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鈴木寛文部科学副大臣記者会見録(平成23年7月21日)

平成23年7月21日(木曜日)
教育、スポーツ

鈴木寛文部科学副大臣記者会見映像版

平成23年7月21日(木曜日)に行われた、鈴木文部科学副大臣の定例記者会見の映像です。

平成23年7月21日鈴木寛文部科学副大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

鈴木寛文部科学副大臣記者会見テキスト版

副大臣)
 それでは、私からお配りをさせていただいておりますが、産学協働人材育成円卓会議、元気な日本復興・復活のための会合についてお話を申し上げたいと思います。
 このたび、産学のリーダーによる産学協働人材育成円卓会議が立ち上げられる運びとなりました。第1回の会合が来週の7月27日水曜日、12時20分より行われます。これは文部科学省と経済産業省の共同提案により、産業界、学会、大学界の方々が一堂に会しまして、我が国の未曾有の大震災から社会・経済・産業の復興を成し遂げるために新しい日本をつくるこの人材、正に新しい日本社会の成長モデル、質的転換モデルを見い出して新しい付加価値を創造することができる人材を積極的に育成、輩出をしていこうと、こういうことでございます。オールジャパンの視点から戦略的な産学協働を推進をして、グローバルでイノベイティブと、この2つのことをキーワードにしておりますけれども、グローバルな視点でイノベーションを創出でき、日本の社会を牽引できる博士・修士レベルの人材養成ということを推進していく。特に、我が国におきましては、人材養成における大学教育の役割の認識を転換をし、そして再構築を図ることによって、人材養成の好循環サイクルを作っていきたいと、このように期待をしているところでございます。円卓会議では研究開発、あるいはグローバル展開という観点から我が国の産業界をリードしていただいている企業と博士・修士課程教育の充実に取り組んでいる大学やグローバル化に取り組んでいる大学というものが従来の枠を超えて対話をし、具体的アクションを起こすことを目的としておりまして、当事者の自発的な協働によって社会を変えていくという、ある意味で新しい公共の考え方に沿って、両省が協力して構想を提案させていただいたものであります。
 3つぐらいのテーマがあろうかと思っておりまして、当面は。1つは、博士・修士レベルのイノベーション人材の養成と活躍の好循環を実現するための産学協働体制の構築。
 2つ目は、世界における日本のプレゼンスを高めるために、産学協働によるグローバルな視点を有し、多様に対応できる人材の養成及び学習、留学支援、外国人教員や留学生の受入れなどを通じた我が国の大学のグローバル化の推進。
 3つ目は、学部教育の充実と、これらの人材が活躍できる新たな日本社会の構築と、こういったテーマについて積極的な議論を交わしていただき、具体的な行動につなげていただくことを期待している、こういうことでございます。
 私からは以上でございます。

記者)
 先日、なでしこジャパンがアメリカを破って世界一に輝きました。副大臣、現地に行かれて激励されてきたわけですけれども、現地で試合を見られた御感想、お気づきの点などありましたら。
 それと、その一方で女子選手を取り巻く環境というのは決して恵まれたものではないということを髙木大臣もおっしゃっておられましたけれども、今後、ロンドンオリンピックも見据えて、プロスポーツやトップアスリートの支援に向けて、どんな課題があるのかと。どういうことが必要かというのがありましたら、お願いします。

副大臣)
 皆様方もテレビ等で御覧になっておられて感じられたと思いますが、本当にすばらしいの一言に尽きるこの戦いぶりであったと思います。二度も先攻され、かつ残り少ない時間で何とか諦めずに、最後の最後まで力を振り絞り、心を一つにチーム一丸となって、もうあと残り僅かという時間が二度もありましたけれども、それを何とか追いついて冷静さを保ちながら、そして最後にPK戦に持ち込みました。
 特にPKの1人目を止めたと。後で伺ってみますと、やはり反射的に右足をちょっと上げたということをおっしゃっておりましたが、そこで、そこが当たって、よかったですね。本当にすばらしいの一言です。
 それから、やはり現地に行って思いましたのは、なんかこう日本中で応援していただいている気持ちがフランクフルトまで伝わってきて、もちろん、11人で戦っておられるんですけれども、と同時に、日本のテレビの向こうで、本当に日本中が心を一つに。ですから、本当に1億3,000万人の皆さんが一体となって戦っているなと。そうでないと、あそこまでの奇跡の連続といいますか、ミラクルの連続ということにはならなかったと、こういうふうに思います。正に、天地人すべてつながった、そうした感動的なゲームだったというふうに思います。
 それから、女子のスポーツ、特にプロでやっていくということの大変さということでありますが、スポーツ基本法の議論の過程でもそういう議論、あるいはスポーツ立国の過程でもそういう議論をいたして認識をしてまいりました。
 それから、特に来年のロンドンオリンピックのタスクフォースを作り、その中での議論の中でも女子スポーツの振興、あるいは女子スポーツに対するいろいろな支援体制の強化ということはずっと岡田実行委員長とも御相談をさせていただいて、ロンドンでのかなり強化種目の一つに女子サッカーを含めて女子部門のメダルということを意識したことをやってきたわけでありますが、それを先取りした形でこうした形でなでしこジャパンの皆さんの御努力によって今回のすばらしい成果を収めることができたのはよかったわけでありますけれども、やはりこれでこの女子スポーツ、あるいは女子サッカーを目指す子どもたち、若者たちは増えていくと思いますが、これはサッカーに限らずどんな種目もそうでありますが、やはりスポーツを生涯のライフワーク、仕事と、キャリアとしていく上でのセカンドキャリア含めたスポーツキャリアについてきちっと若い人たちに示してあげる。スポーツを生涯のキャリアとして選択したときに経済的にも社会的にも充実した人生を全うできるんだと、こういう道を安心と夢を示してあげるということが、この分野により才能を持った若い選手が入り、そしてそのキャリアを続けてくれるということにつながると思います。そのことがひいては好循環になっていくというふうに思います。とりわけ、地域スポーツ、生涯スポーツの観点から私どもも問題だと思っていますのは、中学校の女子の運動をほとんどしないという比率が3割、こういう実態があります。ここは特に私ども意識しておりまして、ここを何とか女子中学、もちろん小学校も含めてですが、小中高の、特に女子の児童・生徒のスポーツ離れを食い止めるという観点からもトップスポーツの女子レベルでの女子の活躍ということが非常に重要だと思っております。
 これから、いろいろサッカー協会もお考えになることだろうと思いますので、私たちも適宜御相談に乗ってまいりたいというふうに考えております。

記者)
 人材育成円卓会議なんですが、どのような経緯で設立していく、震災が一つのきっかけにはなるんでしょうが、震災がなくても、こういったものを作るという話とかがあったのかどうか。

副大臣)
 実は、震災以前から我が国の成長戦略を実現していく上では、やはりそれを担い得る人材、世界に新たな付加価値を創造できる、そういうチームの一員になれる人材を輩出していかなければいけない。先ほど申し上げましたグローバルでイノベイティブな人材ということがやはり鍵だという問題意識はございました。約1年前ぐらいから大学の関係者、あるいは産業界の関係者とは御議論を積み重ねてまいりました。当初は3月に一旦予定を、調整の最終局面にまで至ったわけでありますが、3月11日の震災等々もあり、もう一度再調整、再構成、両方、日程の調整のみならず、そのミッション、役割ということをもう一回再考し、そして再構成、再定義を大きな方向は変わりませんけれども、よりやはりこうしたオールジャパンでやっていくということが大事だと、その必要性が3月11日以降飛躍的に高まったと、こういうことでございます。今回準備整い、このような運びになったことは大変うれしく思っているところであります。

記者)
 この人材養成の好循環サイクルというのは、イメージでいうと、どういうサイクルに。

副大臣)
 結局ですね、産業界から言わせると大学は世界で通用する、あるいは実用で通用する人材を育成を十分にしていない、こういう指摘があるわけであります。大学から言わせると、そういう人材育成をしようにも、そういうことを目指した大学での学びというものが産業界の側で理解、あるいはリスペクトが十分でないのではないかということ、あるいはそういうことをやろうにもなかなか人材等々で十分な、教員や教育の場という意味ですけれども、十分なリソースを集められないと、こういうことが両方から言われていて。ですから、大学は十分なアカデミックの知と実践知と両方を兼ね備えた教育体制が組めない、あるいはそういうことをやっていく上での十分なリソースがない。その中で教育をやっていると。
 で、企業側からは大学の教育は不十分だ、こういう話だったわけです。これをお互いの課題を共有しながら、であれば、大学の学びの段階から社会で求められている人材像というのはどういうことかということをやはり直接実業の場から教育の関係者にぶつけていただく。そうした声をぶつけていただく以上、そうした人材養成に必要な実践経験豊かな人材の提供というか、協力ということもしていただき、そして、そこで一緒になって本当に世界に通用するイノベイティブな人材を産学一緒になって養成し、そして養成した先に、きちっと真にグローバルでイノベイティブな能力を持った若者はやはり活躍の場を産業界が用意すると、そのことによって若者の学びもより身が入るわけであります。そうすると、大学が産業界と一緒になって作り上げたプログラムに学生が打ち込めば、グローバルでイノベイティブな能力が身につき、そしてその人たちによりふさわしい活躍の場が与えられれば、学生はもっとそこにこのエネルギーを投入すると。そうすると、学生も、そして大学側も、そして企業も、これはみんなハッピーっていいますか、そして好循環が生まれていくと。そういうことになれば、産業界もより大学の学びに対して応援をしていこう、理解をしていこうと、あるいは尊重していこうと、こういうことになっていくわけであります。
 残念ながら、今例えば理科系においては博士、文化系においては修士というものを仮に修得したにしても、そのことがなかなか我が国企業の採用ということで十分に評価されない、こういう実態があります。それは修士や博士の学びというものが俗によるトゥーアカデミックであると、こういう御批判である。もちろん、そういうベーシックな教育というのも必要ですけれども、であれば、修士や博士の教育においても、一部実社会にもきちっと通用するというカリキュラムに変えた上で、そして修士や博士人材をきちっと産業界が採用していくと、こういうことに是非共同して踏み込んでいただければと思います。でないと、世界のいろいろなグローバルなビジネス、あるいはビジネスだけではありません。政府間の国際会議、国際交渉、あるいは学会のいろいろなことを見ていますと、グローバルでイノベイティブな人材というのは博士号を持っているというのが今やグローバルスタンダードであります。そういう中にあって、日本だけが単に形式的に博士や修士を持っている人材が少ないということだけで、持っている実力が適正に評価されてないという実態が看過し得ない状況まで来ていると。そのことによって、商談に破れたり、あるいは国際会議のチェアマンが取れなかったり、そういうことがいろいろなところで多発をしております。
 そういうことも含めて、やはり名実ともに実力のある若手人材というものをやはり我が国がオールジャパンで育成に取り組んでいかないと、そしてそのための好循環を作っていかないと、日本がいろいろな意味で多様化する社会の中で、それぞれの価値観の世界で世界の流れから取り残されてしまうという危機感を双方、我々も含めて関係者が共有をし、そして何かをしていこうということにつながればなと思っております。

記者)
 円卓会議のことで、どちらかというと、学部教育よりも大学院教育の方に、どちらかというと重点があるという主張ですか。

副大臣)
 先ほどの3つの観点ということで申し上げました。重点は修士、あるいは博士課程ということ、それからもう一つはグローバルということであります。しかし、そこの出口をきちっとしたことにしていこうと思うと、もちろん、学部段階での教育というものも、それの基礎部分として、もう一回再構成をしていかなければいけないというふうに思いますし、それから目下の懸案としては、この円卓会議を作るプロセスの中で相当改善をしていただきましたけれども、就職活動の早期化による学部教育に対する理解の低さ、こういうこともあったわけでありまして、こういうことも当然改善をしていただく。そして、18歳、19歳で入っていた学生が、やはり6年、あるいは10年と、こういうスパンで6年後、10年後に世の中できちっと通用すると、こういう腰を据えた高等教育の就学プランということがそれぞれの若者ができると、そしてそれを万全の体制で応援すると、こういうことにしていかなきゃいけない。今のような就職の早期化の実態が放置されたならば、本来ならば6年とか10年とか8年とか、そういうスパンでしっかりと社会に出る直前の学びというものをデザインし、充実したものにしていかなければいけないにもかかわらず、現段階でありますと、正に入学式半年たって、それぐらいから就職の準備をするという、もうあるべき姿と真っ向反した現状にあるわけでありまして、そういったことは一意の目的を達成するためには当然学部教育の正常化ということは前提条件として重要な課題だというふうに思いますが、主たるこの会議体のゴールとしてはマスター、ドクターというレベルの、あるいはそうした学生を増やしていくということでございます。

記者)
 就職活動というお話がありましたけれども、就職活動の時期をどうするかとかそういう余り細かい話はここではされないということでしょうか。

副大臣)
 その件については、もう既に文部科学省、経済産業省、厚生労働省と経団連、経済同友会、日本商工会議所の枠組みが走っておりますので、ここでの議論の対象、別に外す必要はないと思っていますけれども、その議論は既に規定の枠組みで議論がされているということであります。ただ、その問題についてここにお集まりをいただいている企業のトップの方々に理解を深めていただくことは、今ある枠組みで打ち出したこと、あるいは今の関係者がやろうとしていることの実効性を高める上では好影響があるというふうには認識しておりますけれども、これはあくまでグローバルでイノベイティブなリーダー養成、人材養成ということが主眼、重点であるということで、目的が少しウエートの置き方が異なっているということだと思います。
 ただ、このコンセプト自体は、まずこうやって始まってはいただきますが、いずれ、これは別に文部科学省がどうこうという話じゃありませんけれども、それぞれの地域地域でやはり実業界と大学界のコラボレーション、コミュニケーションというものはもっと進展すべきだと個人的には思っています。なぜならば、大学のやはり最大のミッションは教育であります。そして、そこで教育された人の活躍の場のやはり8割とか9割は、企業でありますから、企業及び実業界であります、そういう病院とかも含めて。そういう実情でありますから、その実業界と大学側がもっともっとやっぱり日頃からネットワークを構築し、お互いコミュニケーションを深め、お互いの問題点を共有し、で、どちらか片方だけでは解決のつかない問題ばかりですから、そういう意味では、それぞれでこういうことが行われていくということは望ましいことだというふうに思っております。
 これまで、例えば工学部のある研究室と個別の企業の共同研究ということはある程度行われてきました。それから、産学協働による研究開発、あるいは商品開発、こういうことは行われてまいりましたけれども、やはり人を作るということ、そして単に工学系だけじゃなくて、オール大学のトップ同士が要するにある研究室の教授と研究所の所長とか、あるいは工場長というレベルをもう一段上がった段階で、日本、あるいはその地域を担う人材をどうしていくかという意味では、もちろん個別にはいろいろあったと思いますけれども、当事者が一堂に会するということでは初めてだと思います。こうしたことはつながって、どんどん広がっていったらいいと思っています。
 これはそもそも大学の改革ということを私もこの2年間ずっと申し上げてきましたけれども、文科省の指導による大学改革、大学イノベーションという時代ではもうありません。やはりステークホルダー、大学のステークホルダーと一緒に大学の有り様について考えていくということがやはり世の中、社会にとって必要とされる大学であるということのために必要だと思っています。
 大学の有力なステークホルダーというのの一つに実業界というのがあると。もう一つは高校の関係者、こういうことだと思いますけれども、あるいはもちろん地域市民、納税者ということだと思いますが、有力なステークホルダーの一つである実業界とのコミュニケーションというものが深まることで大学の自立的な革新というものが促進をされていることを強く期待もしているということであります。

記者)
 副大臣、オリンピック招致の関係なんですけれども、東京都が正式に招致を行うということを決めまして、これから文科省として、オリンピック招致についてどういうふうに御支援されるというふうにお考えがあったら教えてください。

副大臣)
 改めてJOC、あるいは東京都の関係者としっかり議論をしていきたいと思っておりますけれども、これまでもスポーツ基本法、あるいはスポーツ立国の議論の中で、国際競技大会の招致、開催については基本法でも1条立てて、スポーツ立国でも1項目、そういったことを盛り込んでまいりました。そうした流れの中にある話だというふうに理解をいたしております。
 それから、加えて今回のなでしこジャパンのことで、改めてスポーツの持つ力、国民の心を一つにし、そして今の大変な状況にある日本に対して、勇気と元気というものを与えてくれるという、様々な意味での連帯という意味、そして激励、発奮、そういう様々な意味でのスポーツの持つ意義、そしてとりわけ世界レベルで今回正に世界一になったわけでありますから、我が国のスポーツが世界の頂点を目指す、そして世界の頂点に挑み、それを勝ち取る、このプロセスを本当にさっきも申し上げましたけれども、日本の人たちと一緒になってやっているなということを私どもも痛感をいたしましたし、国民の皆さんも感じていただいたというふうに思います。
 そういう意味で大変困難な状況でありますけれども、そしてまたオリンピックを開催するというのは大変なエネルギーが必要になることは言うまでもありません。しかしながら、国民の皆さん、とりわけ被災地の皆様の御理解が得られるのであれば、私どもとしてはスポーツ基本法の趣旨にのっとり、招致に向けて全力を尽くしていきたいと、こういうふうに考えております。

記者)
 五輪招致の関係で東京都と議論をする中には、国立競技場の改修とか、あと19年のラグビーのワールドカップも含めて、その辺の話し合いとかは。

副大臣)
 もちろん、前回もそうでありますけれども、霞ヶ丘だけではなくて、代々木、あるいは駒沢、様々な国立の施設、もちろんナショナルトレセンも含めて、様々な国立、公立の施設というものを計画の中でどう位置づけてくるのかというのは当然議論になってまいります。そして、かつ招致の中で、招致にはいろいろな要素がありますけれども、開会式、あるいは主要種目のメインスタジアムの有り様ということは招致を勝ち得ていく上での重要な項目の一つであるということは、これは誰しもが共有することでありますから、当然全体の議論の中で霞ヶ丘の話だけを外して議論するというのは、むしろ不自然だというふうに考えております。

(了)

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-- 登録:平成23年07月 --