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髙木義明文部科学大臣記者会見録(平成23年4月15日)

平成23年4月15日(金曜日)
教育、科学技術・学術

髙木義明文部科学大臣記者会見映像版

平成23年4月15日(金曜日)に行われた、髙木義明文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

髙木義明文部科学大臣記者会見(平成23年4月15日):文部科学省(※YouTube文部科学省チャンネルへリンク)

髙木義明文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 まず、私の方から申し上げます。
 本日、第1回の原子力発電所事故による経済被害対応本部が開催をされました。そして、原子力災害被災者に対する緊急支援措置が決定をされました。この決定では、原子力災害対策特別措置法の規定に基づく指示に従い、避難、屋内退避を行っている住民の方々に対して、東京電力が、避難、国内退避による損害への充当を前提に、当面の必要な資金を可及的速やかに寄与することとしております。
 文部科学省においても、原子力損害被害者に対する賠償が、できる限り速やかに実施されるよう、原子力損害賠償紛争審査会における審議を速やかに進め、原子力損害の範囲の判定等の指針をできるだけ早く、早急に策定するなど被害者の保護などに万全を期してまいりたいと思っております。
 こちらからは以上でございます。

記者)
 紛争審査会の関係でお伺いします。屋内退避を行っている住民などに対して、当面の資金を寄与するということを決定されたということなんですけれども、紛争審査会の中でもそういった、今回仮払いを速やかに行う住民に対して、早期に一部の指針を示すというようなお考えがあるのかどうか。今後、経済被害対応本部とどのような連携を図っていくのかという点について、お願いします。

大臣)
 まず、今日御案内のとおり、今日の夕刻、第1回の紛争審査会が開かれます。まずは会長の互選から始まりまして、各省庁から今般の被害の全容について、それぞれ報告があります。その報告を受けながら、今後の進め方を決めることとしております。
 したがって、いずれにいたしましても、私どもとしましては慎重な、あるいは丁寧な審議をすることはもとよりでありますが、できるだけ被災者の救済ということをかんがみますと、できるだけ早く結論を出していただくと、こういうことをお願いをしたいと思っております。

記者)
 福島県内の子どもたちが、屋外で活動していいかなどの安全基準について、福島県内からも早期に示すことを求めるような声が上がっています。
 原子力安全委員会が10ミリシーベルト以下に抑えるのが望ましいのではないかというような発言を一昨日しまして、昨日その点については撤回されたんですけれども、そういった情報の混乱が生じていることに対して、どのようにお考えになるのか、いつぐらいにその安全基準について示せそうかということをお願いします。

大臣)
 原子力安全委員会は、昨日、記者会見を行いまして、既に見解があっておりまして、子どもが年間に受ける放射線の線量を年間10ミリシーベルト以下とするとした委員の見解を、原子力安全委員会の組織的な見解ではないと否定をしたと承知をいたしております。
 私どもとしましては、子どもの安全確保のために、学校教育活動の考え方については速やかに示して発表したいと思っております。現在、文科省を中心として検討しておるところでございますが、現段階では、原子力安全委員会の助言を求める段階には至っていない、こういうことでございます。
 なお、そのことについては、これは既に4月5日から7日において、福島県において県内の保育所、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校について、空間線量率を測定をしております。この結果を踏まえて、これは昨日14日、より詳細に実態を把握することをねらいとして、文部科学省では、この4月5日から7日、福島県が行った調査結果の中で、比較的高い測定結果が得られた52校の学校を選別をいたしまして、1校当たりの測定ポイントを増やしております。
 例えば、教室の中、そして教室の中でも窓側、あるいは体育館、もちろん校庭などもそうですけれども、校庭の土壌を採取する等の詳細な再調査を実施したところでございます。現在、その再調査の結果を分析をし、その取りまとめ作業をしておる段階でありまして、この取りまとめ次第、結果を公表することにしております。
 文部科学省としては、これらの調査結果を受けて、原子力安全委員会の助言を踏まえながら、学校内外の活動についての考え方を速やかに決めてまいりたいと思っております。

記者)
 昨日なんですが、日本政府観光局が、日本を訪れる外国人の方の数を試算した、これは震災の後で、昨年に比べると73パーセント減少と告げていました。
 文部科学省としては、外国からの留学生の確保についても進めてこられましたが、この数字が示すように、おそらく相当の落ちはあるのではないかというふうに推測されます。
 それで、外国人留学生の日本離れというか、それに関しての大臣のお考えと、また、日本で学ぶことを検討されている外国人留学生に対して、何かメッセージがあればお願いできますでしょうか。

大臣)
 今御指摘の、この東日本大震災に関連をして、外国人の留学生が本国に戻っておるという状況については、さまざまな報道がされております。私も3月27日に福島県に入りまして、県庁あるいは教育庁、そしてまた避難所、高等学校、あるいは福島県立医科大学、そして福島大学、こういったところの状況を調べてまいりました。
 そのときに、福島大学におかれても、中国の留学生が皆さんお帰りになっておると、こういうことも学校側からお話がございまして、これは一部でありましょうけれども、そのようなことがあっておるということについては、極めて残念なことでございまして、私どもとしては、あくまでも正確な放射線量等のモニタリングをしまして、これを発表して専門家の知見を踏まえて、直ちに健康に影響はないんだと、こういう所見もいただきながら情報を出しております。
 こういったことを踏まえられて、冷静に対応していただきたいものだと思っておりますし、なお、各国の大使館の皆さん方にも、そのことについて外務省も説明をしておられますし、また、文科省の日本語版及び英語版のホームページでも、そういう情報提供を行っておるところでございます。
 留学生のやりとりについては、これは重要なことでございまして、私たちとしては、これは関係省庁とも連携をして、今後とも外国人留学生に対して、しっかりした情報提供を行って、日本で安心して勉学ができるように努めてまいりたいと思っております。

記者)
 今朝の対応本部に関連してなんですけれども、東電の側が仮払いについて、動きが多少鈍いんじゃないかという指摘がありますけれども、その前提となる賠償の指針とかが示されていない中で、仮払いをするということに抵抗があるんじゃないかというふうに言われていますけれども、大臣御自身としても、紛争審査会の指針は指針としてできるだけ早くつくるにしても、その前に東電が早く、今日決めた支援策を早急にやってほしいというお考えですか。

大臣)
 そうですね。審査会の審査は、今日第1回でして、これは全体として速やかに結論を出していただきたいのは私の思いでございますが、しかし、かといって、拙速な結論ではいけないだろうと思っております。
 そういう意味では、タイミングとしては幾らかの日時はかかると思っております。その間にも、やはり既に政府の指示によって退避をされたり、あるいは出荷停止を余儀なくされたところは、やっぱり日々の生活もございまして、そういうニーズもありますから、これはこれとして速やかに対応すべきものだと、こういうことで、今日の本部長からの提案について、皆さん方として確認をしたところでございます。

記者)
 対応本部と紛争審査会、同日、今日の第1回目ということですけれども、これは議論が並行して進んでいくことになるんだと思いますが、大臣のお考えとして、審査会の議論の中に、ある程度の対応本部の考え方、そういったものが盛り込まれていくべきだというふうにお考えでしょうか。それとも審査会はあくまでも独立の立場で審議を進めて指針を策定するべきだとお考えでしょうか。

大臣)
 それは本部の今日の会合の様子は、もちろん各委員の皆さん方にも提供されております。また、されるだろうと思っております。別に非公開のところじゃありませんから、おそらく今日は会見をしまして、その模様について明らかにしております。そういうことでありますけれども、やっぱり審査会は審査会として、独自に御議論をいただいて結論を出していかれるのではないかと、このように思っております。

記者)
 TBS報道特集の金平と申しますが、短期的な視野からの質問ではないんですが、文部科学省は学校教育の現場で、原子力について、原子力発電についてとか、教育全般について、これまで資源エネルギー庁と連携して、小学生、中学生、あるいは高校生を対象に原子力についての理解を深める目的ということで、たくさんの副読本とか、そういうものを配布していますよね。それから、あるいは教師を対象とした研修会、セミナーを主催なさっていると。
 そういう意味では、原子力推進の広める役割をこれまで担ってきたというふうな認識でよろしいかと思うんですが、そこで大臣にお伺いしたいのは、今回の震災とか原発事故を受けて、教育現場でこれまで行われてきているような、こういうようなエネルギー原子力教育の大きな方向性みたいなものを見直すとか、そういうようなお考えはございますか。

大臣)
 これは今、開会中の国会、いわゆる委員会の中でも指摘をされておるものでございまして、これまでの原子力の需要については、学習指導要領に基づいて児童生徒の発達段階に応じて、主に中学校や高等学校、社会科、あるいは理科の教科書において記述をされております。
 例えば中学校の社会科においては、エネルギーに関する課題について記述する中で、まず第1番目に、原子力発電は、わずかな核燃料で大きなエネルギーを得ることができること。2つ目には、他方、事故が起こると周辺地区に多大な被害を及ぼす危険性もあることと。
 また、中学校の理科においては、エネルギー資源の利用に関して記述する中で、1つは、核燃料は少量で莫大なエネルギーを得られること。2つは、他方、これまた他方ですね、事故が起きた場合の放射能汚染の防止や使用済み核燃料の安全な処理など、解決しなければならない問題が残されていること、こういう原子力発電のメリットとデメリットの両面を、バランスを配慮した記述になっております。
 私どもとしましては、そういうことを踏まえて、しかし、今回の事態を受けて、改めてやはり原子力の利用について、これは正に客観的な知識を得る、あるいは多様な意見があることをまず学ぶこと、そして、それに基づいた考え方、あるいは判断力を身につける、こういうことが大切であろうと思っております。
 このため、平成20年に改訂をしました小中学校の新学習指導要領においても、先ほど申し上げましたように、火力、水力、原子力などの発電の仕組みやそれぞれの特徴について理解させることと、あるいは一方で、太陽熱、風力、地熱、バイオマス、こういったエネルギー、いわゆる再生可能なエネルギーの開発についても教えておりますし、例えば原子力の利用とその課題などをテーマとして取り上げて、科学技術の利用の長所と短所を整理をして、科学的根拠に基づいて発表や討論をすることが重要だという、こういう学習の充実を図っていかなきゃなりません。したがって、今回の事態を見て、改めるべきものは改める、また進めていくべきは進めていく、こういうことだろうと私は思っております。

記者)
 今のお話ですと、メリット、デメリットは非常にバランスを配慮した形で、現在の学校現場での教育は行われているというのが大臣のお考えのようですけれども、例えば大臣は教育現場で配られている副読本とか、あるいは教諭を対象とした研修会でどういうことが行われているのか、実際に御覧になったんですか。

大臣)
 その副読本は見ました。

記者)
 いや、研修内容とか、あるいは副読本についても、大臣の目から見て、これはバランスがとれていると、配慮されているというふうにお感じになっていますか。

大臣)
 いや、その中にも、そうではない事項がございます。
 例えば「津波によっても安全は保たれる」という記載があることは承知しております。これについては、見直さなきゃならぬと思います。

記者)
 何重にも防護が行われていて、放射線が外に漏れることはないというような記述とか、そういうものがあります。そういうことについても、バランスがとれているというふうにお感じになっていますか。

大臣)
 いや、だから、それは今回の事実と受け止めて、見直すべきものは見直なきゃなりません。

記者)
 見直すべきものは見直すと。

大臣)
 はい、見直します。見直します。事実と反したことについては、事実を表現できるようなことにしなきゃなりません。

記者)
 現時点で見直すべき点は、何らかあるというふうにお考えでしょうか。

大臣)
 そうですね。具体的には委員会でも指摘をされましたけれども、そういった、例えば大きな津波においても、安全はしっかり担保されるという記載がございました。私はこの目で見ましたから、それが今回はそういうことになっていないものですから、これは当然見直す一つの具体的な記載だと、記述だと思っております。

記者)
 昨日の委員会でその質疑がありましたけれども、今御紹介にあった理科の教科書、中3の学習指導要領の教科書では、何ミリシーベルトを人が浴びたら健康に影響があるか記載されています。
 大臣は昨日の委員会で、20ミリシーベルトを被ばくしたら健康に影響が出ると御答弁されていますけれども、これはどういう根拠に基づくものでしょうか。

大臣)
 これは今、これも先ほどの調査とも関連がございまして、学校教育活動における子どもたちの健康、安全にかかわる重要な一つの値として、今20ミリシーベルトを基本として議論がされておることは承知をしております。
 ただ、それも丁寧にということで、昨日も、先ほど申し上げましたように再調査をしておりまして、再調査を踏まえてから最終的に原子力安全委員会などの助言を得て決めて、考え方を発表していきたいと思います。
 なお、この20ミリシーベルトというのは、いわゆる国際放射線防護委員会の基準、この基準のある意味では厳しめにとった値だと、私は認識をしております。

記者)
 つまり、20ミリシーベルトというのは健康に影響はないんです。そう原子力安全委員会が言っているわけです。大臣御自身に、そうした混乱があることについて、原子力安全委員会の原子力工学の権威が、技術的な見地から見解を述べたことに対して、この非常時にもかかわらず同席された加藤重治元高等局審議官が、あたかも10ミリシーベルトを目安にするように文部科学省に伝えたかのごとく記事に書かれたことは、ふさわしくないと不快感を示されています。それは私たち報道陣に対して、原子力安全委員会は独立した組織ではなく、一行政省の管理が言葉の端々にまで及んでいることを物語った事態だと思っています。
 ですから、こうしたことが行われると、原子力安全委員会も本当に独立した委員会で、その話を我々が国民に伝えていいのかどうかも揺らいできますので、昨日の事態は、むしろ大臣はこの1週間、何も文部科学省から原子力安全委員会に対して助言要請をしていないことを国民及び原子力安全委員会に謝罪すべきであって、審議官1人が記事をめぐって原子力安全委員に対して謝罪させることではなかったのではないかと、このように思うんですが。

大臣)
 これは原子力安全委員会としての対応でありまして、私の方から原子力安全委員会に、ああしてほしい、こうしてほしいとか、あるいはそうすべきであったという論評は、いかがなものかと思っております。
 今お話のあっている件については、私たちは当然20キロ以遠、あるいは30キロ以遠のところをモニタリングをしておりまして、これは毎日報道しておりますけれども、そういう中でも特に数値の高いところ、いわゆるこれが今日、明日の話ではありませんで、事態の収束は私たちとしては1日も早く望んでおるんでありますが、こと子どもに対しての学校活動からすると、そうあちこち頻繁に移動するわけにいきません。
 少なくとも、いわゆる積算放射線量ということに着目をすれば、やっぱり1年間で20ミリシーベルトを超えないほうがいいと、こういう私たちの判断もございまして、この点について、安全サイドを見込んだ意味で、今それを丁寧に決めさせていただいておると、こういうことでございますので、私たちとして、あくまでも安全委員会の、昨日は、私たちも十分承知をいたしておりまして、そういう知見については、これからも是非参考にしなければならないと思っております。

記者)
 ちょっと補足でよろしいでしょうか。先ほどの関連で、学校現場に配られている副読本ですね。私は今、実は手元に「わくわく原子力ランド」という小学校の4・5・6年生対象の新学習指導要領に対応したものがあるんですけれども、これは発行が文科省と、それから資源エネルギー庁ということになっていて、製作が原子力文化振興財団。
 素朴な疑問なんですけれども、こういう原子力文化振興財団とか、そういうものが製作したものを、文科省が学校現場に配布するということについては、手続上、あるいは内容の審査上、何ら問題がないというふうにお考えなんでしょうか。

大臣)
 この副読本の件については、学校現場には多種多様なものが配布をされまして、私どもは一つ一つそれを見たり、そしてそれをチェックをするということは不可能でございます。
 ただ、今おっしゃられたのは、文部科学省が発行というふうに書いておられることについて、これは重要なかかわり合いがあるのではないかということでございますが、私たちとしては、あくまでも参考資料として、各学校に1冊、それをお配りをしておるという状況について承知をいたしております。

記者)
 こういうものが、今こういう電子時代ですから、オンラインでダウンロードできるように、こういう「原子力ランド」はなっていたんですが、2日ぐらい前からダウンロードできなくなっているんですね。これはどういうことなんでしょうか。

大臣)
 これは先ほど私が申し上げましたように、今回の事態から合致していない記述があるものですから、これについてはもう見直すという意味で、特にダウンロードできないようにしたということでございます。これは見直しの一環でございます。

記者)
 原子力安全委員会なんですけれども、1人の委員としての見解ではありますけれども、年10ミリを目安とすべきだということが表明されたことについては、どういうふうにお考えになりますか。

大臣)
 これは昨日、原子力安全委員会が組織として発表したものでない、いわば原子力安全委員会としてオーソライズされたものではないんだと、こういうことでございますので、私はそれはそうだと認識をしております。
 したがって、原子力安全委員会の各委員の皆さん方が、それぞれ個人的にはいろいろな、また御見識もお持ちでございます。それを原子力安全委員会の一致された意見だと、また違ったケースが出てくると思いますが、それはそれぞれの持ち場・立場で、その構成員たる委員の皆さん方が、今、記者会見をする者はどういう立場でされておるのかというのを、お互いに認識をしていかなければならない問題だと思っております。

(了)

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大臣官房総務課広報室

-- 登録:平成23年04月 --