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鈴木寛文部科学副大臣記者会見録(平成23年6月30日)

平成23年6月30日(木曜日)
教育、その他

鈴木寛文部科学副大臣記者会見映像版

平成23年6月30日(木曜日)に行われた、鈴木文部科学副大臣の定例記者会見の映像です。

平成23年6月30日鈴木寛文部科学副大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

鈴木寛文部科学副大臣記者会見テキスト版

副大臣)
 私からは、特にはございません。

記者)
 学習到達度調査、PISAのデジタル読解力調査ですけれども、日本は参加した国や地域の中で4位でした。これに対する受け止めと、課題があるとすれば何をどう改善していくおつもりでしょうか。

副大臣)
 今回、デジタル読解力調査が行われまして、4位ということでございました。これは、これまでの我が国のこういった分野での教育の着実な成果というふうに思っておりますが、一方で、この普段一週間のうちコンピューターを使っているという授業において国語、算数、理科の授業において使っていると回答した割合が、参加国中一番低いと。あるいは、マルチメディア作品の作成や表計算ソフトを使ったグラフの作成と、こういったことができると回答した生徒の割合が、OECD平均よりも低い水準にあるというところが課題かなと思っております。
 したがいまして、やはり授業での活用、これはそれを指導する教員の問題、課題ということもあろうかと思いますが、あるいは表計算ソフトとか、マルチメディアソフトを使った授業、これも指導できる教員とその環境ということになろうかと思いますけれども、そういうことはやっていかなければいけないかなと思っております。
 これは御案内のように、昨年1年間、「教育の情報化ビジョン」をやってまいりましたので、こうしたビジョンを踏まえた取組が着実に行われていけば、そうした課題には応えていけるというふうに考えているところでございます。

記者)
 明日からですけれども、電力使用制限令が発令されまして、東京電力と東北電力管内で500キロワット以上の契約者は15パーセントの節電が求められます。改めてではございますけれども、学校への影響、また子どもたちへの負担について、どのようにお考えか教えてください。

副大臣)
 文部科学省関係で申し上げますと、大口としては、むしろ大学等々が、特に夏の期間、こういうこともございますので関係をしてまいります。関係大学等々におかれましては、この間、大変な御努力をいただいて、この7月1日からの対応準備をしてくださったと感謝をしております。
 その中で、大学病院については、基本的に東大と筑波大を除けば対象外ということでありますから、医療の砦であります大学病院機能というのは、これにかかわらず維持はされると思いますが、それ以外の部分については大変な御努力をいただいておりますことを感謝を申し上げたいと思いますし、この計画、それぞれの大学が出している計画に基づいて、適切に行われるということが大変望ましいというふうに思っております。
 それから、学校につきましては、今日からといいますか、明日から一学期の終業式までの間を基本的にはどのように対応していくかというか、しのいでいくかと、こういうことでございます。ここについても、それぞれの設置者である教育委員会において、可能な省エネ対策についての点検をしていただいておりまして、特段の問題といいますか、もちろんそれぞれの御努力をいただかなきゃいけないし、工夫もいただかなきゃいけないし、それから児童生徒に対する教育もしていただかなきゃいけませんけれども、小・中・高については、あまり大きな懸念なく、これが実施できるというふうに考えております。
 一方、科学技術関係においては、いろいろとかなりの電力消費を伴う研究施設等々もありますので、ここについては、相当なしっかりした対応をしていただくことになっていると、以上でございます。
 もちろん、節電のルールを守りつつも教育研究、そして医療活動の機能の維持と、これをどういうふうに両立させていくかということだと思います。特に、最初の立ち上がりの段階では、我々もよりきめ細かく現場と連絡を取りながら、支障のないように円滑な、このスタートを切っていきたいというふうに考えております。

記者)
 デジタル読解力なんですけれども、プリントと違って、上位も少なければ下位も少ないという結果になったということで、ちょっとプリントと読解力が対照的だったんですけれども、上位が少なかったというところの要因は、一番は何だというふうにお考えですか。

副大臣)
 上位が少なかった要因は、デジタル読解力のための民間教育サービスが、我が国においては、必ずしも韓国に比べると普及していないということだと思います。

記者)
 いわゆる上位層が入っていた塾みたいな。

副大臣)
 だから、デジタル読解力向けの塾サービスというのは、日本においてはあまり普及していないですよね、現に。

記者)
 逆に、そこを上げようと思うと、学校でやることが重要になるのか、それとも家庭で何かしらのことをやるという方が重要になるのか、どちらだと思われますか。

副大臣)
 上位層のところは、もう少しいろいろと様子を見ながらやっていくということではないかなと思います。例えば家庭にいきなり投げるというのは大変だと思いますけれども、部活とか、あるいは希望者の特別教育とか、プログラムとか、そういうことが高レベルのところを上げていくということではないかなというふうに思います。

記者)
 筆記型のPISAの方では、上位層と、あと低位層というところの両方の方の底上げというか、全体の底上げを図っていかなければいけないということでしたけれども、デジタルでも課題は同じだと思うんですが、デジタルに関しては今の質問もありましたように、非常に下位層はかなり少ないということで、この底上げ策というのはどういうふうな形で行うべきだというふうにお考えでしょうか。

副大臣)
 この分野は、ですから、筆記型の場合は、やっぱり公教育の提供しているものと、それから民間で家庭がプラスして、この複合になっているわけですね、これまでの筆記型のものというのは、非デジタルな力っていうのは。ただ、デジタルについては、ある意味では公教育の成果がプレーンに出ていると、こういうことだと思います。
 そういう中で、4位というのは、それなりに低位層も含めてバランスのいい教育をしていると、公教育としてはということだと思います。
 それで、韓国との比較は、これは韓国は猛烈にこうした分野に社会資源を投入してやっていますので、それはやっぱり、その差が出ているんだろうというふうに思っておりまして、そういうところを着々と、全体像を見ながらやっていくということで、当分はいいのではないかなというふうに、私自身はこれを分析をしています。
 その他の国々と比べても、そう遜色のない成果、結果でありますから、ニュージーランド、オーストラリアは、これは家庭におけるIT普及率が日本とはもう全然違いますから、そういう意味では家庭力。ですから、整理すると韓国は国、家庭を上げて相当程度やっていると。ニュージーランド、オーストラリアは、社会全体のICT利用率というのは非常に高い、家族も含めてですね、ということの効果は出ているのだろうと。その者を除けばトップということですから、ほぼ同じような社会の中では、効果的な教育が行われているというふうに見ていいのではないかということでございます。
 ただ、特徴あることをやっていこうと思うと、やはりもう少し重点校を決めてやって、そこに力を入れていくとか、あるいはクラブ活動とか、あるいは特別プログラムとか、そういうことをやっていかないと、なかなか韓国のトップ校と一緒にやっていくっていうわけにはいかないと。
 それから、下位層のところは、やっぱり御自宅にパソコンがあるかないかということは、決定的に大きな話であります。これは社会全体としてどういうふうに考えていくのかという、デジタルデバイドの問題によってしまうので、なかなか学校だけでやり切ることというのは、この分野は少し大変かなというところではないかなと思います。

記者)
 生徒に対する質問調査で、国語、数学、理科、3科目で、日本は参加国の中で一番低かったわけですけれども、それでも高い成績を得たというふうに見るのか、それとも、もっとこれから教育課程をもう少し、情報教育とかICT技術を活用したあれを増やして、位置づけて、そういったものをもっとブラッシュアップさせていくというふうにお考えか、どちらの方のベクトルでお考えでしょうか。

副大臣)
 ある意味では、授業で使っていないのにもかかわらず、さっき申し上げたように、一番効率がいいパフォーマンスを上げているわけですから、授業方法、指導方法において優れているということなんだというふうに思います。
 それで、ただ繰り返しになりますけれども、ここから更に上げていこうと思うと、相当ちょっと違ったことをコンセプトも変えてやらないと、なかなか難しいだろうなというふうに思います。
 ただ、一方で、それを日本全体のコンセンサスにしていく、あるいは学校コミュニティー全体のコンセンサスにしていくには、もう少し積み重ねが必要かなという感じも、ビジョン策定のプロセスではありましたので、そういう意味では少し様子を見ながら、ただ繰り返しですが、教育の情報化ビジョンで書いたことはちゃんとやるということと、そこはやっぱり使って望ましいことで使っていないことは放置するわけにいきませんから、やっぱり教師のこうしたICTリテラシーを上げるという研修は、やはり17カ国中、最低ということではいけないので、そこは上げていくと。ただ、そのことが、じゃあ更なる引き上げにつながるかどうかということは、少し定かではないと。というか、あまりつながらないんじゃないかなと。維持することにはなりますから、そのことは大事なことですし、そもそも、より教科の理解を促進するために最もベストな方法をやるということは、これは当然な話なんで、それはやりますけれども、そのことがデジタルスコアを直ちに上げるかと、そして参加国を抜き去るかと、あるいはそこに迫れるかということは、少し特に韓国はもう圧倒的な高さですから、それは少し違うんじゃないかなと、こういうふうに受け止めております。

記者)
 関連してなんですけれども、今OECDは将来的には、こういうデジタルテキストによる試験というものにどんどん移行していくというお話なんですけれども、今、新しい学習指導要領で情報教育について強化をしていくという方向は出ているんですけれども、ただ、授業でそれだけ使っていないということは、今後、数学的リテラシーだとか、科学的リテラシーがデジタル化した場合、対応できるのかという心配があるんですけれども、当面はまだ新学習指導要領等と教育の情報化ビジョンというものを進めることで、対応できるというふうにお考えなんでしょうか。

副大臣)
 いわゆる読解力のところは、そんなに問題はないと思います。ブラインドタッチというか、タイピングだけの問題ですから、それは問題ないんだと思います。ただ、さっき申し上げましたように、表計算ソフトを使いこなせるか、こなせないかは、これはやっぱり中期的に見れば、数学的にっていうか、数字処理っていうか、数的処理っていうか、その能力、またそれを表計算ソフトを使ってグラフ化するとか、そういうことを自由自在にやるということができれば、それは数的・量的理解をサポートするということにつながることは間違いないので、だから、さっきも申し上げたんですけれども、表計算ソフトのところのリテラシーというか、要するに、だからワードプロセッシングはできるわけですよね、これはそんなに、別に私も中学校、高校の情報科の教員をやっていましたので、子どもの場合は、そこのタイピングのところは、ほとんど問題なくすらっといきます。時間というか、時期の問題だけだと思います。ただ表計算、だからエクセルなんかのことがやっていないんだなということが、今回OECD平均以下ということがわかったわけで、それは確かに放っとくとやらないだろうなと。

記者)
 それは読解力は今回良かったかもしれないですけれども、来年の数学的リテラシーで、何かものすごく低い結果が出るという可能性も。

副大臣)
 だから、エクセルというと個別商標名になって……、表計算ソフトを使いこなせているのは確かに少ないですよね、明らかにね。だから、そこは少し、やらないうちからどうこう言うのはあれかもしれないけれども、きちっと対応はしなきゃいけないところだろうというふうに思います。
 それから、そもそもマルチメディアで、ああいうデザイン系のアプリを使っているっていうのは、これは相当レアですから、作図とかデザインとか、そういうところは少し考えていかないといけないだろうということを思います。
 こうなるとちょっと、特にマルチメディア作品の話になってくると、今、日本の小中学校の標準の、要するにICT学習環境でいいのかどうかという話も出てくるかもしれない。あまり言っていると個別社名がどんどん出てくるのであれですが、やっぱりそのこういうアート系に強いマシーン、OSとそうでないところというのはありますから、今はどちらかというと、そちら側よりも表計算ソフト系のパラダイムで、ICT上、情報学習環境を整備している学校の方が多いことは事実なので、ちょっとこれぐらいにしておいた方がよいでしょうか。

記者)
 6月21日にグローバル人材のまとめがございまして、今日も昼過ぎに英語力の向上についての検討会のまとめがございました。目標その他については、どうしても2003年に文部科学省が策定した、英語が使える日本人の育成のための行動計画の範疇でない部分があります。
 これから新しい学習指導要領が始まるに当たって、学習量も増えますし、求められるものは多いのですが、例えばALTの配置、増員についての目標設定もありませんし、その財政的な裏づけも会議の進め方は違うんですけれども、見えてこないと。
 正直、このままで大丈夫なのかなということを思うのですが、現時点で、そういった英語力向上に向けて、計画を進める前に、動かすためにどんなことができるというふうにお考えか、何かお考えがあれば教えてください。

副大臣)
 ALT等については、これは財政の問題、あるいはそれぞれの地方自治体がALTの人件費を負担しづらくなってきている、あるいは単価が少なくなってきているというような問題があって、それは一つの課題だと。それは今日の会議でもシェアされていて、今後、概算要求等々する中で、それは一つの検討項目であることは間違いありません。
 と同時に、やはりALTをはじめとして、バイリンガル、あるいは外国人教師というものをどうやって採用していくかという、人事権者は都道府県教育委員会ですけれども、都道府県教育委員会のやはり英語教員の採用方針、あるいは補充方針ということが、やはり大事になってくると思います。恐らく今日も少し議論はされていると思いますけれども、英語教員については採用試験のときに、いわゆるTOEFLとかTOEICとか、そういったもののスコアを参照するとかということが、英語教員自身が使える英語を身につけているかどうかということは、やはり教育ですから、英語教員の質というものが、やっぱり一番鍵だと思います。
 ですから、採用に当たって、それから今後の研修に当たって、そうした使える英語をどう研修していくのか、あるいはそうしたことをどうやって学ぶモチベーションを確保していくかと、こういうことです。
 自己研さんの方法、チャンス、機会というのは、もう今や全国津々浦々あるわけでありますので、むしろそのための時間とモチベーションを確保するということなんだろうと思います。ですから、そこのところはあまり予算、予算ということよりも、教師たちが自己研さんに取り組める環境整備ということだと思います。
 グローバル人材推進会議の報告書のエッセンスは、使える英語ということで目指してきましたと。それで、グローバル人材の報告書の中にも書いてありますけれども、あそこでは5段階に分けて書いてあるわけですね。要は、学習指導要領の目指すのは、日常会話だとか、あるいはそういう英語でのドキュメンテーションを読むことができるというようなことについては、これはこれまでも着々と進んできていると。それは新しい学習指導要領の推進によって、その取組が少し前倒しになりますから、そういう比率は増えるでしょうと。ここは私どもはそんなに心配していないっていうか、新学習指導要領に向けた教職員配置、定数改善等々もしていますので、そういう意味では、あそこで言うところの1、2、3レベルは着々と進むでしょうと。
 これは私たちのころと比べても、今、外国人の顔を見て泣いちゃう子とか逃げ出す子というのはいないわけで、社会に出るまでに一回も海外旅行をしたことのない人というのは、そういないわけですよね。これはもう劇的に違うわけです、円高前に社会に出た私たちと。もう皆さんのころはそうでないかもしれないけれども。ただ、そういう意味ではいろいろ言われていますけれども、1、2、3レベルは着々と改善されていると。
 ただ、問題は4と5、つまりバイラテラルなネゴシエーションとかコミュニケーションとか説得とかができる、あるいは5段階のマルチラテラルのネゴシエーションとか、そういうグローバルな真剣勝負ができるための英語を駆使できる人がどれぐらいいるのかということであります。
 ここは学習指導要領だけの対応では、やはり限界があると。だから、学習指導要領でやれることはやってきて、それは一定の成果を収めつつありますと。ただ、国家戦略のもとでやってきた推進会議は、ただ文部科学省、あるいは学習指導要領の枠組みだけでは、要するにここまでと、ある程度もここまでと。ですから、1、2、3レベルのところについての底上げ、あるいは平均を上げていくと、ここはできているかもしれないけれども、しかし、そういう意味では正にグローバル人材、真のグローバル人材というレベルのところの対応を必ずしもやってこなかったと。そこは今までは、ある意味で自主努力というか、こういうことでしたと。しかし、そういう人材は必要なので、これから。高校と大学と企業と保護者と、それから政府、この5者が一緒になって、かなりそのことを意識した社会運動をやっていかないといけないですよねということであります。
 その際の最大の問題は、やはりグローバル人材育成推進会議の中でも指摘されておりました。特に明石さんのヒアリングなんかでも言われていましたけれども、大学の、いわゆるマルチプロチョイス型の英語の入学試験と、いわゆる「受験英語」と、明石さんのヒアリングの言葉を借りると、ネイティブスピーカーでも全問正答できない、非常にいわゆる難問奇問的な受験英語ということに、高校のかなりのエネルギーを割かせていると。そのことを、やはり使える英語をきちっと勉強し、そのことが大学入試によっても評価をされるというようなところというのは、大きなボトルネックの解消のポイントの一つだと思います。
 それから、やはり就職のときに留学経験とか使える英語をできるということが、必ずしも、それを促進するような就職活動になっていなくて、むしろ留学に行っていると就職戦線に乗り遅れると。要するに、就活の早期化というものが、より使える英語を磨こうという学生の意欲に応えていないという現象があるので、こういうことを直していく。できれば使える英語を一生懸命学んで、高校、大学通じて学んできた人たちが、就職においても評価されるようにと、こういうことを企業には促していると。そして、保護者の皆さんには、受験英語はできて、いわゆる有名大学に入っても就職口はありませんよと。今、日本の企業はジャパニーズユニバーシティーパッシブになっていて、日本の大学からの採用者数は、軒並み多国籍企業においては減らしていると。一方で、海外ないし留学生採用の枠を一挙に増やしているわけでありまして、こういうやはり現実も、きちっと保護者の皆様も含めて御理解をいただいて、みんなで好循環を作っていきましょうと、こういうことであります。
 そうすれば、高校の中でも、そういうレベル4とか、レベル5の素地になるような高校の学びを推進するモデル的な学校も出てくるだろうし、文科省としては、そういう学校を応援していきたいということです。

(了)

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成23年07月 --