その復旧・復興、そして日本の再生に取り組んでおりますけれども、そういう中にあって、やはり何といいましてもスポーツや文化の役割というのは、本当にすごいものと感じました。一つは、男子のサッカーのアジアでの優勝、そして、「なでしこジャパン」のワールドカップの優勝、これは最後まであきらめない、そして、チームとして総力を結集して優勝の栄冠を勝ち取る、こういうことは国民に大きな感動を与えたと思っております。また、文化にいたしましても、例えば平泉が世界遺産に登録されました。これは、東北地方の人のみならず、我が国の文化遺産が世界的にも認められたということで、非常にこれもまた大きな励みになりました。
 これからも、教育、科学はもちろんでありますが、文化、スポーツ、この振興にとって、我々としてはしっかり取組を進めてまいりたいと、私はこういう新たな決意を持っておりますし、同時に、次の文部科学省のトップに立たれる方について、そういうものについて是非御期待を申し上げたいと思っております。
 多くを語りまして、時間を浪費させたかも分かりませんけれども、私の思いを述べさせていただきまして、何といいましても、我が国は資源の少ない国であります。これから国際的にも大きく信頼を受け、活躍できる日本となるためには、やはり人材の育成が重要な課題である。そういう意味でこれからも、私は立場を離れても、これまで貴重な体験をさせていただきましたから、その一つ一つの大いなる花を咲かせる、そういう意味で私も微力を尽くして、日本の子どもたち、そして科学のために頑張っていきたいと思っております。
 本当に、これまで皆さん方には何かと、また言葉足らずや、あるいはまた説明不足、あるいは話し下手でお聞き苦しい点もあったかと思っておりますけれども、この1年間、本当にいろいろな御指導もいただいたし、またお力添えもいただきまして、改めて重ねて感謝を申し上げまして、私の退任に当たります所感を申し上げた次第でございます。本当にありがとうございました。

記者)
 大臣どうもありがとうございました。今、非常にたくさんの中身の濃いことをおっしゃっていただいたのですけれども、約1年の間に、中でも最も印象に残ったこと、それから、これはやり残したという課題があればお聞かせください。

大臣)
 最も印象に残ったと言われると難しいのですけれども、やはり未曾有(みぞう)の東日本大震災、これは正に世界的にも、日本がこれからどうなるのだろうか、どう立ち上がるのだろうか、そういう関心・注目が持たれたことでした。風評被害というものもありまして、外国人の留学生も帰国をしたり、観光客や、あるいはイベントも一時は中止などもありました。
 しかし、やはり私たちは子どもたちも含めて、この難局に立ち向かう。特に、親を亡くされた子どもたち、本当に私もつらい思いをいたしておりますし、家族を失い、そして家を流された皆さん方、そしてまた、今なお原子力発電所の放射性物質によって不安を抱く方々のことを思うと、私は本当に一日たりともこのことが頭から離れたことはございません。だから、私たちは、これがむしろ教育の現場においても、困難や悲しみを乗り越えて、前を向いて立派な人間になろうという、ある意味では教育の原点を皆さんとともに分かち合っていかなきゃならないし、そういうことではなかったかなと思っております。
 もちろん、この大震災の中にも、正に文部科学行政のすべてが凝縮されております。その復興とともに、日本の教育をこれからもやっていかなきゃならぬと。そういう意味では、一番と言われると、何としても例の大震災でありました。
 それから、やり残したことは、多々あると思います。教職員の質の向上のための初任者研修制度のあり方とか、あるいはまた医学部の増員とか、あるいは法科大学院の充実とか、やはり我が国が世界でトップ水準を目指すための大学教育のあり方、そして何といいましても、学校を出ても就職できないという今の我が国の厳しい経済情勢の中で、いかにして若い人が仕事に就くかという意味では、いわゆる卒業3年も新卒扱いにするとか、あるいはまた、留学にしても心配ないように、入社試験が受けられるという環境とか、そういうことについても私なりに関係省庁と取り組みました。そういった方々が、いつも夢を持っていくようなこと、これはまだまだ解決しておりませんで、心は残っております。
 いずれにしましても、基本としては、意欲ある子どもたち、あるいは学生が、経済的な理由でその就学が困難になったりするということだけは、これはやはり社会の力で何とか支えて、そして勉学に努められるようなそういう環境をつくること、これは何よりも大事でありますし、もっともっと予算の確保をしなきゃならぬなと思っております。こういう課題は、なお残っておると思います。

記者)
 大臣ではなく、政治家・髙木義明議員に伺います。本日の本会議で、野田新首相が選任される予定ですが、今回こういった代表選のいろいろないきさつがあった中で、挙党一致を訴えていらっしゃいますけれども、今回の代表選のしこりというものは、今後の政権運営に何かしらの影響を与えるというふうにお考えかどうか。
 もう一点、先般の代表選のときに、大臣は小沢さんを支持された経緯があったやに記憶しておるのですが、今回、大臣はその流れというか、海江田さんに投票されたかどうかを伺います。

大臣)
 後の方から申し上げますと、今回については、私の頭の中にとどめておきたいと思っております。前回は、おっしゃるとおりでございました。
 この代表選挙をめぐって、党として、そして今、政権与党ですから、政府・与党一体となって事に当たらなければならない重要なときに、内部でごたごたなどというのは許されません。国民から見る目は、民主党はもう崖っぷちだと私は思っています。ある意味ではラストチャンス、2年前の政権交代への期待、これをつなぐラストチャンス。もちろん、マニフェスト・政権公約を訴えて、できたもの、できないものはあります。それはそれとして、まだあと2年あるわけですから、それはしっかりその理念・目標を大事にしながら努力をしていくということが何よりと思っております。
 そういう中で、「あの人はあの人に入れた」、こういうものが正に報道の中で明らかになりますけれども、このことは、政治家ですから自分がしたことは自己責任で、それは国会においては記名投票というシステムがありますから、これはこれで当然でございます。しかし、民主党の代表選挙は記名投票ではありませんので、そこはやはり「あの人はあの人の支援者」とか「あの人のグループだ」とか、そういう先入観がお互いに党内で歩き出しますと、これはもう大変なことになろうと。私は、そういうことが、この崖っぷちの民主党の今の現実ではないかと思っております。
 したがって、自らが国民から期待されておる政策を法律として国会に出し、そして、それに予算を伴って、そして国会で通して、そして国民の期待に応えるというこの基本的な私たちとしてのパターン、これに対して、やはり党と政府が一体となって取り組む姿、これこそ正に信頼される政治として国民が、私は理解してくれるのだろうと思っております。
 そういう意味で、今回の代表選もそのようになってほしいし、ならなきゃならぬと私は思っております。したがいまして、野田さんは「ノーサイド」という言葉を使われました。私たちは、そういう意味で、みんなそれぞれ人材、すばらしい能力を持った方々だと思います。いわゆる国会の当選回数だけではなくて、1年生でも、それはそれですばらしい専門性や知識を持っておるし、経験を持っている人もおりますから、だから、正に適材適所で、そしてやはり表舞台で働く人もおれば、縁の下・舞台裏で働く人もおる。正に、「なでしこジャパン」ではないですけれども、いわゆるスタートメンバーのピッチに立った人も大事。あるいは、ベンチで選手交代に備え、そして声援をする人も大事。それぞれの持ち場・立場をお互いに尊重し合えれば、必ず難局は乗り越えられる、勝てる、こういうことを私たちは想起しなきゃならぬと思っております。

記者)
 それに関してうかがいますが、非常に政治家としての威勢や熱が伝わってくるというのが分かりますし、敬服したのですけれども、今回の代表選で一つのテーマである、野田さんが野党に対して協調路線を呼びかけていらっしゃいますけれども、この演説を含めた野党との協調といったものが、今後どのように進んでいった方がよいとお考えかということと、あと、もう一つ、一方で小沢さんなどは、やはりマニフェストは国民に対する契約であるということで、マニフェスト路線への回帰といったものも強調されていたのですけれども、文科省も高校無償化等、マニフェストの政策が幾つかありましたけれども、このマニフェストとの整合性といったものについて、大臣は現在どのように考えていらっしゃるか。

大臣)
 私も、2009年の衆議院・総選挙で、マニフェストを掲げて選挙をいたしました。そして、それで信任を得て当選をしました。したがいまして、そのマニフェストの掲げたものというのは、私たちとしては4年間でしっかり実現に向けて努力をするという責任はあります。
 したがって、私はそういう意味で、例えば今、高校無償化が出ましたけれども、私もこういう立場になりましたから、これのしっかりとした定着を図ること、これを今、進めております。また、少人数学級もそうですけれども、私たちとしては、マニフェストをやはり掲げて戦った以上、それは大事にしなければならない。
 しかし、例えば3.11のあの大震災というのは、マニフェストで全く計り知れなかったことです。この事実・現実について、我々はやはり避けて通るわけにはいきませんから、ただでさえ、我が国の財政状況は厳しく、借金大国になったことは、皆さん承知です。その中で、自然増のある社会保障費をどう確保していくか、歳出をどう抑えていくか、そういう状況に加えて大震災という、大変もう計り知れない、これまた財源がどうしても要ります。どこから調達するかは別にしても、そういう財源の裏付けがなかったら復旧・復興はできません。
 そういう意味で、我々は国の経営に携わる一員として、できること、できないこと、今しなきゃならないこと、今ある意味では後回しにすること、これは個々の政治において起こり得ることですから、これについてはしっかり、なぜこれが停滞しておるのか、あるいはまだ手がつけられない、そういうことについては説明するという努力、これは当然しなければいかぬ。
 同時に、私たちが掲げたマニフェストは、これは私たちとしては自らの信任のときには大事にし、そして守るという、私はそういう気持ちを持っております。
 しかし、やはり国会というものは、先ほど申し上げましたように、国会の審議を経て法律案、あるいは予算案を通していく。特に、法律についてはそういうことです。
 ただやはり、ねじれ国会という昨年の参議院選挙の結果を踏まえると、自分たちが思ったことがもう100パーセント通らない、そういう状況にあります。もちろん、野党の理解を得られるものはそうではございませんが、やはり政策論争になるような課題、これはとてもではないけれども、野党の協力を得なきゃ通らない。政治主導の法案がそうです。正に我々が進めていくマニフェストの実現のための、ある意味では一丁目一番地と言われる政治主導法案が通っていないのですから、なかなか何をか言わんのことです。
 そういう現実というのは、国民が見ても分かることです。我々としては、自らの正当性や正しさ、あるいは政策の必要性についてしっかり訴えながら、野党に示していく、そして協力をいただくと、こういう努力はこれからもしなきゃいけませんし、野党が御理解いただけるのであれば、それはそれで通るわけですから、その辺の姿勢が、今、大事ではないかと思ってます。したがって、野党とも、事前も含めてしっかりいろいろな物のやりとりをしていくこと、話し合いをしていくことというのは大事にしていかなきゃならぬ、このように思っております。

記者)
 原発の関連なのですけれども、昨日、検討会がありまして、土壌、あと農水省の方では農地の汚染というものを作成されました。今日、文科省のホームページの方でも掲載されると思うのですけれども、改めて土壌のこのような汚染濃度の係数が出たことで、これが住民の皆さんの帰宅に与える影響というものについて、大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 これは、政府として環境モニタリング、これをきめ細かくやっていこうという中で、そういうものが分かりました。したがって、私たちとしては、そういう地点については特別な対策を講じなきゃならぬと思います。それはそれで、そのものを最終的にはどういう処理をしていくのかという課題は残りますけれども、まずは、そういう地点については早急に除染の作業に取り組むと。それから、当然ながら、住民あるいは国民の皆さん方にしっかりとしたモニタリング結果を正確に迅速に示すということが、不安解消には役立つと思っております。環境省を中心として、こういった放射性廃棄物についての処理は、今、鋭意検討をしておりますし、これはもう私たち、全省庁を挙げてやらなきゃならぬと思っておりますので、それはそれとしてまずして、文部科学省としては、モニタリングの徹底と同時に、これは日本原子力開発機構などを中心として、放射性物質の除染の技術を、私はやはり日本の学術研究の総力を結集して、これは福島のためにもそうですが、日本のためにもそうですけれども、やはり世界のために、この除染の技術、これをさらに研究開発していく、このことが重要であろうと、このことについて思っております。

記者)
 教育の話がどうしても気になるので恐縮なのですが、文化の話、先ほど文化政策について言及されたのですけれども、1年間の御自身の大臣としてのお仕事の中で、文化の振興・文化政策について、どのように評価されていますでしょうか。
 これも、大変失礼ながら、こちらの印象としましては、やはり教育、科学、非常に多用で御多忙を極めている中で、文化政策に関して、大臣が主導権、リーダーシップを発揮できたという印象を持っていないのです。それは大変申し訳ないのですけれども、例えば、もっと業界に競争原理を導入すべきとか、あるいは文化の国際発信をもっと強化すべきとか、インターネット時代への対応を強化するとか、大まかな方針を大臣が示されて、それを文化庁の方に実行させるということはできたと思うのですけれども、そのようなリーダーシップを発揮された形跡も、こちらとしては印象としてないのです。その点、いかがでしょうか。やはり仕事が多忙な中で、文化政策の方に手が回らなかった部分があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

大臣)
 先ほど私が申し上げましたように、このような国難と言える状況の中で、人々が感動と勇気を抱くものは、やはり文化・スポーツ、私はそのように思っております。だからこそ、やはり文化・スポーツの振興については、これからも重要でありますし、今1,000億円の予算、スポーツの方は200億円ということで、いろいろ議論があるところですけれども、私は各関係の多くの文化団体の声も聞いておりますし、そういう会合にも極力出席しております。文化活動に関する要望は、ものすごく多い。できるだけそれが反映できるように、私としても予算の確保については努力をさせていただいたと思っております。
 特に、懸案になっておりましたいわゆる展覧会、展示物の、正に美術品の展覧会開催、これが諸般の事情で非常に厳しくなっておりますので、やはり全国・地方も含めて、そしてまた子どもたちにも、世界中のすばらしい美術品・芸術品が展覧できるように、これは国家補償制度として法案が成立いたしました。このことによって、私はその分野でも一つの足掛かりができたと思っております。
 また、著作権法については懸案になっておりまして、これはまだ、ある意味では今後に残された課題でございまして解決はしておりませんが、この著作権法の議論も、今後、進めていかなきゃならぬと思っております。
 いずれにいたしましても、例えば夏の甲子園の開会式に私も出席させていただいておりましたが、あれはスポーツといっても、そこには、いわゆる生徒の日々練習を重ねた音楽、あるいはまたコーラス、こういったものもあの大会に大きく花を添えて、そしてまた盛り上がりを図る。そういう音楽なしには、ああいう大会も感動がやはりいまいちと、こうなります。そういった方々な形で、一つのイベント、一つの行事をするのに、必ずそういう文化・スポーツというのもついてまいりますから、私としては、今、御指摘のことは率直に受けとめます。これからも、私は立場を超えて、文化の香りの高いこの国にしていきたいなと、こういう願望を持っております。

記者)
 大臣の能力とか資質の問題というよりも、組織として、やはり文化庁という外局にしていて、しかし、その独立性がないということでありまして、今後、文化庁長官、例えば今、近藤さんという、ある程度そういう文化に関する見識のある人がやっていらっしゃるわけですし、もっと人事権をある程度渡すとか、そういった対策も今後の課題ではあるのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。

大臣)
 それは私も、文化庁長官がかなり国際性豊かな長官ですから、これまでの経験を踏まえて思い切って、行きたい・見たいところがあれば、どんどん行かせたつもりです。それはやっていただきました。そういう中で、奈良で開かれました我が国と韓国、中国、いわゆる日・中・韓の文化大臣会議に私も出席いたしまして、いわゆるお互いの文化の交流、こういうことに努めてまいりました。
 私としては、これからもまた、そういう文化庁の長官が動きやすい、文化庁の皆さん方がそれなりに知見を積んでおられますから、そういうものを発揮できやすい環境づくりをしなきゃならぬと、このように思います。

記者)
 先ほどのモニタリングに戻るのですけれども、土壌とか農地のマップですと、数値が高いところについて、特別な対策を講じないといけないとおっしゃったのですけれども、現時点でこの特別な対策について、具体的に想定しているものはございますでしょうか。

大臣)
 私としては、土壌を取り除く、これも膨大な広さであろうことだと思っておりますが、一遍にはできません。一遍にはできませんが、そういう土壌を取り除いていくことから始めなきゃならぬと思います。これからまた秋になりまして、落ち葉のシーズンです。落ち葉が散ってくることによっての、またセシウム等の蓄積というのも出ておりましょうし、今度は常緑樹でも、例えば杉の木などはなかなか落ちぬそうですから、それがまた春になると、花粉症ではないけれども、そういう季節風によって飛ぶということも言われておりますので、あらゆる環境対策の専門家の皆さん方の意見を聞いて、できることをしっかりやっていくということでしょう。それは大変な、人的にも、あるいは財政的にも、相当なものがかかると思っておりますが、これは人の命と健康には代えられませんから、そういうことを着実に一歩一歩進めていくということではないかと思います。

記者)
 やり残しということなのですが、昨日、御説明いただきました朝鮮学校の無償化適用の審査開始なのですが、やはり政権末期の、党首選の最中に、どさくさ紛れに出てくると。一緒に、状況が変わったという御説明はありましたが、本当にそうなのかという気もします。
 大臣として、昨日の決定は、違和感をお持ちにはならなかったでしょうか。それとも、逆にむしろ懸案が解決できてよかったと思っていらっしゃるのか。

大臣)
 懸案というよりも、今、これはプロセスです。朝鮮学校をどうしていくのかということについては、まずは改めて報告書が出た後に、民主党の党内でしっかり議論をした方がよいのではないかという菅総理の指示によって、党内で議論したわけです。慎重にしました。もちろん、その間、国会などもありました。国会の議論も踏まえて、党としては概ね了とするという方向性を打ち出したものですから、私としては、いわゆる審査基準を決めさせていただきました。その基準に基づいて受け付けを始めて、申請を受けたと。その一つの過程の中でこういうことがありましたから、私としては、今回、菅総理の判断で停止を解除ということになりましたから、私としては再開をしたということです。
 したがって、おっしゃられるとおり、何か「どさくさ」ということの表現がどうか分かりませんけれども、決してそういうことではなくて、私たちとしても、やはりもう常に北朝鮮の動向というのは念頭にありましたし、願わくは、やはり6者協議が開かれて、それぞれの懸案が解決されるような日を待っておりますけれども、それがずっと今日まで続いてきたが、最近になって南北が対話を始めた。これは、解決にはなっておりませんけれども、あるいは好転という表現はまだされておりませんが、そういう状況になり、そして米国との会談もあり、そういう中にあって、6者間協議も恐らく視野に入れた動きになっておるのではないかなと、こういうことを受けて、菅総理としては、これについては砲撃以前の状況にあるという判断と私は思っております。もちろん、それと、やはりそういう停止した立場でありますから、これを先送りするわけではなくて、機会があれば何とかしたいと思っておられたと、私は思っております。そういう総合判断の中で、昨日、そういうことを御決定されたと、私はそのように思っております。

記者)
 沖縄県の八重山地区採択協議会が、育鵬社の教科書を選定したのですけれども、それについて竹富町の教育委員会は不採択としまして、教科書無償措置法に反している状態になっているのですけれども、これについて国ができることとか、大臣の御所見があればお教えいただきたいのですけれども。

大臣)
 もう御承知のとおり、教科書の採択というのは、これは市町村の教育委員会の権限・責任で行われるものでありますので、採択地区内の市町村の教育委員会は同一の教科書を採択しなければならないことになっております。これは、そういうことになっております、地区内でですね。
 しかし、仮に教育委員会、地区内で、それぞれの自治体がありますけれども、今回もそういうことでしょう、一致しない場合でも、これは同一の教科書が採択できるようにすることが必要である、このように私たちは思っております。そのために私たちとしては、さらに努力していただく都道府県教育委員会、特に沖縄県の教育委員会が、そういう適切な指導・助言を行うことが必要であろうと、このように思っております。

記者)
 現状については、大臣は憂慮されているとか、そういうことになるのでしょうか。

大臣)
 いずれにしても、子どもの教育上、非常に大事な教科書の問題ですから、それはひとつ教育的な配慮をしながら、教育委員会の方で努力をしていただきたいと、このように思います。

記者)
 積み残しの関連で、先ほどの積み残しと列挙された中で出てこなかったのであえて伺いますけれども、教員養成のあり方についてです。これは、免許制度のあり方そのものも出ておりまして、修士化ですとか、あるいは一般免許・専門免許状とか、中教審の方で打ち出されていますけれども、まだ教員養成制度改革そのものも緒についたばかりで、まだこれから10年スパンで考えていかなければいけない話ではないかというふうに思うのです。
 ただ、まだこういう状態ですと、方向性は示されたけれども、これからどうなっていくのかというところが非常に不透明な状況なのですが、先ほどお話があった連立ですとか、野党の協力を得るということになると、またいろいろな制度等、今後また上がってくるのではないかというふうに思いますけれども、今後のそういった教員養成制度のあり方については、どういうふうに推移していくであろうというふうにお考えでしょうか。

大臣)
 免許更新制も含めて、教員の養成というのは重要なテーマです。私どもとしましても、例えば教員の養成、今の状況を改めて、修士課程あるいはそういうことを一つの一定の資格にするという話も、いろいろな意見があります。これも方々の意見があります。
 したがって今、中教審で御議論いただいておりまして、しかし、早く対応しなきゃなりません。何といっても大事なことは、子どもの存在を忘れてはなりませんし、その上に立って、いかに教職員が必要な資質を持って、そして子どもたちに向かうことができるかということですから、私としては、これがまだ結論が出ていない状況の中で、重要な問題ですから心残りはしております。特に、与野党のこういう状況ですから。
 しかし、野党も長い間、ずっと政権を運営してきた経験がございますし、ノウハウ、あるいはまた経験も持っておられまして、もう恐らくこの教育問題においては、与野党の垣根は、私はあまりないと。この短い期間でありましたけれども、国会の議論を聞いておりましてもそう思いますので、これについては本当に子どもたちをどうして育てていくかという観点に立つと、私は何らかの合意点は得られるのではないかと。初めからベストということも大事なのですけれども、やはりベターの選択で一歩一歩やっていくということも大事ではないか。
 かといって、ころころ教育制度を変えることは困難ですから、これはいけません。そういう意味で、慎重な対応も必要なのですが、しかし、長い間、このことはいろいろなことで議論されていますから、私としてはそういうことを期待しております。各党の皆さん方も、この教育については、ある意味では文部科学委員会では、ほとんど賛否がないぐらいのテーマがたくさんありましたから、そういうことについては、メンツは超えて、一つ一つやっていける土壌にあるのではないかと思っております。

記者)
 学校の放射線の安全基準について、これまでもたびたび質問してきましたが、恐らく文部科学省自体が子どもの安全管理について、これほど批判を浴びたということは、これまでなかったと思います。大臣は、校庭では除染が進みとか、先ほどもおっしゃっておりますが、例えばそれは文部科学省の基準に満足できない福島県郡山市が先行的に土壌を進めたのは、やはり地元先行でした。ほかにも、ヨウ素の半減期が短いということでのモニタリングに影響もありました。
 この件に関して、果たして文科省が主体的に取り組めたかというと、僕は、それはちょっと、やはり後手後手に回ったという思いが強いです。最後、この時点において、学校の子どもたちを放射線から守るということについて、文部科学省はいかがであったか、御所見をお伺いしたいと思います。

大臣)
 私としては、この放射線に対する国民の関心が、ある意味では今ほど高まったことはないと思っております。放射能では、これまでの広島・長崎のあの悲惨な体験を踏まえて、二度と被爆者をつくってはいけないということで、国を挙げて、とりわけ広島・長崎においては、被爆者医療を含めていろいろな調査研究がずっと続いてきました。そういうことも加味しながら、国際的な放射線の防護措置に関する議論がこれまでも重ねられておりまして、科学者一人一人にはそれぞれの御意見があるにしても、やはりある一定の科学者の合意という意味では、私たちとしてはこの国際的な勧告というものを一つの参考にして、なお継続中の中で、私たちとしては、一つのめどをつくってほしいという地元の要望がありましたから、そういうことを4月に出したわけです。このことについて私たちは、議論は賛否両論ありますけれども、一つのめどを示すというのは、我々の当然の役割だろうと思っております。
 その上で、やはり感じることは、放射線というのは見えませんから、大変な不安は尽きません。したがって、不安を増長するようなことではいけませんので、なぜいけないかというのは、そういうものがかえってストレスになって、そのストレスが起因して、また病気になるということが、それぞれのこれまでの経過の中でも言われておりますので、そういうものに私たちも配慮しなきゃなりませんし、それから地元の意見というのを十分尊重しておりました。コミュニティを守る、あるいはまた親子の家庭生活を守る。
 しかし、その前提は、一人一人の健康・安全ですから、これは正に前提ですけれども、その上で、私たちとしては、親子がそろって生活をすることが、教育的にも極めて大事であろうと。意見としては、疎開とか、あるいは集団移転とか、そういうものもありましたけれども、私たちはそういうものも頭の中に入れながらも、総合的に判断してそういうことにしました。この件について、私たちとしては間違ったことはではなかったと思っておりますし、できれば少しでも線量を浴びなくするというのが、私たちの当初からの基本でありましたから、校庭についてもそのような対応をしたと。
 郡山の話が出ました。私たちとしては、その辺は十分並行して考えておりました。ただ、削り取ったものをどうしていくかということまで、やはりきちんと完結していなければ、それはまた新たな混乱を呼びますから、私たちとしては、削り取った土をどうしたほうがよいのか、これはうちの専門家もいろいろな選択肢を見てやっておりました。最終的に、処分するところがないとすれば、いったんそこの学校内で、それをやはり一部に深く掘って埋めるか、あるいは全体的に上と下を入替えるか、こういうことが妥当かなという判断がありましたので、そういうことをお示ししていったと。これも、選択肢を設けてお示しいたしました。最終的には、学校の設置者で判断されたことでございます。
 だから、振り返ってみると、いろいろな御議論がありまして、私もつらい思いをしましたけれども、私としては誠心誠意、子どもたちの健康を守り、そして風評によっていたずらな偏見と差別ということにつながらないように、そういうことも十分頭に入れながら、ぎりぎりの対応をしてまいったと思っております。
 どうも、本当にありがとうございました。

(了)

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成23年08月 --